横から電気をとる方式の電車はポイントではどうするか? 地下鉄はどこから?今晩寝られなくなっちゃうね

[第507回] 「今晩、寝られなくなっちゃうね」シリーズ(2)
   「地下鉄て、あれ、いったいどこから入れたのか。あなた、知ってます? これ、考え出すと、今晩、寝られなくなっちゃうね」というのは、子供の頃、冗談ではなく、真面目に考えたことがある。
   私が小学校に行く前くらい、1960年代、大阪市で走っていた地下鉄は、1号線(現・御堂筋線)が梅田‐天王寺間、2号線(現・谷町線)と3号線(現・四つ橋線)がどこかからどこかまでで、子供の頃の私が見る地下鉄は主に大阪市地下鉄1号線(現・御堂筋線)だった。 1号線(御堂筋線)には、たしか、「あびこ」駅の付近に車庫があったように思います。 地下鉄でも車庫は地上にあるんだあ♪ と感激した記憶があります。 穴倉の中で見る地下鉄の電車を、昼間、地上で見ると、なんか、感じが違ってすごい! て何がすごいのかよくわからんが感激しました。
〔 《なにわの地下鉄 御堂筋》http://naniwa-subway.net/subway-line/1_midosuji/1_midosuji.html を見ると、あびこ駅付近にあったのは「検査場」らしく、今は、中百舌鳥と新金岡の間に「中百舌鳥検車場」、北大阪急行電鉄の桃山台駅と緑地公園駅の間に「桃山台車庫」があるらしい。〕




   そのうち、1号線に天王寺‐あびこ間ができて、梅田-あびこ間で走るようになったが、不思議に思ったのは、地下鉄御堂筋線の梅田駅で、梅田までのはずの電車が引き返すのではなく、乗客を降ろした後、そのまま進行方向に進んでいったのだ。あの電車は、いったい、どこへいくのだろうか? これ、考え出すと、今晩、寝られなくなっちゃうね・・・・・とか思っているうちに寝たのだが、どこへ行ったのだろうか。 終着駅であるならば、その頃の駅としては、国鉄(現・JR)の天王寺駅の阪和線とか、阪急の梅田駅とかそういう櫛型ホームではないのかと思ったのだが、大阪市地下鉄1号線の梅田駅は梅田までのはずなのに、乗客を降ろした後、進行方向(北)へ走って行ったのだ。
   そのうち、地下鉄1号線が御堂筋線と名称変更したのとどちらが先だったかわからないが、梅田-新大阪間ができた。 梅田の北側の中津駅の少し北で地上に出て、新大阪駅のあたりは高架だった。 地下鉄なのに地下じゃないとは、これいかに? ・・・・とか思ったが、このくらいで寝られなくなるということはない。

   さらに、そのうち、大阪環状線の東側を乗っていると、森之宮のあたりで、地下鉄の車庫があった。 地下鉄なのに、車庫は地上にあるんだ、へ~え・・・と感動したのを覚えている。 《ウィキペディア-森之宮検車場》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E4%B9%8B%E5%AE%AE%E6%A4%9C%E8%BB%8A%E5%A0%B4 によると、中央線(旧・4号線)と千日前線(旧・5号線)で使用される車両の検車場らしい。




   東京メトロ東西線は、地上を走っている千葉県市川市の「妙典」駅付近(西船橋方面に向かって右側)に車庫があるのが電車の窓から見える。





   そして、もう1つ。  大阪市地下鉄1号線(現・御堂筋線)というのは、大阪市地下鉄2号線(現・谷町線)・3号線(現・四つ橋線)・4号線(現・中央線)と同じく、電車なのにパンタグラフがないのだ。 な~んでだ? ・・・というと、上の架線から電気をとるのではなく、横からとっているらしい。 横に黒い箱が連続して続いていて、そこから電気をとるように電車からなんかようわからんが出っ張ってるものがあるらしいのだ。
   そこで、不思議に思ったことがあった。 上から電気をとる電車は、ポイントの所でも上から電気をとることができるが、横から電気をとる電車というのは、短い区間で1台が行ったり来たりするのならいいが、そうもいかないだろうから、どこかにポイントがあると思うのだが、ポイントの所ではどうするのだろうか・・・。 左側から電気をとっていると、2つに分かれる所で、左に行く電車は言いが、右に行く電車は電気をとれなくなって止まってしまうのではにのか? 右から電気をとっている電車は・・・というか、子供の頃、住んでいた所の最寄駅では、複線の両側にそれぞれのプラットホームがあって、プラットホームから見ると、電車の進行方向に向かって右側に黒い電気をとるボックスが連続していたのだが、2つに分岐する際、右に行く時は言いが、左に行く時はどうするのか? ポイントの所で止まってしまわないか? ・・・・・これ、考え出すと、今晩、寝られなくなっちゃうね・・・・・と真剣に考えたのだ。
   ついでに。 東京メトロ銀座線の赤坂見附駅の付近で、一瞬、照明が消える所があったが、もし永遠に照明つかなかったら、どうしよ・・・なんて、考えたことありません?  それから、JR常磐線の特急「スーパーひたち」に乗ると、茨城県の荒川沖駅付近で、電車が「ぐるるるるるぅ~う」と言ってスピードが落ちる区間があるんだけど、直流と交流があのあたりで分かれているらしいのだが、も~しも、その間で止まっちゃったら、どうしよ・・・なんて、あなた、考えたことない~い?

   それで、子供は尋ねたのだ。 「横から電気をとるのなら、ポイントの所で止まってしまうじゃないの?」と。 そうすると、父親だったか母親だったか誰だったか忘れたが、「それは、そういう所では両側から電気をとれるようになっているから、右側から電気をとれない所では左側から、左側から電気をとれない所では右側から電気をとれるようになっていて、どちらかから電気をとれるから大丈夫なんだ」と。 そうか・・・・・。

   もう1つ。 ポイントの所に関しては、モノレールというやつ。 私が物心がついたころ、1960年代、モノレールというと、東京モノレールがあって、あとは、兵庫県姫路市に姫路駅から手柄山公園まで行くモノレールがあった。 他にもどこかにあったと思うが、私が子供の頃、知っていたのはそのくらい。 手柄山公園に行くモノレールはそのうちなくなってしまった。 1970年の大阪万博の時に、万博会場を一周するモノレールができたが、あれは、ともかく、同じ円周をぐるぐるまわっているだけなのでいいとして(それならそれで、「いったい、どこから入れたのか」という問題が出てくるかもしれないが・・・)、東京モノレールてやつは、浜松町から羽田空港までの間を走って途中に駅もあるし、1台や2台ではない車両が走っているはずなのだ。 さて、モノレールはポイントの所はどうするのだろうか? もしかして、落ちちゃう・・・なんてことないのお? と心配したのだ。 しかし、初めて東京に行った時、浜松町の貿易センタービルの高層階から下を見ていてわかった。 モノレールのレールは全体が移動するのだ。 だから、落ちない。 ああ、よかった・・・・。

   そして、地下鉄方式というのか、最近、東京の地下鉄(東京メトロ、都営地下鉄)は地下鉄といっても横から電気をとる方式のものよりも、上から電気をとるものの方が多くなったが、大阪の地下鉄は、阪急千里線・京都線と乗り入れしている堺筋線だけが上から電気をとる方式でそれ以外はすべてが横から電気をとる方式で、この「地下鉄方式」のために、私鉄やJRと乗り入れをするのが困難になっている。 私が子供の頃は、大阪の電車は、狭軌の国鉄・南海と近鉄の南大阪線・吉野線、標準軌の阪急・阪神・京阪と南大阪線・吉野線以外の近鉄、それに大阪市地下鉄の横から電気をとる方法の「地下鉄方式」の3種類だったのが、最近では、それに、ニュートラムだとかモノレールだとかまででてきて、ますます、相互乗り入れをやりにくくなってきているが、そのあたり、もうちょっと考えた方がいいのではないのかと思う。

   それで・・・・・だ。 長年、どうすんだろと考え続けてきた、「地下鉄方式」、横から電気をとる方式の電車がポイントの所でどうなっているか、新大阪駅のプラットホームから、ついに目撃したのだ!!!♪♪♪
それが、↓
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↑  この写真で見ると、ポイントの向こう側、分岐した後、右方向に行く電車は右側から、左方向に行く電車は左側から電気をとるようになっているだけではなく、ポイントの手前で部分的に電気をとるボックスがない箇所があるようだ。 ・・・・ということは、も~しも、そこでとまっちゃったら、どうしよ?・・・・と考えなくても、その間くらいは惰性で走るだろうし、そうでなくても、何両かで走っている電車は、その場所から電気をとれなくても他の場所からとることができるから、部分的に電気をとるボックスがない所があっても大丈夫なようだ・・・。
    むしろ、大丈夫じゃなかったのは、新大阪駅の北向き、今は、新大阪から江坂まで大阪市地下鉄御堂筋線が延び、江坂からは北大阪急行電鉄と名称を変えるものの同じ電車がそのまま走って「千里中央」駅まで言っており、そのうち、「千里中央」駅から北に「箕面船場」「新箕面」駅と2駅延伸するという計画らしいのだが、南側から来た電車は、千里中央行きとこの新大阪駅止まりの電車と2種類あってそれが交互に来るのだが、新大阪駅止まりの電車が来て、「この電車は当駅止まりです」というアナウンスがあったもので、当駅止まりというからにはここより北には行かないわけだと思って余裕こいて写真とっていたら、その電車がすぐ横を走って行って↑の引き込み線に入ってしまったのだ。 線路の上までは乗りだしていなかったので良かったが、プラットホームのかなり線路に近い場所にいたので、少々危なかった。  「当駅止まり」と言っても、それより北側の「東三国」「江坂」「緑地公園」「桃山台」「千里中央」には行きませんということであって、電車がここから折り返して逆側に走っていくということではないのだ。 ええとしこいて、あやうく、あほなことするところだった。

   なお、↑の写真はクリックすると大きくなるので、大きくして見ていただきたい。 「今晩、寝られなくなっちゃう」原因が1つ減って、その分だけ、これまでより健康に過ごせることになりそう(^^♪


   さて、横から電気をとる電車というのは「地下鉄方式」と言うものと私は思っていたのだが、「第三軌条方式」というらしい〔 《ウィキペディア-第三軌条方式》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E8%BB%8C%E6%9D%A1%E6%96%B9%E5%BC%8F でのポイント部分がどうなっているかはわかった。
   もう1つの大きな問題。 「地下鉄は、いったい、どこから入れたのか?」という問題については、車庫は地上にあって、どこかから地中にもぐるように線路が敷設されているか、「地下鉄」自体が部分的に地上を走っていてその部分から引き込み線で地上の車庫に入るかどちらかだ・・・・と理解したのだが、実はそうと決まっているわけでもないらしいのだ。 地下鉄を作る時にあらかじめ地中に車両も埋める・・・・なんてことするわけないだろと思っていたら、そうとも決まっていないらしい。
   社団法人 土木学会 関西支部編『地盤の科学』(1995.9.20.講談社 ブルーバックス)を読むと、「5ー8 地下鉄の造り方」として、≪ 「地下鉄の電車はどこから入れたのか考えると眠れなくなる」という漫才のネタがありますが、その電車が走る線路や地下駅はどのようにして造るのでしょうか。 漫才のネタについての答えは最後に書くとしまして、ここでは地下鉄の造り方についてお話をしたいと思います。・・・・≫と出ているのだ。
   まず、地下鉄の掘り方は、トンネルの掘り方と同じかと思っていたらそうとも限らないらしい。 ≪地下鉄の利用は通常地下駅に始まり、地下駅で終わります。 土中にいったいどのようにして、駅あるいは鉄道を造るのでしょうか。 それには二通りの方法があります。 第一は、地面からまず溝を掘り、駅部あるいは駅間の鉄道部の構造物を造っておいてから埋め戻す方法です。 これを土木では開削工法と呼んでいます。 いま一つは、最初から地中で横方向に穴を掘る、いわゆるトンネルを掘る方法です。 ・・・・この他にも地下鉄の造り方としては「ケーソン(潜函)工法」「沈埋函工法」というのがあります。 どちらの工法もあらかじめ地下鉄の構造物を地上で造っておき、それを地下に埋めてしまうものです。 ケーソン工法は線路部構造物の下に、お菓子の缶を逆さにしたような人間が入れる空間を造ります。 この中に人間が入り、人力で土を掘ります。堀田土は地上に上げらえるようになっています。堀った土は地上に上げられるようになっています。 土を掘ると構造物が自分の重さで少しずつ沈んでいきます。 このようにして所定の深さまで沈めて地下鉄とするものです。 沈埋函工法は河川や海を横断する場合によく使われる方法で、河底や海底にあらかじめ地下鉄の構造物を沈める大きな溝を掘っておきます。そしてここに水面を運んできた沈埋函を沈めて、その上を土で覆って元の河底や海底に戻します。・・・・ ≫という方法があるらしい。 私が小学校の4年の時の「国語」の教科書に、「ルポルタージュ」の例として、東京モノレールを羽田空港の手前の海老取川をくぐらせるために「沈埋函構法」をとった話が掲載されていたのを覚えています。
   さて、地下鉄の電車はいったいどこから入れたのか?  ≪ ・・・地下鉄の電車はどこから入れたのでしょうか?  地下鉄線路構造物の天井を開けておき、地上からクレーンで電車を線路に下ろして蓋をしました。 また、大阪の地下鉄中央線の西より数キロメートルは地上を高架で走っており、開通当時の車庫が高架上だったためにここではクレーンで吊り上げて搬入しています。
   現在では車庫や修理工場を地上に造っていますので、そこを見れば夜も寝られなくなることはありません。
   しかし、今でも地下鉄を部分開通させるような場合に車両を吊り下ろすことがあります が、ほとんど見ることはなくなりました。 ≫ とでており、「電車の搬入風景」として「大阪市営地下鉄旧100型車両の搬入」の写真が掲載されています。    三球・照代さんの漫才はおもしろかったけれども、そんなの、車庫が地上にあるに決まってるでしょと思っていたのですが、決まってはいなかったようです。 過去にはクレーンで吊り下ろしていたようで、今でも、部分開通させる場合にはクレーンで吊り下ろして蓋をする方法をとることがあるということです。

   ・・・・・これで、夜、眠れなくて困る要因がまた1つ減った。よかった、よかった、めでたし、めでたし(^^)/ (^^)/ (^^)/

※ 《YouTube-春日三球、照代の漫才》https://www.youtube.com/watch?v=WNnnGeoroUI
《YouTube-春日三球・照代 / 乗り物アラカルト》https://www.youtube.com/watch?v=BDtMpWWhNRI

   (2017.2.3.)

☆ 「今晩、寝られなくなっちゃうね」シリーズ
1. 芦ノ湖の遊覧船 [第141回] https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201211article_1.html 【3】
2. 「地下鉄方式」の電車のポイントの部分 〔今回〕





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