東西反転プランでは玄関だけ移動するか?前面道路幅が同じでも通り抜ける道か否かで車庫の造り方は違う
[第292回]高山シリーズ第2回(15)
【26】-9 高山の「民家」 9
《9》 今回、松本家住宅・宮地家住宅・平田記念館(平田家・「打保屋」)・飛騨民族考古館(藤井家→坂本家)と飛騨高山まちの博物館の矢嶋家土蔵・永田家土蔵について写真を公開して述べました。 私としては高山へは3度目の訪問で、1度目の訪問の際に、吉島家住宅・日下部民藝館(日下部家住宅)と飛騨民族考古館(藤井家→坂本家)を見学させていただきました。 飛騨高山まちの博物館は土蔵を利用しているとはいえ、博物館として使用するために改装されている部分もあり、主家屋がそこにないので、主家屋との配置関係はわかりません。
これらの家屋が建っている地域は南北に長い通りがあって東西の区画は短く、東道路の家と西道路の家が多く、南道路・北道路の区画は少なくなっています。 松本家・宮地家・日下部民藝館(日下部家)・吉島家の4家屋はいずれも東道路で、平田記念館(平田家・「打保屋」)は東と北が道路の角地であるが入口は東で実質、東道路として建てられています。それに対し、飛騨民族考古館(藤井家→坂本家)は西道路の建物です。
↑宮地家住宅 高山市大新町
↑平田記念館(平田家・「打保屋」) 高山市上二之町
↑飛騨民族考古館(上田家→坂本家) 高山市上二之町
平田記念館(平田家・「打保屋」)の簡単な間取り図が、平田記念館のホームページの「平田記念館」http://www.hidanet.ne.jp/~s-hirata/museum01.html に出ています。
日下部民藝館(日下部家住宅)の簡単な間取り図が、日下部民藝館のホームページの「見どころ」http://www.kusakabe-mingeikan.com/view.html に出ています。
東道路の家、宮地家住宅の場合、まず、「外どじ」という土の場所があって、その内側に「内どじ」という土の場所がある。 「外どじ」の北側に「みせ」として畳が敷かれた和室があり、現在は管理人室として使用されているが、もともとは、道路に面してこの部屋で商売をしていたらしい。 内どじの北側、「みせ」の西側に「おえ」という畳敷きの和室がある。その西に「奥の間」「縁」があり、その西は中庭になっている。奥の間の奥、北寄りに仏壇が配置されていたらしい。 「内どじ」は「外どじ」の内側は「外どじ」と同じだけの幅があるが、西に進むと半分以上は畳敷きとなって、「内どじ」は狭くなり、履物を履いて通る廊下のようになる。 主家屋の西に「内どじ」から出ると、履物を履いて利用する屋根のある「台所」。 台所にかつては井戸があったという。 「台所」の北、「奥の間」の西の「縁」の西に「中庭」がある。 現在、来館者が利用するトイレは「内どじ」の南側に設けられているがこれは宮地家が使用していたものではなく来館者用に作られたもので、宮地家の便所は「台所」の西にあった。 これらの西に土蔵がある。 「おえ」の北側に階段があって2階に上がることができる。 「おえ」の上は吹き抜けになっており、2階は「みせ」の上と「奥の間」の上にあり、「奥の間」の上の部屋が「座敷」として作られている。
宮地家住宅は≪ 米屋、酒屋、養蚕などに携わってきた半商半農の家。 1875年(明治8)の大火の直後に建てられたといわれる。 奥行きがあり、こぢんまりとした当時の標準的な町家建築。≫と『ことりっぷ 高山 白川郷』(2008.7.昭文社)に出ているように、間取りの構成もこの付近の町家の一般的、基本的な間取りではないかと思います。 「外どじ」「内どじ」という履物を履いて通る土の場所が家の南よりを東から西に通り、その北側に「おえ」「奥の間」という和室があって、「内どじ」の北の和室に囲炉裏があり、吹き抜けがあって囲炉裏の煙だしと明り取りに「天窓」↓がある。
日下部家住宅(日下部民藝館)や吉島家住宅は宮地家住宅よりひと回り大きいのですが、基本的な構成は共通しています。 平田記念館もそうです。
(比較的、簡単に見学させていただける住宅としては、東道路の建物が松本家住宅・宮地家住宅・平田記念館・日下部民藝館・吉島家住宅の5軒、西道路の建物では飛騨民族考古館の1軒ですが、この地域では、東道路の家と西道路の家はほぼ同じだけ建っており、東道路の方が基本というわけでもありません。)
[1] 東道路の土地に建てられる建物と西道路の土地に建てられる建物では、建物の構成は「東西反転」か、「玄関だけ移動」か?
さて、飛騨民族考古館(上田家→坂本家)の場合、西道路ですが、どういう構成になるでしょう。
[問]下記のいずれの間取りに近いか検討せよ。
(A) 玄関を入るとまず土蔵がある。 土蔵の南側を通って中庭の南にでる。 中庭の南のトイレの北を通り、台所を通って主家屋の中の「内どじ」に入る。 「内どじ」の北は「奥の間」になっている。 その東に「おえ」があって、さらに東に「みせ」がある。 宮地家住宅の間取り構成をほぼそのままにして、玄関だけが土蔵の西に移る。
(B) 玄関を入ると「どじ」。「どじ」の北に囲炉裏のある部屋。 その奥に和室がある。 「どじ」は東に伸びており、途中に井戸がある。玄関入ってすぐの和室の東側に座敷がある。 座敷の東側に中庭がある。 「どじ」を通り、中庭の東側に行くと土蔵がある。
《正解》 (B)
(A)は間違い。
・・・・・こんなの、誰でも答えられるよなあ~あ。 (A)なんて答える人間おらんだろう・・・・て思いませんか。
ところが、いるんです。 私がかつて勤めた千葉県八千代市の京成「八千代台」駅の東口に本社がある東海住宅が千葉県佐倉市上志津に10区画余りの分譲をおこない、1区画のみ自社で建てたモデルハウス兼建売住宅とし、残りを建築条件付き土地として販売し、実際には結果として建築条件をはずして販売して区画もあったのですが、東海住宅の2級建築士だという「設計」Sが設計したその「モデルハウス兼建売住宅」の間取りがすごい! 西道路でやや東西に細長いとはいえ長方形の整形の土地で約40坪ある敷地に、玄関入ったらまずキッチン。 キッチン通ってダイニング。 その奥にリビングルームと和室。 なんじゃ、こりぁ~あ!!!
こんなおかしなプランニングはしろうとでもせんよ! しかも、道路側の西面以外の3面。 南・東・北といずれも、建物が隣地境界線から1メートル離れていないのです。 ということは、民法の規定により、隣地側の窓には目隠しの設置を隣家から求められれば拒否できないことになります。 新しく家を取得して、東・南・北と3面、北面はまだしも、南面も東面も窓に目隠しを設けなければならない家って、なんじゃ、そりぁ。
さらに。 この場所は京成「志津」駅の南側で、千葉県は、東京都から千葉県に入って、市川市、船橋市、習志野市とそのあたりは京成よりJRの方が優勢であるが、八千代市の八千代台駅には京成津田沼から分かれた京成本線のみでJRは離れ、佐倉市と八千代市の境目の勝田台には京成本線と東葉高速鉄道が来て、その東が「志津」で、このあたりからは佐倉市。 佐倉市になると、いったん、千葉に行って遠回りしてくるJR総武線より京成本線の方が、むしろ、通勤路線になる。しかし、いずれにせよ、東京都内からは志津駅までけっこう遠い。その志津駅から徒歩で10分では行けない。 「不動産屋の表示」として、1分80メートル歩けるという前提で所要時間を表示してよいと国土交通省が決めているらしく、かつ、その基準で所要20分までを「徒歩圏」としてよい、それを超える場合は「バス圏」としなければならない、としているようだが、実際に駅まで歩いて通勤してみると、駅まで15分かかるとつらい。ここはその手前くらいの場所だった。だから、通勤に使えないことはないし徒歩圏は徒歩圏であるが駅まで近くはなかったし、買い物などで利用する施設にも近くなかった。 そういう場所であれば、駐車スペースは2台欲しいところである。 土地の面積は約40坪あったので2台分設けることはできた・・・のだが、家屋と道路の間には2台分のスペースはあったにもかかわらず、1台のみ駐車場を設けて、もう1台は停めようがないようにぱっとしないオブジェみたいなものを設置してしまった。 バッカじゃなかろかルンバ♪
《YouTube-野村監督「バッカじゃなかろかルンバ」(原曲入り)》http://www.youtube.com/watch?v=ewJ6WwU76Rs
《YouTube-バッカじゃなかろかルンバ! 》http://www.youtube.com/watch?v=Cz7M4FQinUM
かつ、東よりのリビングルームと西よりの小さい貧弱なダイニングルームとの間に東・西・北を自分の家の建物で取り囲まれた「中庭」があるが自分の家で陽をさえぎって暗い庭になると考えられる。 なぜ、こんなことをするのか。 一般に、家相では「東南の張りは吉相」とされ、「東南の欠けは凶」とされるが、これは太陽が出てくる方向に向かって家が張り出ていくのは吉だという考え方で、実際には、東南の部屋があまり出っ張るとその西側は陽が当たらない暗い場所になる。 この「中庭」はわざわざ暗い庭にしたということだ。 なぜ、こんなことをしなければならないのか。
自分の会社が作成したプラン集、あるいは他社のプラン集、市販のプラン集を見て、これはなかなかいいと思ったものがあったとしても、実際に建てようという人の土地にそのままあてはめたのではうまくいかない場合がある。 他社のプラン集に載っていたものであっても、どうせ、他社の設計担当も他のものを参考にして作っているのだから、他社のプラン集に載っているものを参考にさせてもらって作るのは別に問題はないと思う。
しかし、そのままあてはめてはうまくいかない場合は、うまくいかない部分を修正するか、もしくは、あくまで「参考」として全体を作り直すかしなければならない。
推測して言うならば、なぜ、わざわざ暗い「中庭」を作るプランをSが作ったかというと、おそらく、どこか他の会社のプラン集か市販のプラン集に載っていたプランで、もっと南北方向が広い敷地向けのものがあったのだろう。南北方向がもっと広く、全体の敷地が約40坪ではなく70坪くらいでもあったなら、東よりの部屋の前にも庭があり西寄りの部屋の前にも庭があり、その間に「中庭」があるというプランもありうるかもしれないが、東寄りのリビングルームの前は隣地境界まで1m程度しかない。西よりのダイニングルームの前は隣地境界まで1mない、などというそんな土地に建てるプランではないのだ。
東側も東寄りのリビングルーム・和室の窓から隣地境界まで1mなかったが、これも、本来、東側ももっと広い土地向けのプランを無理矢理あてはめるから東の隣地境界まで1mもない東面まで窓に目隠しをつけなければならない家にしてしまったのだ。
な~にをわざわざ、へんてこりんなオブジェを作って、2台クルマを停められる場所を1台しか停められないようにしてしまうのか、とあきれたが、要するにアホなんだわ、「設計」のSは。そう考えるしかない。そこにある事実が、実物がそう語っていた。
それで、そもそも、「玄関入ったらまずキッチン♪」て、こんな家に住みたい主婦いるか? こんな家に来客通したい主婦いるか? バッカじゃなかろかルンバ♪!♪ どう考えても、建築業の仕事に従事している人間が作成した図面ではない。
1990年前後に在籍した小堀住研に「ハウス55」という「企画住宅」があった。「企画住宅」というのは規格にはまったという意味の「規格」ではなく、こういう住まい方はどうでしょうか、という企画を売るという趣旨らしい。 プラン集があって、そこから施主の敷地に合うものを選んで部分的に変更を加えて建てるという方式で、使用する設備もあらかじめ決まっているものの中から選択することになっており、プラン作成の手間が少ないことと使用する設備が何種類か決められているものの中から選択する方式なので安めの価格で入れられるということから、内容の割に安い、価格の割に内容がある、というもので、「ともかく安い」というタイプの商品ではなく「高品質低価格」をうたう商品だった。 この頃、他の会社、鉄骨系の積水ハウス、パナホーム(ナショナル住宅産業)、ツーバイフォーの積水ツーユーホーム、木質パネル構法のミサワホームなどにも同様の商品があった。 「ハウス55」は東西反転プランも認められていたが、反転してうまくいく場合とそうでない場合があり、うまくいかない場合は「ハウス55」のシステムで修正して対応できるものは修正し、できなければ他のものから考えるしかない。
そういった場合、 「東西反転プラン」というのは、あくまで、全体を東西入れかえるということだ。 家の真中に南北に軸を設置してその軸を中心にぐるっと180度回転させて裏側から見た図を採用するという意味だ。 東道路東玄関の家で、そのプランが好きだが、西道路の土地だから玄関だけ西に移動させる、という意味ではない。玄関だけ西に移動させるというのは、かけだしの営業でやろうとする者が時々いるが、うまくいくものではない。
東海住宅の「ベテラン」だという「2級建築士」の「設計」のSがやったのはそれだろう。 どこかの図面を見て、その図面がどれだけの敷地に建てることを考えて作成されたものか考えもせず、東海住宅の分譲地にはめこんだ。 だから、東と南がいっぱいいっぱいになった。 しかも、東道路で、東の玄関から入ると、まず、リビングルームと和室があり、そこを通ってDKに至るという図面から、玄関だけ西に移動させたのだろう。 だから、「玄関入ってまずキッチン♪」という、よくこんなもの考えたな!という図面になった、ということだろう。 あんまりやらんぞ、こんなこと。かけだしの営業でも。 それを東海住宅の“ベテラン”の「設計」のSはやったのだ。
「上志津のモデルハウスのあの間取りはひどいですねえ」と営業所の事務所で口にしたところ、だ。 「俺は建築のことはよく知ってんだ」と自称している店長のT中が、「何、言ってんだ。Sさんは2級建築士なんだぞお。 2級建築士の作るものなんだから、いいんだよ。 おまえとは違うんだ、Sさんは。 わかんねえのかあ。 2級建築士が作ったものなんだから、すばらしいんだ。2級建築士の作るものはすばらしいに決まってんだ。 このバカ野郎!」と私に言ったのだ。 あんまり、そういうこと言う人ないと思うんです。
なぜ、ないかというと、「2級建築士」というのは、実際のところ、あんまり、そういう評価をしてもらえない資格なんです。 一条工務店の 福島県いわき市の営業所にいた時、2級建築士の資格を持っていたらしいMが来場客に、「2級建築士」と書いた名刺を渡したところ、「なんだ、2級か。 1級じゃないのか」と言われたと憤慨していたことがあった。 建築士の試験は、1級建築士と2級建築士の試験を同年に受けて1級建築士に合格して2級建築士に落ちる人もあったりするし、戸建住宅に関しては、1級建築士の出題対象より2級建築士の試験の出題対象の方が関係が大きいとも言われたりするのだが、2級建築士という資格は、世間一般の評価として、持っていて悪いことはもちろんないが、「2級建築士だぞお」などと言うひとはあまりないし、そういうことを言うと、「なんだ、1級じゃないのか」と言われることになるのがオチの資格である。 何かと「いっきゅうけんちくしい~い」と言いたがるアホが多いのが1級建築士であるが、これも、持っていて悪いことはないが、「いっきゅうけんちくしい~い」と言えば、水戸黄門の印籠みたいに人が言うことをきくみたいに思っているおっさんはバカである。 ああ、そう、とでも言ってやるしかない。実際のところ、1級建築士みたいなもん、「掃いて捨てるほどいる」し、役所に建築確認申請を出す業務でもやるなら建築士の資格を持っていないといけないが、プランを作成するにおいては、建築士の資格をもっているかどうかよりも、どれだけ良い図面を作成できるかが問題だ。
1級建築士のことを「足の裏についた米粒」と言うらしい。 意味は「取らなきゃ気持ち悪い。 だからといって、取ったからといって、食えるものじゃない」ということらしい。 建築学科を卒業した人間にとって、1級建築士の資格は「取らなきゃ気持ち悪い」が、だからといって、「取ったからといって」、それで、「食える」というものでもない、ということで、うまく言ったものだと思う。 ひとつには、受験資格が、2級建築士の場合は大学の建築学科を卒業すればただちに受験でき、工業高校の建築学科卒、建築系の専門学校卒でも何年かの実務経験を経て受けることができたが、1級建築士は大学の建築学科卒で2年の実務経験を経て受けることができるが、工業高校の建築学科や建築系の専門学校卒だと受験できるまでの年数が長く、また、学歴なし実務経験だけで取得しようとすると、2級建築士は7年の実務経験が必要で、1級建築士は7年の実務経験の後に2級建築士に合格して、さらに何年かの実務経験を経なければ受験ができないことになっているので、その結果、1級建築士を取得した人は大学の建築学科卒の人が多く、かつ、かつては、建築学科のある大学が少なかったので、1級建築士を持っている人は、ある程度の「1流大学卒」の人である場合が多かったようだ。 だから、1級建築士は「一流大学」の建築学科卒でもある場合が多く、その点で、全体的に評価されたようなところもあったらしい。 しかし、今では建築学科のある大学の数も増えたし、言っちゃ悪いが、受験番号と氏名を書けば合格で、国立大学より高い私立大学の法学部・経済学部の学費の倍くらいの学費を払うことができる家庭の息子・娘なら入学できるようになっており、そこを卒業したとして、建築士の試験自体は無茶苦茶難しい試験でもないらしいので、今となっては、1級建築士もそれほど評価は高くなくなった・・・・にもかかわらず、「いっきゅうけんちくしい~い」と言いたがるあほくさいおっさんがけっこういる。 かつ、「いっきゅうけんちくしい~い」を実際以上にありがたがるあほくさい経営者の会社もある。 また、アホがいたか、くらいにしか私は思わないが、いるんだわ、そういうアホが。 それに対して、木造建築士という国家資格があるのだが、これは、最近では建築の契約においても、1級建築士・2級建築士・木造建築士のいずれかが重要事項説明をしなければならないことになったことから、使いでがでてきたけれども、それまでは、うかつに、「私、木造建築士の資格もってるんです」などと口にすると、「ナマ言いやがってからに。 そんな資格あるわけないだろうが。 こんちくしょう」とか思われるのが関の山で、実際には嘘ではなく本当にある国家資格であるのだが、「3級建築士」と同じくありもしない資格をでっちあげて騙っているかのように思われかねない資格で、持っている人に「◇◇さんは木造建築士の資格を持ってられるんですか」と話しても、「持ってますよ」と言うだけで、「もくぞうけんちくしい~い」とか言って得意がる人なんかどこにもいない。 2級建築士は木造建築士よりは評価が高いが、それにしても、「Sさんは2級建築士なんだぞ。2級建築士が設計したものなんだから、いいに決まってんだ。わかんねえのか」などという言葉は初めて聞いたし、あんまりそんなこと言う人ないし、「玄関入ったらまずキッチン♪」の図面を作成する男の図面を「2級建築士が作ったものなんだから絶対にいいに決まってんだ」とか言う人、そういう認識の人というのも、それまで見たことも聞いたこともなかった。
(この土地建物の簡易な図面は私の手元にもありますが、「玄関入ってまずキッチン♪」の「バッカじゃなかろかルンバ♪」の土地建物でも購入してくれる方はあったらしく、住まれているようですので、それはここでは公開しないことにします。)
[2] ホワイトスプルースの集成材は桧のムク材の1.5倍強いと思いますか?
H見川店の店長のT中は、東海住宅の建築現場に行って、同社の ホワイトスプルース の集成材を指さして、見込客に「これは、集成材で、無垢材の1.5倍強いんですよ」などと大威張りで言っていたので、よく言うよなあ~あ・・・・とあきれたことがあった。 いつの頃からか、住宅建築業界では「集成材はムク材の1.5倍強い」というお話が広まってしまい、それを本気にしている人がけっこういるのだ。 誰か一人だけが言うならともかく、けっこう言う人間が多いので、それだけ多くの人間が言うからには、論拠があってのことではないかと思いがちだが、その理由・論拠をきっちりと述べることができる人間というのがあまりないのだ。
普通に考えて、だ。 スプルースというのは北米産の木で、俗称を「アラスカ桧」と言い、見た目が桧に似ているが桧のような強度はなく、桧より価格が安い材木なので、構造材としてではなく造作材として桧の代わりに使われてきた材木だ。 最近、ペットショップをのぞくと、犬でも室内飼いの小型犬が主になってきているようだが、一昔前は、ホームセンターに行くと、スプルースを使った犬小屋がけっこうあった。 犬小屋ならそれほど強度がなくてもいいだろうということで強度はないが安い木であるスプルースを使っていたらしい。 スプルースは在来木造では、長く、構造材としては使わなかった。 一条工務店では通し柱と真壁の管柱が桧のムク材、大壁の管柱に杉を使っていた。住友林業では通し柱に集成材。管柱はヘムファー(べいつが)を使っていたはずだ。 一条工務店の営業で住友林業と競合になった時、「住友さんに、柱をせめて杉に変えてください、と言ってみてください。それで金額がどうなるかきいてみてください」と言うひとがあったらしく、それをすると住友林業では相当に価格が上がるらしく、真面目に答えたら相手の手の内に入るだけと思ったらしい住友林業の営業は、「うちでは杉は使わない」と言って杉をけなすようにしたらしく、住友林業の営業がそう言ったらしいという話をよく聞いた。 住友林業は集成材をけっこう「売り」にしていたのだが、集成材でもその家の価格によって使うものを変えていたという話を聞いたことがある。 そんなところで、もともと、柱によく使われた木は、評価の高いもので、桧・ヒバ。それに次ぐのが杉。少々、評価が下がるのが栂(つが)。 広葉樹で唯一、柱に使われたのが欅(けやき)。
集成材は5枚ほどの木を接着剤で貼り合わせて作ったもので、薄い状態で乾燥させて接着できるのでムク材より乾燥させやすい、同量の丸太からムク材として使用するよりも多く使用できるので材木の無駄遣いにならないという長所があるが、他方で、材料費はムク材より安いけれども、切って貼る手間がかかるので材料費がかからない割に安くならない、ムク材は解体して廃棄する場合も全体が木であるが集成材は接着剤が混じっているので、焼却する場合もムク材より集成材の方が規制が多く、その点で集成材は環境に優しいとは言い難い、といった面もある。
「集成材はムク材の1.5倍強い」というお話はけっこう広まっていて、我が家のリフォーム工事に来た大五(「大工」と言えない。 大八までもいかない。せいぜい、大五くらいだろ・・)のじいさんまでが、「これは、集成材で、ムク材の1.5倍強いんですよ」などと言い出したので、俺は建築の仕事をしてきた人間なんだと言ってるだろうが、そういう人間に向かってよくそういう文句を言うな、といいかげん嫌気がしたことがあった。 普通に考えて、だ。 4寸(12cm)角なり、3寸5分(10.5cm)角なりの柱があって、それを5枚にスライスして、もう一度、木工用ボンドででも、ボンドG17 ででも、セメダインででも、フエキ糊ででも、アロンアルファででも、ご飯粒ででも、つば ででも貼り合わせてみたとしよう。 もとの1.5倍の強度になると思いますか? なるわけないだろうが。
では、「集成材はムク材の1.5倍強い」という話はいったい、どこから出てきたのか? ―――(答え)住友林業の営業が言いまくったから。 ・・・・・だと思いますよ。 実際のところ。
一条工務店に勤めていた時、「住友林業の言うことだから絶対まちがいない」とか言うおっさんと出会うことが時々あった。 「おっさん、アホか?」と言いたい気持ちだったが、見込客にそういうわけにもいかないのだが、相当に重症の人にはどうしようもなかった。
理屈は何かということだが。 こういうことだと思うのだ。 「許容応力度」といって、この材はこのくらいの強度があるという前提で構造を考えていいですよ、として決めている数値がある。 しかし、鉄とかならその数値は決めやすいが、木の場合は、同じ種類の木でも1本ずつ強度が違う。 乾燥の度合いでも違うし、心材と辺材でも違うし、年輪がつまっているものとそうでないものでも差があるし、個体差もある。 その為、「その数値より弱いものは5%以下」という数値を、桧なら桧、杉なら杉の許容応力度として決めたはずなのだ。 だから、ムクの桧やムクの杉はその許容応力度よりも大半の木は強いのだ。 それに対して、集成材は木とはいっても工業製品だ。 ムクの木は管轄は農林水産省でJASの対象だが、集成材・合板は経済産業省の管轄でJISの対象だったはずだ。 ムクの木は農産物なのに対して、集成材は工業製品と見られているらしいのだ。 そして、集成材については、「その数値より弱いものは5%以下」という数値を許容応力度とするという扱いにはなっていないはずだ。集成材はムク材ほどばらつきはないから。 その結果、集成材の数値はムク材の数値の約1.5倍・・・ということになったのだろう。 そういうところから出てきた話だと思われる。 真壁和室の柱などではムク材の方が本物感があるが、集成材には、ムク材より乾燥によるひび割れを起こしにくいなど長所もある。 ムク材でも十分に乾燥させたものはそれほどは狂わないし、もともと、ある程度は乾燥による変化などあるものだという木を使って建てるのが木造という構法であるが、そうはいっても、集成材の方がムク材より狂いはないという面はある。 しかし、「集成材はムク材の1.5倍強い」などというお話は、マユにつばをつけて聞いた方がいいと思う。
そして、だ。 1.5倍強いとかなんとかいうのは、同じ木での話だ。 ムクの桧と桧をスライスしたものを5枚貼りあわせた集成材と比較して言うならともかく、ホワイトスプルースの集成材がムクの桧の1.5倍強いなんて、誰かそんなこと思うかあ~あ????? まあ、そういうことを平気で大きな顔をして言うのが不動産屋なのだ。 東海住宅は「建築もやっているとはいっても不動産の方が中心」とその頃、常務で、今、社長になったO澤が言っていた通り、不動産屋なのだ。 だから、「お客さん、この木は、ムクの木の1.5倍強いんですよ!」て、おっさん、よく言うよなあ~あ・・・・・とあきれて聞いていたのだが、不動産屋の建てる建物などというものは、八百屋の売ってる魚以下だ。 不動産屋のおっさんの建物についての講釈などというものは、八百屋が語る魚の話みたいなもの、魚屋の話す野菜の話みたいなもの。それ以下だ。
まあ~あ、しかし、ホワイトスプルースの集成材を指さして、「この木はムク材の1.5倍強いんですよ」て、よく言うよなあ~あ・・・・と思うのだが、「よく言うよなあ~あ」と思うのは建築屋の感覚で、不動産屋にはそういう感覚はないらしい。
※ 「集成材はムク材の1.5倍強い」という論拠不明確なお話は、いったいどこから出てきたのか、という問題については、[第226回]《住宅建築業界 職歴詐称を見破る方法(1)序論「床柱ってどんな木を使うのですか?」+予備校の学歴詐称男 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201401article_8.html でも述べました。
柔道や剣道など格闘技には「後の先」という考え方があり、相撲や柔道には「返し技」というものがあります。ボクシングにカウンターパンチというものがあります。相手がこういう手に出てくれれば、営業なら、競合企業の営業がこういう攻撃を自社・自社の商品にしてくれれば、それに対してカウンターをお見舞いできるのだが、その攻撃をしかけてくれないかな・・・というところに、まさにそれを出したのでは相手の思うつぼです。 高森朝雄・ちばてつや の『あしたのジョー』の矢吹丈は、相手が左ストレートを打ち込んでくるところに、右ストレートを相手の腕にクロスさせて打ち込むクロスカウンターを得意としました。「通常のカウンターのパンチでも、相手が出てくるところに打ち込むのでその威力は倍になるとされる。それがクロスカウンターとなれば、その威力は3倍にも4倍にもなる」と。もっとも、『あしたのジョー』で出てくるクロスカウンターなるものを実際のボクシングの試合で見たことがないので、そんなに珍しい難易度の高い技なのかとかつては思ったのですが、ヤフー知恵袋だかOK Waveだかどっちかにでていた話では、『あしたのジョー』に出てくるクロスカウンターは相手の腕に自分の腕をクロスさせて相打ちのようになるのですが、実際のボクシングのクロスカウンターはそうではなく、相手がストレートを打ち込んでくるその腕にクロスさせた上で相手のパンチはかわして、自分のストレートは相手の顔面に打ち込むというもので、漫画のクロスカウンターとは別みたいですが。
それで、東海住宅の店長をやっていたT中が、ホワイトスプルースの集成材を指さして、「この木はムク材の柱の1.5倍強いんですよ」などと厚顔無恥なことを平気で大きな顔をして言うというのは、ひとつは、T中が東海住宅という「建築もやっているけれども売買の不動産業が主」という会社にいたからです。請負の住宅建築業の会社でそういういいかげんなことを言えば、競合会社の営業からカウンターパンチを受ける可能性が低くありません。 もう20年以上前、大学新卒で小堀住研に入社した1年目、配属先の営業課長から「構造について、自分自身がよくわかっていないことをお客様に言ってはいけない」と言われました。 自分自身がよくわかっていないことを言うというのは良心的ではないということもありますが、自分自身がわかっていないことをお客様に言ったとして、もし、競合メーカーの営業がある程度以上わかっている人間なら、その点に反撃を加えられ、いわば、カウンターパンチを受けたような状態になるからでもあります。 「カウンターのパンチは通常のパンチの倍の威力があるものなり」です。
もし、私が、ムク材の柱を使用している競合企業の営業なら、たとえば、「へえ~え? ホワイトスプルースの集成材がムクの桧の1.5倍強いんですか? 初めて聞きました。 へ~え。すごいですね。どういう理屈で1.5倍強いのですか?」と質問します。 見込客が「え? 違うんですか? 東海住宅の営業さんがそう言ったんですけども」と言うと、「そうですか。 東海住宅の営業さんは、そこまではっきり言われるのなら、何か理屈があるのでしょう。どういう理由で1.5倍強いか説明してくれましたか?」と言います。 「いえ、どういう理由でかは聞いてませんけれども」と見込客が言うと、「どういう理由でかも言わずに、『1.5倍強いんですよ』なんて、言ってるんですかあ? そりぁ、どういう理由でかきいたほうがいいですよ。」と言います。見込客としては、こう言われると、ただでさえ、見てくれ・風貌だけでも、私とT中ではどちらが信用できそうかと言えば、T中の方が信用できそうなわけないわけですから、というより、T中みたいな「ヤクザみたいなおっさん」の言うことを信じていいものかどうか半信半疑だったところに、そう言われれば、やっぱり、あんなヤクザみたいな人、相手にしない方がいいわ・・・と思われるようになる・・ということが考えられます。T中は、いいかげんなことでも言った者勝ちとでも思っているかもしれませんが、ある程度以上の経験のある営業なら「返し技」「カウンターパンチ」を出せます。 (特に、構造について、)いいかげんなことを言うというのは、競合企業の営業がある程度以上わかっている人間なら、わざわざ相手にカウンターパンチを撃たせてあげるようにお膳立てすること、「返し技」を狙っている相手にわざわざ相手の狙っている技を出してあげることと同じです。私なら、T中みたいなことを競合会社の営業が言ってきたなら、「たっぷりとウエイトののった右ストレート」をカウンターでお見舞いしてやりたいですね。営業上の戦略として「カウンターパンチ」は効果がありますが、それだけじゃなく、嫌いなんです。いいかげんなこと言うやつが。
T中がそういう営業をやって通じてきたというのは、純粋な請負の住宅建築業の会社ではなく、建売・建築条件付き土地を扱っている「建築もやっているが売買の不動産業が主」の会社の東海住宅にいたから、そういう会社の見込客というのは、主たる関心は土地の方であり、最初から東海住宅の建物が請負で建てている住宅建築業の会社の建物より劣っていてもしかたがないとあきらめており、東海住宅の営業が言うことも建物については多少はいいかげんでもしかたがないとあきらめているからで、競合になるのも、同タイプの「建築もやっているけれども売買の不動産業の方が主」という不動産屋か、もしくは、提携している工務店に建てさせてバックをもらうことにしている建売・建築条件付き土地を扱っている不動産屋で、似たもの同士が競合だからです。請負の住宅建築業で競合企業の営業がT中みたいないいかげんなことを言ってくれれば、競合企業の営業としては、「いただき」ということになるでしょう。
しかし、それにしても、よく言うなあ・・・・・・。
※≪ スプルス ・ シトカスプルス (マツ科・トウヒ属)
産地:北はアラスカから南はカリフォルニア北部に至る太平洋岸沿い一帯に生育し、大木は樹齢400~800年を経ているという。
性状:辺材は淡黄色ないし黄白色、心材は淡桃黄色ないし紫色を帯びた淡褐色で時間の経過とともに濃色になり、やや赤みを帯びた銀褐色となる。 木理は通直、肌目細かく光沢あり、軽軟で加工容易。
用途:一般建築用材(特に内部造作材)、その他家具、建具指物、航空機用材など。≫
(今里 隆『これだけは知っておきたい建築用木材の知識』1985.5.6 鹿島出版会)
[3] 前面道路の幅が同じであっても通り抜ける道と敷地の端までしかない道の場合では車庫の造り方は違う、そんなこともわかっていない「設計」「2級建築士様」
東海住宅が千葉県八千代市の大和田新田で4区画の分譲をおこなった際にも、Sは変な車庫造り(?)をやっている。
同じ道路幅の道路に面していても、前面道路が通り抜けるようになっている土地と、そうではなく、その土地の端までしか前面道路がない場合とでは、車庫の造り方は変わってきます。 また、不動産屋が何区画かに分けて分譲しようという場合、前面道路の幅が同じでも、その道が通り抜ける道か、その土地の端までしかない道かで分け方は変わってきます。 ↓
↑ このように、前の道が通り抜けるようになっておれば、比較的苦労せずに車庫は作れます。前を通り過ぎてからバックで入れることはできるし、前から出ていくこともできます。 しかし、↓
↑ このように、前の道がその土地の端までしかない場合、交通量の多い県道から頭から入ってきたクルマは、車庫に頭から入ることができるかできないか、になります。 出る時、尻から出ることになりますが、出ることができるかどうか微妙で、出ることができても、毎日、けっこう苦労すると思われます。 尻から出たとしても、今度は、交通量の多い県道に尻から出ることができるかどうか。 相当苦労すると思われます。 だから、この区画はなかなか売れません。
最初から、区画を分ける時点で、こういうことを考えて分けるのがプロの仕事であり、なあんも考えずに、こういう区画割をしてこういう車庫スペースを作るというのは、それは、しろうとの仕事・・というか、しろうとでもやらないことをやっているのです。
「2級建築士だぞお」のやることといえば、「そんなもの」です。 まあ、「いっきゅうけんちくしいい~い」と言いたがるしょーもないおっさん は時々いますが、「2級建築士だぞお」だの「2級建築士がやったプランだから絶対にいいに決まってんだ」とか言う人なんて、あんまりありませんけれどもね・・・・。
(2014.9.17.)
高山シリーズ第2回(16)[第294回]https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_18.html からは、高山の町家で柱にわざわざ曲がった松を使うなどということはあるか? という点を考察します。
その前提として、権威主義的パーソナリティーの「デザイナー」が「建築家」の名前で敬意を表した 慶應義塾大学日吉(新)図書館について、[第293回]《図書館の建築。 槇文彦「慶應義塾大学 日吉(新)図書館」を考える。 私が好きだった入新井図書館。他 》 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_17.html で述べます。
☆ 高山シリーズ第2回は、
(1)国府町村山天神参拝(1)上枝駅から宮川沿い https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_2.html
(2)国府町村山天神参拝(2) https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_3.html
(3)国府町村山天神参拝(3)浸透桝で雨水処理、赤松は赤い https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_4.html
(4)あじめ峡、あじか、廣瀬神社、国府小学校https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_5.html
(5)国府大仏、阿多由太神社https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_6.html
(6)飛騨国府駅周辺。「耳付片流れ屋根」https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_7.html
(7)松本家住宅上・ヒラノグラーノhttps://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_8.html
(8)松本家住宅下・宮地家住宅上https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_9.html
(9)宮地家住宅下・平田記念館https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_10.html
(10)飛騨民族考古館1 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_11.html
(11)飛騨民族考古館2 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_12.html
(12)飛騨民族考古館3 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_13.html
(13)飛騨民族考古館4 版画喫茶ばれん、質屋の入口から逃げていく裁判官 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_14.html
(14)飛騨高山まちの博物館(矢嶋家土蔵、永田家土蔵)https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_15.html
(15)東西反転プランでは玄関だけ移動するのか、全体が入れ替わるのか。 今回。
〔(16)~(20)の前提として、権威主義的パーソナリティーの「デザイナー」が「建築家」の名前だけで敬意を表した慶應義塾大学日吉(新)図書館について https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_17.html 〕
(16)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 1 JR日光駅はフランクロイド=ライトの設計でなければ価値はないか? https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_18.html
(17)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 2 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_19.html
(18)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 3 掃除しにくい細かい桟、マーケティング的発想のない店 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_20.html
(19)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 4 料理を出せないついたて、店のコンセプトが理解できない建設部長、日露戦争100周年と平気で口にする女性 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_21.html
(20)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 5 「酒が飲めない人にも飲める酒」を勧められない「日本酒ソムリエ」、 人事総務の最低スキル https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_22.html
(21)飛騨総社 他 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_23.html
☆ 高山シリーズ第1回 は、
上 [第202回]《飛騨天満宮(高山市)‐冤罪を晴らす神・菅原道真・怨念を晴らす旅(12)上、松本家住宅、飛騨の家具館他》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201309article_7.html
中 [第203回]《飛騨天満宮(高山市)‐冤罪を晴らす神・菅原道真(12)中。「天神」考察。居酒屋はいいかげん。》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201309article_8.html
下 [第204回]《飛騨天満宮(高山市)下‐冤罪を晴らす神・菅原道真(12)。高山市の白山神社。高山市役所。》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201309article_9.html
です。 ぜひ、ご覧くださいませ。
【26】-9 高山の「民家」 9
《9》 今回、松本家住宅・宮地家住宅・平田記念館(平田家・「打保屋」)・飛騨民族考古館(藤井家→坂本家)と飛騨高山まちの博物館の矢嶋家土蔵・永田家土蔵について写真を公開して述べました。 私としては高山へは3度目の訪問で、1度目の訪問の際に、吉島家住宅・日下部民藝館(日下部家住宅)と飛騨民族考古館(藤井家→坂本家)を見学させていただきました。 飛騨高山まちの博物館は土蔵を利用しているとはいえ、博物館として使用するために改装されている部分もあり、主家屋がそこにないので、主家屋との配置関係はわかりません。
これらの家屋が建っている地域は南北に長い通りがあって東西の区画は短く、東道路の家と西道路の家が多く、南道路・北道路の区画は少なくなっています。 松本家・宮地家・日下部民藝館(日下部家)・吉島家の4家屋はいずれも東道路で、平田記念館(平田家・「打保屋」)は東と北が道路の角地であるが入口は東で実質、東道路として建てられています。それに対し、飛騨民族考古館(藤井家→坂本家)は西道路の建物です。
↑宮地家住宅 高山市大新町
↑平田記念館(平田家・「打保屋」) 高山市上二之町
↑飛騨民族考古館(上田家→坂本家) 高山市上二之町
平田記念館(平田家・「打保屋」)の簡単な間取り図が、平田記念館のホームページの「平田記念館」http://www.hidanet.ne.jp/~s-hirata/museum01.html に出ています。
日下部民藝館(日下部家住宅)の簡単な間取り図が、日下部民藝館のホームページの「見どころ」http://www.kusakabe-mingeikan.com/view.html に出ています。
東道路の家、宮地家住宅の場合、まず、「外どじ」という土の場所があって、その内側に「内どじ」という土の場所がある。 「外どじ」の北側に「みせ」として畳が敷かれた和室があり、現在は管理人室として使用されているが、もともとは、道路に面してこの部屋で商売をしていたらしい。 内どじの北側、「みせ」の西側に「おえ」という畳敷きの和室がある。その西に「奥の間」「縁」があり、その西は中庭になっている。奥の間の奥、北寄りに仏壇が配置されていたらしい。 「内どじ」は「外どじ」の内側は「外どじ」と同じだけの幅があるが、西に進むと半分以上は畳敷きとなって、「内どじ」は狭くなり、履物を履いて通る廊下のようになる。 主家屋の西に「内どじ」から出ると、履物を履いて利用する屋根のある「台所」。 台所にかつては井戸があったという。 「台所」の北、「奥の間」の西の「縁」の西に「中庭」がある。 現在、来館者が利用するトイレは「内どじ」の南側に設けられているがこれは宮地家が使用していたものではなく来館者用に作られたもので、宮地家の便所は「台所」の西にあった。 これらの西に土蔵がある。 「おえ」の北側に階段があって2階に上がることができる。 「おえ」の上は吹き抜けになっており、2階は「みせ」の上と「奥の間」の上にあり、「奥の間」の上の部屋が「座敷」として作られている。
宮地家住宅は≪ 米屋、酒屋、養蚕などに携わってきた半商半農の家。 1875年(明治8)の大火の直後に建てられたといわれる。 奥行きがあり、こぢんまりとした当時の標準的な町家建築。≫と『ことりっぷ 高山 白川郷』(2008.7.昭文社)に出ているように、間取りの構成もこの付近の町家の一般的、基本的な間取りではないかと思います。 「外どじ」「内どじ」という履物を履いて通る土の場所が家の南よりを東から西に通り、その北側に「おえ」「奥の間」という和室があって、「内どじ」の北の和室に囲炉裏があり、吹き抜けがあって囲炉裏の煙だしと明り取りに「天窓」↓がある。
日下部家住宅(日下部民藝館)や吉島家住宅は宮地家住宅よりひと回り大きいのですが、基本的な構成は共通しています。 平田記念館もそうです。
(比較的、簡単に見学させていただける住宅としては、東道路の建物が松本家住宅・宮地家住宅・平田記念館・日下部民藝館・吉島家住宅の5軒、西道路の建物では飛騨民族考古館の1軒ですが、この地域では、東道路の家と西道路の家はほぼ同じだけ建っており、東道路の方が基本というわけでもありません。)
[1] 東道路の土地に建てられる建物と西道路の土地に建てられる建物では、建物の構成は「東西反転」か、「玄関だけ移動」か?
さて、飛騨民族考古館(上田家→坂本家)の場合、西道路ですが、どういう構成になるでしょう。
[問]下記のいずれの間取りに近いか検討せよ。
(A) 玄関を入るとまず土蔵がある。 土蔵の南側を通って中庭の南にでる。 中庭の南のトイレの北を通り、台所を通って主家屋の中の「内どじ」に入る。 「内どじ」の北は「奥の間」になっている。 その東に「おえ」があって、さらに東に「みせ」がある。 宮地家住宅の間取り構成をほぼそのままにして、玄関だけが土蔵の西に移る。
(B) 玄関を入ると「どじ」。「どじ」の北に囲炉裏のある部屋。 その奥に和室がある。 「どじ」は東に伸びており、途中に井戸がある。玄関入ってすぐの和室の東側に座敷がある。 座敷の東側に中庭がある。 「どじ」を通り、中庭の東側に行くと土蔵がある。
《正解》 (B)
(A)は間違い。
・・・・・こんなの、誰でも答えられるよなあ~あ。 (A)なんて答える人間おらんだろう・・・・て思いませんか。
ところが、いるんです。 私がかつて勤めた千葉県八千代市の京成「八千代台」駅の東口に本社がある東海住宅が千葉県佐倉市上志津に10区画余りの分譲をおこない、1区画のみ自社で建てたモデルハウス兼建売住宅とし、残りを建築条件付き土地として販売し、実際には結果として建築条件をはずして販売して区画もあったのですが、東海住宅の2級建築士だという「設計」Sが設計したその「モデルハウス兼建売住宅」の間取りがすごい! 西道路でやや東西に細長いとはいえ長方形の整形の土地で約40坪ある敷地に、玄関入ったらまずキッチン。 キッチン通ってダイニング。 その奥にリビングルームと和室。 なんじゃ、こりぁ~あ!!!
こんなおかしなプランニングはしろうとでもせんよ! しかも、道路側の西面以外の3面。 南・東・北といずれも、建物が隣地境界線から1メートル離れていないのです。 ということは、民法の規定により、隣地側の窓には目隠しの設置を隣家から求められれば拒否できないことになります。 新しく家を取得して、東・南・北と3面、北面はまだしも、南面も東面も窓に目隠しを設けなければならない家って、なんじゃ、そりぁ。
さらに。 この場所は京成「志津」駅の南側で、千葉県は、東京都から千葉県に入って、市川市、船橋市、習志野市とそのあたりは京成よりJRの方が優勢であるが、八千代市の八千代台駅には京成津田沼から分かれた京成本線のみでJRは離れ、佐倉市と八千代市の境目の勝田台には京成本線と東葉高速鉄道が来て、その東が「志津」で、このあたりからは佐倉市。 佐倉市になると、いったん、千葉に行って遠回りしてくるJR総武線より京成本線の方が、むしろ、通勤路線になる。しかし、いずれにせよ、東京都内からは志津駅までけっこう遠い。その志津駅から徒歩で10分では行けない。 「不動産屋の表示」として、1分80メートル歩けるという前提で所要時間を表示してよいと国土交通省が決めているらしく、かつ、その基準で所要20分までを「徒歩圏」としてよい、それを超える場合は「バス圏」としなければならない、としているようだが、実際に駅まで歩いて通勤してみると、駅まで15分かかるとつらい。ここはその手前くらいの場所だった。だから、通勤に使えないことはないし徒歩圏は徒歩圏であるが駅まで近くはなかったし、買い物などで利用する施設にも近くなかった。 そういう場所であれば、駐車スペースは2台欲しいところである。 土地の面積は約40坪あったので2台分設けることはできた・・・のだが、家屋と道路の間には2台分のスペースはあったにもかかわらず、1台のみ駐車場を設けて、もう1台は停めようがないようにぱっとしないオブジェみたいなものを設置してしまった。 バッカじゃなかろかルンバ♪
《YouTube-野村監督「バッカじゃなかろかルンバ」(原曲入り)》http://www.youtube.com/watch?v=ewJ6WwU76Rs
《YouTube-バッカじゃなかろかルンバ! 》http://www.youtube.com/watch?v=Cz7M4FQinUM
かつ、東よりのリビングルームと西よりの小さい貧弱なダイニングルームとの間に東・西・北を自分の家の建物で取り囲まれた「中庭」があるが自分の家で陽をさえぎって暗い庭になると考えられる。 なぜ、こんなことをするのか。 一般に、家相では「東南の張りは吉相」とされ、「東南の欠けは凶」とされるが、これは太陽が出てくる方向に向かって家が張り出ていくのは吉だという考え方で、実際には、東南の部屋があまり出っ張るとその西側は陽が当たらない暗い場所になる。 この「中庭」はわざわざ暗い庭にしたということだ。 なぜ、こんなことをしなければならないのか。
自分の会社が作成したプラン集、あるいは他社のプラン集、市販のプラン集を見て、これはなかなかいいと思ったものがあったとしても、実際に建てようという人の土地にそのままあてはめたのではうまくいかない場合がある。 他社のプラン集に載っていたものであっても、どうせ、他社の設計担当も他のものを参考にして作っているのだから、他社のプラン集に載っているものを参考にさせてもらって作るのは別に問題はないと思う。
しかし、そのままあてはめてはうまくいかない場合は、うまくいかない部分を修正するか、もしくは、あくまで「参考」として全体を作り直すかしなければならない。
推測して言うならば、なぜ、わざわざ暗い「中庭」を作るプランをSが作ったかというと、おそらく、どこか他の会社のプラン集か市販のプラン集に載っていたプランで、もっと南北方向が広い敷地向けのものがあったのだろう。南北方向がもっと広く、全体の敷地が約40坪ではなく70坪くらいでもあったなら、東よりの部屋の前にも庭があり西寄りの部屋の前にも庭があり、その間に「中庭」があるというプランもありうるかもしれないが、東寄りのリビングルームの前は隣地境界まで1m程度しかない。西よりのダイニングルームの前は隣地境界まで1mない、などというそんな土地に建てるプランではないのだ。
東側も東寄りのリビングルーム・和室の窓から隣地境界まで1mなかったが、これも、本来、東側ももっと広い土地向けのプランを無理矢理あてはめるから東の隣地境界まで1mもない東面まで窓に目隠しをつけなければならない家にしてしまったのだ。
な~にをわざわざ、へんてこりんなオブジェを作って、2台クルマを停められる場所を1台しか停められないようにしてしまうのか、とあきれたが、要するにアホなんだわ、「設計」のSは。そう考えるしかない。そこにある事実が、実物がそう語っていた。
それで、そもそも、「玄関入ったらまずキッチン♪」て、こんな家に住みたい主婦いるか? こんな家に来客通したい主婦いるか? バッカじゃなかろかルンバ♪!♪ どう考えても、建築業の仕事に従事している人間が作成した図面ではない。
1990年前後に在籍した小堀住研に「ハウス55」という「企画住宅」があった。「企画住宅」というのは規格にはまったという意味の「規格」ではなく、こういう住まい方はどうでしょうか、という企画を売るという趣旨らしい。 プラン集があって、そこから施主の敷地に合うものを選んで部分的に変更を加えて建てるという方式で、使用する設備もあらかじめ決まっているものの中から選択することになっており、プラン作成の手間が少ないことと使用する設備が何種類か決められているものの中から選択する方式なので安めの価格で入れられるということから、内容の割に安い、価格の割に内容がある、というもので、「ともかく安い」というタイプの商品ではなく「高品質低価格」をうたう商品だった。 この頃、他の会社、鉄骨系の積水ハウス、パナホーム(ナショナル住宅産業)、ツーバイフォーの積水ツーユーホーム、木質パネル構法のミサワホームなどにも同様の商品があった。 「ハウス55」は東西反転プランも認められていたが、反転してうまくいく場合とそうでない場合があり、うまくいかない場合は「ハウス55」のシステムで修正して対応できるものは修正し、できなければ他のものから考えるしかない。
そういった場合、 「東西反転プラン」というのは、あくまで、全体を東西入れかえるということだ。 家の真中に南北に軸を設置してその軸を中心にぐるっと180度回転させて裏側から見た図を採用するという意味だ。 東道路東玄関の家で、そのプランが好きだが、西道路の土地だから玄関だけ西に移動させる、という意味ではない。玄関だけ西に移動させるというのは、かけだしの営業でやろうとする者が時々いるが、うまくいくものではない。
東海住宅の「ベテラン」だという「2級建築士」の「設計」のSがやったのはそれだろう。 どこかの図面を見て、その図面がどれだけの敷地に建てることを考えて作成されたものか考えもせず、東海住宅の分譲地にはめこんだ。 だから、東と南がいっぱいいっぱいになった。 しかも、東道路で、東の玄関から入ると、まず、リビングルームと和室があり、そこを通ってDKに至るという図面から、玄関だけ西に移動させたのだろう。 だから、「玄関入ってまずキッチン♪」という、よくこんなもの考えたな!という図面になった、ということだろう。 あんまりやらんぞ、こんなこと。かけだしの営業でも。 それを東海住宅の“ベテラン”の「設計」のSはやったのだ。
「上志津のモデルハウスのあの間取りはひどいですねえ」と営業所の事務所で口にしたところ、だ。 「俺は建築のことはよく知ってんだ」と自称している店長のT中が、「何、言ってんだ。Sさんは2級建築士なんだぞお。 2級建築士の作るものなんだから、いいんだよ。 おまえとは違うんだ、Sさんは。 わかんねえのかあ。 2級建築士が作ったものなんだから、すばらしいんだ。2級建築士の作るものはすばらしいに決まってんだ。 このバカ野郎!」と私に言ったのだ。 あんまり、そういうこと言う人ないと思うんです。
なぜ、ないかというと、「2級建築士」というのは、実際のところ、あんまり、そういう評価をしてもらえない資格なんです。 一条工務店の 福島県いわき市の営業所にいた時、2級建築士の資格を持っていたらしいMが来場客に、「2級建築士」と書いた名刺を渡したところ、「なんだ、2級か。 1級じゃないのか」と言われたと憤慨していたことがあった。 建築士の試験は、1級建築士と2級建築士の試験を同年に受けて1級建築士に合格して2級建築士に落ちる人もあったりするし、戸建住宅に関しては、1級建築士の出題対象より2級建築士の試験の出題対象の方が関係が大きいとも言われたりするのだが、2級建築士という資格は、世間一般の評価として、持っていて悪いことはもちろんないが、「2級建築士だぞお」などと言うひとはあまりないし、そういうことを言うと、「なんだ、1級じゃないのか」と言われることになるのがオチの資格である。 何かと「いっきゅうけんちくしい~い」と言いたがるアホが多いのが1級建築士であるが、これも、持っていて悪いことはないが、「いっきゅうけんちくしい~い」と言えば、水戸黄門の印籠みたいに人が言うことをきくみたいに思っているおっさんはバカである。 ああ、そう、とでも言ってやるしかない。実際のところ、1級建築士みたいなもん、「掃いて捨てるほどいる」し、役所に建築確認申請を出す業務でもやるなら建築士の資格を持っていないといけないが、プランを作成するにおいては、建築士の資格をもっているかどうかよりも、どれだけ良い図面を作成できるかが問題だ。
1級建築士のことを「足の裏についた米粒」と言うらしい。 意味は「取らなきゃ気持ち悪い。 だからといって、取ったからといって、食えるものじゃない」ということらしい。 建築学科を卒業した人間にとって、1級建築士の資格は「取らなきゃ気持ち悪い」が、だからといって、「取ったからといって」、それで、「食える」というものでもない、ということで、うまく言ったものだと思う。 ひとつには、受験資格が、2級建築士の場合は大学の建築学科を卒業すればただちに受験でき、工業高校の建築学科卒、建築系の専門学校卒でも何年かの実務経験を経て受けることができたが、1級建築士は大学の建築学科卒で2年の実務経験を経て受けることができるが、工業高校の建築学科や建築系の専門学校卒だと受験できるまでの年数が長く、また、学歴なし実務経験だけで取得しようとすると、2級建築士は7年の実務経験が必要で、1級建築士は7年の実務経験の後に2級建築士に合格して、さらに何年かの実務経験を経なければ受験ができないことになっているので、その結果、1級建築士を取得した人は大学の建築学科卒の人が多く、かつ、かつては、建築学科のある大学が少なかったので、1級建築士を持っている人は、ある程度の「1流大学卒」の人である場合が多かったようだ。 だから、1級建築士は「一流大学」の建築学科卒でもある場合が多く、その点で、全体的に評価されたようなところもあったらしい。 しかし、今では建築学科のある大学の数も増えたし、言っちゃ悪いが、受験番号と氏名を書けば合格で、国立大学より高い私立大学の法学部・経済学部の学費の倍くらいの学費を払うことができる家庭の息子・娘なら入学できるようになっており、そこを卒業したとして、建築士の試験自体は無茶苦茶難しい試験でもないらしいので、今となっては、1級建築士もそれほど評価は高くなくなった・・・・にもかかわらず、「いっきゅうけんちくしい~い」と言いたがるあほくさいおっさんがけっこういる。 かつ、「いっきゅうけんちくしい~い」を実際以上にありがたがるあほくさい経営者の会社もある。 また、アホがいたか、くらいにしか私は思わないが、いるんだわ、そういうアホが。 それに対して、木造建築士という国家資格があるのだが、これは、最近では建築の契約においても、1級建築士・2級建築士・木造建築士のいずれかが重要事項説明をしなければならないことになったことから、使いでがでてきたけれども、それまでは、うかつに、「私、木造建築士の資格もってるんです」などと口にすると、「ナマ言いやがってからに。 そんな資格あるわけないだろうが。 こんちくしょう」とか思われるのが関の山で、実際には嘘ではなく本当にある国家資格であるのだが、「3級建築士」と同じくありもしない資格をでっちあげて騙っているかのように思われかねない資格で、持っている人に「◇◇さんは木造建築士の資格を持ってられるんですか」と話しても、「持ってますよ」と言うだけで、「もくぞうけんちくしい~い」とか言って得意がる人なんかどこにもいない。 2級建築士は木造建築士よりは評価が高いが、それにしても、「Sさんは2級建築士なんだぞ。2級建築士が設計したものなんだから、いいに決まってんだ。わかんねえのか」などという言葉は初めて聞いたし、あんまりそんなこと言う人ないし、「玄関入ったらまずキッチン♪」の図面を作成する男の図面を「2級建築士が作ったものなんだから絶対にいいに決まってんだ」とか言う人、そういう認識の人というのも、それまで見たことも聞いたこともなかった。
(この土地建物の簡易な図面は私の手元にもありますが、「玄関入ってまずキッチン♪」の「バッカじゃなかろかルンバ♪」の土地建物でも購入してくれる方はあったらしく、住まれているようですので、それはここでは公開しないことにします。)
[2] ホワイトスプルースの集成材は桧のムク材の1.5倍強いと思いますか?
H見川店の店長のT中は、東海住宅の建築現場に行って、同社の ホワイトスプルース の集成材を指さして、見込客に「これは、集成材で、無垢材の1.5倍強いんですよ」などと大威張りで言っていたので、よく言うよなあ~あ・・・・とあきれたことがあった。 いつの頃からか、住宅建築業界では「集成材はムク材の1.5倍強い」というお話が広まってしまい、それを本気にしている人がけっこういるのだ。 誰か一人だけが言うならともかく、けっこう言う人間が多いので、それだけ多くの人間が言うからには、論拠があってのことではないかと思いがちだが、その理由・論拠をきっちりと述べることができる人間というのがあまりないのだ。
普通に考えて、だ。 スプルースというのは北米産の木で、俗称を「アラスカ桧」と言い、見た目が桧に似ているが桧のような強度はなく、桧より価格が安い材木なので、構造材としてではなく造作材として桧の代わりに使われてきた材木だ。 最近、ペットショップをのぞくと、犬でも室内飼いの小型犬が主になってきているようだが、一昔前は、ホームセンターに行くと、スプルースを使った犬小屋がけっこうあった。 犬小屋ならそれほど強度がなくてもいいだろうということで強度はないが安い木であるスプルースを使っていたらしい。 スプルースは在来木造では、長く、構造材としては使わなかった。 一条工務店では通し柱と真壁の管柱が桧のムク材、大壁の管柱に杉を使っていた。住友林業では通し柱に集成材。管柱はヘムファー(べいつが)を使っていたはずだ。 一条工務店の営業で住友林業と競合になった時、「住友さんに、柱をせめて杉に変えてください、と言ってみてください。それで金額がどうなるかきいてみてください」と言うひとがあったらしく、それをすると住友林業では相当に価格が上がるらしく、真面目に答えたら相手の手の内に入るだけと思ったらしい住友林業の営業は、「うちでは杉は使わない」と言って杉をけなすようにしたらしく、住友林業の営業がそう言ったらしいという話をよく聞いた。 住友林業は集成材をけっこう「売り」にしていたのだが、集成材でもその家の価格によって使うものを変えていたという話を聞いたことがある。 そんなところで、もともと、柱によく使われた木は、評価の高いもので、桧・ヒバ。それに次ぐのが杉。少々、評価が下がるのが栂(つが)。 広葉樹で唯一、柱に使われたのが欅(けやき)。
集成材は5枚ほどの木を接着剤で貼り合わせて作ったもので、薄い状態で乾燥させて接着できるのでムク材より乾燥させやすい、同量の丸太からムク材として使用するよりも多く使用できるので材木の無駄遣いにならないという長所があるが、他方で、材料費はムク材より安いけれども、切って貼る手間がかかるので材料費がかからない割に安くならない、ムク材は解体して廃棄する場合も全体が木であるが集成材は接着剤が混じっているので、焼却する場合もムク材より集成材の方が規制が多く、その点で集成材は環境に優しいとは言い難い、といった面もある。
「集成材はムク材の1.5倍強い」というお話はけっこう広まっていて、我が家のリフォーム工事に来た大五(「大工」と言えない。 大八までもいかない。せいぜい、大五くらいだろ・・)のじいさんまでが、「これは、集成材で、ムク材の1.5倍強いんですよ」などと言い出したので、俺は建築の仕事をしてきた人間なんだと言ってるだろうが、そういう人間に向かってよくそういう文句を言うな、といいかげん嫌気がしたことがあった。 普通に考えて、だ。 4寸(12cm)角なり、3寸5分(10.5cm)角なりの柱があって、それを5枚にスライスして、もう一度、木工用ボンドででも、ボンドG17 ででも、セメダインででも、フエキ糊ででも、アロンアルファででも、ご飯粒ででも、つば ででも貼り合わせてみたとしよう。 もとの1.5倍の強度になると思いますか? なるわけないだろうが。
では、「集成材はムク材の1.5倍強い」という話はいったい、どこから出てきたのか? ―――(答え)住友林業の営業が言いまくったから。 ・・・・・だと思いますよ。 実際のところ。
一条工務店に勤めていた時、「住友林業の言うことだから絶対まちがいない」とか言うおっさんと出会うことが時々あった。 「おっさん、アホか?」と言いたい気持ちだったが、見込客にそういうわけにもいかないのだが、相当に重症の人にはどうしようもなかった。
理屈は何かということだが。 こういうことだと思うのだ。 「許容応力度」といって、この材はこのくらいの強度があるという前提で構造を考えていいですよ、として決めている数値がある。 しかし、鉄とかならその数値は決めやすいが、木の場合は、同じ種類の木でも1本ずつ強度が違う。 乾燥の度合いでも違うし、心材と辺材でも違うし、年輪がつまっているものとそうでないものでも差があるし、個体差もある。 その為、「その数値より弱いものは5%以下」という数値を、桧なら桧、杉なら杉の許容応力度として決めたはずなのだ。 だから、ムクの桧やムクの杉はその許容応力度よりも大半の木は強いのだ。 それに対して、集成材は木とはいっても工業製品だ。 ムクの木は管轄は農林水産省でJASの対象だが、集成材・合板は経済産業省の管轄でJISの対象だったはずだ。 ムクの木は農産物なのに対して、集成材は工業製品と見られているらしいのだ。 そして、集成材については、「その数値より弱いものは5%以下」という数値を許容応力度とするという扱いにはなっていないはずだ。集成材はムク材ほどばらつきはないから。 その結果、集成材の数値はムク材の数値の約1.5倍・・・ということになったのだろう。 そういうところから出てきた話だと思われる。 真壁和室の柱などではムク材の方が本物感があるが、集成材には、ムク材より乾燥によるひび割れを起こしにくいなど長所もある。 ムク材でも十分に乾燥させたものはそれほどは狂わないし、もともと、ある程度は乾燥による変化などあるものだという木を使って建てるのが木造という構法であるが、そうはいっても、集成材の方がムク材より狂いはないという面はある。 しかし、「集成材はムク材の1.5倍強い」などというお話は、マユにつばをつけて聞いた方がいいと思う。
そして、だ。 1.5倍強いとかなんとかいうのは、同じ木での話だ。 ムクの桧と桧をスライスしたものを5枚貼りあわせた集成材と比較して言うならともかく、ホワイトスプルースの集成材がムクの桧の1.5倍強いなんて、誰かそんなこと思うかあ~あ????? まあ、そういうことを平気で大きな顔をして言うのが不動産屋なのだ。 東海住宅は「建築もやっているとはいっても不動産の方が中心」とその頃、常務で、今、社長になったO澤が言っていた通り、不動産屋なのだ。 だから、「お客さん、この木は、ムクの木の1.5倍強いんですよ!」て、おっさん、よく言うよなあ~あ・・・・・とあきれて聞いていたのだが、不動産屋の建てる建物などというものは、八百屋の売ってる魚以下だ。 不動産屋のおっさんの建物についての講釈などというものは、八百屋が語る魚の話みたいなもの、魚屋の話す野菜の話みたいなもの。それ以下だ。
まあ~あ、しかし、ホワイトスプルースの集成材を指さして、「この木はムク材の1.5倍強いんですよ」て、よく言うよなあ~あ・・・・と思うのだが、「よく言うよなあ~あ」と思うのは建築屋の感覚で、不動産屋にはそういう感覚はないらしい。
※ 「集成材はムク材の1.5倍強い」という論拠不明確なお話は、いったいどこから出てきたのか、という問題については、[第226回]《住宅建築業界 職歴詐称を見破る方法(1)序論「床柱ってどんな木を使うのですか?」+予備校の学歴詐称男 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201401article_8.html でも述べました。
柔道や剣道など格闘技には「後の先」という考え方があり、相撲や柔道には「返し技」というものがあります。ボクシングにカウンターパンチというものがあります。相手がこういう手に出てくれれば、営業なら、競合企業の営業がこういう攻撃を自社・自社の商品にしてくれれば、それに対してカウンターをお見舞いできるのだが、その攻撃をしかけてくれないかな・・・というところに、まさにそれを出したのでは相手の思うつぼです。 高森朝雄・ちばてつや の『あしたのジョー』の矢吹丈は、相手が左ストレートを打ち込んでくるところに、右ストレートを相手の腕にクロスさせて打ち込むクロスカウンターを得意としました。「通常のカウンターのパンチでも、相手が出てくるところに打ち込むのでその威力は倍になるとされる。それがクロスカウンターとなれば、その威力は3倍にも4倍にもなる」と。もっとも、『あしたのジョー』で出てくるクロスカウンターなるものを実際のボクシングの試合で見たことがないので、そんなに珍しい難易度の高い技なのかとかつては思ったのですが、ヤフー知恵袋だかOK Waveだかどっちかにでていた話では、『あしたのジョー』に出てくるクロスカウンターは相手の腕に自分の腕をクロスさせて相打ちのようになるのですが、実際のボクシングのクロスカウンターはそうではなく、相手がストレートを打ち込んでくるその腕にクロスさせた上で相手のパンチはかわして、自分のストレートは相手の顔面に打ち込むというもので、漫画のクロスカウンターとは別みたいですが。
それで、東海住宅の店長をやっていたT中が、ホワイトスプルースの集成材を指さして、「この木はムク材の柱の1.5倍強いんですよ」などと厚顔無恥なことを平気で大きな顔をして言うというのは、ひとつは、T中が東海住宅という「建築もやっているけれども売買の不動産業が主」という会社にいたからです。請負の住宅建築業の会社でそういういいかげんなことを言えば、競合会社の営業からカウンターパンチを受ける可能性が低くありません。 もう20年以上前、大学新卒で小堀住研に入社した1年目、配属先の営業課長から「構造について、自分自身がよくわかっていないことをお客様に言ってはいけない」と言われました。 自分自身がよくわかっていないことを言うというのは良心的ではないということもありますが、自分自身がわかっていないことをお客様に言ったとして、もし、競合メーカーの営業がある程度以上わかっている人間なら、その点に反撃を加えられ、いわば、カウンターパンチを受けたような状態になるからでもあります。 「カウンターのパンチは通常のパンチの倍の威力があるものなり」です。
もし、私が、ムク材の柱を使用している競合企業の営業なら、たとえば、「へえ~え? ホワイトスプルースの集成材がムクの桧の1.5倍強いんですか? 初めて聞きました。 へ~え。すごいですね。どういう理屈で1.5倍強いのですか?」と質問します。 見込客が「え? 違うんですか? 東海住宅の営業さんがそう言ったんですけども」と言うと、「そうですか。 東海住宅の営業さんは、そこまではっきり言われるのなら、何か理屈があるのでしょう。どういう理由で1.5倍強いか説明してくれましたか?」と言います。 「いえ、どういう理由でかは聞いてませんけれども」と見込客が言うと、「どういう理由でかも言わずに、『1.5倍強いんですよ』なんて、言ってるんですかあ? そりぁ、どういう理由でかきいたほうがいいですよ。」と言います。見込客としては、こう言われると、ただでさえ、見てくれ・風貌だけでも、私とT中ではどちらが信用できそうかと言えば、T中の方が信用できそうなわけないわけですから、というより、T中みたいな「ヤクザみたいなおっさん」の言うことを信じていいものかどうか半信半疑だったところに、そう言われれば、やっぱり、あんなヤクザみたいな人、相手にしない方がいいわ・・・と思われるようになる・・ということが考えられます。T中は、いいかげんなことでも言った者勝ちとでも思っているかもしれませんが、ある程度以上の経験のある営業なら「返し技」「カウンターパンチ」を出せます。 (特に、構造について、)いいかげんなことを言うというのは、競合企業の営業がある程度以上わかっている人間なら、わざわざ相手にカウンターパンチを撃たせてあげるようにお膳立てすること、「返し技」を狙っている相手にわざわざ相手の狙っている技を出してあげることと同じです。私なら、T中みたいなことを競合会社の営業が言ってきたなら、「たっぷりとウエイトののった右ストレート」をカウンターでお見舞いしてやりたいですね。営業上の戦略として「カウンターパンチ」は効果がありますが、それだけじゃなく、嫌いなんです。いいかげんなこと言うやつが。
T中がそういう営業をやって通じてきたというのは、純粋な請負の住宅建築業の会社ではなく、建売・建築条件付き土地を扱っている「建築もやっているが売買の不動産業が主」の会社の東海住宅にいたから、そういう会社の見込客というのは、主たる関心は土地の方であり、最初から東海住宅の建物が請負で建てている住宅建築業の会社の建物より劣っていてもしかたがないとあきらめており、東海住宅の営業が言うことも建物については多少はいいかげんでもしかたがないとあきらめているからで、競合になるのも、同タイプの「建築もやっているけれども売買の不動産業の方が主」という不動産屋か、もしくは、提携している工務店に建てさせてバックをもらうことにしている建売・建築条件付き土地を扱っている不動産屋で、似たもの同士が競合だからです。請負の住宅建築業で競合企業の営業がT中みたいないいかげんなことを言ってくれれば、競合企業の営業としては、「いただき」ということになるでしょう。
しかし、それにしても、よく言うなあ・・・・・・。
※≪ スプルス ・ シトカスプルス (マツ科・トウヒ属)
産地:北はアラスカから南はカリフォルニア北部に至る太平洋岸沿い一帯に生育し、大木は樹齢400~800年を経ているという。
性状:辺材は淡黄色ないし黄白色、心材は淡桃黄色ないし紫色を帯びた淡褐色で時間の経過とともに濃色になり、やや赤みを帯びた銀褐色となる。 木理は通直、肌目細かく光沢あり、軽軟で加工容易。
用途:一般建築用材(特に内部造作材)、その他家具、建具指物、航空機用材など。≫
(今里 隆『これだけは知っておきたい建築用木材の知識』1985.5.6 鹿島出版会)
[3] 前面道路の幅が同じであっても通り抜ける道と敷地の端までしかない道の場合では車庫の造り方は違う、そんなこともわかっていない「設計」「2級建築士様」
東海住宅が千葉県八千代市の大和田新田で4区画の分譲をおこなった際にも、Sは変な車庫造り(?)をやっている。
同じ道路幅の道路に面していても、前面道路が通り抜けるようになっている土地と、そうではなく、その土地の端までしか前面道路がない場合とでは、車庫の造り方は変わってきます。 また、不動産屋が何区画かに分けて分譲しようという場合、前面道路の幅が同じでも、その道が通り抜ける道か、その土地の端までしかない道かで分け方は変わってきます。 ↓
↑ このように、前の道が通り抜けるようになっておれば、比較的苦労せずに車庫は作れます。前を通り過ぎてからバックで入れることはできるし、前から出ていくこともできます。 しかし、↓
↑ このように、前の道がその土地の端までしかない場合、交通量の多い県道から頭から入ってきたクルマは、車庫に頭から入ることができるかできないか、になります。 出る時、尻から出ることになりますが、出ることができるかどうか微妙で、出ることができても、毎日、けっこう苦労すると思われます。 尻から出たとしても、今度は、交通量の多い県道に尻から出ることができるかどうか。 相当苦労すると思われます。 だから、この区画はなかなか売れません。
最初から、区画を分ける時点で、こういうことを考えて分けるのがプロの仕事であり、なあんも考えずに、こういう区画割をしてこういう車庫スペースを作るというのは、それは、しろうとの仕事・・というか、しろうとでもやらないことをやっているのです。
「2級建築士だぞお」のやることといえば、「そんなもの」です。 まあ、「いっきゅうけんちくしいい~い」と言いたがるしょーもないおっさん は時々いますが、「2級建築士だぞお」だの「2級建築士がやったプランだから絶対にいいに決まってんだ」とか言う人なんて、あんまりありませんけれどもね・・・・。
(2014.9.17.)
高山シリーズ第2回(16)[第294回]https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_18.html からは、高山の町家で柱にわざわざ曲がった松を使うなどということはあるか? という点を考察します。
その前提として、権威主義的パーソナリティーの「デザイナー」が「建築家」の名前で敬意を表した 慶應義塾大学日吉(新)図書館について、[第293回]《図書館の建築。 槇文彦「慶應義塾大学 日吉(新)図書館」を考える。 私が好きだった入新井図書館。他 》 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_17.html で述べます。
☆ 高山シリーズ第2回は、
(1)国府町村山天神参拝(1)上枝駅から宮川沿い https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_2.html
(2)国府町村山天神参拝(2) https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_3.html
(3)国府町村山天神参拝(3)浸透桝で雨水処理、赤松は赤い https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_4.html
(4)あじめ峡、あじか、廣瀬神社、国府小学校https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_5.html
(5)国府大仏、阿多由太神社https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_6.html
(6)飛騨国府駅周辺。「耳付片流れ屋根」https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_7.html
(7)松本家住宅上・ヒラノグラーノhttps://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_8.html
(8)松本家住宅下・宮地家住宅上https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_9.html
(9)宮地家住宅下・平田記念館https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_10.html
(10)飛騨民族考古館1 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_11.html
(11)飛騨民族考古館2 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_12.html
(12)飛騨民族考古館3 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_13.html
(13)飛騨民族考古館4 版画喫茶ばれん、質屋の入口から逃げていく裁判官 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_14.html
(14)飛騨高山まちの博物館(矢嶋家土蔵、永田家土蔵)https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_15.html
(15)東西反転プランでは玄関だけ移動するのか、全体が入れ替わるのか。 今回。
〔(16)~(20)の前提として、権威主義的パーソナリティーの「デザイナー」が「建築家」の名前だけで敬意を表した慶應義塾大学日吉(新)図書館について https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_17.html 〕
(16)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 1 JR日光駅はフランクロイド=ライトの設計でなければ価値はないか? https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_18.html
(17)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 2 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_19.html
(18)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 3 掃除しにくい細かい桟、マーケティング的発想のない店 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_20.html
(19)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 4 料理を出せないついたて、店のコンセプトが理解できない建設部長、日露戦争100周年と平気で口にする女性 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_21.html
(20)高山の町家で曲がった松をわざわざ柱に使用するか? 5 「酒が飲めない人にも飲める酒」を勧められない「日本酒ソムリエ」、 人事総務の最低スキル https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_22.html
(21)飛騨総社 他 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201409article_23.html
☆ 高山シリーズ第1回 は、
上 [第202回]《飛騨天満宮(高山市)‐冤罪を晴らす神・菅原道真・怨念を晴らす旅(12)上、松本家住宅、飛騨の家具館他》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201309article_7.html
中 [第203回]《飛騨天満宮(高山市)‐冤罪を晴らす神・菅原道真(12)中。「天神」考察。居酒屋はいいかげん。》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201309article_8.html
下 [第204回]《飛騨天満宮(高山市)下‐冤罪を晴らす神・菅原道真(12)。高山市の白山神社。高山市役所。》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201309article_9.html
です。 ぜひ、ご覧くださいませ。
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