放射能・電磁波・化学物質被害を広める 妊婦帝国主義
[第134回]
私は住宅建築請負業の会社に、最初に勤めてからの年数で20年以上、実際に勤務した期間で考えても20年近く勤めました。 健康に良い住まい というのは、昔も今も多くの人が考えることですが、私が最初に勤務した1980年代終わりには、特に注目されていなかったもの、言われることはあってもはっきりとは理解されていなかったもので、今日では無視して進むことができなくなったものがあります。 「健康に良い住まい」という意識は変わらなくても、その内容は変わってきています。
[1] 「放射線」「放射性物質」についての対策については、1980年代終わりにおいては、原発は危険なようだと少なくない人は思っていましたし、又、1992年に私が東京都江東区において勤務した総合住宅展示場に、「核シェルター」となる建築物を出展していた会社がありましたが、その会社は、そこに出展することで存在をアピールしていたのであり、家1軒建てるだけで大変な状況で、核シェルターまで持つのは、一般庶民にとっては現実的な話ではありませんでした。
2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故により、放射能による被害は、もはや、「人ごと」でも「将来のこと」でも「千年に一度のこと」でもなくなりました。
比較的近くで原発事故が起こった時、「屋内退避」した場合に、「放射線」を止めることができるかどうかという点では、桜井 淳 『緊急改訂版 〔原子力事故〕自衛マニュアル』(2011.4.15.青春出版社)に「原子力 2009」より引用されている図によれば、
1. アルファ線・・・・紙 で止めることができる。
2. ベータ線 ・・・・アルミニウムなどの薄い金属板で止めることができる。
3. ガンマ線、エックス線 ・・・・鉛や厚い鉄の板で止めることができる。
4. 中性子線 ・・・・水やコンクリートで止めることができる。
ということですので、とりあえず、新築する際に考えられることとしては、普段、雨戸を閉める習慣のない家でも、金属製の雨戸をすべての窓に一通りつけておくようにした方が良いのではないでしょうか。
壁の部分を考えれば、鉄筋コンクリート造のマンションの方が木質系や鉄骨系の戸建住宅よりも「放射線」は遮る可能性は高そうですが、鉄筋コンクリート造のマンションの場合、窓には雨戸がついていない場合が多いと思えますし、戸建住宅の場合は、持家ならすべてが自分の物なので、つけようと思えばつけることができますが、マンションの場合、窓は「専有部分」ではなく「共用部分」とされている場合が多く、個人の判断でつけることは難しい場合が多いと思われます。
コンクリート系の戸建住宅はその点で良いのではないかと考えがちですが、プレキャストコンクリート(PC)造の戸建住宅の壁は、コンクリートとはいえ、マンションなどの壁よりはるかに薄く、逆に木質系や鉄骨系の戸建住宅でも、外壁材に使用するサイディング壁は、放射線に対しては、ある程度、コンクリートと似た働きをするのではと考えられます。
混構造として、1部屋だけ、コンクリートでほとんど窓のない部屋を作り、出入り口も厚い鉄製の扉として、普段は物置にでもしておいて、いざという時は、そこに家族全員で避難するようにするというのは、核シェルターを家庭に設けるより現実的かもしれません。
かつて、造成バス(浴室)の場合、1階の壁のなかほどくらいまで、基礎のコンクリートをたちあげてつくっていましたが、最近ではユニットバスの方が一般的になり、基礎のコンクリートを高くたちあげての造成バスは少なくなりましたが、原発事故で放射線が飛び交うようになった場合の避難所としてコンクリートを天井くらいまでたちあげるような造成バスを設けておくというのも、ひとつの方法かもしれません。
事故の後、 「放射性物質」に洗濯物をさらさずに干したいが、なおかつ、天日にあてるようにしたいという場合を考えて、サンルームを設置しておくということが考えられます。まったく、隙間がないわけではないとしても、とりあえず、「屋内」として外からの「放射性物質」は防ぎ、かつ、天日にあてることはできるわけです。
しかし、その前に、建物がどうかの前に、住む人間にできることとして、原発事故が発生したならば、屋外に出していた物は、どうしても必要でない物は、屋内に持ち込まない という基本的態度を守ることでしょう。 その姿勢をきっちりと取ることが、まず、大事と考えるべきでしょう。 『緊急改訂版 〔原子力事故〕自衛マニュアル』には、
≪ ・・事故発生の第一報を聞いたら、まず建物の中に入るのが鉄則です。 もし自宅で聞いたのなら、とりあえず外に出ないようにすることです。
しかし、それだけでは危険を回避することになりません。 では、まずすべきことは何でしょうか。
(1) 洗濯物や、庭やベランダに置いてあるだいじなものをすぐに取り込む
(2) すべての窓を閉める。
(3) ビニールテープやガムテープで窓やドアの隙間を塞ぐ
(4) 換気扇が回っていれば、すぐに止める
・・・・・・・
外にあったものは、もしかするとすでに放射性物質を浴びている可能性もあります。 処理については後で述べますが、とりあえずビニール袋やポリ袋に密封して、部屋のすみや玄関等に置いておくといいでしょう。
・・・・・
・・・もしひごく汚染されていたら、廃棄処分にします。 ・・・・
以上のことは、洗濯物だけではなく、自転車、鉢植え、サンダルなど 、緊急に外から家の中に取り込んだものすべてについていえます。 事故後も捨てずに使い続けるなら、よく洗うことが大事です。 ・・≫と述べられています。
私の場合、2010年までは、毎年、母の日には、カーネーションの鉢植えを買っていましたが、2011年・2012年は購入は控えました。
[2] 「有害電磁波」「電磁波」「電波」という3つの言葉は、どう違うかというと、基本的には違いはありません。 有用なものとして考える時に「電波」と言うことが多く、「電波」と「電磁波」に違いがあるわけでもなく、「電磁波」に「有害電磁波」と「有害」でない「電磁波」があるわけでもなく、一般に「電磁波」は健康に良いか悪いかといえば、良いものではないのです。 但し、電気製品を使えば電磁波は発生するし、使わなくても、電線の周囲には規模の大小はさておき、電磁波は発生しているはずなので、電気製品について、電磁波との関係で、どれを使用し、どれを使用しないようにするかを、それぞれの人が自分で個々に判断しなければならないことになります。
1980年代の終わりには、「電磁波」はそれほど世間では注目されていませんでした。 私が住宅建築請負業の業界に入った1989年か翌年、書店で、藤本憲幸『しのびよる有害電磁波の恐怖』(1989.12.22. 大陸書房)を買って読みましたが、著者は「ヨガの研究者」ということで、少々、感覚的なところもあり、そうである可能性もあるとしても、そのままその通りと考えるべきか判断をためらったところもありました。
1990年代の初めに携帯電話というものが出てきましたが、最初の頃は、贅沢品のような感じがあり、多少、贅沢で、多少、新し物好きの人間が持つものという性質があったと思います。 その後、携帯電話は一般に普及してきますが、2000年前後くらいにおいては、相当、普及してきたのに対して、その頃から、電磁波は人体に有害であり、特に、携帯電話のように体に接して使うものは害が大きいと言われ、電磁波の危険性が認知されてきました。
携帯電話は電磁波の点からは好ましくはないのですが、利便性から使わないわけにいかないものになりました。 携帯電話とともに、やはり、使用しないで生活するのは難しいものとして、パソコンが普及しました。
そして、その後に登場したのが、IHクッキングヒーターとオール電化住宅です。 住宅展示場では、I Hクッキングヒーターを展示場のキッチンに使用する会社が多くなりましたが、住宅展示場の場合は、多少、新しい物、目を引くもの、変わったものを取りつけた方が印象に残って契約につながりやすいということで、I Hクッキングヒーターを展示場のキッチンに取りつける会社が多くなったようですが、私は、ひとつの選択肢ではあっても、そこまでいいものかという疑問は感じていました。 東京電力や住宅メーカーは、電磁波の規模として、他の電気器具と比較して大きくないということを言っていたのですが、大きいか小さいかとは別の問題として、携帯電話やパソコンは、電磁波の規模が大きくても小さくても、まったく使わないで生活するというのは極めて難しい世の中になってきたが、それに対して、I Hクッキングヒーターは使わなくても、ガスコンロというもので炊事はできるはずであり、電磁波を発生する器具を使用するかどうかという時、発生する電磁波が大きいか小さいかではなく、電磁波を発生させないものでその用途で使える器具があるかないかから考えるならば、I Hクッキングヒーターは、あえて使う必要のないものではないかと考えたのです。
又、ガスコンロよりも安全だという説があったようですが、安全であってもなくても、高齢者の場合、今までガスコンロを使ってきた人は、その後も、ガスコンロなら使えるが、I Hクッキングヒーターを使ってもらおうとしても、高齢者にとっては使用法を覚えるのが大変であり、高齢者の同居する家では無理ではないかとも思えました。
建売住宅を扱っている売買の不動産業の方が中心で建築もおこなっている千葉県のT社に勤めた時、購入して分譲した土地で、前面道路に都市ガスが通っていない場合に、「オール電化」として、実際には、都市ガスが通っていないという分だけ不利な土地であるにもかかわらず、「オール電化」だということで、なんだか、すばらしい場所・すばらしい家であるかのように表現していたことがあり、かつ、その表現でチラシなどを作っていた人が、建築やキッチン、あるいは、電磁波についてよくわかっていたかというと、ほとんどわかっていない人であったのを見るなどして、「オール電化」や「I Hクッキングヒーター」などを勧める人というのは、大部分が自分自身がわからずに勧めているということに気づいたのでした。
「オール電化住宅」というものは、最初に聞いた時に違和感を覚えました。 1980年代前半、大学生であった時、一般教養の「物理学」の講義の時、その頃から、原子力発電所の危険性は言われていましたが、原発をなくすにはどうすればよいかという点で、
1. 原発以外の発電方法を考える。 火力・水力以外のものとして、風力・地熱発電・潮流利用の発電・太陽光発電など。
2. 企業の自家発電設備の利用。
3. 年間で、もっとも、電力需要の大きい時期での、電力の節約。 及び、電気はためることが難しいので、最も使用量が多い季節の使用量が多い時間帯に合わせて発電しなければならないが、ガスならばためておいて使用することができるので、使用量の多い時期に使う器具で、電気ではなくガスでできるものはガスでおこなうようにする。 具体的には、夏、8月の高校野球の決勝戦の日の決勝戦がおこなわれている時が、冷房を使い、かつ、全国的にテレビを見るので、最も使用量が多いと言われていたのですが(2011年・2012年は決勝戦は午前中におこなわれました。よいことだと思います。)、その時、冷房はガスでもできるので、冷房を電気ではなくガスでやるようにすれば、相当に節電できる。
・・・といったことが言われたのです。
そして、私が住宅建築請負業の業界に入った年の1989年に、担当させていただいたお宅で、冷房をガスでおこなったお宅があったのです。 ところが、その後、ガス冷房は普及せず、特に、家庭の冷房は電気式があたりまえのようになりました。
〔現在でも、ガスによる冷房設備はありますが、一般に、家庭ではなく、オフィスビルなどで、「ある程度以上大規模」で、「継続的に使用」する場合にガス冷房は使用されることが多いようです。〕
そして、「オール電化住宅」の登場です。 電気はためることが難しいが、ガスはそうではないので、ガスでもできるものはできるだけ、ガスでやるようにすれば、特に、年間で最大使用量となる時の電力重要を小さくすることができるはずでなのに、なぜ、それに逆行する「オール電化住宅」など言うのだろうか、と疑問を感じたのですが、「オール電化住宅」を広めようとしている業者の営業の人がそのあたりをよくわかっていたかというと、わかっていないけれども、仕事だから営業やっているという感じでした。
そして、2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故により、「オール電化住宅」ははやり(流行)ではなくなりました。 あっという間に。 I Hクッキングヒーターも、はやりでなくなってきました。 東電も、今は、「オール電化住宅」をアピールするどころではないようです。 「東京電力オール電化推進パートナー」として、登録した工務店がありましたが、多くは、「東京電力」という公共企業の「パートナー」となることから信用性を得ようとしてのものでしたが、「東京電力」という名称が、信用を与える名称ではなくなったことから、あえて、非難の的のようになっている会社の「パートナー」を名のりたい工務店はないようです。
それで、「電磁波」についてはどうなのか。
≪ 電子レンジは、最近、各家庭に次々に増えつつあります。 コンビニエンスストア―にいけば、ハンバーガーを温めるとか、ホットドッグを温めるとかで必ず使っているし、ちょっとした小さなレストランでも、電子レンジで物を温めて出すというのが普通になりました。 電子レンジは、今や必需品になりつつあります。
ところが、この電子レンジが危険な物だという話が、世界中の学者の間から出てきたのです。そもそも電子レンジというものがどのようにしてできたものかといいますと、アメリカで軍事目的で懸命に研究されていたレーダー開発が、電子レンジの思ってもみなかった大発見につながったのです。レーダーに用いられているマイクロ波というのが温度を上げるということがわかり、これは非常におもしろいと研究されていったことから、この電子レンジというものが作りだされていったわけです。
・・・・・・
電子レンジはこのようなレーダーと同じマイクロ波、すなわち、高周波を使っていますが、これを使うと、熱が発生してきて、近くにいる人の体温は上がってきてしまいます。 体温が上がっていちばん困るところは目です。眼科医学では眼球温度が四度あがるだけで白内障になるといわれているのです。
例えば、電子レンジの害について研究しているスウェーデンのゴート・ボーク大学医学部のハンス・アーン・ハンスソン博士は、年齢三十五歳から六十五歳までの男性を調べた結果、前頭葉症状が起きているといっています。
すなわち前頭葉症状と呼ばれる頭脳傷害の兆候が、次々と発見されたと報告しているのです。
この前頭葉障害というのは、注意力散漫それから記憶力喪失、物忘れがひどいという脳における障害のことをいいます。
ですから、独身生活をしていて、冷たい物ばかりを食べるのはつらいからということで、いつも電子レンジを使っていると、この前頭葉症状になってくるというのです。 受験生、あるいは独身のビジネスマンがこの症状になり記憶力が衰えていき、しかも仕事をやろうとか勉強をやろうというときに、集中力があちらこちらに散漫になるとすれば、これは大変なことです。 今まで自分が経験したこと、あるいは、つめ込んだ知識というものが、すべて消えていってしまうのですから、これはなんとかしなければならない大問題だと思います。 ≫
( 藤本 憲幸『しのびよる有害電磁波の恐怖』(1989.12.22. 大陸書房) )
≪ 電磁波には発ガン作用、さらにガン増殖作用があります。 「強い低周波の電磁波に、わずか24時間さらされただけで、ガン細胞の増殖スピードは最大24倍となる」。 アメリカのジェリー・>・フィリップス医師のマウスによる実験報告は衝撃的です。 ≫
≪ 人間は、赤ちゃんからお年寄りまで、毎日、身体のなかで平均5000個のガン細胞が生まれています。 大人なら体内に数百万から数億個のガン細胞が存在することが“正常”なのです。健康なひとでも、体内に“ガン細胞が存在する”。
・・・・
それでもガンが大きくならないのは、体内をパトロールして日夜、ガン細胞を攻撃、死滅させるNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)が存在するから。 これは免疫細胞の仲間です。
ところが、I H調理器などから出る強い電磁波を受けると、毎日5000個も生まれているガン細胞の分裂速度が24倍に加速される。するとNK細胞の攻撃も間に合わない。
つまり、「オール電化住宅」で必ず購入を強制されるI H調理器は“ガン増殖装置”にもなっているということなのです。 ≫
≪ 妊娠中に16ミリガウス以上の電磁波を一時的にあびるだけで、流産のリスクがはねあがるという研究報告があります。 流産全体では1.8倍増、初期流産では2.2倍、感受性の強い(流産歴がある、妊娠しにくい)女性は3.1倍にも達する。 強い電磁波を放つI H調理器を使用するのはあまりにも怖い。 ≫
(舩瀬 駿介『真実(ホント)は損するオール電化住宅』(2009.1.30. 三五館)
我が家では、電子レンジは必要ないということで持ちません。 調理機器としては、ガスコンロがあり、ガス式のグリルがあり、オーブントースターがあります。 ガスコンロでも、網で焼く、フライパンで、鍋に湯をわかして煮る、などの方法があります。これだけでも十分に使いこなせていないのに、さらに、電子レンジまで購入する必要があるかというと、その必要性を感じないのです。 I Hクッキングヒーターを欲しいと思ったことはないのですが、ガスコンロであれば、鍋でもフライパンでも様々な方法で調理ができるのに対して、I Hクッキングヒーターでは調理法が限定されるのと思われます。 何より、『美味しんぼ(おいしんぼ)』とか『味いちもんめ』とか『築地魚河岸三代目』とか『ラーメン発見伝』『ラーメン才遊記』に出てくる料理人で、I Hクッキングヒーターなんか使っている人間はいないはずなのです。
〔3〕 そして、「室内化学汚染」・「シックハウス症候群」・「化学物質過敏症」の問題。 住宅やオフィスの室内に使われている建材で有害な物質を放散するものがあった時に、その結果として室内の環境が悪化するのが「室内化学汚染」であり、住宅において、その結果として健康を害した状態が「シックハウス症候群」、ビルにおいて健康を害したものは「シックビル症候群」と言います。
田辺新一『室内化学汚染』(1998.7.20.講談社現代新書)には、「トータル・ボディロード」として、石川哲著『化学物質過敏症ってどんな病気』(合同出版)からの引用の図が描かれています。 バケツに水を注いだ時の状態にたとえて、人間は、少しの化学物質を体内に取り込んでも、即座に体調不良をきたすものではないが、「環境的要因」「遺伝的要因」「老化」という水道が上からバケツに注ぎこみ、水がいっぱいになるとバケツからあふれだす。 バケツから水があふれだした状態が「発病」であるというもので、カラのバケツに水が注がれている時は、少々のものが注ぎ込まれてもあふれでないのと同じく発病しないけれども、いったん、バケツからあふれだすようになると、そこからは、少しの水が注がれてもあふれだすのと同じく、少しの有害物質に対してでも、体は反応してしまうようになるという考え方で、少しの化学物質にも反応するようになった状態を「化学物質過敏症」というわけです。
私が住宅建築請負業の業界に入った1980年代の終わりにおいては、「シックハウス症候群」という言葉は広まっていませんでしたが、住宅の室内環境については、「新建材」の使用が問題と言われていました。 20年以上前、何か忘れましたが、週刊誌で、「フランスの『新左翼』は、日本の『新左翼』とは異なって穏健で、」と書かれたものを見たことがあります。 「新左翼」という言葉は、もともと、ソ連型共産党のような左翼とは異なる左翼という意味で、「新しい」という意味はあっても、「過激」か「穏健」かという意味は「新」という言葉にはないので、「穏健」な「新左翼」があってもなんら不思議はありません。 「新興宗教」というと、「うさんくさい」ものが少なくないという印象がありますが、これも、「新興」であるから良いとも悪いとも決まっていません。 「新興」であれば、まだ、社会に定着・安定していないので、「うさんくさい」ことをおこなう場合もあれば、教祖が個人的に好き放題なことをおこなう場合もあると思えますが、「新興」であるから「うさんくさい」と決まっているわけでもありません。 建材にしても、「新建材」であるから有害と決まっていいるわけでもないのですが、実際問題として、古来、使われてきた建材と異なり、有害な「新建材」が少なくなかったのは事実であると思います。
2000年前後頃に、「室内化学汚染」「シックハウス症候群」「化学物質過敏症」は相当に話題になり、合板などでのホルムアルデヒドの放散量についても基準が設けられ、完全に解決したなどということはありませんが、それなりの成果は出ているのではないかと思います。
ここで考えないといけないのは、住宅を新築する場合には、その建物に使用される化学物質だけで考えるのではなく、完成後に持ち込まれる家具などで使用されている化学物質、そして、入居後に使用される殺虫剤などに含まれている化学物質 とを合わせて検討する必要があるということです。 せっかく、有害化学物質の少ない建材を選んで建築しても、入居後に、入居者が有害化学物質をせっせと散布していたのでは、何をやっていることかわかりません。
入居者が入居後に散布する有害化学物質の代表的なものに、くん煙殺虫剤があります。
「週刊金曜日」編『買ってはいけない』(1999.5.20. 株式会社金曜日)の中の 渡辺 雄二「中外製薬 バルサン」より引用します。
≪ 夏になると、家庭内の忌まわしき虫たちがうごめき出す。ダニ、ノミ、ゴキブリ。 1匹、1匹退治するのは困難だ。 そこで、殺虫剤でも使おうかということになる。 もっとも手っとり早いのが、 くん煙殺虫剤。 煙とともに殺虫成分が部屋の隅々まで行きわたり、害虫を殺す。 しかし、部屋中の害虫が死ぬということは、部屋中に毒物がいきわたるということだ。 そのなかで暮らす人間は、毒物を毎日吸い込むことになる。
くん煙殺虫剤の代表と言えば、中外製薬の「バルサン」。・・・・・・「バルサン」には、ダニ・ノミ用の「バルサンPVジェット」と、ゴキブリ・ノミ・イエダニ用の「バルサンSPジェット」がある。・・・・・
共通のペルメトリンは、ピレスロイド系の殺虫剤で、農薬としても使われ、昆虫に対しては神経毒として作用する。 人間が大量に摂取すると、嘔吐・下痢・頭痛・耳なりなどがみられ、重症になると、呼吸障害や震せん(ふるえ)を起こす。「PVジェット」はペルメトリンを1%、「SPジェット」は4%含む。これらは煙とともに部屋に拡散し、床面・畳・天井に残留する。 人間が摂取する量は微量だが、それでも危険だ。 ペルメトリンには発がん作用があるからである。 ・・・・・
「SPジェット」のメトキサジアゾンは、昆虫を殺す力が強く、とくに薬剤抵抗性を持ったゴキブリに効くという特徴がある。 ・・・
・・・・これら(有機リン系のジクロルボス、ペルメトリン、メトキサジアゾンなど)が、疲れ目・頭痛・不整脈・不眠・全身倦怠感などの化学物質過敏症を起こす可能性もある。
部屋の換気をよくする 生ゴミを片づける。 ペットを外に出すなどすれば、ダニ・ノミ・ゴキブリの発生は減らせる。 工夫次第で、危険な くん煙殺虫剤などいらないのだ。 ≫
かつて、担当させていただいた方で、東京都内に住まれていた方で、建てていただいたのは別の場所でしたが、住まれていたお宅は、元・化学工場の跡地だそうで、どうも、地中に化学工場で使用していたものか製造していたものか何か埋まっているらしく、その為らしいのですが、家の中に、ゴキブリ1匹でないという話でした。 そこに住む人間にとっても健康にいいわけないと言われましたが、実際にそうでしょう。
せっかく、問題のない土地に家を建て、かつ、建物に使用する建材について吟味して建てた住宅に、くん煙殺虫剤なるものを散布して化学物質を床・壁・天井や机・椅子その他にへばりつかせ、化学工場の跡地で地中に何ものかが埋まっている土地と同じようにゴキブリ1匹でない状態にしてしまうというのは、愚かと言うしかない。
こういったことを理解し、自分の生活においても、顧客の生活においても役立てるのが建築屋の仕事でありあり方だと考えます。 しかし、職場というところにおいては、それを理解できない人がいる場合もあります。 その会社が建築屋でない場合は、それぞれの職場にはいろいろな人がいるということで、その前提で考えないといけないでしょうけれども、建築屋、特に、住宅の建築屋においては、こういったことをわきまえない人というのは、いったい、どうやって建築屋の仕事をやっていくのかと思います。
私は、大学を卒業して最初に勤めた木質系の某社において、「コンサルタント営業」ということを言われ、顧客の住宅に関する相談に乗り、的確な対応をすることで信頼を得て契約に結びつけると教えられました。 それが王道であると思っています。 顧客の相談に乗るためには、住宅・建築について、相談に乗ることができるだけの知識がないとできません。 もちろん、営業の場合は、知識と営業成績は正比例の関係になるわけでもありません。 知識以外の要素も関係しますし、知識のある者は、それを話したくなりますが、話すことでかえって、営業上、マイナスになる場合もないわけではありません。 しかし、そういうこともあるとしても、やはり、基本的な知識なしで対応できるものではありません。 いつでしたか、ラジオの野球中継で、解説者として出ていた張本勲が「野球のバッターが練習するのにバット振らずに何するんですか。野球のピッチャーが練習するのにボール投げずに何するんですか。」と言っていたことがありますが、住宅屋の従業員が、特に、営業の仕事をしようというような者が、成果を出すために、住宅に関する知識を習得しようとしないで、いったい何やるんですか、ということになると思います。、
ここであげた、「放射能」の問題、「電磁波」の問題、「室内化学汚染」の問題。 この3つについて、私が勤めてきた千葉市中央区鵜の森町 の新華ハウジング有限会社 において経験したことをふまえ、このブログにおいては、
〔第64回〕《受動喫煙より害が大きい受動放射能被害、及び、受動電磁波被害~営業と会社の話(10) 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201109article_4.html
〔第75回〕《シックハウス症候群・室内化学汚染・「化学物質過敏症」は、3つ以上の面から取り組まないといけない。 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201111article_2.html
〔第95回〕《I H調理器の電磁波ガイドラインと放射能汚染の暫定規制値~類似の「低すぎるハードル」 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201205article_1.html
などで述べてきました。
新華ハウジング有限会社の社長・H川Sニ の妻の友人の女性が縁故入社で2011年4月より入りましたが、
(1)5月、放射性物質をかぶっているおそれのあるカーネーションの鉢植えを自分用に買ってきて、自分のクルマの中に置くならともかく、事務所内に持ち込むという非常識なことをするので、私がそれを指摘したが、きかなかったということがありました。
(2)4月、電子レンジを買おう言うので、私が、有害電磁波発生装置である電子レンジなど要らないと言うのに無視して、勝手に、電子レンジを購入して、その費用を会社から出させるということをました。
(3)4月か5月頃、ゴキブリがいたというので、「ギャア~ア」と下品に絶叫し(〔第62回〕《男性社員にゴキブリ処理をさせる方法、もしくは、「営業力のある女」と「ない女」~営業と会社の話(8) 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201109article_2.html 、〔第102回〕《ゴキブリ絶叫女は許容すべきか否定すべきかの考察、及、営業に必要な「垢落とし」が可能か不可能かの問題。 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201206article_4.html 参照。)、その上で、「バルサンたこう」と言いだしたので、私が「ゴキブリの害よりもバルサンの害の方がはるかに大きい」と教えてあげたにもかかわらずきかなかった、ということがありました。
こういう人、いったい、どうすればいいのでしょうか。 住宅屋なら理解すべきことを理解していないだけでなく、理解しようともしないし、20年選手の私が親切にも教えてあげてもきかない。 素直さがない。
知識がないだけならともかく、人の話を聞こうという素直さがない人、いったい、どうすればいいのでしょうか、こういう人は。
こういう人は、特に、営業は無理だと思いますし、住宅の営業、不動産の方ならまだしも、建築の方の住宅の営業は無理だと思います。
その前にはた迷惑なのです。 電子レンジが有害電磁波発生装置であるのは間違いないのですが、自宅で購入して使う分には、好きにすればよいのです。 しかし、職場においては、他の従業員の健康も考えないといけません。 電磁波については、人が感じるものではないと言う人がありますが、実は、私は感じることがあるのです。 電子レンジが作動する時と停止する時、特に、停止する時、衝撃を感じるのです。 又、作動中も、気分の悪さを感じるのです。 感じ方の敏感さの度合いは人により異なるのは不思議なことではないので、私と感じ方が違う人がいてもおかしくありませんが、電子レンジが作動中は、できるだけ、近くにいないようにした方が良いというのは一般に言われていることですから、私の感じ方は「気のせい」とかいうものではないはずです。
ところが、勝手に電子レンジを買ってきて会社に費用を出させた縁故入社女性社員Tは、私が近くにいる時でも、おかまいなしに、電子レンジを作動させるのです。 自分が健康を害するなら、それはその人の勝手ですが、他の従業員の健康を破壊する権利があるわけではないはずですが、おかまいなしなのです。
あんまり、いい育ち方していないなあと思いました。
放射性物質をかぶっているおそれのある鉢植えを買ってきた時、自分のクルマの中に置いておくのであれば、好きにすればいいのです。 ところが、会社の事務所内に持ち込み、私から指摘されても、きかないのです。
どうすれば、いいですか。 こんな人。
そして、言うことが、「大人は放射能は気にしなくてもいいのよ。」と。 あなたがそう思うのなら、あなたの自宅でそうしてください。 子供は大人よりも影響が強いと言われますが、誰であれ、影響のない人はないのです。あなたに、他の従業員の健康を害する権利はないのです・・・が、縁故入社の人というのは、言ってもきかない。自分には、他の従業員の健康を害する権利があると信念持っているようです。
どうすればいいですか、こういう人。
それで、まったくつくづくあきれたことに、この人は、その当時、「妊娠初期」であったということで、それで、なんと、「妊婦の権利」を主張しだしたのです。たからかに。
妊婦にとっては、特に影響が大きい「電磁波」発生装置・電子レンジを、この人は至近距離で使用していたのです。 自分でそうしたくてやっているのであれば、子供ではないので、ひとこと、言ってあげて、それでもきかなければ、好きにしろとするしかないのですが、それだけでなく、私が近くにいても、電磁波発生装置・電子レンジを平気で作動させたのです。 そうやって、職場で私をはじめ周囲の従業員の健康を害してきたのです。この女性は。 そういう人が「妊婦の権利」を主張しだしたのです。
放射能の影響は、乳児に最も影響が強く、次いで胎児に影響が強いと言われますが、放射性物質をかぶっている可能性も考えられる鉢植えは屋内に持ち込むべきではないと、私が指摘して教えてあげても、それでも、きかないで、私や他の従業員の健康を害してきたのです。 この人は。 そういう人が「妊婦の権利」を主張しだしたのです。
「くん煙殺虫剤」にしても同様です。
そういう人が、「妊婦の権利」を主張する、というのは、・・・・なんと言いましょうか。 言いも言ったり、・・・・。
「妊婦帝国主義」 と呼ぶべきかな、と思ったのです。
こういう人の態度のことを。
私が高校の時に、「世界史」で使用した教科書、山川出版社発行の 神田信夫・柴田三千夫 他『世界の歴史』には、「帝国主義―語義の変遷」として書かれている「解説」があります。
≪ 帝国主義 imperialism をイギリスで最初に用いたのは、フランス第二帝政の崩壊をつげた1870年9月の一新聞の記事と言われ、イギリスの議会政治に対するフランスの“専制政治”の意味であった。 さらに、78年以降、保守党のディズレーリが大英帝国の意義を強調し、積極的な外交政策を展開すると、自由党はこの危険な膨張主義外交を非難して帝国主義とよんだが、80、90年代の大英帝国の発展により、帝国主義はイギリス繁栄のシンボルとなった。 しかし、99年の南アフリカ戦争は、国内でも“帝国主義”に対する非難を高めた。 このころイギリスのジャーナリスト、ホブソンは「帝国主義論」を下記、帝国主義が商品輸出にかわって資本輸出をさかんにする資本主義の最近の傾向とかかわりをもち、またそれが保守主義・軍国主義を助長し、偏狭な愛国心をうむ、と批判した。
このような批判はヨーロッパ大陸にうけつがれ、ドイツのマルクス主義者 ヒルファーディングは「金融資本論」で、帝国主義下で資本主義が独占資本主義にかわったことを明らかにした。 ついてレーニンは第一次大戦中、「帝国主義論」で、帝国主義を資本主義最後の一段階と位置づけた。 一方アメリカの経済学者シュンペーターは、帝国主義は資本主義とは無縁で、近代社会に残っている前近代的=封建的要素から発生したものだといった。 もちろん今日でも、帝国主義をたんなる植民地主義や膨張主義の意味で使う場合も多い。 ≫ と書かれています。
まあ、自分の健康を考え、周囲の人の健康にも配慮してきた人が、「妊婦の権利」を言うのであれば、わからないこともありませんよ。 しかし、妊婦には特によくないとされる「電磁波」を発生する電子レンジを私が要らないと言っているのに、勝手に買ってきて会社から費用を出させて、至近距離で使用し、私が近くにいてもおかまいなしに作動させてきた人、・・・・・、放射性物質をかぶっているおそれのある鉢植えを屋内に持ち込み、くん煙殺虫剤を焚いて、化学物質を床・壁・天井やカーテンだの机・椅子その他にへばりつかせようと主張してきかなかった人に、突然、「妊婦の権利」を主張されても、・・・・そういう態度というのは、やっぱり、「帝国主義」と呼ぶべきではないかと思いますね。
かつて、「うちの職場のフセインが・・・」という言い回しが、私の姉がパートタイマーで行っていた職場ではひろまっていたと聞いたことがあります。 1991年の湾岸戦争の直前くらいのことです。 この場合の「フセイン」というのは、イラクのサダム=フセインにたとえていったもので、自分勝手な主張ばかりごり押しして、人から何を言われても絶対に聞かない、身勝手極まりないなオバサンのことを周囲の従業員が言ったものでした。
しかし、イラクの サダム=フセイン についてのこういった批判的表現は、イラン・イラク戦争の時には、イランとイラクの両方にイラクに比重を置いて軍事協力をおこなったアメリカ合衆国が、イラン・イラク戦争がイラク有利で停戦すると、今度は手のひらを返したように、イラクに批判的な態度をとりだした時に言いだした表現であり、フセインのイラク軍がクウェートを「占領」したのを、他国への侵略であるかのように取り上げたメディアが多かったのですが、イラクとしては、クウェートというのは、もとより、イラクの一部分、というよりも、イラク南部のバスラ地方の一部分であり、イラクがイギリスから独立する際に、独立後もイギリスがイラクを支配するために、ペルシャ湾沿いのクウェートと周囲の砂漠とペルシャ湾上の島2つをイギリス領として残したもので、その後、それがクウェートとして独立したが、その際、クウェートとして別の国として独立するべきではなくイラクと一緒になるべきだと主張する人がいたが、そういう人達は弾圧されて、クウェートという別の国になり、アメリカ合衆国とイギリスの言いなりになる男をクウェートの王としてしたてあげ、アメリカ合衆国とイギリスの軍隊とアメリカ合衆国のCIAが守っているのであり、そもそも、クウェートという国が存在することが間違っている、というのがイラクの言いぶんで、1991年にクウェートを「占領」したのは、イラン・イラク戦争の後、経済的に苦しむイラクが石油を高く売りたい状況であったにもかかわらず、クウェートが石油を安売りして石油の国際価格を引き下げたということがあったようです。 どうも、ジョージ=W=ブッシュのイラク攻撃あたりから、サダム=フセインに問題点もあるとしても、ジョージ=W=ブッシュの方がはるかに問題が多く、そもそも、「大量破壊兵器」をイラクが持っているという大義名分で攻めていってなかったのであり、「大量破壊兵器」を間違いなく持っている国はどこかというと、なんといっても、アメリカ合衆国が間違いなく持っているはずであるということに、多くの人は気づいてきて、そうなると、「うちの職場のフセイン」という表現はぴったりこなくなり、あまり使用されなくなってきたようです。
※ラムゼー=クラーク『ラムゼー・クラークの湾岸戦争 いま戦争はこうして作られる』(中平信也訳 1994.8.15. 地湧社) 他参照。
有害電磁波発生装置を至近距離で使用し、その危険を教えてあげてもきかないで、かつ、「妊婦の権利」を突然に主張する人というのは、・・・そういう態度について、適切な表現として思いつくものは、今のところ、 やはり、
「妊婦帝国主義」 というところでしょうか。
毛沢東主席は、「すべての帝国主義と反動派はハリコの虎であり、その実力はたかがしれている」とおしゃったはずではあるのですが、けっこうなかなか、おそろしい本物の虎ではないかという感じも・・・・・。
こういう人、どうすればいいのでしょう。 先輩社員で20年選手の私が教えてあげてもきかない。 素直さがない。
「フセイン」より「将軍さま」の方が近いかという気もするのですが。
私なら、自分の健康も他の従業員の健康も配慮する方向で考えますが、それができないあたりが、「帝国主義」なのかもしれません。
自分の健康を考慮するとともに周囲の人の健康も配慮するようにして、その結果として、周囲の人に、協力してあげようというという気持ちになってもらえるようにしようという、いわば、「平和共存」とでもいう態度を取るのが「営業力」ではないのか、と思うのですが、 「平和共存」ではなく、「帝国主義」を選ぶしかできない人なのでしょう。
「平和共存」(の営業)はできない、「帝国主義」の態度しかとれない、というあたりは、巡査か押し売りみたいです。巡査の娘なら、カタギの営業ではなく、巡査か押し売りでもやった方が適材適所として合っているかもしれません。
(2012.9.15.)
私は住宅建築請負業の会社に、最初に勤めてからの年数で20年以上、実際に勤務した期間で考えても20年近く勤めました。 健康に良い住まい というのは、昔も今も多くの人が考えることですが、私が最初に勤務した1980年代終わりには、特に注目されていなかったもの、言われることはあってもはっきりとは理解されていなかったもので、今日では無視して進むことができなくなったものがあります。 「健康に良い住まい」という意識は変わらなくても、その内容は変わってきています。
[1] 「放射線」「放射性物質」についての対策については、1980年代終わりにおいては、原発は危険なようだと少なくない人は思っていましたし、又、1992年に私が東京都江東区において勤務した総合住宅展示場に、「核シェルター」となる建築物を出展していた会社がありましたが、その会社は、そこに出展することで存在をアピールしていたのであり、家1軒建てるだけで大変な状況で、核シェルターまで持つのは、一般庶民にとっては現実的な話ではありませんでした。
2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故により、放射能による被害は、もはや、「人ごと」でも「将来のこと」でも「千年に一度のこと」でもなくなりました。
比較的近くで原発事故が起こった時、「屋内退避」した場合に、「放射線」を止めることができるかどうかという点では、桜井 淳 『緊急改訂版 〔原子力事故〕自衛マニュアル』(2011.4.15.青春出版社)に「原子力 2009」より引用されている図によれば、
1. アルファ線・・・・紙 で止めることができる。
2. ベータ線 ・・・・アルミニウムなどの薄い金属板で止めることができる。
3. ガンマ線、エックス線 ・・・・鉛や厚い鉄の板で止めることができる。
4. 中性子線 ・・・・水やコンクリートで止めることができる。
ということですので、とりあえず、新築する際に考えられることとしては、普段、雨戸を閉める習慣のない家でも、金属製の雨戸をすべての窓に一通りつけておくようにした方が良いのではないでしょうか。
壁の部分を考えれば、鉄筋コンクリート造のマンションの方が木質系や鉄骨系の戸建住宅よりも「放射線」は遮る可能性は高そうですが、鉄筋コンクリート造のマンションの場合、窓には雨戸がついていない場合が多いと思えますし、戸建住宅の場合は、持家ならすべてが自分の物なので、つけようと思えばつけることができますが、マンションの場合、窓は「専有部分」ではなく「共用部分」とされている場合が多く、個人の判断でつけることは難しい場合が多いと思われます。
コンクリート系の戸建住宅はその点で良いのではないかと考えがちですが、プレキャストコンクリート(PC)造の戸建住宅の壁は、コンクリートとはいえ、マンションなどの壁よりはるかに薄く、逆に木質系や鉄骨系の戸建住宅でも、外壁材に使用するサイディング壁は、放射線に対しては、ある程度、コンクリートと似た働きをするのではと考えられます。
混構造として、1部屋だけ、コンクリートでほとんど窓のない部屋を作り、出入り口も厚い鉄製の扉として、普段は物置にでもしておいて、いざという時は、そこに家族全員で避難するようにするというのは、核シェルターを家庭に設けるより現実的かもしれません。
かつて、造成バス(浴室)の場合、1階の壁のなかほどくらいまで、基礎のコンクリートをたちあげてつくっていましたが、最近ではユニットバスの方が一般的になり、基礎のコンクリートを高くたちあげての造成バスは少なくなりましたが、原発事故で放射線が飛び交うようになった場合の避難所としてコンクリートを天井くらいまでたちあげるような造成バスを設けておくというのも、ひとつの方法かもしれません。
事故の後、 「放射性物質」に洗濯物をさらさずに干したいが、なおかつ、天日にあてるようにしたいという場合を考えて、サンルームを設置しておくということが考えられます。まったく、隙間がないわけではないとしても、とりあえず、「屋内」として外からの「放射性物質」は防ぎ、かつ、天日にあてることはできるわけです。
しかし、その前に、建物がどうかの前に、住む人間にできることとして、原発事故が発生したならば、屋外に出していた物は、どうしても必要でない物は、屋内に持ち込まない という基本的態度を守ることでしょう。 その姿勢をきっちりと取ることが、まず、大事と考えるべきでしょう。 『緊急改訂版 〔原子力事故〕自衛マニュアル』には、
≪ ・・事故発生の第一報を聞いたら、まず建物の中に入るのが鉄則です。 もし自宅で聞いたのなら、とりあえず外に出ないようにすることです。
しかし、それだけでは危険を回避することになりません。 では、まずすべきことは何でしょうか。
(1) 洗濯物や、庭やベランダに置いてあるだいじなものをすぐに取り込む
(2) すべての窓を閉める。
(3) ビニールテープやガムテープで窓やドアの隙間を塞ぐ
(4) 換気扇が回っていれば、すぐに止める
・・・・・・・
外にあったものは、もしかするとすでに放射性物質を浴びている可能性もあります。 処理については後で述べますが、とりあえずビニール袋やポリ袋に密封して、部屋のすみや玄関等に置いておくといいでしょう。
・・・・・
・・・もしひごく汚染されていたら、廃棄処分にします。 ・・・・
以上のことは、洗濯物だけではなく、自転車、鉢植え、サンダルなど 、緊急に外から家の中に取り込んだものすべてについていえます。 事故後も捨てずに使い続けるなら、よく洗うことが大事です。 ・・≫と述べられています。
私の場合、2010年までは、毎年、母の日には、カーネーションの鉢植えを買っていましたが、2011年・2012年は購入は控えました。
[2] 「有害電磁波」「電磁波」「電波」という3つの言葉は、どう違うかというと、基本的には違いはありません。 有用なものとして考える時に「電波」と言うことが多く、「電波」と「電磁波」に違いがあるわけでもなく、「電磁波」に「有害電磁波」と「有害」でない「電磁波」があるわけでもなく、一般に「電磁波」は健康に良いか悪いかといえば、良いものではないのです。 但し、電気製品を使えば電磁波は発生するし、使わなくても、電線の周囲には規模の大小はさておき、電磁波は発生しているはずなので、電気製品について、電磁波との関係で、どれを使用し、どれを使用しないようにするかを、それぞれの人が自分で個々に判断しなければならないことになります。
1980年代の終わりには、「電磁波」はそれほど世間では注目されていませんでした。 私が住宅建築請負業の業界に入った1989年か翌年、書店で、藤本憲幸『しのびよる有害電磁波の恐怖』(1989.12.22. 大陸書房)を買って読みましたが、著者は「ヨガの研究者」ということで、少々、感覚的なところもあり、そうである可能性もあるとしても、そのままその通りと考えるべきか判断をためらったところもありました。
1990年代の初めに携帯電話というものが出てきましたが、最初の頃は、贅沢品のような感じがあり、多少、贅沢で、多少、新し物好きの人間が持つものという性質があったと思います。 その後、携帯電話は一般に普及してきますが、2000年前後くらいにおいては、相当、普及してきたのに対して、その頃から、電磁波は人体に有害であり、特に、携帯電話のように体に接して使うものは害が大きいと言われ、電磁波の危険性が認知されてきました。
携帯電話は電磁波の点からは好ましくはないのですが、利便性から使わないわけにいかないものになりました。 携帯電話とともに、やはり、使用しないで生活するのは難しいものとして、パソコンが普及しました。
そして、その後に登場したのが、IHクッキングヒーターとオール電化住宅です。 住宅展示場では、I Hクッキングヒーターを展示場のキッチンに使用する会社が多くなりましたが、住宅展示場の場合は、多少、新しい物、目を引くもの、変わったものを取りつけた方が印象に残って契約につながりやすいということで、I Hクッキングヒーターを展示場のキッチンに取りつける会社が多くなったようですが、私は、ひとつの選択肢ではあっても、そこまでいいものかという疑問は感じていました。 東京電力や住宅メーカーは、電磁波の規模として、他の電気器具と比較して大きくないということを言っていたのですが、大きいか小さいかとは別の問題として、携帯電話やパソコンは、電磁波の規模が大きくても小さくても、まったく使わないで生活するというのは極めて難しい世の中になってきたが、それに対して、I Hクッキングヒーターは使わなくても、ガスコンロというもので炊事はできるはずであり、電磁波を発生する器具を使用するかどうかという時、発生する電磁波が大きいか小さいかではなく、電磁波を発生させないものでその用途で使える器具があるかないかから考えるならば、I Hクッキングヒーターは、あえて使う必要のないものではないかと考えたのです。
又、ガスコンロよりも安全だという説があったようですが、安全であってもなくても、高齢者の場合、今までガスコンロを使ってきた人は、その後も、ガスコンロなら使えるが、I Hクッキングヒーターを使ってもらおうとしても、高齢者にとっては使用法を覚えるのが大変であり、高齢者の同居する家では無理ではないかとも思えました。
建売住宅を扱っている売買の不動産業の方が中心で建築もおこなっている千葉県のT社に勤めた時、購入して分譲した土地で、前面道路に都市ガスが通っていない場合に、「オール電化」として、実際には、都市ガスが通っていないという分だけ不利な土地であるにもかかわらず、「オール電化」だということで、なんだか、すばらしい場所・すばらしい家であるかのように表現していたことがあり、かつ、その表現でチラシなどを作っていた人が、建築やキッチン、あるいは、電磁波についてよくわかっていたかというと、ほとんどわかっていない人であったのを見るなどして、「オール電化」や「I Hクッキングヒーター」などを勧める人というのは、大部分が自分自身がわからずに勧めているということに気づいたのでした。
「オール電化住宅」というものは、最初に聞いた時に違和感を覚えました。 1980年代前半、大学生であった時、一般教養の「物理学」の講義の時、その頃から、原子力発電所の危険性は言われていましたが、原発をなくすにはどうすればよいかという点で、
1. 原発以外の発電方法を考える。 火力・水力以外のものとして、風力・地熱発電・潮流利用の発電・太陽光発電など。
2. 企業の自家発電設備の利用。
3. 年間で、もっとも、電力需要の大きい時期での、電力の節約。 及び、電気はためることが難しいので、最も使用量が多い季節の使用量が多い時間帯に合わせて発電しなければならないが、ガスならばためておいて使用することができるので、使用量の多い時期に使う器具で、電気ではなくガスでできるものはガスでおこなうようにする。 具体的には、夏、8月の高校野球の決勝戦の日の決勝戦がおこなわれている時が、冷房を使い、かつ、全国的にテレビを見るので、最も使用量が多いと言われていたのですが(2011年・2012年は決勝戦は午前中におこなわれました。よいことだと思います。)、その時、冷房はガスでもできるので、冷房を電気ではなくガスでやるようにすれば、相当に節電できる。
・・・といったことが言われたのです。
そして、私が住宅建築請負業の業界に入った年の1989年に、担当させていただいたお宅で、冷房をガスでおこなったお宅があったのです。 ところが、その後、ガス冷房は普及せず、特に、家庭の冷房は電気式があたりまえのようになりました。
〔現在でも、ガスによる冷房設備はありますが、一般に、家庭ではなく、オフィスビルなどで、「ある程度以上大規模」で、「継続的に使用」する場合にガス冷房は使用されることが多いようです。〕
そして、「オール電化住宅」の登場です。 電気はためることが難しいが、ガスはそうではないので、ガスでもできるものはできるだけ、ガスでやるようにすれば、特に、年間で最大使用量となる時の電力重要を小さくすることができるはずでなのに、なぜ、それに逆行する「オール電化住宅」など言うのだろうか、と疑問を感じたのですが、「オール電化住宅」を広めようとしている業者の営業の人がそのあたりをよくわかっていたかというと、わかっていないけれども、仕事だから営業やっているという感じでした。
そして、2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故により、「オール電化住宅」ははやり(流行)ではなくなりました。 あっという間に。 I Hクッキングヒーターも、はやりでなくなってきました。 東電も、今は、「オール電化住宅」をアピールするどころではないようです。 「東京電力オール電化推進パートナー」として、登録した工務店がありましたが、多くは、「東京電力」という公共企業の「パートナー」となることから信用性を得ようとしてのものでしたが、「東京電力」という名称が、信用を与える名称ではなくなったことから、あえて、非難の的のようになっている会社の「パートナー」を名のりたい工務店はないようです。
それで、「電磁波」についてはどうなのか。
≪ 電子レンジは、最近、各家庭に次々に増えつつあります。 コンビニエンスストア―にいけば、ハンバーガーを温めるとか、ホットドッグを温めるとかで必ず使っているし、ちょっとした小さなレストランでも、電子レンジで物を温めて出すというのが普通になりました。 電子レンジは、今や必需品になりつつあります。
ところが、この電子レンジが危険な物だという話が、世界中の学者の間から出てきたのです。そもそも電子レンジというものがどのようにしてできたものかといいますと、アメリカで軍事目的で懸命に研究されていたレーダー開発が、電子レンジの思ってもみなかった大発見につながったのです。レーダーに用いられているマイクロ波というのが温度を上げるということがわかり、これは非常におもしろいと研究されていったことから、この電子レンジというものが作りだされていったわけです。
・・・・・・
電子レンジはこのようなレーダーと同じマイクロ波、すなわち、高周波を使っていますが、これを使うと、熱が発生してきて、近くにいる人の体温は上がってきてしまいます。 体温が上がっていちばん困るところは目です。眼科医学では眼球温度が四度あがるだけで白内障になるといわれているのです。
例えば、電子レンジの害について研究しているスウェーデンのゴート・ボーク大学医学部のハンス・アーン・ハンスソン博士は、年齢三十五歳から六十五歳までの男性を調べた結果、前頭葉症状が起きているといっています。
すなわち前頭葉症状と呼ばれる頭脳傷害の兆候が、次々と発見されたと報告しているのです。
この前頭葉障害というのは、注意力散漫それから記憶力喪失、物忘れがひどいという脳における障害のことをいいます。
ですから、独身生活をしていて、冷たい物ばかりを食べるのはつらいからということで、いつも電子レンジを使っていると、この前頭葉症状になってくるというのです。 受験生、あるいは独身のビジネスマンがこの症状になり記憶力が衰えていき、しかも仕事をやろうとか勉強をやろうというときに、集中力があちらこちらに散漫になるとすれば、これは大変なことです。 今まで自分が経験したこと、あるいは、つめ込んだ知識というものが、すべて消えていってしまうのですから、これはなんとかしなければならない大問題だと思います。 ≫
( 藤本 憲幸『しのびよる有害電磁波の恐怖』(1989.12.22. 大陸書房) )
≪ 電磁波には発ガン作用、さらにガン増殖作用があります。 「強い低周波の電磁波に、わずか24時間さらされただけで、ガン細胞の増殖スピードは最大24倍となる」。 アメリカのジェリー・>・フィリップス医師のマウスによる実験報告は衝撃的です。 ≫
≪ 人間は、赤ちゃんからお年寄りまで、毎日、身体のなかで平均5000個のガン細胞が生まれています。 大人なら体内に数百万から数億個のガン細胞が存在することが“正常”なのです。健康なひとでも、体内に“ガン細胞が存在する”。
・・・・
それでもガンが大きくならないのは、体内をパトロールして日夜、ガン細胞を攻撃、死滅させるNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)が存在するから。 これは免疫細胞の仲間です。
ところが、I H調理器などから出る強い電磁波を受けると、毎日5000個も生まれているガン細胞の分裂速度が24倍に加速される。するとNK細胞の攻撃も間に合わない。
つまり、「オール電化住宅」で必ず購入を強制されるI H調理器は“ガン増殖装置”にもなっているということなのです。 ≫
≪ 妊娠中に16ミリガウス以上の電磁波を一時的にあびるだけで、流産のリスクがはねあがるという研究報告があります。 流産全体では1.8倍増、初期流産では2.2倍、感受性の強い(流産歴がある、妊娠しにくい)女性は3.1倍にも達する。 強い電磁波を放つI H調理器を使用するのはあまりにも怖い。 ≫
(舩瀬 駿介『真実(ホント)は損するオール電化住宅』(2009.1.30. 三五館)
我が家では、電子レンジは必要ないということで持ちません。 調理機器としては、ガスコンロがあり、ガス式のグリルがあり、オーブントースターがあります。 ガスコンロでも、網で焼く、フライパンで、鍋に湯をわかして煮る、などの方法があります。これだけでも十分に使いこなせていないのに、さらに、電子レンジまで購入する必要があるかというと、その必要性を感じないのです。 I Hクッキングヒーターを欲しいと思ったことはないのですが、ガスコンロであれば、鍋でもフライパンでも様々な方法で調理ができるのに対して、I Hクッキングヒーターでは調理法が限定されるのと思われます。 何より、『美味しんぼ(おいしんぼ)』とか『味いちもんめ』とか『築地魚河岸三代目』とか『ラーメン発見伝』『ラーメン才遊記』に出てくる料理人で、I Hクッキングヒーターなんか使っている人間はいないはずなのです。
〔3〕 そして、「室内化学汚染」・「シックハウス症候群」・「化学物質過敏症」の問題。 住宅やオフィスの室内に使われている建材で有害な物質を放散するものがあった時に、その結果として室内の環境が悪化するのが「室内化学汚染」であり、住宅において、その結果として健康を害した状態が「シックハウス症候群」、ビルにおいて健康を害したものは「シックビル症候群」と言います。
田辺新一『室内化学汚染』(1998.7.20.講談社現代新書)には、「トータル・ボディロード」として、石川哲著『化学物質過敏症ってどんな病気』(合同出版)からの引用の図が描かれています。 バケツに水を注いだ時の状態にたとえて、人間は、少しの化学物質を体内に取り込んでも、即座に体調不良をきたすものではないが、「環境的要因」「遺伝的要因」「老化」という水道が上からバケツに注ぎこみ、水がいっぱいになるとバケツからあふれだす。 バケツから水があふれだした状態が「発病」であるというもので、カラのバケツに水が注がれている時は、少々のものが注ぎ込まれてもあふれでないのと同じく発病しないけれども、いったん、バケツからあふれだすようになると、そこからは、少しの水が注がれてもあふれだすのと同じく、少しの有害物質に対してでも、体は反応してしまうようになるという考え方で、少しの化学物質にも反応するようになった状態を「化学物質過敏症」というわけです。
私が住宅建築請負業の業界に入った1980年代の終わりにおいては、「シックハウス症候群」という言葉は広まっていませんでしたが、住宅の室内環境については、「新建材」の使用が問題と言われていました。 20年以上前、何か忘れましたが、週刊誌で、「フランスの『新左翼』は、日本の『新左翼』とは異なって穏健で、」と書かれたものを見たことがあります。 「新左翼」という言葉は、もともと、ソ連型共産党のような左翼とは異なる左翼という意味で、「新しい」という意味はあっても、「過激」か「穏健」かという意味は「新」という言葉にはないので、「穏健」な「新左翼」があってもなんら不思議はありません。 「新興宗教」というと、「うさんくさい」ものが少なくないという印象がありますが、これも、「新興」であるから良いとも悪いとも決まっていません。 「新興」であれば、まだ、社会に定着・安定していないので、「うさんくさい」ことをおこなう場合もあれば、教祖が個人的に好き放題なことをおこなう場合もあると思えますが、「新興」であるから「うさんくさい」と決まっているわけでもありません。 建材にしても、「新建材」であるから有害と決まっていいるわけでもないのですが、実際問題として、古来、使われてきた建材と異なり、有害な「新建材」が少なくなかったのは事実であると思います。
2000年前後頃に、「室内化学汚染」「シックハウス症候群」「化学物質過敏症」は相当に話題になり、合板などでのホルムアルデヒドの放散量についても基準が設けられ、完全に解決したなどということはありませんが、それなりの成果は出ているのではないかと思います。
ここで考えないといけないのは、住宅を新築する場合には、その建物に使用される化学物質だけで考えるのではなく、完成後に持ち込まれる家具などで使用されている化学物質、そして、入居後に使用される殺虫剤などに含まれている化学物質 とを合わせて検討する必要があるということです。 せっかく、有害化学物質の少ない建材を選んで建築しても、入居後に、入居者が有害化学物質をせっせと散布していたのでは、何をやっていることかわかりません。
入居者が入居後に散布する有害化学物質の代表的なものに、くん煙殺虫剤があります。
「週刊金曜日」編『買ってはいけない』(1999.5.20. 株式会社金曜日)の中の 渡辺 雄二「中外製薬 バルサン」より引用します。
≪ 夏になると、家庭内の忌まわしき虫たちがうごめき出す。ダニ、ノミ、ゴキブリ。 1匹、1匹退治するのは困難だ。 そこで、殺虫剤でも使おうかということになる。 もっとも手っとり早いのが、 くん煙殺虫剤。 煙とともに殺虫成分が部屋の隅々まで行きわたり、害虫を殺す。 しかし、部屋中の害虫が死ぬということは、部屋中に毒物がいきわたるということだ。 そのなかで暮らす人間は、毒物を毎日吸い込むことになる。
くん煙殺虫剤の代表と言えば、中外製薬の「バルサン」。・・・・・・「バルサン」には、ダニ・ノミ用の「バルサンPVジェット」と、ゴキブリ・ノミ・イエダニ用の「バルサンSPジェット」がある。・・・・・
共通のペルメトリンは、ピレスロイド系の殺虫剤で、農薬としても使われ、昆虫に対しては神経毒として作用する。 人間が大量に摂取すると、嘔吐・下痢・頭痛・耳なりなどがみられ、重症になると、呼吸障害や震せん(ふるえ)を起こす。「PVジェット」はペルメトリンを1%、「SPジェット」は4%含む。これらは煙とともに部屋に拡散し、床面・畳・天井に残留する。 人間が摂取する量は微量だが、それでも危険だ。 ペルメトリンには発がん作用があるからである。 ・・・・・
「SPジェット」のメトキサジアゾンは、昆虫を殺す力が強く、とくに薬剤抵抗性を持ったゴキブリに効くという特徴がある。 ・・・
・・・・これら(有機リン系のジクロルボス、ペルメトリン、メトキサジアゾンなど)が、疲れ目・頭痛・不整脈・不眠・全身倦怠感などの化学物質過敏症を起こす可能性もある。
部屋の換気をよくする 生ゴミを片づける。 ペットを外に出すなどすれば、ダニ・ノミ・ゴキブリの発生は減らせる。 工夫次第で、危険な くん煙殺虫剤などいらないのだ。 ≫
かつて、担当させていただいた方で、東京都内に住まれていた方で、建てていただいたのは別の場所でしたが、住まれていたお宅は、元・化学工場の跡地だそうで、どうも、地中に化学工場で使用していたものか製造していたものか何か埋まっているらしく、その為らしいのですが、家の中に、ゴキブリ1匹でないという話でした。 そこに住む人間にとっても健康にいいわけないと言われましたが、実際にそうでしょう。
せっかく、問題のない土地に家を建て、かつ、建物に使用する建材について吟味して建てた住宅に、くん煙殺虫剤なるものを散布して化学物質を床・壁・天井や机・椅子その他にへばりつかせ、化学工場の跡地で地中に何ものかが埋まっている土地と同じようにゴキブリ1匹でない状態にしてしまうというのは、愚かと言うしかない。
こういったことを理解し、自分の生活においても、顧客の生活においても役立てるのが建築屋の仕事でありあり方だと考えます。 しかし、職場というところにおいては、それを理解できない人がいる場合もあります。 その会社が建築屋でない場合は、それぞれの職場にはいろいろな人がいるということで、その前提で考えないといけないでしょうけれども、建築屋、特に、住宅の建築屋においては、こういったことをわきまえない人というのは、いったい、どうやって建築屋の仕事をやっていくのかと思います。
私は、大学を卒業して最初に勤めた木質系の某社において、「コンサルタント営業」ということを言われ、顧客の住宅に関する相談に乗り、的確な対応をすることで信頼を得て契約に結びつけると教えられました。 それが王道であると思っています。 顧客の相談に乗るためには、住宅・建築について、相談に乗ることができるだけの知識がないとできません。 もちろん、営業の場合は、知識と営業成績は正比例の関係になるわけでもありません。 知識以外の要素も関係しますし、知識のある者は、それを話したくなりますが、話すことでかえって、営業上、マイナスになる場合もないわけではありません。 しかし、そういうこともあるとしても、やはり、基本的な知識なしで対応できるものではありません。 いつでしたか、ラジオの野球中継で、解説者として出ていた張本勲が「野球のバッターが練習するのにバット振らずに何するんですか。野球のピッチャーが練習するのにボール投げずに何するんですか。」と言っていたことがありますが、住宅屋の従業員が、特に、営業の仕事をしようというような者が、成果を出すために、住宅に関する知識を習得しようとしないで、いったい何やるんですか、ということになると思います。、
ここであげた、「放射能」の問題、「電磁波」の問題、「室内化学汚染」の問題。 この3つについて、私が勤めてきた千葉市中央区鵜の森町 の新華ハウジング有限会社 において経験したことをふまえ、このブログにおいては、
〔第64回〕《受動喫煙より害が大きい受動放射能被害、及び、受動電磁波被害~営業と会社の話(10) 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201109article_4.html
〔第75回〕《シックハウス症候群・室内化学汚染・「化学物質過敏症」は、3つ以上の面から取り組まないといけない。 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201111article_2.html
〔第95回〕《I H調理器の電磁波ガイドラインと放射能汚染の暫定規制値~類似の「低すぎるハードル」 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201205article_1.html
などで述べてきました。
新華ハウジング有限会社の社長・H川Sニ の妻の友人の女性が縁故入社で2011年4月より入りましたが、
(1)5月、放射性物質をかぶっているおそれのあるカーネーションの鉢植えを自分用に買ってきて、自分のクルマの中に置くならともかく、事務所内に持ち込むという非常識なことをするので、私がそれを指摘したが、きかなかったということがありました。
(2)4月、電子レンジを買おう言うので、私が、有害電磁波発生装置である電子レンジなど要らないと言うのに無視して、勝手に、電子レンジを購入して、その費用を会社から出させるということをました。
(3)4月か5月頃、ゴキブリがいたというので、「ギャア~ア」と下品に絶叫し(〔第62回〕《男性社員にゴキブリ処理をさせる方法、もしくは、「営業力のある女」と「ない女」~営業と会社の話(8) 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201109article_2.html 、〔第102回〕《ゴキブリ絶叫女は許容すべきか否定すべきかの考察、及、営業に必要な「垢落とし」が可能か不可能かの問題。 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201206article_4.html 参照。)、その上で、「バルサンたこう」と言いだしたので、私が「ゴキブリの害よりもバルサンの害の方がはるかに大きい」と教えてあげたにもかかわらずきかなかった、ということがありました。
こういう人、いったい、どうすればいいのでしょうか。 住宅屋なら理解すべきことを理解していないだけでなく、理解しようともしないし、20年選手の私が親切にも教えてあげてもきかない。 素直さがない。
知識がないだけならともかく、人の話を聞こうという素直さがない人、いったい、どうすればいいのでしょうか、こういう人は。
こういう人は、特に、営業は無理だと思いますし、住宅の営業、不動産の方ならまだしも、建築の方の住宅の営業は無理だと思います。
その前にはた迷惑なのです。 電子レンジが有害電磁波発生装置であるのは間違いないのですが、自宅で購入して使う分には、好きにすればよいのです。 しかし、職場においては、他の従業員の健康も考えないといけません。 電磁波については、人が感じるものではないと言う人がありますが、実は、私は感じることがあるのです。 電子レンジが作動する時と停止する時、特に、停止する時、衝撃を感じるのです。 又、作動中も、気分の悪さを感じるのです。 感じ方の敏感さの度合いは人により異なるのは不思議なことではないので、私と感じ方が違う人がいてもおかしくありませんが、電子レンジが作動中は、できるだけ、近くにいないようにした方が良いというのは一般に言われていることですから、私の感じ方は「気のせい」とかいうものではないはずです。
ところが、勝手に電子レンジを買ってきて会社に費用を出させた縁故入社女性社員Tは、私が近くにいる時でも、おかまいなしに、電子レンジを作動させるのです。 自分が健康を害するなら、それはその人の勝手ですが、他の従業員の健康を破壊する権利があるわけではないはずですが、おかまいなしなのです。
あんまり、いい育ち方していないなあと思いました。
放射性物質をかぶっているおそれのある鉢植えを買ってきた時、自分のクルマの中に置いておくのであれば、好きにすればいいのです。 ところが、会社の事務所内に持ち込み、私から指摘されても、きかないのです。
どうすれば、いいですか。 こんな人。
そして、言うことが、「大人は放射能は気にしなくてもいいのよ。」と。 あなたがそう思うのなら、あなたの自宅でそうしてください。 子供は大人よりも影響が強いと言われますが、誰であれ、影響のない人はないのです。あなたに、他の従業員の健康を害する権利はないのです・・・が、縁故入社の人というのは、言ってもきかない。自分には、他の従業員の健康を害する権利があると信念持っているようです。
どうすればいいですか、こういう人。
それで、まったくつくづくあきれたことに、この人は、その当時、「妊娠初期」であったということで、それで、なんと、「妊婦の権利」を主張しだしたのです。たからかに。
妊婦にとっては、特に影響が大きい「電磁波」発生装置・電子レンジを、この人は至近距離で使用していたのです。 自分でそうしたくてやっているのであれば、子供ではないので、ひとこと、言ってあげて、それでもきかなければ、好きにしろとするしかないのですが、それだけでなく、私が近くにいても、電磁波発生装置・電子レンジを平気で作動させたのです。 そうやって、職場で私をはじめ周囲の従業員の健康を害してきたのです。この女性は。 そういう人が「妊婦の権利」を主張しだしたのです。
放射能の影響は、乳児に最も影響が強く、次いで胎児に影響が強いと言われますが、放射性物質をかぶっている可能性も考えられる鉢植えは屋内に持ち込むべきではないと、私が指摘して教えてあげても、それでも、きかないで、私や他の従業員の健康を害してきたのです。 この人は。 そういう人が「妊婦の権利」を主張しだしたのです。
「くん煙殺虫剤」にしても同様です。
そういう人が、「妊婦の権利」を主張する、というのは、・・・・なんと言いましょうか。 言いも言ったり、・・・・。
「妊婦帝国主義」 と呼ぶべきかな、と思ったのです。
こういう人の態度のことを。
私が高校の時に、「世界史」で使用した教科書、山川出版社発行の 神田信夫・柴田三千夫 他『世界の歴史』には、「帝国主義―語義の変遷」として書かれている「解説」があります。
≪ 帝国主義 imperialism をイギリスで最初に用いたのは、フランス第二帝政の崩壊をつげた1870年9月の一新聞の記事と言われ、イギリスの議会政治に対するフランスの“専制政治”の意味であった。 さらに、78年以降、保守党のディズレーリが大英帝国の意義を強調し、積極的な外交政策を展開すると、自由党はこの危険な膨張主義外交を非難して帝国主義とよんだが、80、90年代の大英帝国の発展により、帝国主義はイギリス繁栄のシンボルとなった。 しかし、99年の南アフリカ戦争は、国内でも“帝国主義”に対する非難を高めた。 このころイギリスのジャーナリスト、ホブソンは「帝国主義論」を下記、帝国主義が商品輸出にかわって資本輸出をさかんにする資本主義の最近の傾向とかかわりをもち、またそれが保守主義・軍国主義を助長し、偏狭な愛国心をうむ、と批判した。
このような批判はヨーロッパ大陸にうけつがれ、ドイツのマルクス主義者 ヒルファーディングは「金融資本論」で、帝国主義下で資本主義が独占資本主義にかわったことを明らかにした。 ついてレーニンは第一次大戦中、「帝国主義論」で、帝国主義を資本主義最後の一段階と位置づけた。 一方アメリカの経済学者シュンペーターは、帝国主義は資本主義とは無縁で、近代社会に残っている前近代的=封建的要素から発生したものだといった。 もちろん今日でも、帝国主義をたんなる植民地主義や膨張主義の意味で使う場合も多い。 ≫ と書かれています。
まあ、自分の健康を考え、周囲の人の健康にも配慮してきた人が、「妊婦の権利」を言うのであれば、わからないこともありませんよ。 しかし、妊婦には特によくないとされる「電磁波」を発生する電子レンジを私が要らないと言っているのに、勝手に買ってきて会社から費用を出させて、至近距離で使用し、私が近くにいてもおかまいなしに作動させてきた人、・・・・・、放射性物質をかぶっているおそれのある鉢植えを屋内に持ち込み、くん煙殺虫剤を焚いて、化学物質を床・壁・天井やカーテンだの机・椅子その他にへばりつかせようと主張してきかなかった人に、突然、「妊婦の権利」を主張されても、・・・・そういう態度というのは、やっぱり、「帝国主義」と呼ぶべきではないかと思いますね。
かつて、「うちの職場のフセインが・・・」という言い回しが、私の姉がパートタイマーで行っていた職場ではひろまっていたと聞いたことがあります。 1991年の湾岸戦争の直前くらいのことです。 この場合の「フセイン」というのは、イラクのサダム=フセインにたとえていったもので、自分勝手な主張ばかりごり押しして、人から何を言われても絶対に聞かない、身勝手極まりないなオバサンのことを周囲の従業員が言ったものでした。
しかし、イラクの サダム=フセイン についてのこういった批判的表現は、イラン・イラク戦争の時には、イランとイラクの両方にイラクに比重を置いて軍事協力をおこなったアメリカ合衆国が、イラン・イラク戦争がイラク有利で停戦すると、今度は手のひらを返したように、イラクに批判的な態度をとりだした時に言いだした表現であり、フセインのイラク軍がクウェートを「占領」したのを、他国への侵略であるかのように取り上げたメディアが多かったのですが、イラクとしては、クウェートというのは、もとより、イラクの一部分、というよりも、イラク南部のバスラ地方の一部分であり、イラクがイギリスから独立する際に、独立後もイギリスがイラクを支配するために、ペルシャ湾沿いのクウェートと周囲の砂漠とペルシャ湾上の島2つをイギリス領として残したもので、その後、それがクウェートとして独立したが、その際、クウェートとして別の国として独立するべきではなくイラクと一緒になるべきだと主張する人がいたが、そういう人達は弾圧されて、クウェートという別の国になり、アメリカ合衆国とイギリスの言いなりになる男をクウェートの王としてしたてあげ、アメリカ合衆国とイギリスの軍隊とアメリカ合衆国のCIAが守っているのであり、そもそも、クウェートという国が存在することが間違っている、というのがイラクの言いぶんで、1991年にクウェートを「占領」したのは、イラン・イラク戦争の後、経済的に苦しむイラクが石油を高く売りたい状況であったにもかかわらず、クウェートが石油を安売りして石油の国際価格を引き下げたということがあったようです。 どうも、ジョージ=W=ブッシュのイラク攻撃あたりから、サダム=フセインに問題点もあるとしても、ジョージ=W=ブッシュの方がはるかに問題が多く、そもそも、「大量破壊兵器」をイラクが持っているという大義名分で攻めていってなかったのであり、「大量破壊兵器」を間違いなく持っている国はどこかというと、なんといっても、アメリカ合衆国が間違いなく持っているはずであるということに、多くの人は気づいてきて、そうなると、「うちの職場のフセイン」という表現はぴったりこなくなり、あまり使用されなくなってきたようです。
※ラムゼー=クラーク『ラムゼー・クラークの湾岸戦争 いま戦争はこうして作られる』(中平信也訳 1994.8.15. 地湧社) 他参照。
有害電磁波発生装置を至近距離で使用し、その危険を教えてあげてもきかないで、かつ、「妊婦の権利」を突然に主張する人というのは、・・・そういう態度について、適切な表現として思いつくものは、今のところ、 やはり、
「妊婦帝国主義」 というところでしょうか。
毛沢東主席は、「すべての帝国主義と反動派はハリコの虎であり、その実力はたかがしれている」とおしゃったはずではあるのですが、けっこうなかなか、おそろしい本物の虎ではないかという感じも・・・・・。
こういう人、どうすればいいのでしょう。 先輩社員で20年選手の私が教えてあげてもきかない。 素直さがない。
「フセイン」より「将軍さま」の方が近いかという気もするのですが。
私なら、自分の健康も他の従業員の健康も配慮する方向で考えますが、それができないあたりが、「帝国主義」なのかもしれません。
自分の健康を考慮するとともに周囲の人の健康も配慮するようにして、その結果として、周囲の人に、協力してあげようというという気持ちになってもらえるようにしようという、いわば、「平和共存」とでもいう態度を取るのが「営業力」ではないのか、と思うのですが、 「平和共存」ではなく、「帝国主義」を選ぶしかできない人なのでしょう。
「平和共存」(の営業)はできない、「帝国主義」の態度しかとれない、というあたりは、巡査か押し売りみたいです。巡査の娘なら、カタギの営業ではなく、巡査か押し売りでもやった方が適材適所として合っているかもしれません。
(2012.9.15.)
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