飛騨合掌苑-高山シリーズ5回【8/15】合掌造移築の宿は宿泊に困ることはないが。4枚二重サッシの長短

[第597回] 高山シリーズ第5回【8/15】
   今回、「飛騨合掌苑」で泊まりました。↓
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( ↑ 飛騨合掌苑 宿泊棟。 )

   「旧 野首家」「旧 新宮村の郷倉」「山岳資料館」や「小糸焼窯元」「飛騨高山美術館」などがある付近から、「飛騨の里」の方に坂を登って行くと、左に「飛騨高山テディベアエコビレッジ」と「リトルベアカフェ&ショップ」があります。↓
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↑ 右奥が「飛騨高山 テディベア エコレッジ」、左手前が「リトルベアカフェ&ショップ」・・・
紅葉が本当にきれい。
≪ 「飛騨高山 テディベア エコビレッジ」  築150年の合掌造り家屋を改装したミュージアム。 約100年前に作られた貴重なベアをはじめ、約1000体のテディベアを展示している。結婚式を挙げるカップルベアがあるベアーズチャペルは、恋愛のパワースポットとして注目を集める。・・・≫
( 小野田哲郎 編集『楽楽 飛騨高山 白川郷・上高地』2014、5.1. JTBパブリッシング)
≪ 「飛騨高山 テディベア エコビレッジ」  エコロジーをテーマにした世界初のミュージアム。 貴重なクラシカルテディや国内外の作家によるオリジナルベアなど、約1000体のテディベアを展示している。・・・・
  築140年の合掌造りの古民家を再生した建物。 改築時には人や環境に負担がかからない素材を利用。
( エディマート 編集『ことりっぷ 高山 白川郷』2008.7. 昭文社)
   「飛騨高山」は飛騨の高山にあるということでわかった。 「テディベア」て何だ? 「ベア」というからには熊だろうが、「テディ」は何だ?・・・というと、《ウィキペディア-テディベア》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%99%E3%82%A2 によると、≪テディベア(英: Teddy bear)は、クマのぬいぐるみのことである。≫ ≪テディベアという呼称は新聞記事が最初であり、独占的な商標でない≫と出ており、「くまのプーさん」みたいに特定の作家なり企業なりが作った特定のもののことではないようだ・・・が、≪左耳にタグがついているテディベアはシュタイフ社だけの特徴であり、全てのテディベアが必ず備えているものではない。≫と書かれているが、日本では、何となく、こんな感じのものが「テディベア」というイメージはあって、ともかく、熊の縫いぐるみであれば、何でも「テディベア」とは言ってないのではないか。「くまのプーさん」の縫いぐるみなら、あくまで「くまのプーさん」と言い、「テディベア」とは言っていないと思う。それで、「飛騨高山」と「テディベア」はわかったとして、「エコビレッジ」の「ビレッジ」は展示館のことを見せる展示館というよりもテディベアと過ごす場所というアピールとして「ビレッジ」かなと思うが、「エコ」とはなにゆえに「エコ」なのか?・・・と前から思っていたのだが、≪改築時に人や環境に負担がかからない素材を利用≫したという点が「エコ」らしい。どんな素材を利用したのだろうか。今回は入館する時間を持てなかったが、一度、入館して見てみたいものだ。
※ テディベアエコビレッジのHPは ⇒http://www.teddyeco.jp/

≪ 「リトルベア カフェ&ショップ」  飛騨高山テディベアエコレッジに隣接。 ドリンクや軽食、スイーツが豊富で、特にリトルベア風チョコレートパフェ800円が女性に人気。カフェの隣にはテディベアアイテムが並ぶショップもある。・・・≫
( 小野田哲郎 編集『楽楽 飛騨高山 白川郷・上高地』2014、5.1. JTBパブリッシング)

   「飛騨高山 テディベア エコビレッジ」と「リトルベア カフェ&ショップ」の間の道に入り、坂を登っていくと、正面に「飛騨合掌苑」がある。↓
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↑ の道を進むと、右(西)に「旅館 むら山」があり、左(東)に「飛騨合掌苑」の駐車場があって奥に「飛騨合掌苑」がある。その左手前の細い山道が「文学散歩道」で進むと「旧 野首家」「旧 新宮村の郷倉」「山岳資料館(旧 高山測候所)」のあたりに行く。


   ≪ ゆるやかな坂道を登るとそこは、四季の自然美と合掌造りの伝統が息づく別世界。白川郷のすぐ北にある、「世界遺産」富山県五箇山から移築した高山地方随一の本物の合掌造りがここにあります。 今は見ることが出来ない様な、大木一本を使った巨大な梁や柱など、江戸時代から続く築220年の歴史が香る、貴重な建築をゆっくりとご堪能ください。≫(《楽天トラベル 飛騨合掌苑》https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/142654/142654.html )
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( ↑ 飛騨合掌苑 宿泊棟。 )








    行ってみると、敷地はけっこう広い。 合掌造りの建物が1棟建っているのかと思っていたら、そうではなく、↑の宿泊棟のほか、食堂棟、浴室棟、茶室 の3棟がある。 もっとも、今回、食事なし のプランで宿泊したので、宿泊した宿泊棟↑の他は外から見ただけで内部がどうなっているのかはわからない。

   なぜ、飛騨合掌苑で宿泊したかというと、泊まりたかったからだ。今回で、高山訪問は6回目で、そのうち1回は新宿からの夜行バスを使用し、バス中で1泊して翌日に帰ったので、高山では宿泊しなかったため、高山で宿泊したのは5回目。 これまで、どこに泊まったかというと、
(ア) ビジネスホテル
 1. カントリーホテル高山 http://www.country-hotel.jp/・・・高山駅の目の前。1階にファミリーマートがあるのは便利。 翌朝に白川郷にバスで行くとかいう場合は、濃飛バスの高山バスセンターも目の前なので便利。
 2. ホテル花 http://www.hotel-hana87.com/・・・飛騨国分寺のすぐ後ろ。二重サッシの窓は東を向いており、高山の「古い町並み」の地区は駅よりも東、飛騨国分寺から東側にあるので、駅前のホテルよりも、むしろ、近くて、より高山っぽい所での宿泊となる。
〔 ホテル花の二重サッシと家相を考えた設計については ⇒[第360回]《飛騨国分寺と三重塔、「和風ドーマー」、ホテルの二重サッシ、飛騨牛中華そば―高山シリーズ第3回(9)》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201510article_10.html 〕
 3. 高山セントラルホテル http://ayun.seishingroup.co.jp/・・・朝食はないが、外でモーニングサービスをやっている喫茶店とかあるので、特に困ることはない。 迷うこともなく、すぐに場所はわかる。
(イ) スーパー銭湯
  ひだまりの湯 http://hidamarinoyu.hida-ch.com/・・・・スーパー銭湯だが宿泊することもできる。 駅から歩いて行くような距離ではないが、駅から無料の送迎バスがあるので特に困らないが、駅のそばや「さんまち」のそばのホテル・旅館に比べれば、無料とはいえ、送迎バスに乗る手間はある。 料金はビジネスホテルよりも安いし、スーパー銭湯なので、風呂は快適な風呂に入ることができるが、問題は、そういう所に泊まると、マッサージやってもらおうかなあ・・・とか思いがちで、「ちょっと安い所に泊まったんだから、やってもらってもいいかな」なんて思ってやってもらうと、その分の代金を合わすと、結果として、ビジネスホテルに泊まった場合より高くなったりする。東京あたりのスーパー銭湯で宿泊できる所では、ロッカーはそこを利用している時間中使用できるので、そこに荷物を入れて鍵をかけた状態で、何人もで利用する仮眠室で眠ることができるが、2013年、私が泊まった時、ひだまりの湯 では、ロッカーの使用は昼の営業時間中のみで夜間は使用できないということになってしまったので、何人もで利用する仮眠室では就寝中の用心が悪い。そのため、急遽、個室を借りたが、それでも高くはないのだが、個室に鍵はかからない。そういうことを考えると、ビジネスホテルの方がよかったかなとも思った。
   ホテル・旅館には、「観光ホテル」「観光旅館」と言われるものと、「ビジネスホテル」と言われるもの、「高級ホテル」とされるもの、それに「ユースホステル」とか「国民宿舎」とか、それ以外の公共宿舎などがある。 「観光ホテル」というのは、観光用の人が泊まるホテルだが、社員旅行に来て、宴会やるような人たち、露出の多い格好したホステスのいるキャバレーか何かがホテル内にあったりするホテルというのは、古民家の見学に訪ねた者にはあまり居心地は良くない。「高級ホテル」というのは、帝国ホテルとかホテルオークラとかホテルニューオータニとかいったホテルのことで、私なんかがうかつに泊まりたいんですうとか言っていくと、つまみだされるホテルのことであり、そんな感じの悪いホテルなんて泊まりたくもないと思うホテルのことである。特徴として、日本にありながら欧米人のマナーを採用しているので、エレベーターでは女性が先に降りてからでないと男は降りてはならないし女性が先に乗ってからでないと男性は先に乗ってはならない。ここは日本なのになんで欧米のマナーを強要されなきゃならんのかと思う時もあるが、もともと、帝国ホテルというのは、欧米人が日本に来た時に泊まれるホテルとして建てられたもので、戦後、帝国ホテルの経営から追われたオークラさんが建てたのがホテルオークラで、ニューオータニもその系列なので、欧米人向けホテルに日本人も泊まることがあるという性質のホテルだから、欧米流マナーがそこではまかり通ってもしかたがない。 ビジネスホテルは、名前の通り、ビジネスで行った人がよくとまるホテルだが、観光で行って泊まっていけないというルールは別にない。ビジネスホテルのいいところは、「観光旅館」だと、仲居さんに心づけを渡すものだろうか、渡すとすればいくら渡すべきなのかとか考えるが、そういうことを考えなくていいところだ。 内田康夫の小説の登場人物としての「内田康夫」と浅見光彦は、観光ホテルで浴衣来て外を旅館・ホテルの下駄履いてカランコロンカランコロンと外を歩くというのはガラではなく、そういうのはかえってくつろがないので、普通の服を着て普通に靴を履いて外を歩くと書かれていたが、私もそうだ。 浴衣来てカランコロンカランコロンて、なんか、いかにもオッサンて感じがする。 で、「安めのビジネスホテルに泊まる」というくらいが一番くつろげる。「高級ホテル」なんてイナカモンの泊まる所じゃないかて感じがするし。 「ユースホステル」は「ユース」と名がついても、別に年齢制限があるわけでもないようだが、施設によっては相部屋だったりするようで、「この歳になって」と思ってみたりもする。
   それで、高山で、ビジネスホテル3軒、スーパー銭湯1軒に泊まってみた者として、泊まって見たい♪ と思ったのが、
1. この 飛騨合掌苑・・・・越中五箇山から移築した合掌造りの宿舎という。 https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/142654/142654.html 
2. 旅館河渡(ごうど)・・・・高山の伝統的建造物群保存地区に指定された「さんまち」地区にある、高山の古民家そのものい泊まれるというものらしい。かつて、恐山の宿坊で泊めてもらったことがあるが、宿坊で泊まると、夕方から夜、宿泊しない参拝者にとっては参拝時間外になっても門内にいることができ、昼間、参拝者でごったがえしている時とはまた違った寺の雰囲気を味わうことができたということがあった。高山の民家での宿泊も魅力的ではあるが、「さんまち」と言われる地区に夜も滞在することができるというのは魅力だと思う。 http://ryokan-goudo.com/index.html
3・ 天性寺ユースホステル・・・・東山のお寺の天照寺の庫裏に「ユースホステル」ということで泊まれるらしい。http://www.tenshoji.jp/about.html
ほかにも、「古民家に泊まる」という宿舎はあるみたいで、せっかく、高山まで行った以上、泊まるのも、ビジネスホテルではなく、「古民家」かそういう宿舎に泊まることができれば、と。
   しかし、調べてみると、そういう古民家を移築した・・・といった旅館には、料理もものすごいものが出て、当然、料金も相当高いという旅館が少なくない。そのあたり、やっぱり、プロレタリアートといたしましては、というよりも、クラシック音楽の演奏会でも、S席で聴く人間よりも、C席とかD席とかで聴く人間の方が、「わかる男」て感じがするじゃないですか。だいたい、人から券もらってS席で、「わしほどエライ人間はおらんねんぞ」とか得意になって座ってるおっさんよりも、身銭切ってC席とかD席とかを買って聴く人間の方が『フランダースの犬』のネロみたい(^^♪ て思いませんか? 今は昔、2000年の夏、ロシア連邦のイルクーツクに行ってアンガラホテルに泊まった時、チェックアウトしようとした時、チェックインする一人旅行の日本人のおっさんと出会い、「どこに行ってきたんですか」と互いに話すと、彼はシベリア鉄道にモスクワから乗って来て、イルクーツクで泊まったあと、またもや、シベリア鉄道で東に向かうそうだった。 なるほど、そういう一人旅行をする人というのは雰囲気があるわけだ。その国の言葉をペラペラ話せるわけではないが、地元の人に溶け込んで、金持ちではないとしても矜持をもって旅行をする者というのがいるわけだ。それに対して、イルクーツクの空港で見かけたおっさんで、「あ、このおっさん、女、買いにきやがったな」て感じのなんか感じの悪い「いかにも日本人て感じの日本人」がいたが、そういうのは、なんか雰囲気でわかるのだ。もちろん、そう思っただけのことで、実際にそうであったのかどうか捜査したわけではないが、たぶん、そんなところだと思うぞ。人間は雰囲気に出る。私は別に「特別に品行方正」とか言うつもりはないし、「特別に品行方正」とかいうものになりたいと思っているわけでもないが、しかし、そういうおっさんを見ると、あんなのにはなりたくないなあ~あ・・・という気持ちになる。 そう思った時、「高級ホテル「」とか「高級観光ホテル」「高級観光旅館」なんて泊まるようなおっさんてのは、むしろ、人間としては必ずしも内容のある人間でないことがある。クラシックの演奏会で身銭切ってC席なりD席なりを買って聴く人間こそ、「違いがわかる男のゴールドブレンド♪」て感じ・・・(^^♪(^^♪(^^♪・・・・『フランダースの犬』のネロみたいな感じするでしょ。しません? だ~ば~だ~だばだ~だばだ~あ、だばだ~、だばだ~、だあ~あ♪ て・・・
※ 《YouTube-【懐かしいCM】ネスカフェゴールドブレンド 違いのわかる男 沢井忠夫編》https://www.youtube.com/watch?v=UV9_MvHawCE
だから、たとえ、「古民家」とか「合掌造り」とかの宿でも、もんのすごい料理が出てもんのすごい高いという所は、それは私のような「日陰の月見草」が泊まる所ではないのでやめようと思ったのだが、「飛騨合掌苑」は、インターネットで検索すると、それほど高いわけではないようなのだ。ただ、合掌造りの建物を移築した宿舎というので、いったいどんな部屋なのだろう、合掌造りの民家というのは、見学すると風情があって良さそうに見えても、泊まるとなるとビジネスホテルのような泊まり心地というわけにはいかないということはないか・・・・とか思ったが、とりあえず、泊まってみたのだ。

   飛騨合掌苑には、↑の2つの写真の宿泊棟と別に、食堂棟、浴室棟、茶室の3つの棟があるようだ。道路からの入口に配置図が書かれていて、そう書かれていたので、それで、食堂棟、浴室棟、茶室なのだろうと思ったが、内部に入らせてもらったわけではない。「茶室」は京都あたりの茶道家の茶室とは外観はずいぶんと違う。

   南側の道路から進んで左側に「食堂棟」がある。↓
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   道路から進んで突き当りの位置に「浴室棟」がある。↓
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   営林署の前の道から「村山群鳳彫房」と「木彫匠工房」の間の道を入っていくと、「旧 野首家住宅」と「山岳資料館」の間くらいからは人が歩けるだけの道になり、最初は舗装されているが、そのうち、土の山道になる。その山道に沿って、ところどころ、文学者の高山について述べた文章が載った石碑が建っている。その道を「文学散歩道」と呼んでいるらしいが、それが、飛騨合掌苑の手前左まで来る。飛騨合掌苑の方から「文学散歩道」入ろうとすると、はて、ここでいいのだろうか。人さまの敷地じゃないのだろうか、入っていいのだろうかと迷うがその山道みたいなあぜ道みたいな小径が「文学散歩道」。その入口付近が↓
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  「文学散歩道」から見た 飛騨合掌苑の(右)宿泊棟、(左)食堂棟。↓
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(↑↓ クリックすると大きくなります。↑↓)
  「文学散歩道」より見た 茶室棟。↓
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   飛騨合掌苑から東を見た眺めはなかなかすばらしい。↓
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    ↑ の写真の外観を見ると、なかなかいいなあ・・・と思いませんか。ただ、昔からの合掌造りの建物ですと、そこに宿泊するとなると、昔からの合掌造りの建物の間取りでそういう建物の造りだと、隣室との間のプライバシーの確保とかは難しいのではないかとか、風呂や洗面はどうなのだろう、トイレは屋外まで靴をはいて行くのだろうかとか、考えます・・・・が、宿泊してみると、まったく杞憂だった。
  一般のビジネスホテルですと、靴を履いたまま、フロントに行き、フロントで鍵をかりて靴を履いたまま部屋まで行って、部屋の中に入ると、つっかけかスリッパがおいてあって、部屋の中で靴を脱いで、そのつっかけかスリッパと履き替えますが、合掌飛騨苑では、「旅館」と同じで、建物の入口で靴を脱ぎますが、そこでフロントに行って部屋の場所を教えてもらって、氏名などを書いて鍵を借りて部屋に行くと、私が泊まった部屋ですと、和室(畳の部屋)6帖に広縁がついていて、広縁の部分に洗面台と鏡台がある。6帖の一角に1帖分のユニットバス、半帖分の浴槽と半帖分の洗い場のあるユニットバスが設置されている。部屋には金庫もある。浴衣と手ぬぐい・タオルも貸してもらえて、使い捨ての歯ブラシ・歯磨き・髭剃りも用意されている、というもので、靴を脱ぐタイミングはビジネスホテル型ではなく旅館型ですが、宿泊形態はビジネスホテル型で、特に気兼ねするようなものは何もありません。部屋には鍵もかかります。
   飛騨合掌苑は坂の上にあるので、私が泊まった部屋では、窓の向こうは山肌が見えるだけといえばだけでしたが、それでもけっこう紅葉の季節はきれい。10月下旬の後半だと高山はけっこう寒いのですが、窓はそんな江戸時代からの建物だと遣戸かなんかがあるだけなんてこと・・・・なんて思うとそうではない。二重サッシがはいっていて防寒対策がたてられている。 決してすーすーしてない。
   最初、1帖分のユニットバスをビジネスホテルなどのようなオールインタイプの浴槽の中で体を洗うタイプのものかと思い、洗面台がないない・・・・と探したが、洗面台はそこではなく、広縁の片側にあって、ユニットバスは浴槽半帖・洗い場半帖というタイプのもの。 もっと早くチェックインすればよかったが、宿につくとすぐに寝てしまった。
   合掌造りの家というと、暖房はいろりしかないのか? ・・・・というとそうではなく、部屋にもストーブが置いてあった。江戸時代からの建物なら電気は通ってない?・・・のかというとそんなことない。照明は裸電球? ・・・・なんてことはない。普通の家屋と同じような蛍光灯の室内灯がついている。
   但し、勝手なもので、普通のビジネスホテルを利用するのと同じような調子で利用できるのはいいが、なんだか、室内を見まわしても、「築220年の合掌造り」て感じじゃないのは、片方でその方が泊まりやすいものの、片方で、なんか、普通のビジネスホテルとあんまり変わらないじゃん・・・て感じがしないでもない。こういう建物の宿舎の運営もそのあたりが難しいところか・・・。

    場所は、行ってみるとそんなに難しい場所でもない。しかし。私は高山に最初に訪問した時、「飛騨の里」に行ったことがあったのだ。その時、「小糸焼窯元」があるのも見ていたし、「飛騨高山テディベアエコビレッジ」があるのも見ていた。しかし、そのあたりから入っていくのか、それとも、「旧 野首家住宅」の方から「文学散歩道」を通って行くのか。行けばわかるだろうくらいに思い、万一のためを思って小型の懐中電灯を自宅から持参して行った。ところが、しばらく使っていなかった懐中電灯はつかない。別に懐中電灯がなくても世の中にはお月さまという立派な街灯がある・・・というのを、(株)一条工務店に在籍して福島県いわき市の営業所に勤務した時に十分に認識した。 お月さまというのは、お日さまほどまぶしくないし、お星さまより明るく照らしてくれるし、大変ありがたいものだとなんとか童話にお話があったが、そういうものだ・・・けれども、地図を見ようと思っても街灯のない所では見えない。そういう時に役立つのが携帯電話・・・・と思ったのだが、携帯電話は自宅に入ろうと思った時に鍵穴の位置を見るとかには役立つが地図を見るほどは明るくないようだ。
   カントリーホテル高山なんて駅の目の前でファミリーマートの上だから迷うわけがない。迷ったらアホだ。ホテル花 も飛騨国分寺のすぐ後ろだから、これも迷うことはまずない。高山セントラルホテルもたいして迷うことはないし、たとえ、ちょっと迷うようなことがあっても街中だ。それに対して、飛騨合掌苑はそうではない。昼間、通ると景色のいいきれいな所でも、夜、通ると、それも、どこだっけえ? と迷いながら、あれ、また、こんな所にでちゃった・・・とか思いながら歩くと、このあたりは周りに日没後も開いている商店があるわけでもないし、ひとに尋ねようと思っても通行人もないし、夜、歩くと気味わるいのだ。今は昔、1996年、初めてイタリアに行った時、飛行機が遅れて、ローマに着いたのは11時過ぎだったか。地下鉄の乗り換え駅までなんとか行ったが、そこから最寄駅まで行く終電は終わってなく、プラットホームで待っていると、駅員が降りてきて「フィニッシュ」と言って手を×にして示し、しかたなしに初めて行った夜のローマの石畳の道を歩いた時の気味悪さ。クワットロフォンターネ という4つの噴水広場というのが、昼間、見ると「いいねえ~え」と思うものが、夜、12時過ぎて見ると気色悪い。・・・その時ほどではないが、前に来た時はそんなにわかりにくい場所でもなかったと思うがなあと思いながら、あれえ~え・・とか思いながら歩くと気色悪い。別に治安の悪い場所でもないけれども・・・・というより、むしろ、逆に、熊!・・なんて出ないだろうなあ、まさか・・・・なんて思うと気色悪い。・・・・で、テディベアエコビレッジというのがある横に入っていく道があったので、とりあえず、その奥に何があるかと思って行くと↓
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( ↑ 夜の飛騨合掌苑。 右は旅館むら山。 )
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( ↑ 夜の飛騨合掌苑 宿泊棟。 )
↑ 飛騨合掌苑があった、よかった・・・・、本当によかった。熊と遭遇することはなかった・・・。
   もしかすると、地元の人には、アホか、そんな所に熊なんかいるか!とか思う人もいるかもしれないけれども、外来者からすると、いったい、どこが熊の出没する可能性がある所でどこは出ない所かなんてわからないじゃないですか。リスとかなら出てもかまわないし、猿なら少々狂暴な猿でも命までは取られないのではないかと思うけれども、熊はかんべんしてほしい。だから、飛騨合掌苑は、宿泊するのに特別に大変な所ではなく、ビジネスホテルと同じような調子で泊まれるし、外国人の宿泊者もあったし、インターネットでも予約できるけれども、市街地にあるビジネスホテルなんかと違って、初めてそこで泊まる時は、できれば、日没までにそこに到着するようにした方がいい と思った。 一度、泊まると、もし、次に泊まるなら、私は地図なしでもたどりつける自信があるけれども、初めて行く時は、日没までに着くようにした方が無難だと思う。 熊なんてでないだろと思ってると、もし、出たときに困る。熊でなくても、道に迷った時に、イタチでもタヌキでもムササビでも出るとびっくりする。

   もうひとつ、市街地のホテルなら、そのホテルで食事が出なくても、周囲に食事をする場所なんていくらでもある。たとえば、旅館河渡(ごうど)というのは素泊まりの宿で食事は出ないらしいが、出なければ出ないで、周囲に食べる店はいくらでもある。高山セントラルホテルは朝食もなしだが、昼食・夕食の店はいくらでもあっても、朝食を出す食堂は比較的少ないが、とりあえず、駅の脇のなんとかいう喫茶店と、高山本線の東に高山本線と並行して南北に走る通りを北に行って飛騨国分寺の方に曲がるカドのあたりにある「コーヒー グリニッジ」でもモーニングサービスをやっていたと思うので、そういう店で食べてもいいし、コンビニも市街地なら探さなくてもそのへんにある・・・のだが、ところが、飛騨合掌苑の周囲には、別に世間と隔絶された離島とかではないのだけれども、すぐそのへんというあたりにはコンビニとかもない。「松倉山荘」というのも夜とか朝とかはやっていない。 「飛騨高山美術館」のティールームも朝とか夜とかはやっていない。だから、食事なしのプランで予約した時は、夕食はあらかじめ、市街地の店で食べて、朝食はあらかじめどこかで買って持って行くようにする必要がある。


    部屋の天井は石膏ボードにプリントを貼りつけた「不燃天井板」↓
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↑・・・・て、うちの家と一緒やんけ。もうちょっとなんとかならんか・・とかも一瞬考えたが、中途半端にムク板を使った竿縁天井だの格天井だのを作られると、それが「江戸時代から続く築220年の歴史が香る、貴重な建築」の合掌造りの建物の天井なのか・・・なんて勘違いしてしまうおそれがある。その点、「不燃天井板」にしておけば、これは宿屋として経営するために貼ったものなんだなとわかるので、勘違いしないためという点で、むしろ、望ましいかと思う。

   部屋の窓は断熱・防寒を考えた二重サッシ↓
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↑ もっとも、二重サッシには、ガラス表面の結露防止という効用もあるが、朝、見ると、外側のガラスの内側だけでなく、内側のガラスの内側にも、わずかに表面結露が見られた。
  この飛騨合掌苑の部屋の場合の問題点としては、横に長い開口部だったので、横に長い開口部で中央で合わさる4枚のガラス窓の引戸を二重に入れていたのだが、4枚のものを二重に入れると、開けた時、いったいどれがどれやらなんだかわからなくなる・・・ということはありました。なるほど、2枚の引き違い窓であれば、二重サッシにしても、開閉時には、二重でないよりは開閉にいくらか手間がかかるというだけだが、4枚の所だと、わけわからなくなることがあるということが見てわかりました。

   最近では、東京圏においても、新築する戸建住宅においてはペアガラスが普通になってきた。1992年、(株)一条工務店に入社した頃はそうではなかった。 積水ツーユーホームとどこだったかペアガラスを「売り」にしている会社があった。小堀住研(株)〔→エスバイエル(株)→(株)ヤマダエスバイエルホーム 〕は、「黙って座れば」、掃き出し窓は強化ガラスにしていた。強化ガラスの長所は、一点に集中して力が加われば割れるが、全体に対してかかる力に対しては強くて割れにくい。割れても粒状になるので怪我をしにくいという点。ペアガラスの長所は、普通ガラスよりは断熱性がよい、普通ガラスよりは防音性能がよい、普通ガラスよりはガラス表面の結露が発生しにくい、という点で、短所としては、ひとつのサッシに2枚のガラスを入れるので、開閉において普通ガラスを使用した場合に比べるといくらか重い、断熱性能についても防音性能についても、あくまで「普通ガラスよりは」ということであって、特に断熱性能については、断熱材が入っていない壁よりも断熱性能は劣る、といったことなどがある。断熱性能・ガラス表面の結露防止が目的なら、それほど頻繁に開閉しない場所なら二重サッシの方が性能は良い。もし、防音が目的なら防音サッシを採用した方が性能は良い、ということがある。ペアガラスにせよ強化ガラスにせよ、普通ガラスよりも値段が高いというのも短所ということになる。(株)一条工務店 では、その頃、「普通ガラス+防音断熱雨戸」を「標準仕様」としていた。「防音断熱雨戸」というのは、雨戸の金属の内側にウレタンが入っていて、雨戸を閉めると、雨戸が防音と断熱の働きをすることになるもので、ガラス窓で防音と断熱の工夫をしても、ガラスという物質は熱を通しやすい物質であってガラス窓で断熱をはかるというのには限度があり、雨戸で断熱をはかる方が効果があるという考え方だった。

   [第360回]《飛騨国分寺と三重塔、「和風ドーマー」、ホテルの二重サッシ、飛騨牛中華そば―高山シリーズ第3回(9)》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201510article_10.html の【22】で、ホテル花 でも二重サッシを使用していたのを述べましたが、高山は東京や大阪よりも秋から冬にかけて寒いので、防寒・断熱対策として二重サッシを採用しているのでしょう。
   [第331回]《ペアガラス・二重サッシ・防音障子・強化ガラス・断熱雨戸等の長所短所、及、人のせいにするアホ営業(上)》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201505article_2.html
[第332回]《ペアガラス・強化ガラス・断熱雨戸等の特徴、及、人のせいにするアホ営業(中)、表面結露・内部結露対策 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201505article_3.html
[第333回]《ペアガラス・強化ガラス等の特徴、及、人のせいにする営業(下)、窓ガラスの厚さ何ミリ?借金強制する会社 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201505article_4.html
で述べましたが、(株)一条工務店は変わった会社で、私はまったく何も言っていないのに、営業本部長の天野隆夫が、入社1年目の秋〇〔男。当時、20代後半。自称:新潟大学卒〕が私から「一条工務店はガラスがだめだから売れないと言われた」とひとのせいにすることを言ったと言って、そういうバカなことを言う男を叱るのではなく私に文句を言って来たことがあった。私は天野からそういうことを言われて精神的に大変なショックを受けた。 私は、私だって(株)一条工務店で2年目でしかないのに、秋〇のためには相当無理をして協力してあげたし、秋〇の我儘を我慢もしてあげてきたのに、恩を仇で返すことをされたわけで、この件は死ぬまで忘れはしないが、それ以上に、そういうアホと一緒になって会社のために日々滅私奉公を続けてきた私に対し、秋〇にはこちらだって2年目でしかないのに相当無理をして協力してきてあげたし秋〇の我儘も我慢してきてあげたのに、恩を仇で返す態度を取った者をたしなめるのではなく、そのような暴言をはいた営業本部長の天野隆夫というアホにはあきれた。(株)一条工務店という会社は、なんとも、“けったいな会社” だと思う。 おそらく、今もたいして変わっていないであろうし、今後もおそらく大きくは変わらないのではないかと思う。 東京大学はそのけったいな会社と東京大学のHP「弥生講堂 一条ホール」http://www.a.u-tokyo.ac.jp/yayoi/plan_ichijo.html と(株)一条工務店のホームページをリンクさせているが、(株)一条工務店という会社がそういう“けったいな会社”だと理解してリンクさせているのか、理解せずにリンクさせているのか。かなり、軽率なことをやっていると思うが、「最高学府」とか勝手なことを言いながら、やっていることは「あんまり賢くないんちゃう~う?」て感じ・・・。

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 ↑ 飛騨高山美術館から見た 飛騨合掌苑

   次回、文学散歩道https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_3.html

   (2017・11.2.)

☆高山シリーズ第5回
1.内田康夫『風の盆 幻想』と巡る高山(1)喫茶店「ロスト」を探す https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201710article_5.html
2.同(2)高山ラーメンhttps://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201710article_6.html 
3.同(3)高山の郊外にあるK病院https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201710article_7.html
4.同(4)高山市役所 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201710article_8.html
5.旧 野首家https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201710article_9.html
6.郷倉https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201710article_10.html
7.山岳資料館https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_1.html
8.飛騨合掌苑 〔今回〕
9.文学散歩道https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_3.html
10.飛騨高山美術館 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_4.html
11.ワイドビュー飛騨https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_5.html
12.高山駅から飛騨民俗村[上] https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_6.html
13.同[下]https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_7.html
14.新上野橋から三福寺橋https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_8.html
15.旧 吉城郡細江村の民家 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201711article_9.html 

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