平塚神社社殿の裏の岡。猫の死骸をかわいそうと思うか気持悪いと考えるか―平塚神社と浅見光彦【7/15】

[第619回]
[12] 平塚神社(4)
  さて、拝殿の左から奥の方に行くと、フェンスが貼ってあってそれより後ろに行けなくなった所があります。
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( ↑ 「旗」マークが、↑の写真の場所です。 )
  神社というのは、社殿の後ろに行くべきものか、あくまでも拝殿の前から拝むものであって、後ろには行くべきではないのか。 それは神社にもよるようです。 大阪市の今宮戎神社では、前から参拝した後、社殿の後ろにまわって、後ろからも、「よろしうお願いしますで」と念を押すと、何だかの本に書いてあってのを見ました。なにしろ、今宮戎神社の祭神というのは「えべっさん」でして、この「えべっさん」てのは、神さんは神さんでも、何とも庶民的な神さんというのか、「しょっちゅう、昼寝してる」という神さんだそうで、前から賽銭いれて拝んでも、「えべっさん」が昼寝してると、いくら、願い事を頼んでも聞いてない可能性があるらしく、だから、前から拝むだけでなく、後ろからも、「えべっさん、よろしうお願いしますで」と念を押すという。 天満宮の場合、京都の北野天満宮、それに大阪天満宮には、はっきりと背後の位置に拝む場所が設けられて、もちろん、賽銭箱も設けられていましたし、大阪府豊中市の服部天神宮は、もともとは服部天神宮の東側の街道から入ってくるようになっていたらしいが、今は、西側に阪急宝塚線「服部天神」駅があるので、西側から来る人の方が多く、社殿の東側と西側の両方に参拝するようになった場所がある。 そういう神社は遠慮なく後ろにまわらせてもらっていいと思うのですが、大神神社なんてのは拝殿の後ろの三輪山がご神体だということなので、拝殿の後ろに行くものではないようですし、ましてや本殿の後ろに・・なんていっても本殿がない!
    ・・・で、平塚神社の場合は、拝殿があってその後ろに本殿があって、その後ろが塚になっているらしく、それが「平塚」で、源義家の鎧を納めた塚だということなので、大事な存在だったのでしょうけれども、だからと言って、入っちゃだめとはもとは言っていなかったらしい。なぜなら、内田康夫の『金沢殺人事件』(2015.4.20.祥伝社文庫)にも『平家伝説殺人事件』1985.6.10.角川文庫)にも、社殿の背後の場所に入った人の話が出ていますから。しかし、現在は↓ のように立入禁止になっていて、「北区神社めぐり」には≪ 拝殿の裏手には源義家公の鎧が埋められている甲冑塚がある。(ただしご神体のため非公開)≫と書かれている。

   『金沢殺人事件』(2015.4.20.祥伝社文庫 )では、
≪ 蘭は捨て猫であったらしい。大学の帰り道に平塚神社の境内を通った時、どこからともなく現れて、足下に絡みつくようにしてついて来た。≫という猫を持ち帰ってアパートでこっそり飼ったが、その蘭が実は妊娠していて、産んだ6匹の子猫のうち、4匹が死産だった。その4匹を、千賀は、平塚神社の境内に埋めようとする。
≪ (そうだわ、平塚神社の境内に埋めてあげようかしら――)
 そう思った。蘭を拾った平塚神社の裏には、雑木が茂った小さな岡がある。「平塚」という名前からすると、何かの塚か古墳のようなものなのかもしれない。
  神社の祭神は源義家だとか聞いたことがある。いまどきの東京としてはかなりゆったりとした敷地を持つ神社だ。 ≫
≪ 日曜日などには、参拝者や子供連れなど、境内を散策する人たちの姿もあるが、ふだんはひっそりとしたものだ。ことに神社の裏の林は人気がない。あそこなら、誰にもきづかれずに捨てられそうだし、静かで、チビたちのお墓に相応しい。
   チビたちは、静謐な林の中でやがて土に還り、木々を育て、葉を茂らせるだろう。
   青空が透けて見えるような、浅みどりの若い葉を思い浮かべているうちに、千賀はふっと涙が込み上げてきた。
   ひと月ばかり前、自分の誕生日祝いに買って来たクッキーのボール箱に、ピンクの花柄のナプキンを敷き、四匹の遺体を入れた。ずいぶん小さな箱だけれど、それでもたっぷり隙間が余るほどの小さな遺体であった。
   わが子の遺体を箱に入れる千賀の手元を、蘭はわずかに頭をもたげ、悲しそうに眺めていた。しかし、千賀が部屋を出る時は、もう二匹の世話にかかりきり――という感じだった。・・・・・
   まだ四時をまわったばかりだというのに、街にはすでに夕方のような気配が漂っていた。いまがいちばん日の短い頃である。・・・・
・・・・
   神殿裏の岡は樹木が茂り、昼でも暗いほどである。その中でもいちばん日当たりがよさそうな南側の斜面を、千賀は子猫たちの墓地に選んだ。
   霜ができたり溶けたりするせいだろうか、岡の南側の土は柔らかく、掘りやすかった。園芸用の小さなスコップで三十センチばかりの深さに掘って、穴の底に横たえるように箱を置き、土を埋め戻した。
   かがんだ恰好のまま両手を合わせ、「南無・・・」と言いかけ、慌てて周囲を見回した。神社の境内で「南無阿弥陀仏」と言うと、神様の罰があたるのかしら?――と、ばかげたことを考えた。
   もうすっかり暮れ切った。枯れた梢から覗く空の紫っぽい色だけが光源で、自分の手がようやく見える程度の明るさだ。
   千賀は足元に気を使いながら林の中を引き返した。林を出はずれるところで、薄幸なチビたちのために、もういちど祈ろうと思いながら振り返った。
   その時、岡の西側の方で、何か人の声らしい物音を聞いたような気がした。
「たすけて・・・・・」
・・・・・ ≫
   『金沢殺人事件』の千賀の場合は、平塚神社で拾った猫が出産して6匹も産んでしまい、そのうちの4匹が死産だったことから、その遺骸をどうしたものか、ゴミとして捨てるのはかわいそうだし、アパート住いでは自分の家に埋葬する地べたもないことから平塚神社の社殿の裏の雑木が茂った所に埋葬してあげようと考えたわけで、神社としても、あまりにも多くの人に埋葬に来られても困るかもしれないが、そうでなければ、いずれは土に還って神社の樹木と変わるのであろうし、不真面目な気持ちから来ているのではない・・・わけではあるのだが、そうでもない人もいるわけだ。

   『平家伝説殺人事件』(1985.6.10.角川文庫)では、
≪  麻布署を出たのは午後十時に近かった。佐和を″救出 ″することができず、浅見は身も心も重く、疲れ果てていた。母と兄の憂鬱そうな顔が目の前にチラついた。
    車を無理にノロノロと走らせ、自宅へ辿りつく時間を少しでも引き延ばそうという、ばかげた試みまでする始末だ。
    平塚神社の前で車を停めた。だが、名物団子の店はとっくに店を閉め、境内にところどころ立つ街頭だけが、侘しい光を投げている。
   浅見は車を降り、社殿の方向へ歩を運びながら、あれこれ思いをめぐらせた。欅や椎の巨木が茂る境内は子供の頃の遊び場だった。考えてみると、二十年近くも、この道を歩かなかったことになる。 ・・・・ ≫
≪ いつのまにか社殿の前まできていた。浅見は柄にもなく賽銭箱に小銭を投げ、社殿に向かって拝礼した。
   そのあとで、ふと、この神社は祭神が源頼朝であることを思い出した。平家の末裔である佐和の無事を、源氏の頭領に祈るのは筋違いかな、と思い、そう思った時、しぜん笑みが浮かんだ。≫
とある。内田康夫は、比較的初期の作品であるこの『平家伝説殺人事件』の時点では、平塚神社の祭神を源頼朝と思いこんでいたのではないか。 後の方の作品では、源頼朝ではなく源義家と書いているので、『平家伝説殺人事件』を発表した後から気づいたのかもしれない。
≪ 社殿の左手を抜けて裏山へ出る道がある。昔、よく通った小道だが、ほとんどその当時のままで残っているらしい。
   浅見は覚束ない足元を探り探り、裏山への小道を辿った。闇の中でのこの作業は、まるで手がかりの見えない″第三の男″を追うのとよく似ている、と思った。
   誰もいないつもりの裏山のどこかで、人の声がした。浅見は意識しないまま、跫音(あしおと)をしのばせるような歩き方になっていた。
   男と女が抗うような声である。
   「だめよ」と女が言い、「いいじゃないか」と男が迫っている。
  具合の悪いところに来合わせた、と、浅見は苦笑し、歩みを止めた。これでは思索するどころではない。踵を返した時、「待てよ」と声がかかった。浅見は思わず足を止めたが、もちろん、それは会話の続きだ。少年っぽさが残る声である。
  「ねえ、いいだろう、マサエさん」
 浅見はいよいよ、照れた。
だが、その直後、強烈なショックが浅見を襲うことになる。
 「だめよ、しつこいわね、ヨッちゃん」
浅見は背後から棍棒で殴られたように、足が竦み、つんのめりかけた。
――しつこいわね、ヨッちゃん。
 そのフレーズが、谺のように脳の中を往き来する。
 多岐川萌子に何度も電話して、ようやく出た相手から最初に投げつけられた言葉が、それとまったく同じだった。
  『ヨッちゃん』とは、何者だったのだろう――。 ・・・・ ≫
  男女で神社に参拝してもそれはいいだろうけれども、しかし、だ。 ともかくも、ご神体が納められているという塚の付近でべたつくというのは、それはいかがなものか・・・と思うのだが、ところが、そういうことをする者がいる。このブログでも、青森県 下北半島の恐山に行った時、参拝者が利用できる温泉の風呂が男湯・女湯・混浴と3つあって、3泊させてもらったので、1泊目は男湯を使わせてもらったが、2泊目は勇気を出して混浴の方を利用させてもらったが、混浴とはいえ、男しか使わないのでどうってことなかったのだが、3泊目、どうせ、男しか入らないだろうと思って混浴の方に行くと、旅行に来て男女で混浴に入っているマヌケなアベックがいてあきれた・・・ということがあったのを、[第416回]《本当にあった笑えない話―「休日出勤」と嫁には話してホステスと出かける男。本当にあった怖い佐野警察署 》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201606article_1.html の「【1】 『本当にあった笑える話』(『ほん笑(ほんわら)』)―下北半島 恐山にて」で述べた。
   浅見光彦がどうしたものか、思案しながら境内を歩いたように、特にその神社の祭神に信仰がなくても神社の境内を歩いてもいいとは思うが、神社は宗教施設であり、男女で訪問してもいいけれども、べたつくために行く場所ではないはずであるので、ある程度の節度は必要かと思う・・・・のだが、その節度がない人間がいるわけだ。 それが少数なら、まったくしかたがないなあ・・・ですませていいかもしれないが、平塚神社で社殿の裏の岡には立入禁止になったというのは、もしかすると、少数ではなかったのかもしれない。 まさか、そこで殺人事件があったということにして小説を書く推理小説かがいたからではないと思う。 実際に殺人事件があったとか死体が遺棄されたというのは困るとしても、推理小説で事件の舞台にされたとしても、寺社や史跡の場合は嫌がられないことが多いと思うのだ。

   『金沢殺人事件』でも、千賀は拾った猫が妊娠していて産んだ子猫6匹のうち4匹が死産だったことから、平塚神社の裏手の岡に埋めてあげようと考えたが、もともと、平塚神社で拾った猫が産んだ子猫でもあったわけなのだが、しかし、一方で、
≪ 暮れも押しつまったあの日、夫の作品を依頼主に届ける目的で上京した香奈子は、山野を電話で呼び出した。北区上中里にある平塚神社の裏山は、源義家ゆかりの古墳らしいので、案内してほしい――というのが口実であった。「牛首工房でお会いした者ですけど・・・・」と恥らいを込めた口調で言うと、山野は二つ返事で飛んで来たそうだ。もちろん山野には、香奈子に性的な欲望もあったにちがいない。
  香奈子は学生時代、平塚神社近くのアパートに住んでいて、土地鑑があった。その頃に仕込んだ知識が役立った。・・・・ ≫
「浮気」というのか「不倫」というのかをしていた女が、その「不倫」に気づいて男の方に「恐喝」した男を色仕掛けのように誘いだして、そこで殺す。のこのこ出かけて行った男は、結果として「被害者」になった。 ≪性的な欲望≫で誘う女が誘う場所として、社殿の裏山を使われるのならば神社としても歓迎したくないだろう。 内田康夫の『金沢殺人事件』は≪この物語はフィクションであり、実在の団体、個人等とは一切関係がありません。(編集部)≫というものではあっても、内田康夫がそういう話を書くということは、そんな感じでこの裏山に足を運ぶ男と女がいたのかもしれない。 源義家の鎧を埋めたという塚があるとはいえ、このあたりに埋めたということになっているあたりはともかく、それ以外の部分は難しく考えなくても、都内に残された雑木林として誰でも入れていいのではないかと考えて開放していたところが、不心得者が入り込むので、だから、≪ 拝殿の裏手には源義家公の鎧が埋められている甲冑塚がある。(ただしご神体のため非公開)≫(「北区神社めぐり」)ということになった・・・という可能性は十分にありそうな感じがする。

    『金沢殺人事件』では、冒頭、拾った猫が死産した子猫の遺骸を平塚神社の裏の岡に埋葬に来た千賀が、その後、故郷の金沢に帰った時、金沢で殺される。 内田康夫自身が「自作解説」で書いているように、この女性は、この作品では最後まで浅見とともに事件を追う配役かと予想されたにもかかわらず。 だいたい、昔から、金田一耕助とか金田一一とか、そして浅見光彦は周囲で何人人が殺されても、殺されることは絶対にない、というのは、これはウルトラマンと寺尾玲子は最終回以外は絶対負けない、というのと同じく、あらかじめ、決まっているわけで、それとともに、『ルパン3世』ではルパン・次元大介・石川五右衛門・峰富士子・銭形平蔵の5名は絶対に死なないし、『金田一少年の事件簿』において、美雪なんてのは絶対に死なないわけで、同様に、「浅見シリーズ」では、毎度毎度、「寅さんみたい」なことやってる浅見光彦の相手役の女性は、普通は死なないわけだが、それがこの『金沢殺人事件』では殺されてしまう。≪ ・・・はじめは僕自身も彼女を殺すつもりなどありませんでした。彼女があたら花のいのちを散らしたのは、執筆過剰が引き起こしたアクシデント――いわばもののはずみのような悲劇だったといっていいでしょう。≫などと内田は「自作解説」で書いている。
    ≪原稿を読んだ担当編集者の辻浩明氏が「えっ、殺しちゃったんですか?」と、悲鳴のような声で言ったのを覚えています。浅見同様、三十過ぎてまだ独身の彼のことだから、千賀嬢にひそかな想いを寄せていたのかもしれません。≫などと内田は「自作解説」で述べているのだが、実際、冒頭の千賀についての描写を読んだ読者は、少なくとも男性の読者は、「えっ、殺しちゃったんですか?」という気持ちになる。
    今は昔、1980年代、大学生であった時、川崎市幸区のアパートに住んでいて、多摩川に近い場所だったので、夕刻、多摩川の河川敷で野球のバットの素振りを体力づくり・健康増進のつもりでやっていた時期があったのだが、ある時、すでに日が暮れた河川敷を出ようとした時、「みゃー」という猫の声がしたのだが、周囲で猫が動く気配が感じられず、見まわしたところ、人の背くらいの高さの丸い木の杭が土に打ってあって、その上に子猫が座っていたのだ。 そんなところにいたのかと思って立ち去ろうとすると、またもや、「みゃー」と言って呼び止める。猫なんだから、降りたければ飛び降りることができるだろうと思ったのだが、ほんの子猫なので降りられないらしい。誰かがいたずらで杭の上に乗せていってしまい、子猫は怖くて飛び降りることもできず、そこに私が通りかかったものだから、助けを求めて「みゃー」と泣いたらしい。かわいそうに思い、降ろしてあげようとして両手でつかもうとすると、それも怖がる。せっかく降ろしてやろうとするのに嫌がるのなら、それなら、無理に降ろしてやることもないわと思って立ち去ろうとすると、またもや、「みゃー」と言って呼び止める。しかたがないので、苦労してなだめてやっと下に降ろしてやることができた。 しかし、降ろしてやって帰ろうとすると、ついてくるのだ。なんで、こいつ、ついてくるんだよと思ったのだが、もしかすると、誰かが飼っていた猫が出産したけれども、何匹も飼うことができないので子猫を捨てに河川敷まで来たが、河川敷に放してもついてくるので、ついてこれないように杭の上に乗せたのかもしれない。どこかの子猫をさらってきて、いたずらで杭の上に置き去りにしたのか。前者の可能性はありそうだ。 で、ともかく、私は河川敷にバットの素振りに行ったのだから、アパートに帰ろうとしたのだが、捨てられた子猫であったとしても、アパート住いであり、自分自身の生活もままならない立場であり、猫なんて飼える立場ではないのだが、それでも、ついてくるのだ。 走って逃げる気持ちにはなれず、歩いていくとどこまでもついてくる。見捨てるのはかわいそうに思ったが、それでも、「ペット不可」のアパートだし、たとえ、「ペット不可」でなかったとしても、一人暮らしで猫の世話なんてできるものではないし、子猫は杭の上から降ろしてくれた相手の後をアパートの前までついてきたけれども、飼えないものは飼えないので、アパートの前で追い返したのだが、悲しそうに「みゃー」と鳴き・・・というより「泣き」という感じがして、つらかった。 あの子猫は、その後、どうなったか。河川敷の杭の上にいたのでは、そのまま飢え死にするか、翌日、日に照らされて日干しになって死ぬかしたところを、ともかくも地上に降ろされて住宅地に来たので、誰か飼うことのできる人に拾われて飼い猫になったか、それとも、野良猫になったか、生まれてそれほどたたない状態の子猫が野良猫になっても生きていくことができずに死んでしまったか。 どうなったかはわからない・・・が、その時のことを思うと、≪大学からの帰りに平塚神社の境内を通った時、どこからともなく現れて、足下に絡みつくようにしてついて来た≫猫をアパートでこっそり飼ったところ、その猫が妊娠していたらしく子猫を6匹も産んだがそのうちの4匹は死産で、生きている子猫2匹の扱いも大変だが、死産だった4匹をどうしたものか迷い、≪ゴミと一緒に捨てるのがいちばん簡単だけれど、そんな薄情なことはできっこない。≫と思い、≪(そうだわ、平塚神社の境内に埋めてあげようかしら――)≫と考えたという彼女。たしかに、殺すことないじゃ~ん・・・て気持ちになる。

   今は昔、2008年のこと、千葉県八千代市に本社がある東海住宅(株)http://www.10kai.co.jp/ の千葉県花見川区の花見川店に勤めていた時のことだ。東海住宅(株)は不動産業と建設業の両方をやっているとはいえ、建築の方は、建築条件付きの土地を買ってくれた人に建てる・建築条件のない土地を仲介した人に建物も建ててもらう、中古住宅を仲介した人が建て替える時に建てさせてもらうなどの「土地がらみ」が中心であって、建築だけというものは少なく売買の不動産が中心という会社であったが、千葉県の各店舗で契約してもらった人の建物の計画を練る際のためのモデルルームとして建てられたのが花見川ショールームであり、そこに建築中心の店舗として花見川店として勤務していたのだが、花見川店は京成本線「八千代台」駅から東に進んだ場所にあったが、その中間の駅よりに八千代台店(本店)があったので、八千代台駅で下車した人は本店に行ってしまう、たとえ、努力してポスティングをしても、それを見て関心を持った人は八千代台店(本店)に行ってしまうという割の合わない店だった。 その花見川店に事務として勤務していた I 上(女。当時、40代前半、既婚)が、ショールームの建物の外周の掃除をしていたところ、道に面してあったヌレエンの下に猫が死んでいた、ということがあった。 I 上は変わったところのある女で、オット持ち・子持ちの40過ぎ女のくせに、毎日、「私、福田しゃんと一緒に帰ろうと思って福田しゃん、待ってるにょお」とか言って、自分と同じ佐倉市内から通っていたリフォーム部門の福田(男。当時、50代)のクルマの助手席に乗せてもらって一緒に帰宅していた。たまたま、一緒になった時に、同じ方向だからということで乗せてもらって帰ったということが一度、二度あったということなら別にいいと思うのだが、しかし、オット持ち・子持ちの女が、毎日毎日、終業時刻は過ぎたとはいえ、まだ仕事をしている福田を、「私、福田しゃんと一緒に帰ろうと思って待ってるにょお」て、なんか、変な女やなあ・・・て感じがした。 その変な女の I 上が、「福田しゃあん、やだあ。猫が死んでるう」と言ってきた。「福田しゃあん」と I 上は言ったとしても、その店は私たち何人かで運営していた店なので、「福田しゃん」だけにまかせるわけにもいかず、私も一緒に出ていき、結局、私と福田とで、駐車場として使用していた下が土の場所の道路から最も遠いクルマを停めても踏むことがない場所に穴を掘って埋葬した。 で、その際、あきれたのが、私と福田とで・・というより、多くは私がスコップで穴を掘って猫をかかえて穴に入れて土を埋め戻してしたのであって福田はそれを手伝ったというのが実態だったのだが、そうすると、 I 上は「福田しゃんがやってくれたにょお」と誰もに言ってまわるのだった。最低でも半分以上は俺がやったんだけどなあと思ったが、前から変な女だと思っていたが、本当に変な女だなあと思った。
   この時、 I 上を見て、世の中、女性にもいろいろな女がいるものだな、とも思ったのだ。 井上は、私と福田とが猫をかかえて移動して埋葬しようという作業を始めると、おのれはさっさと部屋中に入ってしまったのだ。あの女はそういう女なんだなと思った。 たとえば、1989年、小堀住研(株)〔→エスバイエル(株)→(株)ヤマダエスバイエルホームhttp://www.sxl.co.jp/ 〕の松戸展示場にいたMさん(女。当時、20代前半)なら、もし、自分が外の掃除をしていて猫が死んでいて、私でも他の男性従業員にでも協力を求めたとすると、ひとに対処させておいて、自分はさっさと部屋中に入ってしまうなどということはしない。自分も一緒に対処しようとするだろう。 そのあたりが、女性という点では一緒でも人間性が違う。同僚の男性従業員の某さんが、Mさんは、犬がいたら、わんわん吠えられても近寄って行ってなでに行くので、よっぽど犬が好きなんだなと思ったと言っていたのだが、たしかに、Mさんは犬も猫も好きだったと思うが、Mさんなら、猫が死んでいたというのを見ると、「かわいそう」と思ったと思うのだ。ところが、東海住宅(株)の「福田しゃあん」の井上の場合はそうではなく、「気持ち悪い」と思ったようなのだ。そして、その「気持ち悪い」と思った対象である猫の死骸を私と福田に埋葬させて、おのれはさっさと部屋中に入って、そして、私が半分以上はやったのに「福田しゃんが片付けてくれたにょお」などと言ってまわったのだ。もし、私が福田の立場なら、「いや、私が全部やったんじゃないですよ。〇〇さんと2人で一緒にやったんですよ」と言うところだが、この「福田しゃん」という男も変わった男で、オット持ち・子持ちの40過ぎ女からそう言ってもらって、それで、「いや、私が全部やったんじゃないですよ。〇〇さんと2人で一緒にやったんですよ」とも言わずに平気な顔でいた。この「福田しゃん」て男も変わった男だなあと思ったものだった。東海住宅(株)ではリフォーム部門を担当していた福田は、前には(株)一条工務店http://www.ichijo.co.jp/ で営業やっていたと言っていたのだが、要するに、1990年代初め、東京圏ではまったく無名で、会社の施工体制も整っていない(株)一条工務店で私が苦労して耕した所に、私が他の地域に移動した後、そこに後から入社してきて自分で耕すのではなく私が耕した場所で仕事をさせてもらった男だということだが、こんな無神経な人間というのは、もしも、営業という職種を「営業とは人の気持ちを理解することである」と規定するならば、こんなやつ、あかんわと思った。もっとも、「営業とは人の気持ちを理解することである」という認識で営業をやる人と、そうではなく、「無神経だがそれを補って余りあるくらいふてぶてしい」というのが営業だと思って営業をやる人とが世の中にはあるので、「営業とは人の気持ちを理解することである」という方の私などの認識とは異なる方の営業をやってきたのかもしれないが。 『金沢殺人事件』の千賀の話を読んで、私は、≪ 平塚神社の境内を通った時、どこからともなく現れて、足下に絡みつくようにしてついて来た≫捨て猫だったらしい猫をこっそり飼って、さらに、こっそり飼った猫が妊娠していて産んだ子猫6匹のうち4匹が死産だったという時、「気持ち悪い」と考えるのではなく「かわいそう」と感じて、そして、どこか静寂な場所に埋葬してあげたいと思ったというそのあたりの思考・行動を見て、猫が死んでいるのを見て「かわいそう」ではなくて「気持ち悪い」と考えて、そして、私などに対処させておいておのれはさっさと部屋中に入ってしまい、「福田しゃんがやってくれたにょお」とかバカ言っていた変な女とは違う、Mさんのように、もし、猫が死んでいたならば、「気持ち悪い」ではなく「かわいそう」と思うような方の女性だと思い、それゆえに、『金沢殺人事件』を読み進めるにしたがい、「えっ、殺しちゃったんですか?」・・・とショックを受けたのだった。「殺しちゃった」といっても、あくまでも小説の中でのことであって、内田康夫なる人物が実際に女性を殺したのではないのだけれども、それにしても、「殺しちゃったのお?」て印象はあった。
   福田は変わった男でした。東海住宅(株)が佐倉市上志津で分譲をして、現地見学会を開催して花見川店が担当であった日曜日、私が入社した時には、店長になっていた「ゆうこりん」(仮名)(女。当時、50代なかば)と「ゆうこりん」(仮名)と同年代のMさん(女)と私と営業は3人だったが、そのうち、Mさんは「ゆうこりん」とけんかしてやめてしまい、私と「ゆうこりん」(仮名)の2名になってしまったのだが、「ゆうこりん」(仮名)は「女性は土日祝日は遅刻してきていいと会長が認めている」と「女性の特権」を主張して、土日祝日になると始業時刻10時00分の会社で40分程度遅刻してきたのだが、現場見学会を午前11時より開催とすると、午前10時40分などに出勤していたのでは仕事にならず、私が始業時刻より前、午前9時半くらいに出勤して、先に準備をして掃除をすると、準備と掃除が終わった頃にやってきて、「私が店長なんだから」と先に接客し、自分が接客している時には私にそれを手伝わせておきながら、自分の接客が終わると出かけて行き、そして、夕方になると、終業時刻は午後6時00分であったにもかかわらず、「女性は土日祝日は早く帰っていいと会長が認めている」と主張し「女が働くのは大変なんだからねえ」と、そんなに大変なら別に働いていただかなくてもけっこうなんですけどねえ~えと言いたくなる文句を口にして、「私は先に帰るから、あと、片付けておいてよお」などと勝手な主張をし、「相当の量があるのですが、一人で片付けるのは難しいと思うのですが」と言っても、「そう。じゃあ、一人で片付けておいてちょうだい。私は先に帰るから」と言って帰ってしまった、ということが何度もあったという女だった。 私が店長なら、「ゆうこりん」(仮名)みたいなことをする従業員は絶対に認めない。「建築の住宅」の営業にしても「不動産の住宅」の営業にしても、やっぱり、「準備と片付けをしない者、接客するべからず」というのは原則だと思うのだ。その原則を自分自身が守らない・積極的に破るようなそんな女は、私が経営者ならば、そういう人を店長にならせたりはしない。これは会社経営の基本だと思うのだ・・・・が、80代の会長からすると、50代なかばの下品であつかましいおばさんが「女」に見えるのかもしれなかった。 「ゆうこりん」(仮名)とけんかしてやめたMさんがいた時でも、「ゆうこりん」(仮名)は私とMさんに準備をまかせて自分はやらないということがあったが、ひとに準備と掃除と片付けをさせておのれは接客だけ先にするというその態度は、そういうことをしていたのでは、そのうち、ひとに協力してもらえなくなる、社会人として協調性に欠ける態度であり、社会人として問題がある態度であるのですが、しかし、女性には「おばさんは通じる」と思っている人がいるのです。「おばさんは通じる」ならまだいいのですが、それを得意にしている人もいるのです。ある時、佐倉市上志津の分譲地の現場見学会で、夕刻、まだ終業時刻よりも前に、「ゆうこりん」(仮名)が私の携帯電話にかけてきて、「私は先に帰るから、あと、片付けてきてよ」などと言うので、非常識な女だとあきれた、ということがありました。やっぱり、営業所で現場見学会というものを開催したならば、そういう日は営業は予定をあけて見学会のために尽力するべきですが、どうしても、その日にやらないといけない仕事が他にできたのなら、準備と片付けには参加しても、途中でぬけてそちらの仕事をするというのは許容されますが、「ゆうこりん」(仮名)のように、その逆、準備と片付けはひとにさせて、接客だけ一番にして自分の接客が終わるとさっさと出かけて行って、夕方になると、「あと、片づけておいてよ。私は先に帰るから」と終業時刻より前に帰ってしまう・・などというのは、それは「建築の住宅の営業」にしても「不動産の住宅の営業」にしても営業という職種の人間の間においては通じないことのはずなのです。「男なら殴られるぞ」というものです。何社かの会社に勤務して、どうも、女性には「『男なら殴られるぞ』という行為をやっても女は殴られない権利があるという信念をもっている女」というのがおり、「ゆうこりん」(仮名)は「女は『男なら殴られるぞ』という行為をする権利がある」と確信していた女だったのですが、そんな「権利」なんてないはずです。しかし、「ゆうこりん」(仮名)はその「男なら殴られるぞ」という行為を信念もって断固として実行するのです。で、佐倉市上志津の分譲地の現場において、私は、はたして、これいったいどうしたらいいのかと思って途方にくれていたところ、同じ花見川ショールームに勤務していたリフォーム部門の「福田しゃん」がクルマで来たのです。彼と私とは部署は違ったけれども同じ場所に勤務していた人間であり、私が彼の仕事に協力したりもしていたのです。やはり、会社という所では「お互いさま」というのか、ひとが困っていたならば協力しあうものですから、又、福田も私に協力してもらうことがあるわけですから、彼はいくらかなりとも手伝おうと思って来たのかと思ったのです・・・・が違った。あきれた! 福田はそうではなく、隣の席に女、即ち事務員の井上を乗せて、私がいったいどうしたものかと途方に暮れていたのを2人で見物に来たのでした。そして、窓から見物してそのまま2人で帰ったのでした。こいつら、何しに来たんだ! と思いましたが〔この件については、[第385回]《手伝いにでなく女をクルマの隣に乗せてわざわざ見物に来る男―自分が働いていない時は見えない場所で[3]》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201602article_4.html で述べた〕、「福田しゃあん」とか言って、オット持ち・子持ちの女が既婚の男と一緒に帰ろうと待っているそういう女と、一緒に毎日クルマで帰っている変な男とのやることというのは、そういうものでした。あきれました。
   こういうことをする男には、「相互主義の原則」として、こちらも福田の仕事は福田がどんなに困っていても協力はできないししてはいけないと判断しました。 ところが、その後、福田が担当のリフォームの仕事で、工事が完了した後、工事現場から荷物を撤去するのを、このあつかましい男は手伝ってくれと突然言ってきました。私などは普段は背広上下を着て仕事をしています。もしも、現場作業を手伝ってほしいのなら、あらかじめ先に頼んでおくべきで、先に頼まれて承諾していたのなら作業服などを持って行くところですが、頼まれていませんし、福田からは何を頼まれても会社員として社会人として絶対に協力してはならないと認識していましたので、作業服など持っていません。「ゆうこりん」(仮名)の後、店長になったヤクザ顔の田中(男。当時、60歳)が、突然、「おい、福田さんの仕事を協力してやれ」と言い出したので、「私は福田の仕事は協力しないことにしているのです」と言ったのですが、田中は「そんなこと言わずに、同じ営業所にいる人間なんだから協力してやるものだろう」などとあきれた口をきくので、「ですから、同じ営業所にいる人間なら協力しあうものだろうということがわからない男には協力できないと言っているのです」と言ったのですが、ヤクザ顔の田中は「うるせえ~え! 手伝いに行けと言ったら行け! この野郎!」などと言うのです。「この野郎」などと言われる筋合いはありません。 私が困っている時に、手伝いに来るのならともかく、隣に女を乗せてクルマで見物に来た男に協力したのでは会社員としてアホです! これは協力してはいけません。 田中は「これあ。さっさと行けえ。店長が命令してんだ、こらあ」と言うのでしたが、しかし、店長というのは、福田と井上のような態度をとった者に対して注意するのが店長の仕事であり、「おまえら、そういう態度をとっていたのでは、今後、ひとに協力してもらえなくなるぞ」と教えるのが店長の仕事であり役割であって、福田と井上のような態度をとった者に「協力するのが当然だろうがあ!」などと怒鳴るのは店長のするべきことではないはずなのです。 「また、頼むのならそれならそれで、なぜ、突然、言い出すのですか。そのお宅のリフォーム工事の終了はあらかじめわかっていたはずで、わかっている以上、協力してもらいたいのならそれならそれで、先に頼んでおくべきものでしょう。どうして、今、突然、言い出すのですか」と私は言いました。特に、福田はリフォーム部門の工事管理の仕事が担当だったわけですから、工事管理の仕事を担当している者が工程を把握して協力してもらいたい相手にはあらかじめ話しておくということができないのなら、工事担当としての仕事ができていないということになります。私が言っていることは正論であり、建築業の会社においては当然のことです。ところが、田中(人相と眼つきが悪い田中)(かつて、賃貸マンションでポスティングをしていた時、「ヤクザが来ている」と110番通報されたことがあるという男)(韓国に行って「女性の友人」〔要するに、韓国人の商売女〕と過ごすことと、韓国に行って本物の銃を撃つのが趣味という物騒な男)は「うるせえ~え! 手伝いに行けったら行け、この野郎!」などと叫ぶのです。 しかたなしに手伝いに行ってあげましたが、「結局、しかたなしに、行った」というあたりが私の弱さであり、私のお人よしなところであり、そのあたりが私がなめられてしまう原因なのでしょう。 手伝いに行ったら行ったで、福田も工事部の某も、工事の道具をトラックに積んで引き上げるというのに、その場所を掃除するための箒と塵取りも持ってきていない。しかたがないから、私が自分のクルマのトランクに載せていた箒と塵取りを使って掃除をしたのですが、こいつは建築屋じゃないなと思いました。
   東海住宅(株)の花見川店の駐車場の奥に猫の死骸を埋葬した場所には、しばらくすると雑草がはえてきましたが、そこはその猫の「墓地」でしたので、私が在籍した間は、気づいたら抜いていました。単に埋めただけですが、それでもやっぱり、「墓地」でしたから、だから、「墓地」にはえてきた雑草は抜いていたのです・・・・が、私がこの会社をやめた後は、おそらく、その「墓地」の雑草を抜く人間性のある者はなかったでしょう。今、そこがどうなっているかはわかりません。やめた会社の「墓地」まで世話する余裕はないし立ち入って何かするわけにもいかないでしょう。
   猫がヌレエンの下で死んでいるというのを見て、「かわいそう」と感じるのではなく、「気持ち悪い」と感じる女のその思考パターンというのは、およそ一人で対処できるわけがない片づけを押しつけられて途方に暮れている人間を、同じ営業所に在籍している者として手伝いに行くのではなくアタマの薄い男が運転するクルマの助手席に乗って見物に行こうという女の神経・根性と共通する姿勢です。 花見川店の店長になっていた「ゆうこりん」(仮名)は、冬、雪が降って積もった時、私に「駐車場と玄関の前の雪かきしてちょうだい。雪かきは男性の仕事でしょ」と言うのでしたが、そうかな? かつては、多くの会社で男性従業員は女性従業員よりもいくらか高い給料をもらっているということが多かったのですが、今は違いますし、東海住宅(株)でも違います。同じ給料もらっていて、なんで、「雪かきは男性の仕事」なのでしょうね。「ゆうこりん」(仮名)は、来客へお茶を出す作業を「男性でもやってもらいますから」と言うのでしたが、それはいいと思います。私も戸建住宅建築業の会社で展示場でずっとお茶を入れてきましたし。しかし、お茶を入れるという作業を「男性でもやってもらいますから」と言いながら、「雪かきは男性の仕事でしょ」と主張するというのは、それはどうでしょうか? で、なんで、「雪かきは男性の仕事」なのですか? 男性の方が力が強いからですか? しかし、そういう理由なら、私は(株)一条工務店に勤務していた時に、腰や肘を怪我させられ、椎間板障害をわずらっており、整形外科の医者から、できるだけ、雪かきとかそういう作業はしないようにと言われているのです・・・が、建築会社に勤めてそうも言ってられないからしかたなしにやっているのです。 なんで、椎間板ヘルニアの人間が雪かきをするのが「当たり前でしょ」なのでしょうか?  まだ、男性が雪かきをして、その間に女性はほかの仕事をするというのならわからないこともありませんが、「ゆうこりん」(仮名)は私が雪かきをすると、おのれは部屋中に入って座ってコーヒー入れて飲むのです。 この女、しまいに殴られるぞ・・・と思う男性は少なくないのではないかと思うのですが、「ゆうこりん」(仮名)は「女が働くのは大変なんだからねえ」などと発言するのですが、もしも、私が「ゆうこりん」(仮名)が働いて得たカネで生活させてもらっているのなら、「女が働くのは大変なんだからねえ」などと言われてもしかたがないでしょうし、「えらい、すんまへんなあ」くらい言った方がいいと思いますが、違うのです。そんなに大変なら、働いていただかなくてもけっこうなんですけど。
   そういう際ですが、1989年、小堀住研(株)の松戸展示場にいた時、冬、雪が積もったことがあり、その日、栃木県で建てるという松戸市の契約客との打合せのために、栃木県の工事担当者が松戸展示場まで来ることになっていたのですが、玄関の前も雪が積もっていたので私が雪かきをしていたところ、「営業補助」として勤務していたMさん(女。当時、20代前半)が出てきて一緒に雪かきをするので、「いいよ。中に入ってればいいよ」と私が言ったのですが、それでも、Mさんは「一緒にやる」と言って一緒に雪かきをしてくれたのです。Mさんの感覚には「ゆうこりん」(仮名)のような「雪かきは男性の仕事でしょ」という認識はなかったようです。ましてや、「ゆうこりん」(仮名)のように男性従業員に雪かきをさせておのれは部屋中に入って座ってコーヒー飲むという発想は、発想として存在しなかったようです。 「雪かきは男性の仕事でしょ」と勝手に決めつけて男性従業員に雪かきをさせておのれは部屋中に入って座ってコーヒー飲む女、ひとに猫の死骸の埋葬作業をさせておいておのれはさっさと部屋中に入ってしまう女、そして、「福田しゃんがやってくれたにょお」とか言う女、同じ営業所の従業員が一人で対処できるわけがない量の片づけを押しつけられて途方にくれている所に手伝いに行くのではなく男のクルマの助手席に乗ってそれを見物に行く女、これらには共通した性質があります。 1989年、小堀住研(株)の松戸展示場にいたMさんは、他の部署の男性従業員からも「Mさんは本当にいい子だねえ」と言われたりしていたのですが、猫が死んでいたとすると、「気持ち悪い」ではなく「かわいそう」と思う方の女性であり、男性が雪かきをしていると「雪かきは男性の仕事でしょ」と言っておのれは部屋中に入って座ってコーヒー飲む女ではなく、自分も一緒に雪かきをする女性でした。 『金沢殺人事件』の登場人物 千賀は、平塚神社で寄ってきた捨て猫を見てかわいそうに思ってこっそりとアパートで飼い、その猫が子供を産んで4匹は死産だったとなると、どこかに埋めてあげたいと考えて自ら埋めに行く女性であり、猫の死骸を見て「気持ち悪い」と考えるか「かわいそう」と考えるかという時、「かわいそう」と考える方の女性だったようで、「雪かきは男性の仕事でしょ。当たり前でしょ」と言っておのれは部屋中に入って座ってコーヒー飲む・・・というタイプとは違うだろうなと思い、それゆえ、「ええ~え、殺しちゃったのお~お」「ひどいよ」と作者に言いたい気持ちになったのでした・・・・。た。
    (2018.7.14.)

※ 東海住宅(株)〔本社:千葉県八千代市〕https://www.10kai.co.jp/ については、
[第901回]《ひとのせいにする営業、せいにされた時、どうしたものか。勝手に転んで嘘泣きする子供に「申し訳なかったねえ」と言う店長。施主に原因があるものを担当営業を悪者にする男。契約客を放置して解約したいと言われた営業ではなく引き継いだ者が悪いと言う所長。》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/202201article_9.html 【3】
[第903回]《転職した場合「その会社では先輩」社員にどこまで遠慮すべきか。同僚が困っているところを女を助手席に乗せて見物に来る男。警察がやるなということを自分はやらずに従業員にやれと言う店長。男性に雪かきさせて自分は部屋中に入って座ってコーヒー飲む女症候群。男性が掃除と準備をした所に遅刻してやって来て下駄箱の上をひと撫でして「私がここまでやった」と宣言する女。ほか・・》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/202202article_3.html
でも述べました。御覧ください。

☆ 平塚神社・平塚天神社と浅見光彦
1.裏口は嫌い。西ケ原駅 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_3.html
2.国立印刷局、滝野川警察署、七社神社 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_4.html
3.花森東京病院、滝野川公園、地震の科学館 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_5.html
4.平塚神社全景、門柱、平塚亭 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_6.html
5.平塚神社参道、社殿、蝉坂からの階段と社務所 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_7.html
6.ユニークな狛犬、扇に日の丸の紋 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_8.html
7.社殿の裏の岡。猫の死骸を「かわいそう」と思うか「気持ち悪い」と思うか 〔今回〕
8.菅原神社(平塚天神社)、大門先・元稲荷神社、御料稲荷神社、石室神社 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_10.html
9.城官寺、上中里駅、蝉坂、上中里不動尊、摩利支天 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_11.html
10.旧古河庭園(1)洋館、つつじ園 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_12.html
11.(2)心字池、雪見灯篭、石橋、兜門、染井門 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_13.html
12.(3)茶室、黒ボク石積、崩石積、書庫 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_14.html
13.滝野川小学校、「御子柴邸」 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_15.html
14.滝野川会館。「一里塚」バス停から「上中里」駅まで https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_16.html
15.上中里駅陸橋、尾久操車場・田端機関区、銭湯 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201807article_17.html 

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