コンパネはぬるま湯ではがれるか?釘と接着剤の接合の違い。建築専門学校は役立つか-光明寺【9/11】

[第596回] 鎌倉シリーズ(3)‐9
   光明寺がる鎌倉市材木座で二世帯住宅を建てようという方に、(株)一条工務店に在籍した時、1992年の終わりから1993年の初めにかけて折衝させていただいて、結局、住友林業(株)で契約されたということがありました。たしか、そのあたりだったと思うので、どんなお家が建ったのか、外観だけでも見せてもらおうと思い、適当に歩けば、ここだと思う所に行くだろうと思って歩いてみたものの、見つけることができませんでした。 そう思って歩いていたところ、木造住宅を建築中の所に出会いました。見ると、柱は集成材で、その表示が貼られていました。↓
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↑ こういうのを見ると、仕事でそこに行ったのではなくても、自然と見てしまうというあたりは「職業病」かもしれません。
「 構造用集成材
  JAS
  日本合板検査会
  品名 同一等級構成集成材
      「小断面」「柱」
  強度等級  E95―F315
  材面の品質  2種
  接着性能  使用環境B
  樹種名  スプルース
  寸法 短辺 105mm
      長辺 105mm
      材長 2850mm
  検査方法  曲げA試験
  使用接着剤の種類  非ホルムアルデヒド系接着剤使用
  製造者  鈴建工業株式会社 本社工場
         岡山県真庭市勝山・・・・
         TEL ・・・・
         JPIC-LT215
  JLWA  日本集成材工業協同組合員  」
と書いてあります。見て、意味がわかる部分と意味のわからない部分があります。
  「構造用集成材」は、構造用に使われる集成材のこと。
  「JAS」は、日本エアシステム ではなく、日本農林規格 ですね。
  ちなみに、JRAは日本赤軍の略称で、錦糸町の駅の南の当たりにJRAがありまして、なんだか競馬を扱っているみたいでして、日本赤軍は競馬を扱うようになったのか・・と思うと、中央競馬会もまた、JRAなんですね。日本赤軍と競馬は関係ないみたいです。
  ここで、あれっと思ったのは、JIS 日本工業規格 ではなく、JAS 日本農林規格 なのです。木材というのは、ムクの木材ですと、農産物と一緒で JAS 日本農林規格、農林水産省の管轄だろうと思うのですが、迷うのは、合板とか集成材になりますと、工場で、切った・貼った てことをやるわけです。 工場で、切った・貼った てことをやる以上は、JIS 日本工業規格、経済産業省の管轄ではないのかな。 しかし、そうなりますと、最近の木構造というのは、ムクの木材を使用していたとしても、工場で、「貼った」の方はないとしても、「切った」の方はやっているわけでして、そうなると、ムクの木材でも、JIS 日本工業規格、 経済産業省の管轄になるのでしょうか・・・、なんて考えるわけです。 しかし、そうなりますと、スーパーの食料品売り場に行くと、カット野菜なんて売ってますでしょ。 あれも、工場で「切った」をやって店の売り場に並んでいる以上は、農水省ではなく経産省の管轄なのか? ・・・いやいや、さすがにそれはないだろう。包丁で切るにしても機械で切るにしても、キャベツや胡瓜が工業製品てことないだろうが。そんなことしてしまったのでは何でもかんでも工業製品の扱いになってしまう。 で、もう一度、元に戻りまして、ムク材は、やっぱり、「工業製品」と考えるよりも農林水産業のものと考えるべきではないか。そうでないと、林業の製品はなくなってしまいます。しかし、合板や集成材となると、やっぱり、工業製品ではないのか・・・。 木材だけ使っているわけではなく、接着剤も使っていますしね。
   インテリアコーディネーター資格試験を受験する際に、ハウジングエージェンシーが実施したもので、模擬の試験を受けた上でそれに解説がされるような講座で、講師の人が、ムク材の場合は農林水産省の管轄で、合板・集成材になると通産省(現 経済産業省)の管轄になる、と話されたのを記憶しています。 それだと、集成材は経産省の管轄で、JAS(日本農林規格)ではなく、JIS(日本工業規格)になるのではないかと思えるのですが、↑の写真を見ると、JASになっています。
   「日本合板検査会」は、インターネットで検索すると、ホームページが見つかりました。「公益財団法人」で、《日本合板検査会の沿革》http://www.jpic-ew.net/about/history.shtml によると、1949年に設立されたものらしく、ということは、戦後すぐ、朝鮮戦争の勃発より前です。《認定の受付》http://www.jpic-ew.net/acceptance/index.shtml によると、≪ JAS法令に定める農林物資の種類のうち、合板、フローリング、集成材、単板積層材、構造用パネル、枠組壁工法構造用たて継ぎ材及び直交集成板について、別に定める認定区分ごとに認定を行います。 ≫という団体らしい。
   「同一等級構成集成材」とは何だろう? 「同一等級」でない集成材があるのだろうか。これも、インターネットで検索したところ、《住まいづくりの知識上手/木材の基礎知識 木材について》http://www.house-support.net/tisiki/mokuzai.htm に、≪ 構造用集成材には、ひき板の構成により異等級構成(対称構成・非対称構成)と同一等級構成の集成材に区分されます。 ≫ と出ておりました。「ひき板の構成」には、「異等級構成(対称構成)」と「異等級構成(非対称構成)」と「同一等級構成」があり、≪対称異等級材は曲げ荷重を受ける梁材に、同一等級材は圧縮荷重を受ける柱材に使用します。≫ と出ています。梁材に使用する「対象要等級材」は、上と下に強度の強いもの、中央部は上と下に比べるといくらか弱い「ラミナ」を挟んで作られた集成材を使用するらしい。
   「強度等級 E95―F315」とは何か。 「構造用集成材の強度等級と許容応用力度 (国土交通省告示第1024号)」http://www.house-support.net/tisiki/syusei.htm というものが決められているようで、「E95―F315]は「ベイツガ等」で、「ベイマツ」「ヒノキ・ヒバ・カラマツ等」より弱い、「エゾマツ・スプルース・オウシュアカマツ等」「スギ・ベイスギ等」よりも強い数値となっています。 《日本集成材工業協同組合 標準的な構造用集成材の強度等級》http://www.syuseizai.com/laminate03 にも、強度が出ていますが、ヒノキ・カラマツに「E―95 F-315」が該当しています。スプルースは「E85-F300」となっています。↑の写真の集成材は、樹種としてはスプルースだけれども、一般的なスプルースの集成材よりも強度があるものということでしょうか。「構造用集成材の日本農林規格」http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_48.pdf#search=%27%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BE%B2%E6%9E%97%E8%A6%8F%E6%A0%BC+%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%94%A8%E9%9B%86%E6%88%90%E6%9D%90+%E6%9D%90%E9%9D%A2%E3%81%AE%E5%93%81%E8%B3%AA%27 によると、、「E95―F315」とは、曲げヤング係数が平均値9.5 下限値8.0 曲げ強さ31.5 というものらしいが、数字だされても今一つよくわからないが、要するに、この「E-◇ F-▽」というのは、この表示により、曲げ強さがどのくらいというのがわかる記号らしい。
   「材面の品質 2種」とは、JASで、1種・2種・3種と分けられているらしく〔「構造用集成材の日本農林規格」http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_48.pdf#search=%27%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BE%B2%E6%9E%97%E8%A6%8F%E6%A0%BC+%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%94%A8%E9%9B%86%E6%88%90%E6%9D%90+%E6%9D%90%E9%9D%A2%E3%81%AE%E5%93%81%E8%B3%AA%27 〕、2種はその真ん中。
   「接着性能 使用環境B」とは、《日本集成材工業協同組合 標準的な構造用集成材の強度等級》http://www.syuseizai.com/laminate03 によると、≪ 集成材を使用する環境条件に応じ、接着剤の要求性能の程度を示す区分として、使用環境A、 B、 Cの区分があります。 ≫
≪ 使用環境A
屋外(防水層の外側)での想定される環境に対応し、かつ、構造物の火災時において高度な接着性能が要求される環境その他構造物の耐力部材として、接着剤の耐水性、耐候性又は耐熱性について高度な性能が要求される環境

使用環境B
使用環境Cに加えて、構造物の火災時において高度な接着性能が要求される環境

使用環境C
屋内(防水層の内側)での想定きれる環境に対応し、構造物の耐力部材として、接着剤の耐水性、耐候性又は耐熱性について通常の性能が要求される環境  ≫
ということです。
   1992年、(株)一条工務店http://www.ichijo.co.jp/ の営業本部長 兼 東京営業所長の天野隆夫が、中途入社の新人に、「住友林業http://sfc.jp/ie/ の工事現場のゴミ箱からコンパネの切れ端を拾ってきて、それをお客さんの前でぬるま湯に入れてみるといいよ。はがれるから」と言うので、そうかあ~あ・・・、室内で家具などで使用するもので、基本的には濡れないという前提での合板・集成材ならともかく、構造用の集成材が水やぬるま湯につけたからといって簡単にはがれるかあ~あ? と思い、又、小堀住研(株)では、小堀住研(株)の木質パネル構法で使用していた構造用合板の接着においては、接着剤にも誰でも使いやすいが接着しても接着力はそれほど強くないというものもあるけれども、工場で完全に管理した状態でないと接着できないが完全に接着されたなら接着力も強く、少々、水に濡れるなどしてもはがれなくなるというものもあり、小堀住研(株)の木質パネル構法で使用している構造用合板は、工場で温度等を完全に管理した上で、接着できた時には強度も強く少々のことがあってもはがれないようにできています・・と小堀住研(株)の従業員用のテキストにも書かれていたし滋賀県の工場を見に行った際に説明も受けたし、特定の会社のカタログや従業員用のテキストではなく、たとえば、今里隆『これだけは知っておきたい 建築用木材の知識』(鹿島出版会)などにも、合板にも、屋内用・屋外用のもの、構造用のもの・装飾用のもの、耐水用のものがあるといったことが書かれていたので、フエキ糊かご飯粒かなにかでつけたものみたいに簡単にはがれるかあ~あ? と思い、「簡単にはがれますかあ?」と言うと、「おまえは口きくな!」と怒られたのです。私は、小堀住研(株)〔→エスバイエル(株)→(株)ヤマダエスバイエルホームhttp://www.sxl.co.jp/ 〕の研修で、「接着剤には、しろうとが簡単に扱えるが接着力はそれほど大きくないものもあるが、工場で接着する場所の環境を整えて接着して、しばらく乾燥させれば、乾燥した後には相当大きな接着力を発揮するものもあり、小堀住研(株)の木質パネルの接着は工場で環境を整えて、強い接着力を発揮できるようにして接着したものです」と説明を受け、又、今里隆編『これだけは知っておきたい建築用木材の知識』( 鹿島出版会)にも、接着にもいろいろな種類があることが掲載されており、接着して作られた木質建材にも、室内でのみ使用するもの、屋外で水に濡れるような場所で使用するものなどあり、耐水性能も分けられている旨が掲載されていたのを読んでいたので、だから、なんか変だなと思い、質問すれば、それに答えてもらえるだろうと思って言ったのでしたが、「おまえは口きくな!」と怒鳴りつけられてしまったのです。
  なんか、変だなあと思い続けてきたのですが、後に、福島県いわき市の営業所にいた時、その話を、同社での在籍年数が古い某1さんに話したところ、某1さんは「天野部長の言うことなんて本気にしちゃだめですよ。なにしろ、あれはアホですから。アホの言うことなんて聞いちゃだめですよ。そんなもの、ぬるま湯だの水だのにつけてもはがれませんよ」と言い、中途入社で入った前職が建材屋という某2さんが「はがれませんね。だいたい、コンパネというのは、コンクリートの型枠用の合板のことですから、コンパネで枠を作ってそこにコンクリートを流し込んで鉄筋コンクリート造の建物とか鉄筋コンクリートの基礎とかを作るわけですから、水だのぬるま湯だのに濡れたらはがれるなんてことではコンパネ(コンクリート型枠用合板)にならないじゃないですか。ぬるま湯につけたらはがれるものなら、それはコンパネじゃないですよ」と言い、それを聞いて、なるほど、コンパネというのは「コンクリート型枠用合板」の略であり、コンクリートというのは、砂利と砂とセメントと水を混ぜたものがコンクリートであり、水を相当含んだものをコンパネ(コンクリート型枠用合板)で組んだ型枠の中に流し込んで、それが水分を放出して固まったものが建築に使用されるコンクリートの構造だから、「ぬるま湯につけたらはがれる」という合板がもしもあったら、それは型枠用の合板(コンパネ)ではなく他のものだ、ということになります。 しかし、それにしても、普通、建築会社の上から2番目だというような人が、そんなアホくさいウソをつくかあ~あ? と思ったのですが、(株)一条工務店http://www.ichijo.co.jp/ という会社はそういう会社だったのです。
   小堀住研(株)の新卒社員研修で、滋賀県の甲西町(《ウィキペディア―甲西町》 2004年に石部町と合併して「湖南市」になったらしい)にあった小堀住工(株)という小堀住研(株)の木質パネル構法で使用する木質パネルなどを作っている会社の工場に見学に行きましたが、小堀住研(株)で使用している木質パネルの枠材(ツーバイフォー材)と構造用合板との接着剤での接合の強度については、抜き打ち検査をおこなっているそうで、それは、木質パネルが破壊されるまで力を加えて、接着剤による接合部ではなくそれ以外の木の部分が破壊されれば合格、という検査方法だそうで、だから、抜き打ち検査はできても全体についてその検査をするわけにはいかないらしい。鉄骨造の建物の溶接と似たところがあるかもしれません。山口廣 監修・江口敏彦 著『東京の近代建築―建築構造入門』(1990.11.25.理工学社)には、≪ 一般的に考えれば、溶接金属の部分が弱点になるように感じられるでしょうが、施工がよい場合、といってもプロが行うわけですから、ほとんどの場合は失敗することはありませんので、溶接金属の部分は弱点にはなりません。引張試験を行うと、母材部分が破断しても溶接部分は破断しません。≫と出ており、≪ほとんどの場合は失敗することはありません≫とそこまで信頼していいかという不安はありますが、溶接で接合した時、溶接部分はほかの金属の部分より強いという前提のものらしく、小堀住研(株)が使用していた木質パネルの枠材と構造用合板の接着も接着部分はそれ以外の木の部分より強いという前提で作られていたらしい。私は、もともとは「理学部型人間」だったと思っているのです。森毅・斎藤次郎『元気が出る教育の話』(中公新書)で、京大の理学部長のなんとかさんが、「わかる」というのは人間の頭の内面の問題であり、そういうものを教室みたいな所で一方向的にわからされてたまるか、と話されたことがあるそうで、私も同様の認識でいたのです。ですから、小堀住研(株)の研修で教えられた内容も、ひとつひとつ、実際にそうであるかどうか、自分自身で考え直し検討しなおして理解するようにしていたのです。接着剤による接合が強いというのは理屈としてわかりました。 しかし、子供の頃、幼稚園で紙を貼りつけるのに使わせてもらえたのはフエキ糊で、これは扱いやすく手についても水道の水で洗い流すことができましたが、それほど接着力は強くないと思えました。小学校に入って、プラモデルを作るのに「セメダイン」というものを使わせてもらったのですが、セメダインはフエキ糊よりも接着力は強そうでした。その後、「木工用ボンド」というものも使いましたが、木と木を接着するのに適したもののようでした・・・が、子供の頃の私の感覚では、木工用ボンドよりもセメダインよりも、釘による接合の方が強いような感じがしたのです。それは、大工さんというのは男の子のあこがれの仕事で、子供の頃、我が家で何の仕事をしてもらったのか忘れてしまいましたが、大工さんに何かやってもらったのを見ていた時、釘による接合というのは強そうに見えたのです。又、その後、自分でも木と木を金槌で釘を打ちつけて接合すると、がっちりと接合できた、と思えたのです。ところが、小堀住研(株)の研修で言うには、釘による接合よりも接着剤による接合の方が強いらしい。どうも、それまでの感覚と違います。釘による接合の場合、せん断力などには強くても、引き抜き方向の力にはそれほど強くないかもしれませんが、そういう問題ではなく、一般に、接着剤による接合と釘による接合では、接着剤による接合の方が強いらしく、それは小堀住研(株)という一流でない会社が勝手に言っていたことではなく、建築の世界では一般に言われていることらしい。
    特に、ツーバイフォー工法(枠組壁構法)と小堀住研(株)の木質パネル構法とでは、ツーバイフォー工法(枠組壁構法)では枠材(ツーバイフォー材)と合板を釘で打ちつけていたのに対して、小堀住研(株)の木質パネルは(ミサワホームの木質パネルもスウェーデンハウスの木質パネルもそうですが)、接着剤で接合していたのです。この点で、接着剤による接合の方が釘による接合よりも接着力が強い、ということと、工事現場での釘での接合は、現場作業なので良い施工とそうでもない施工というものが出る可能性があるのに対し、木質パネルは工場で接着しているので、できばえに差が出にくい、ということを言っていました。なるほど。そして、特に、洋風の高級住宅で三井ホームと競合になることが多かったのですが、三井ホームのツーバイフォー工法(枠組壁構法)では、9mmの厚さの合板を使っていたのに対し、小堀住研(株)の木質パネル構法では6mmの合板を使用している。これについて、見込客には、6mmの厚さのものと9mmの厚さのものであれば9mmの厚さのものの方が強いのではないのか・・・と思う人がいたらしいのです。小堀住研(株)では、小堀住研(株)の「木質パネル一体構法」は(ミサワホームのものもスウェーデンハウスのものも基本的にはこの点で同じだと思いますが)、ツーバイフォー工法(枠組壁構法)よりも、部屋全体・建物全体がひとつの箱の状態になるという構法で、在来木造(軸組構法)は柱・梁・筋交いでできている「線」であり、ツーバイフォー工法(枠組壁構法)は壁と床で支える「面」であるのに対して、小堀住研の「木質パネル一体構法」は(ミサワホームのものもスウェーデンハウスのものもこの点は同じでしょうけれども)「箱」なのだ。だから、「線」か「面」か「箱」かという時、「箱」である小堀の「木質パネル一体構法」は「線」である在来木造よりも「面」であるツーバイフォー工法の方に近いけれども、ツーバイフォー工法ともまた同じではない。多摩川の洪水で何軒かの家が流されたことが合った際に、在来木造の家はバラバラになって流されたのに対して、ツーバイフォー工法の家は壁がよじれるように破壊された、最後にミサワホームの木質パネル構法の家も流されてしまったが、これは、サイコロが転がるように流された、ということがあった。「木質パネル一体構法」というのは、それだけ部屋ごと・建物全体として「一体」になっている度合が大きい構法であり、構造用合板は9mmのものにする必要はなく、6mmの厚さというのが最も適した厚さなのです、と言っていたのです。かつ、三井ホームのツーバイフォー工法は、枠材(ツーバイフォー材)と合板を釘で接合しますが、小堀住研の木質パネル構法では、枠材と合板は工場で接着剤で接合しており、釘による接合の場合、力が釘の周囲に集中するのに対して、接着剤による接合では接着剤を塗った部分全体に力が分散される〔↓の図を参照〕ので、その点で接着剤による接合の方が優れており、又、釘による接合の場合、釘の頭を合板の表面に合うように打ち込むと、釘の頭の下の部分しか合板は機能しないのに対し、接着剤による接合では合板の厚さ全体が効果を発揮するので、合板と枠材(ツーバイフォー材)の接合を釘でおこなった場合、9mmの合板を使用しても9mmの厚さ全体は機能しておらず、木質パネル構法の場合は6mmの合板を使用していても枠材(ツーバイフォー材)と合板の接合は接着剤によるので6mmの合板の厚み全体が機能する〔↓の図を参照〕ので、6mmの厚みの合板でも、十分、ツーバイフォー工法の場合の9mmの合板と同等の効果はあるのです・・・と言っていたのです。 この話ですが、釘による接合は釘の周囲に力が集中するが接着剤による接合は接着剤を塗った部分全体に力が分散するという話は理屈としてなるほどと思います。 しかし、「接着剤で合板と枠材を接合すると合板はその厚さ全体が機能するのに対して、釘で合板を枠材に接合した場合は釘の頭よりも下の部分だけしか合板は機能しない」という部分については、なんか、ありそうななさそうな話であって、どうなのだろうなあ・・・と私はずっと考え続けてきたのです。
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   そして、釘による接合をしている会社の人間とか接着剤による接合をしている会社の人間とかではなく、「建築学」として学んできたような人で誰かよく知っている人があれば、きいてみたいと思ってきたのです。そう思っていた時ですが、1992年、在来木造の(株)一条工務店に入社した年でした。 エスバイエル(株)〔←小堀住研(株)〕の木質パネル構法について教えてほしいと言う人があったので、説明してあげた際だったと思うのですが、この「接着剤で合板と枠材を接合すると合板はその厚さ全体が機能するのに対して、釘で合板を枠材に接合した場合は釘の頭よりも下の部分だけしか合板は機能しない」という説について、もしも、誰か知っている人間がいるならば、建築業の会社に勤めた者同士、互いにより知っているものについて教え合いすればいいわけですから、教えてもらえればと思って、「『接着剤で合板と枠材を接合すると合板はその厚さ全体が機能するのに対して、釘で合板を枠材に接合した場合は釘の頭よりも下の部分だけしか合板は機能しない』とエスバイエルでは言っていたのだけれども、実際にはどうなのだろうなあ」と言ったところ、私と同様、1992年に私より後で入社したT屋(男。当時、20代前半。自称「建築の専門学校 卒」。工務店の息子)が、「ははは。釘で打ちつけたら、釘の頭より下の部分しか機能しないとは、まったく、ふざけたこと言いよるのお。笑わせおるのお」と言ったのです。T屋は「建築の専門学校 卒」だと言っていた人だったのです。ということは、彼は、釘で合板を打ちつけた場合も、接着剤で貼りつけた場合と同様に、合板はその厚みの分だけ威力を発揮するとその「建築の専門学校」で教えられてきた、ということなのでしょうか?
   まず、「専門学校」は学歴なのか学歴にならないのかというと、私が大学生であった頃、大学を卒業した頃、要するに1980年前後から1990年頃までは、専門学校は「学歴」ではなかったのです。予備校に行っていくら一生懸命勉強して模擬試験の成績が画期的に上昇したとしても、予備校という専門学校は学歴にならないのと同様、「専門学校」は学歴ではなく、「就職した場合のことを考えると、短大は学歴になるがたいして役に立たない、専門学校は仕事に役立つが学歴にならない」と言ったのです。これは私が考え出した文句ではなく、新聞に載っていた文句です。また、もしも、専門学校を学歴に認めるならば、「専門学校卒」は短大卒と同じ扱いにするのか、大卒と同じ扱いにするのかという問題も出てきます。2年制や3年制の専門学校を「卒業」した人を4年制の大学を卒業した人と同じ扱いにしてしまったのでは、大学を卒業して入社した人間はあほくさいことになります。 又、専門学校を学歴と認めるならば、「専門学校」ということになっていないその仕事に関係のあるスクールも「学歴」に認めるべきだということでしょうか。私は、雇用能力開発機構(現在は名称変更して内容もいくらか修正して、「高齢・障害・求職者支援機構」)の「職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)」のポリテクセンター千葉が開講していた「建築CAD科」に半年通わせてもらい、修了証もいただいたのですが、これは担当の先生が言われた話では「建築の専門学校が2年かけてやるものを半年でやる」という趣旨のものだそうですが、「学校」ではないとしても「学校みたいなもの」ではあるのですが、どうも、「学歴」とはなかなか認めてもらえません。 厳密には、「学歴」というのは、中学校・高校・大学・短大・大学院を言うもので、自動車学校とか予備校とかはそこで得るものがあったとしても「学歴」ではないわけです。「専門学校」も、看護婦さん(今は資格の名称として「看護師」と言うようになりましたが)の専門学校を卒業して試験に通ると「看護師」の資格を取得できて仕事にありつけるということはあるとしても、看護学校自体は「学歴」ではなかったはずです。 最近、建築関係の会社では、建築の専門学校を修了したという人について、建築の「専門学校」というものを「学歴」に準ずる扱いにする会社が増えてきたように思えますが、そうなると、建築とは関係のない「専門学校」を修了した人は「学歴」の扱いにせず、建築の「専門学校」を修了した人を「学歴」の扱いにしたのでは不公平ではないかという問題も出てきますし、「専門学校」ではない建築関係のスクールに通って能力を身につけた人にはそれを「学歴」と評価しないのか、という問題も出ます。ポリテクセンター千葉の建築CAD科もそうですが、私は、ハウジングエージェンシーが主催した講座をいくつか受講しましたし、インテリアコーディネーターの資格を取得したことから、インテリア産業協会に加入している企業が開催する能力アップ講習にもいくつか参加しましたし、CADの資格を取得するためにWinスクールのCAD設計コースにも参加しましたし、けっこういろいろとそういったものに参加してきたし、自主的に学習したものも相当あります。そういったものを「学歴」に認めずに、入ろうと思えば試験なんかなくてお金と時間さえあれば誰でも入れて誰でも修了できるような「専門学校」を修了したからといって、それを「学歴」と認めるというのは、なんか、おかしいのではないのかという気がします。 それとともに、自称「建築専門学校卒」の人にはズルイ人が多い。 たとえば、2002年、(株)一条工務店のプレカット工場と住宅設備の流通部門である日本産業(株)の山梨県上野原市の「西東京工場」(「山梨工場」とか「上野原工場」とか言うよりも「西東京工場」と言った方がきこえがいいだろうと思って「西東京工場」にしたのでしょうけれども、山梨県上野原市にあります)で「工場長」になっていた渡邊(男。当時、30代はじめ)は、私と最初に会った時、彼は私が何も尋ねないのに自分から、「建築専門学校卒」で「二級建築士」だと称したのです。もっとも、彼はその「建築専門学校」を「卒業」した後、すぐに(株)一条工務店・日本産業(株)に入社したそうですから、4年制大学の建築学科卒なら卒業しただけで「実務経験」なしで二級建築士の試験を受けることができますが、「建築の専門学校」を「卒業」だか修了だかしても「実務経験」なしでは二級建築士の試験は受けられないはずなのに、(株)一条工務店・日本産業(株)でプレカット工場に一貫して勤めてきて、設計や工事管理の仕事にはついたことがないはずの男がどうやって二級建築士の試験をうけたのだろう? なんか不思議だなあ? とか思ったりもしないことはありませんが、そのあたりは「けっこう、よくあること」だといたしまして、、彼は自分で自分のことを「建築専門学校卒で二級建築士で工場長」だと言ったのですが、そのうち、工場の問題について、彼に工場長としてしかるべく対処してもらわないといけないということになると、今度は彼は「そんなこと言われても、ぼくは高卒なんだから、そんなことわかるわ~けがない。」「工場長なんて、ぼくがなりたいと言ってなったんじゃないですよ」とそう言いだした。卑怯な男です。この「二刀流」、なんとかならないものでしょうか。どちらか、片方にしてもらいたいものですね。この「二刀流」というのか「ダブルスタンダード」は。(株)一条工務店という会社は、役職につかせてほしいという時には「学歴で人を差別してはいけない」と主張しながら、いったん、その役職につくと今度は「そんなこと言われても、ぼくは高卒なんだから、そんなもの、わかるわ~けがない。そんなもの知っているわ~けがない」と言ってふんぞりかえる! という人が大変多い会社でした。「最終学歴高卒」という人が誰もが無責任ということではないと思います。高卒であれ何であれ、高卒だけれどもその役職の仕事ができるからつかせてくださいと言うのなら悪いことはありませんが、高卒だからできないならできない役職につくべきではありません。その役職につきたいと思うと「学歴で人を差別してはいかんだろうが」と主張しながら、いったんその役職につくと、「ぼくは高卒なんだから、そんなもの、できるわ~けがない!」と言ってふんぞりかえる、というのはあまりにも卑怯です・・・・が、(株)一条工務店のオーナー経営者というのはそういう卑怯者が大好きだったようです。しかし、実際問題として、自称「建築専門学校卒」という人には、そういうダブルスタンダードをとりたがる卑怯者が多いと思います。誰もがそうだとまでは言いませんが、「多い」と思います。
   1992年に(株)一条工務店の東京営業所に中途入社したT屋(男。当時、20代前半)は工務店の息子で「建築専門学校卒」だということでしたが、「建築専門学校卒」という人を、頭狂大学の建築学科とか狂徒大学の建築学科とかを卒業した人と同じだけの能力があるとは思いませんよ。しかし、それでも、ともかく、建築に関する「学校」を修了したのでしょ。「建築の専門学校」というものをその年限行った場合、「修了」なのか「卒業」なのかも私は知りませんが、どちらかしたわけですね。そうであるならば、そこで何か学んだものがあってもおかしくありませんね。ですから、「建築専門学校卒」だというT屋が、「ははは。釘で打ちつけたら、釘の頭より下の部分しか機能しないとは、まったく、ふざけたこと言いよるのお。笑わせおるのお」と言う以上は、彼は、その「建築専門学校」でそう学んできたのか、そう教えられてきたのか。釘による接合と接着剤による接合では、釘による接合は力が釘の周囲に集中するのに対して接着剤による接合は接着面全体に力が分散されるが、釘による接合では釘の頭の上が板の面にそろうように打ち込んでも、釘の頭の下より下の部分だけしかその板は力を発揮しないということはない、ということを、論理的、あるいは科学的、あるいは、実験によって、学んできたのか・・・と思ったのです。
  ところが。私は、大学の学部学科というものはどこが上でどこが下というものはないと思っています。特に、建築業の会社においては、片方で建築学科などを卒業した人の能力を必要とするでしょうけれども、他方において、経済学部・商学部を卒業した人の能力も必要とし、法学部を卒業した人の能力もまた必要とするはずで、私は慶應大学の商学部を卒業したけれども、もとから商学部に行きたいと思っていたわけではない人間が商学部に行ってしまって卒業した人間なので、結果としては「(商学部+法学部+哲学・心理学)÷3」みたいな感じで卒業したという者だが、会社という所に勤めてみると、大学でそれらを学んできた者とそうでない者との差は大きいということを実感しました・・・が、(株)一条工務店みたいな三流以下企業に勤めると、オーナーで初代社長は高卒で営業本部長は中卒で、商業登記簿に掲載されている役員は全員が高卒か中卒という会社においては、本来なら、経済学部・商学部卒の人の仕事、法学部卒の人の仕事というものは、すべて高卒か中卒の人間にまわしてしまい、建築学科卒の人間は私立五流大学卒でも王様・殿様みたいなものであり、これでは、いくらなんでもあほくさい、と思ったものでした。それで、同社を辞めた後、いっそのこと、「建築学科卒」になってやろうと考えて、愛知産業大学の通信課程の建築学科に3年次編入学したのですが、仕事を持ちながら学習するのは思っていた以上に大変で、また、通信課程というのはスクーリングのほかは、実質、独学ですし、通学過程なら、先生にきけるということもあるとともに、先生にではなく、一緒に学んでいる学生同士で情報を提供しあい、自分はこうやった、こうすればうまくいった、と言った話を得ることができるのが、それができないという難しさもあり、とりあえず、「中途退学」しました。そうはいいましても、そこで学んだものも、当然、ありますし、「建築の専門学校」が「学歴」になるなら、この「中退」も「学歴」に評価してくれても悪くないのではないのんかいなあとか思ってみたりもしますが、「学歴」にはなりません・・・が、学んだものはあります。その愛知産業大学の建築学科のテキストで、ついに見つけたのです。「建築構造学1」だったかのテキストです。「接着剤で合板と枠材を接合すると合板はその厚さ全体が機能するのに対して、釘で合板を枠材に接合した場合は釘の頭よりも下の部分だけしか合板は機能しない」ので、釘による接合の場合は接着剤による接合の場合よりも厚いものが必要になる・・・と。特定のハウスメーカーのカタログとか信用していいのかどうかわからない営業のトークではなく、建築についての一般的な書籍に書いてあったのです。この話は、小堀住研(株)の誰かが言い出した話ではなく、建築学の世界で一般に認められている話だったのです。もちろん、ホームセンターなどの釘の売り場で見て見ますと、釘の頭を見ると、いろいろなものがあり、合板に打ちつけた時に、釘の頭の上を合板の面にそろえるように打ちこむのか、釘の頭が板の上に出る状態で止めるのかによっても違いは出てくるのではないかとも思いますが、ツーバイフォー工法の戸建住宅の場合は、合板の外側に釘の頭があちらこちらにボコボコでていたのでは具合は悪いはずですから、基本的には合板の面に釘の頭の上がそろうように打つはずです。・・・となると、あの「建築専門学校卒」で「工務店の息子」の土屋が言った「ははは。釘で打ちつけたら、釘の頭より下の部分しか機能しないとは、まったく、ふざけたこと言いよるのお。笑わせおるのお」という発言は、あれはいったい何だったのか? ということになります。彼が行っていた「建築専門学校」は嘘を教えていたのか。デマカセ教えていたのか? 「工務店の息子」にその工務店のオヤジは嘘を教えていたのか? デマカセ教えていたのか? ということになります。 どうだったのでしょうね・・・。

   「6mmの合板を接着剤で接合する場合と9mmの合板を釘で接合する場合」というのでは、少々わかりにくいかもしれません。
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↑ 左は「釘の頭」が接合する上の材より上に出るように打った場合、中は、釘の頭が上の材にめり込んで釘の頭が上の材と同じ面にそろうように打った場合、右は上の材に穴をあけてその穴の中に釘を打ち込み、上に木の栓をした場合です。サウナ風呂では、ベンチが金属製だと熱くなってとても座れたものではありませんから、木製のベンチを設置してある所が多いと思いますが、ベンチ自体は木製でも金属製の釘で打ち込んでいると、釘の頭の部分が熱くなってタオルを敷くとかしないととても座れないというような場合があります。 そういう際に、座る部分の木に穴をあけて、その穴の中に釘を打ち込んで、その後、釘の上に木栓を木工用ボンドでもつけて入れるという方法があります。そうすると、釘(もしくはビス)で接合されながらも、表面には金属は出てこないので、座る部分には木のみがでているため、快適に座れるようになります。1960年代後半に、私の親が大阪府で小堀住研(株)で木造住宅を建てた際、1階の和室の外にヌレエンを設置したのですが、入居後、ヌレエンをもう少し広くしたいと考えて、他の大工さんに頼んで施工してもらったところ、最初に小堀住研(株)が施工したのは↑の左のような施工でしたが、後に頼んだ大工さんの施工は↑の右の施工でした。一般には右の施工の方が「丁寧な施工」だと言えるでしょう。又、夏の暑い日などは、左の施工の部分は釘の頭が熱くなり、夏、裸足でヌレエンの上を歩くと、釘の頭の部分の熱さに飛び上がったりしましたが、右の施工の部分ではそういうことがありません。しかし、さらに長く使用していますと、屋外で右の施工をした場合、その穴の部分に水が入り込んでしまうため、左の施工の方法をとった部分よりも腐りやすい・傷みやすいという結果にもなりました。
  ヌレエンの場合は、座る部分の木を支える木に接合できればいいわけで、座る部分の木が耐力壁になるわけではありませんが、もしも、耐力壁としての合板を枠材(ツーバイフォー材)に釘で接合する場合、↑の左・中・右のような釘の打ち方をしたならば、その合板が耐力壁として発揮する効力は同じか違うか。構造用合板を枠材(ツーバイフォー材)に接合する場合、↑の右のような施工は普通はしませんが、強度を考えるために、↑の左・中・右の打ち方をしたとすると、その強度はどうなるか、考えてみたいと思います。その場合、右の打ち方をしたものは、左の打ち方をしたものと同等の効力は発揮しないと思われます。 ツーバイフォー工法(枠組壁構法)で、合板を枠材(ツーバイフォー材)に打ち込む場合、建築現場をのぞいて見てみるといいと思いますが、一般に、↑の中の打ち方をしているはずです。ということは、合板がどれだけ強度を発揮するかというと、右よりは大きい強度を発揮するとしても左よりは小さいと考えて良いでしょう。 接着剤による接合の場合は、釘の周囲に力が集中するのではなく接合面全体で強度を発揮できるという長所があるとともに、↑の中の施工による釘による接合の場合と違って、合板は全体が効力を発揮するという長所があるようです。小堀住研(株)は全体としては相当いいかげんな会社で「一部上場」だといっても、中に入って見ると、「だから、何?」て感じの会社でしたが、研修用のテキストに書かれているものなど技術系のものについては、まともな内容で、でまかせ書かれているようなものは見当たりませんでした。「接着剤による接合は一般に釘による接合よりも強い」という話は、子供の頃から自分で釘で接合してみた経験とセメダインとか木工用ボンドとかで接合してみた経験を比較して考えると、自分がやってみた経験からの感触とは違ったのですが、接着剤にもさまざまなものがあり、工場で温度・湿度などの環境を管理した上で接着して完全に接合できるまで置くことで釘による接合より大きな強度を得られるという話は理屈が通りますし、小堀住研(株)のカタログに載っているだけでなく、一般の建築について書かれた書物にも載っている話でした。しかし、合板を釘で打ち込んだ場合、釘の頭よりも下の部分の厚みしか効力を発揮しないという話については、はたして、そうなのだろうか・・・と思ったのですが、落ちついて↑の図のようなケースを考えてみると、理屈として通る話です。(株)一条工務店に在籍した「建築専門学校卒」で「工務店の息子」だというT屋が「ははは。釘で打ちつけたら、釘の頭より下の部分しか機能しないとは、 まったく、ふざけたこと言いよるのお。笑わせおるのお」と言うので、彼は、釘で合板を接合して、釘の頭が合板の表面にそろうように打ち込んだとしても、釘の頭の厚みの分だけ合板の効力は効かなくなるというようなことはなく、関係なく合板の厚みの分だけ効力を発揮するのだとその「建築専門学校」の講座で教師から教えられたか、テキストで読んだかしたのかと思ったら、そうではなく、T屋がでまかせで言っていただけだったのです。デマカセは言わない方がいいと思います。デマカセを言う人間の方こそ、「まったく、ふざけたこと言いよるのお。笑わせおるのお」ということになるでしょう。(株)一条工務店http://www.ichijo.co.jp/ という会社は、なにかとデマカセを言う人間が好きな会社でしたが(営業本部長からしてそういう人間でしたし)、デマカセは言わない方がよろしい。デマカセや嘘を言う人間というのは、デマカセや嘘を言うことによって、おのれの評価とおのれが扱っている商品評価を下げます。

  この続きを次回、10.「集成材はムク材の1.5倍強い」て誰が言った? https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_10.html で。

  (2010.4.10.)
   
☆ 鎌倉シリーズ(3) 光明寺(鎌倉市)参拝
1.光明寺は、浄土宗の鎮西派。菊と三つ葉葵の紋が入った総門 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_1.html
2.「山門」と桜。鐘楼。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_2.html
3.「大殿」(本堂)と桜。火灯窓。善導大師とは https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_3.html
4.「大聖閣」と「記主庭園」。景観に隠す建築と新たに創造する建築 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_4.html
5.「開山堂」。「網引地蔵」。地蔵とは。「戦没者碑」 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_5.html
6.天照山の展望台から見た山門・大殿と海、「廟所」 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_6.html
7.「鎌倉アカデミア」碑。 「『教育』する側」の論理・「される側」の論理 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_7.html
8.2階追焚有浴室と耐力壁配置。自分の都合に合わせ構造基準を変える会社+光明寺前の海 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_8.html
9.コンパネはぬるま湯ではがれる? 釘と接着剤による接合の違い。建築専門学校は役立つか 〔今回〕
10.「集成材はムク材の1.5倍強い」て誰が言った? https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_10.html 
11.九品寺・日本基督教団鎌倉教会・「共産党建築」・「警察建築」研究 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201804article_11.html

鎌倉シリーズ
(1)荏柄天神社 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201401article_7.html
(2)山崎天神 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201504article_2.html 

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