金沢城 3-橋爪門をくぐり、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門、二の丸広場

[第450回]
  金沢城の3回目、三の丸広場から橋爪門をくぐり、二の丸広場に行きます。
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↑ 突き当りが、橋爪門続櫓。 右側が三の丸広場。
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↑ 橋爪門橋爪門続櫓
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↑ 橋爪門(三の丸側から見て)。
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↑ 橋爪門(二の丸側から見て)。
   河北門・橋爪門・石川門といった「門」は、くぐる門としては小さ目のものが1つあって、その奥に大きな門があり、大きい方を言うのかと思ったのですが、どうも、そうではなく、その両方と、そこで L型に曲がることで、一直線の進めない、「L型」の曲がる所で何人もが停滞すると、その上の櫓から攻撃される、というようになっている、その防禦の全体をさしているようです。

   二の丸広場に出ると、菱櫓の所から、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門の内部に入る入口が見えます。↓ 大人310円ですが、兼六園と「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門」・「石川四高記念文化交流館」・「石川県立伝統産業工芸館」(成巽閣の東隣)・「加賀本多博物館」・「石川県立歴史資料館」・「石川県立美術館」のいずれかとの共通券が兼六園の入口で販売されており、私はそれで、「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門」の内部に入りました。 石川四高記念文化交流館は、他人の出身校の交流館なんてと他の学校なら思うところですが、旧制四高は、井上靖が行った学校で、『北の海』(上・下 新潮文庫)にも登場するので、入ってみたい気もしましたが、時間があまりなく、「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門」の方にしました。
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↑ 向こう、3階建てが「菱櫓」。 手前、長く伸びるのが「五十間長屋」
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↑  昔からの建物が残る「石川門」もそうですが、復原された菱櫓・五十間長屋でも、屋根の瓦には鉛が巻いてあります。 (↑ クリックすると大きくなります。)
≪ 金沢城の建物はすべて鉛をかぶせた鉛瓦だ。 これは一般の本瓦葺では冬季に割れてしまうからだ。 一説に戦の折、鉛を熔かして弾丸(鉄砲玉)にするためだったともいう ≫(西ヶ谷恭弘(やすひろ)「金沢城の構成 金沢城の構造と仕組み」〔西ヶ谷恭弘監修『新版 名城を歩く3 金沢城』2009.11.13.PHP研究所 PHPムック〕所収。 )というが、結局、金沢城はそこで戦闘をおこなうことはなかったわけですが、江戸幕府への恭順の姿勢をアピールしながらも、いざという時には対応できるようにというような工夫なのか? と断定はできないながら、そうも受け取れるようなものがけっこうあります。

   金沢城公園は、3月1日から10月15日までは、午前7時00分から午後6時00分まで、10月16日から2月末日までは午前8時00分から午後5時00分までと、けっこう早い時刻から入場でき、かつ、無料です。兼六園も同じ時間に入場できますが、音の310円。
   金沢城公園内の建物では、「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門」が大人310円で内部に入って見学することができます。 河北門も内部の見学ができるようで、こちらは無料。 午前9時から午後4時30分まで(最終入場は午後4時00分まで)のようです。

   「五十間長屋」といっても、賃貸住宅が50軒あるわけではありません。 菱櫓と橋爪門続櫓は3階まで上がれますが、2階から3階への階段は、もとからのものと同じように復原したものなので、かなり勾配は急です。
   木造での復元ですが、1階から2階へのエレベーターが設置してありました。高齢者・身障者のためのものかと思います。 復元するにしても、片方で、できるだけ過去のものを忠実に再現しようという方針と、何から何まで昔と同じではなく、今現在の人間のためになるような復原しようという方針の2つの方針で作られたということでしょうか。
   そういえば、小学校の4年か5年の時、兵庫県姫路市の姫路城を母と一緒に見に行ったことがあるのですが、その時、天守閣に入って、姫路城って、エレベーターがないんだな・・・と思ったのです。 そりぁ、ないわなあ、1600年の関ケ原の戦いの直後から建っている建物だものなあ・・・と思い、同時に、それなら、なんで、大坂城にはエレベーターがあったのだろう、と思ったのです。 大坂城って、昔からあると思っていたら、実は、天守閣は「昭和」になってから建築された鉄筋コンクリート造の建物だったのです。 だから、百貨店みたいにエレベーターがあったのです。 もし、子供を連れて「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門」の内部を見学する方は、子供には、これは復原だからエレベーターがあるんだよ・・・と教えてあげた方がいいと思います。 私が大坂城の天主閣に行ったのはまだ小学校に行っていない時だったように思うのですが、それ以来、姫路城の天主閣の中に入って、エレベーターはないなあと気づく時まで、お城の天主閣には大丸か そごう みたいにエレベーターがあるものという感覚がありましたもので。

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↑ 菱櫓 の3階から見た三の丸・石川門の方向。東南東の方向。

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↑ 橋爪門続櫓 の3階から見た 「鶴の丸広場」 の方向。東南東の方向。
堀と塀の左側が三の丸広場。 堀と塀の右側が 鶴の丸広場。
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↑ 橋爪門続櫓 の3階から見た 五十間長屋 の方向。北北東の方向。
左手前の屋根が五十間長屋。
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↑ 橋爪門続櫓 の3階から見た 「本丸の森」(「本丸園地」) の方向。南南西の方向。
   搦手門の石川門が重要文化財に指定され、兼六園との境目の位置にあることで、今現在は中心みたいな扱いを受けていますが、本来は搦手門であり、大手門から河北門を経て三の丸広場に入り、橋爪門をくぐって二の丸広場まで来て、このお城はどこが本丸だったのだろうと考えましたが、この森になっている所が、もともとは本丸だったようです。
   いくら、復原したところで、過去の状態そのものになるわけでもない。 又、無理に過去の状態そのままにするのが好ましいというわけでもないと思う。 現在の状態から過去を推測してみるというのは有意義なことだと思うのだが、そうなると、石川門を出たあたりというのは、兼六園との間に石川橋という鉄骨製の橋がかかっているが、そんなものは江戸時代にはなかったはずであり、かつて、どういうお城だったのだろうと考えるためには、やはり、大手門から河北門を経て、橋爪門から二の丸広場へと移動してこそ理解できてくる。 やっぱり、裏口から入るのではなく、正門から入るべきですよ。 お城も大学も。

   「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門」の内部は写真撮影禁止かと思って控えていたのですが、橋爪門続櫓で、2階から3階に上がる階段の下の所に、「3階から降りて来る方がある時はフラッシュを使用しての撮影は控えてください」といった表示があったので、そうでなければ、撮影してもよいのかと思って、「発光禁止」に設定して、五十間長屋の2階の部分を撮らせてもらいました。↓
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↑  梁間方向の梁桁材が桁行方向の梁桁材の上で継がれています。 上からかかる屋根の荷重を受けるため、梁間方向の梁桁材は上が凸に曲がった木を使用することはありますが、ここでは、桁行方向の梁桁材の上で両側から来た梁桁材を継いでいます。

※ 石川県HP 橋爪門続櫓・五十間長屋・菱櫓 http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/facility/

  次回https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_7.html 、極楽橋を渡り、三十間長屋から本丸の森、鶴丸倉庫へ。
   (2016.10.16.)

☆ 金沢シリーズ
金沢神社 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_1.html
椿原天満宮 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_2.html
田井菅原神社 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_3.html
金沢城
1.大手門から新丸公園、河北門 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_5.html
2.「出窓」「石落とし」https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_4.html
3.橋爪門・菱櫓・五十間長屋  〔今回〕
4.極楽橋、三十間長屋、本丸の森、鶴丸倉庫 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_7.html
5.石川門 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_8.html
兼六園
上 琴柱灯籠・霞ヶ池・内橋亭・噴水・唐崎の松 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_9.html
中 雁行橋・根上松・山崎山・成巽閣赤門 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_10.html
下 夕顔亭・瓢池・翠滝・時雨亭 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_11.html
金沢駅「鼓門」「もてなしドーム」、金沢大病院、金沢暮らしの博物館 他 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201610article_12.html





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