「一条の建物は完璧」の反証6.擁壁と基礎の取り合いの打合せを工事担当が拒否-浜松営業【10/ 】
[第698回]
【C】-9
(株)一条工務店の1993年5月の「研修」・・といっても「研修」と言うに値すると思えないもので、毎日深夜まで働き休日も出勤して働いていた私たちとしては大事な時間を近藤路夫に奪われた。又、(株)一条工務店は時間外手当・休日出勤手当を本来払わないといけないはずなのに払っておらず、営業の場合は契約があがれば歩合をもらえるのだからという主張をするのかもしれないが、歩合給を払えば時間外にいくら働かせてもいいというものではないはずで、時間外手当・深夜労働の割り増しなどの制度は、単に就業規則上の就業時間についての労働契約を結んだ者に対して、それをはずれる時間に働いたことについて、歩合によってカネを払えばいいというものではなく、労働者の健康を守るために長時間の残業を防ぐ意味あいもあり、その点において(株)一条工務店の歩合を払うのだから営業には時間外手当を払わず無制限に働かすことができるという認識は問題があります。ましてや営業活動でない事で歩合につながる可能性がない事に時間を使わせたものについては時間外手当・休日出勤手当は支払われなくてはならないのではないか。実際問題、1993年5月に「研修」で講師役だとして来て、おのれはおのれの名前も名乗らなかった近藤路夫が話したものは「酔っ払いの寝言」でしかないもので、(株)一条工務店は、毎日深夜まで労基法違反で働いている者を「酔っ払いの寝言」に浜松まで来させたということについてきっちり謝罪するべきで、又、その1日について休日出勤手当を支払うべきです。
《11》-1 高基礎(深基礎)の施工ができない。擁壁とべた基礎とのとりあいについて工事担当者が外構業者との打合せを拒否する。高基礎(深基礎)のはずがどうもそうなっていない。
「高基礎(たかぎそ)」「深基礎(ふかぎそ)」「増基礎(ましぎそ)」という用語があり、使い方が混乱している。インターネットで検索すると、
《住宅建築専門用語辞典-高基礎》http://www.what-myhome.net/16ta/takagiso.htm
《まるわかり注文住宅-高基礎》https://chumon-jutaku.jp/words/ta/1124/
《住宅建築専門用語辞典-深基礎》http://www.what-myhome.net/28fu/fukagiso.htm#01
《まるわかり注文住宅-深基礎》https://chumon-jutaku.jp/words/hu/1626/
《全部建築-深基礎と高基礎の違い》https://zenbukenchiku.net/post-36/
《iGスタイルハウス リフォーム 基礎増し打ち》https://www.netreform.jp/reform/taishin_insulation/taishin/method/method02/
など出てきました。これらをもとに図示しますと↓、
↑一番左が一般的な「布基礎(ぬのぎそ)」、
その右が「深基礎(ふかぎそ)」で片側をカーポートにする場合などに使うもの。
その右が「高基礎(たかぎそ)」で室内側にユニットバスでない造成の浴室を設ける場合に基礎を通常より高く施工します。1960年代後半、大阪府で父母が小堀住研(株)で在来木造の家を建てた際、上棟の時に行くと、基礎が他の場所よりも高くなって囲まれている区画があり、あれはいったい何だろう? と思ったのですが、浴室でした。造成の浴室にする場合以外では、外側隣地の隣地が建築地より高く、かつその擁壁にかなり不安があって、崩落の危険があるような場合に自衛策として鉄筋コンクリートの基礎を通常より高く立ち上げる方法をとることがあります。
1980年代後半、小堀住研(株)に在籍した時、松戸市で建てていただいた方が北側の土地が高く、コンクリートブロックの上にRCの擁壁を載せる施工をしていたため、市役所の建築指導課から下側の土地に建てる場合には地震などの際に上側の土地のRC擁壁から上が落ちてきたという場合でも危険がないように高基礎の施工にしてもらえないか(落ちてきた部分が高基礎の高さまでのところで収まるように)と言われたのですが、施主としては不適切な施工をしたのは自分ではなく隣家であり、隣家が不適切な施工をしたことに原因があるのに自分のところが不安な思いをするのみならず役所から余計な出費を求められるというのは筋違い(すじちがい)であり、役所と話し合った結果、高基礎にしなくてもいいができるだけ納戸など常に人がいない部屋にするようにしてほしいと言われたということがありました。隣家の施工に原因があるのに自分のところが余計な費用をかけないといけないというのはたしかに筋は通らないと思いますが、両方とも自分のところの土地である場合や、隣家に責任がある場合、責任がない者が余計な出費を役所から要求されるのは筋違いとしても、隣家が何もしない場合に自衛策として高基礎にするということは選択肢の1つとしてありうるかと思います。
一番右が「基礎増し打ち」で比較的古い家で基礎が強固でない時に補強する方法です。
1992年、(株)一条工務店で入社1年目に契約いただいた東京都町田市で建てていただいたU様邸ですが、西側と北側に道路のある角地でしたが、西側の道路に沿ってカーポートを作り、その東側に建物を建てようということになりました。カーポートと建物との間には高低差ができます。地盤調査の結果、べた基礎で施工してもらいたいという判定になっていました。
「布基礎で深基礎」というのはあるのを知っていましたが、「べた基礎(総基礎)で(一部)深基礎」という施工というのはできるのだろうかと入社1年目の私は思ったのですが、あります。それを図示すると↓の右側の図です。
↑施工の方法としては、外構工事において擁壁を立ち上げて、その内側にべた基礎を作り、擁壁とべた基礎とを、片方の鉄筋を出しておいて結合するという方法も考えられます。
どちらがいいのかといっても、その時、私は(株)一条工務店に入社1年目で、同社に入社する前に同業他社に少しいたといってもそれほど長い期間いたわけでもなく、両方を通算してもたいした経験ではなく、どちらがいいのかという判断をできる力はありませんでした。それで、(株)一条工務店で私が入社した時点ですでにある程度以上の年数を在籍していたKさんに意見をきいたところ、外構屋の施工精度というものを百パーセント信じられるかどうかという問題もあることを考えると、高基礎にして施工した方がいいのではないか、と言われ、それならその方法で進めようと考えたのです。
ところが、(株)一条工務店の東京事務所の工務課の主任の高須(男。当時、20代後半)が「べた基礎で建てられるように、きっちりと擁壁を作ってください」と言うのでした。私は、「べた基礎の部分深基礎」と「べた基礎+擁壁」とどちらの施工がいいのか入社1年目の人間でありよくわからなかったので、(株)一条工務店の東京事務所の工務課の「責任者」だという主任の高須が「べた基礎+擁壁」の施工の方にしてほしいと言うのであれば、先輩社員のKさんの意見は個人として親切で言った意見であり、(株)一条工務店としての見解は工務課の責任者が判断するものでしょうから、高須の主張に従うことにしました。しかし、「それでは、外構業者のUさんと、擁壁の施工とべた基礎の施工の段取りについて、打合せていただけますか」と私が言ったところ、東京事務所工務課の「責任者」の高須は「なんで、そんなものしないといけないんですか。しませんよ、そんなもの」と言うのです。はあ? は~あ?
私は10代から20代なかばくらいまでの頃は、もともとは営業というのをやっている人間も嫌いなら自分自身がやるのも嫌だったという人間なのですが、住宅建築業の会社に入社して何の因果か営業の仕事につき、その後も、慶應義塾の商学部の出身者に5年も10年も一線の営業をさせるようなバカな会社はないだろう・・と思っていたら、実は自分が勤めた会社というのがそういうバカな会社でバカの会社だったということに気づいていないバカは自分だった・・と最近になって気づいたのでした・・が、ともかく、住宅・戸建・木構造・請負・新築を中心としての建築業およびその周辺の業界に長く勤めてきました。お客さんには「犬走り」を「猫走り」と言う方はあるけれども、お客さんはそれでもいいとして、従業員が「米松(べいまつ)」を「こめまつ」と言うくらいはともかく、鴨居(かもい)を指さして「この敷居(しきい)は・・」なんて言っちゃなさけないとは思うのですが、1992年に(株)一条工務店に入社した年、東京営業所(展示場)において、「営業は、たとえ、鴨居を敷居と言っても売れればいい」という説があったのです・・が、しかし、たとえ売れてもお客さんが言うのならともかく、従業員が「鴨居(かもい)」を「敷居(しきい)」というのは勘弁してもらいたいとも思うのですが、こう言うと、「営業は売れるかどうかが命であり、鴨居を敷居と言っても売れればいいんだ」と主張する人もいたのですが、しかし、それなら「鴨居」を「敷居」と言ったら売れるのか? そうではないように思うのです。「鴨居」を「敷居」と言わずに「鴨居」と言ったら売れるというものでもないかもしれないけれども、それでも、「鴨居」を「敷居」と言う営業と、「鴨居」を「鴨居」と言う営業であれば、他の条件がまったく同じであれば、「鴨居」は「鴨居」と言う営業の方が、たとえ、0.1%でも売れる側の要素があるのではないか・・というよりも、たとえ、売れても「鴨居」を「敷居」と言うような住宅建築業の営業て嫌だな。1980年代後半、小堀住研(株)に入社してすぐの新卒社員研修で、研修の講師役で来た従業員が、小堀住研(株)の建物の商品名「新 桂(しん かつら)」(「桂離宮のようなすばらしいデザインを現代に」という趣旨から「桂」、その改良形ということで「新 桂」)を、「しんちゅう」と読んだ人がいたのですが、どないして「桂」を「ちゅう」と読むねん?・・というと、「桂(かつら)」を「柱(はしら)」に変換して「新桂」を「新柱」に変換し「新柱」を「しんちゅう」と音読みしたようですが、まがりなりにも自分が勤めている会社の商品名をそれも研修を受ける側ではなく研修の講師役が読み間違えるというのは、それはちょっと情けないのではないか。日大のアメリカンフットボール部の監督だかが関西学院(かんせいがくいん)を「かんさいがくいん」と読んだり、自民党のなんちゃらいう大臣が「石巻(いしのまき)市」を読めなかったりというのも情けないが、たとえ売れても従業員が「鴨居(かもい)」を「敷居(しきい)」と言わないでほしいと思います・・が、「高基礎(たかぎそ)」「深基礎(ふかぎそ)」「増し基礎(ましぎそ)」については、けっこう混同して使われており、かつ、それで通じたりしています。
私は「ですから、擁壁を何月何日までにどのように施工して、基礎の方の工事は何日からどのように入るのか、擁壁と基礎を結合するのにどのようにやるのかといったことを外構屋さんと打合せていただきたいのですよ」と言ったのです。まがりなりにも工務課(工事担当)なら当たり前のことと違いますか? ところが、高須は「なんで、そんなものしなきゃならんのですか。しませんよ、そんなもの」と言うのです。はあ? はあ~あ? さらに、高須は「一条工務店で家を建てて欲しいと思うのだったら、土地を用意して敷地を更地にして、建物を建てられるように擁壁とかもきっちりと施工して用意するもので、それはお客さんの仕事ですから。一条工務店で建てて欲しいのなら、お客さんがそこまでやるものです」と、そう言ったのです。これ、可能な限り、原文の通り復元したものですからね。はあ~あ? 何、そのウルトラ殿様商売!
慶應大学に在学中、同じサークルにいた人でお兄さんが三井銀行(→太陽神戸三井銀行→さくら銀行…→三井住友銀行)に勤めているという人があり、その人が「三井銀行というのは、『三井の殿さま』と言って、地方の都道府県に行くと、支店は県庁所在地にしかなくて、その国の領民どもが領民どもの方から支店まで訪ねてきて、『まことに申し訳ございませんが、私どものお金を預かっていただけませんでしょうか』と頭下げてお願いに来るのを支店で待っとるんだ」と言う笑い話みたいなお話を聞かせてくれたことがあったのですが、実際には旧三井銀行に限ったことではなく、都市銀行というのは東京圏・関西圏でこそ支店の数も多いけれども、地方の都道府県に行くと、三井銀行以外の他の都市銀行も、県庁所在地に1か所か福島県などでは郡山市に1か所といったように県庁所在地より経済的に中心である都市に1か所という都市銀行が多く、それは三井銀行に限ったことではなかったはずですが、しかし、そうは言っても、「商売人 住友銀行」に対して、「殿さま 三井銀行」とか「お公家さん 三井銀行」なんていう表現を聞いたことはあり、そこまでは言いすぎとしても、なんかその銀行の体質として、「お公家さんみたい」というのか「お殿さまみたい」というのかのところがある、といった話はあったように思います。 ・・・で、株式会社一条浜松工務店というのは、「三井の殿様」みたいなブランドでしたっけ? 「三井の殿さま」ならまだしも、「名門」てイメージはあるし、「ブランド」でしょうけれども、「株式会社一条浜松工務店」てそんな「名門」でしたっけ? 「三井の殿さま」みたいなブランド力がありましたっけ? そんなんで商売やっていけまんのんか???
(株)一条工務店より前に在籍した小堀住研(株)では、解体から外構も合わせて小堀住研(株)で手配して全体を小堀住研(株)で責任をもって対応するとしていました。こういうことを言うと、営業本部長の天野隆夫から「そんなこと言うならエスバイエルに行けよお!」と言われるのでしたが、別に小堀住研(株)→エスバイエル(株)に限ったことではなく、積水ハウスでもパナホームでも三井ホームでも住友林業でも同様だったはずです。客は、住宅建築業の会社はたいていそうするものだと思っているのです。(株)一条工務店の工務課の東京地区の責任者の高須が言ったような、「古い家はお施主さんが責任をもって解体して、擁壁もきっちりとやって建てられる状態にして、それで一条工務店にお願いするものです」とかなんとか言われたならば、もし私が見込客の立場なら、「住宅建築業の会社は東京にいくつもあるのに、なにも、そこまで殿様商売言われてまで、東京で家を建てるのに、物好きに浜松工務店に頼むことないよなあ。なんか、勘違いしてるんじゃないのか、その浜松野郎は!」とあきれて他社に頼むことにします。間違いありません。そう思いませんか? 東京にはハウスメーカーは何社もあるのに、なんで、そこまで言われて、わざわざ、物好きに浜松工務店になんか頼まにゃならんのですか!?! そうでしょ!
外構工事を頼んだU社の社長からも、「一条さんの工事担当者とどのように進めるか打合せをしたい」と言われて私は工務課の責任者だという高須に頼んだのでしたが、「打合せなんてしませんよ。建ててほしいのなら、一条工務店が建てられるようにお客さんがきっちりと更地にして、擁壁なんかもきっちりと作って、それで頼むもんですよ」と言うので、ええかげんにせえよ・・と思ったのですが、それが(株)一条工務店で自分が勤めた会社ならそれに対応していくしかないのでした。実際には、高須は「一条工務店に建ててもらいたいと思うのなら、お客さんが土地を用意して、お客さんが解体して土地を更地にして、擁壁もお客さんがきっちりとやって、それでここに建ててくださいとお願いするもんです」と言うので、実際のところ、ええかげん、腹立ってきた。(株)一条工務店は、だだっぴろいアメリカ合衆国のプレーリーかオーストラリアの原野か何かそういう場所でしか建てられないのではないか? 東京圏にそんな土地で建てる人がどれだけあるだろうか? その町田市で建てていただいたUさんの土地は70坪ほどあったでしょうか、整形の土地であり、高低差が少しあることと、道路側にカーポートを作りたいという問題があること以外は建てやすい土地であり、あの土地に建てられないとなると、東京圏で(株)一条工務店が建てることができる土地はほとんどないことになる。たとえば福島県とかなら先祖から住んで来た家を建て替える人なら敷地面積300坪とかいう人はいるけれども、浜松でもいるのだろうけれども、東京圏で高須みたいなことを言っていたのでは、それでは東京圏で(株)一条工務店が建てることができる土地はほとんどないことになる。そんな「工務課(工事担当)」があるだろうか?・・と思ったがあったのだ。どこにあったかというと私が勤めていた(株)一条工務店にあったのだ。
「(株)一条工務店の工務課(工事担当)と外構屋の担当者とで基礎と擁壁工事との段取りをどうするか打合せてもらわないと工事は進まないでしょう」と私は言ったのですが、高須は「そんなもの、知ったことじゃありません」とそう言ったのです。これ、「原文の通り」ですからね。「知ったことじゃない」と言うのなら、それなら、もうその仕事やめたらどうなんだ・・と言いたくなるのですが、ところがどっこい、(株)一条工務店の経営者は「バカでも入れる私大の建築学科」卒の設計には大甘であるとともに、工務課(工事担当)にも甘いようです。
解体も外構も「お施主さんがやることです」とか言われても、お施主さん自身が外構業者であったりすれば、解体業者も知っている者がいたりしますが、普通の会社員の施主は解体業者だの外構業者だのなんて知りません。知らないのが普通です。積水ハウスとかダイワハウスとかパナホームとか三井ホームとか住友林業とか、小堀住研(株)もそうですが、そういうハウスメーカーは、解体業者だの外構業者だのなんて知らないお施主さんのために、お施主さんに代わって業者と折衝するのです。「地方」にいくと、「農家はなんでもあり」なんて言って自分で何でもやる「農家」の人もいますが、東京圏・関西圏ではそういう人は少ない。それで、結局、営業はそれでも契約してもらって建ててもらわないと自分達の収入を得ることができないので、それで、しかたなしに、営業が個人として解体業者や外構業者と折衝して個人として対応していたのです。しかし、ものすごい不安でした。個人として対応するというのは、やっぱりおかしいと思います。お客さんは(株)一条工務店と契約したつもりでいるのですし、営業担当者が個々に業者と折衝してうまくいけばいいですけれども、もし、うまくいかなかった場合、誰が責任とるのか? もっと安いものならまだしも、家1軒建てるにおいてのものですから、営業に責任とれなんて言われてもとれませんよ。(株)一条工務店はとらすつもりでいたかもしれませんけれども(怖い会社・・)。
(↑山科けいすけ『C級サラリーマン講座』第682回。「ビッグコミック」2019.4.25号 所収)
結局、入社1年目の私はいったいどうしていいのかわからず、外構業者のU社の社長に高須が言ったことをもとに、「一条工務店の工務課はこう言うんですけど、どうしたものでしょう」と言ったところ、U社の社長は「はあ~あ・・・・」と絶句し、そして「わかりました。そしたら、擁壁作って一番上のところで鉄筋だしておきますよ。そこからは一条さんでその鉄筋にべた基礎をくっつけてもらえばそれでいいでしょ」ということで施工することになり、現地での打合せには私が行って、営業担当の私が外構屋の社長と打ち合わせをして、工務課の主任の高須に外構屋のU社の社長が言ったように、擁壁を作って一番上の部分で鉄筋を出しておくから、(株)一条工務店はそれにつけるようにべた基礎を作ってくださいと伝えました。
それでなんとか家は建ちました。お施主さんは、一通り、希望した家ができたと喜んでくださいました。しかし、結論を言うとやっぱり違うように思うのです。
(1)現地で打合せをするのであれば、擁壁部分を施工する外構屋と基礎の部分を施工する(株)一条工務店の工務課(工事担当)が打合せをするべきもので、もし、(株)一条工務店の営業担当が「営業兼工事管理」(もしくは「工事管理兼営業」)であって、基礎工事も営業が管理するのであれば営業が立ち会って打合せをすればいいでしょうけれども、そうではなく、基礎工事の工事管理は「工務課」の人間が工事管理をするはずなのです。なぜ、工事管理をする者が立ち会って打合せをせずに、工事管理を担当としない者が打合せをするのでしょうか?
(2)擁壁を立ち上げて、その最上部で鉄筋を横に出しておいて、それに(株)一条工務店がべた基礎を緊結するという方法と、(株)一条工務店が深基礎で施工すると言いう方法は、一般にはどちらがいいと一概に言えないのかもしれませんが、施主からすれば、施主は(株)一条工務店と契約したはずであり、内装の細部とかならともかく、構造に関する部分については(株)一条工務店が施工するべきではないのか。たとえ(株)一条工務店が直接施工しなくとも(株)一条工務店の工務課が責任をもって管理しないといけないのではないのか?
(3)(株)一条工務店は、外構屋など業者に、見積金額の1割を(株)一条工務店によこせと要求していたのです。1割ですよ、1割。半端な額じゃないですよ。私は、営業が勤務時間外や休日に働いて手配して話をまとめたのですから、営業が業者から昼飯1食くらいならおごってもらっても悪くないと思うのですが、何もしないだけでなく、工務課の「責任者」が「知ったことじゃありませんから」と明言したようなものについて、なんで、「知ったことじゃありませんから」とかぬかすようなそんなヤツ、何もしないヤツに1割もくれてやらなきゃならんのですか? その工務課の男の給料というのは、「知ったことじゃありませんから」と言った工事について業者が(株)一条工務店に払ったカネなどから出ているはずなんです。違いますか? 違わないでしょ。なんで、「知ったことじゃありませんから」とか何とかかんとかぬかすヤツに1割もやらなきゃならんのですか?
(4)「べた基礎で(部分)深基礎」と「べた基礎+擁壁」の施工では、「べた基礎で(部分)深基礎」の方が、↑の図を見てもわかるように、わずかであっても土地を有効に使えると思うのです。
(5)「べた基礎で(部分)深基礎」と「べた基礎+擁壁」であれば、強度という点でも「べた基礎で(部分)深基礎」の方がより一体化していて一般に強いということはないか。というよりも、私がその時に頼んだ外構業者のU社はいいかげんな工事はしていないとは思いますし、たしかそうな業者に頼んだのですが、そうは言っても、「U社が考える間違いのない擁壁工事」をしたはずなのです。お施主さんが契約したのはあくまでも(株)一条工務店ですから、U社の工事がいいか悪いかにかかわらず、構造に関わる部分について(株)一条工務店が「知ったことじゃありませんから」という態度をとっているというのはおかしいのではないか。
(株)一条工務店を辞めた後、私はどう考えても(株)一条工務店のバカ設計よりはいい図面を作る自信があると思って、設計の職種に応募したことがありましたが、どうも中途採用で「設計」に応募して採用されるためには、
(1) 「『バカでも入れる私大の建築学科』でいいから『建築学科卒』であること(『建築学科卒の者に十分劣らないだけ学習しました』と言っても、『建築学科卒の者に劣らないだけ学習しました』というのは聖書を指して誓って言うが私は決して嘘は言っていないのだが、認めてもらえない。愛知産業大学の建築学科のスクーリングの時、守屋先生が「建築士の資格なんて持っていても仕事ができなければだめだ。建築士の資格を取ってはだめとは言わないが、安藤忠雄にしても建築士の資格がなくてもやっていっているように、実際に仕事ができるかどうかの方が大事だ」と言われたことがあり、それはまさに正論ではあるのですが・・・、しかし、実際にはその正論を認めてくれない建築屋の採用担当者が多い。)」
(2) 「ろくな仕事していなくてもいいから、バカでもいいから一級建築士か二級建築士の資格を持っていること。(インテリアコーディネーターは二級建築士と比べても難易度は下ではない、キッチンスペシャリストも二級建築士と比べても難易度は決して下ではない、二級建築施工管理技士ももっていると言ってもだめ。住宅建築業の会社の採用担当者というのはよっぽどバカじゃないのかと思うのだが、『いっきゅうけんちくしいでないとお~お』とかうなるヤツとか、一級建築士か二級建築士に信仰をもってるやつとかが多い)」
(3) 「『設計』という職種名での勤務経験〔(株)一条工務店では契約前の提案段階での設計は『営業』という職種名の者がやってましたあ、(株)一条工務店の『設計』という者は言ってみれば『宝の持ち腐れ・大魔神 佐々木』みたいなものですよお、かつて、横浜ベイスターズの救援陣に盛田と佐々木がいた時、7回か8回のピンチでここで抑えるか打たれるかで試合が決まる時には盛田がでてきて押さえ、一段落した後での最終回にランナーなしから『大魔神 佐々木』が出てきて1回無難に抑えるということを繰り返していたことを、漫画家の やく みつる が肝心な所では出てこない『宝の持ち腐れ 大魔神 佐々木』と言っていたが、(株)一条工務店の設計なんて『そんなもの』と言いたいが、それを婉曲表現で説明しても、というより説明しようとしても書類選考で落とされる。〕」
ということで、それならいっそ「建築学科卒」になってしまおうかと考えたこともあったのですが、仕事を持ちながら大学の課程を学習するのはそう簡単ではない、特にある程度の年齢になって、すでに吸収したものがある程度以上あって、これからはそれを吐き出していこうという年齢になった者が大学の課程で配置されているものを吸収しようというのは簡単ではない。
それなら工事管理はどうかと思うと、面接に行くと「〇〇さんは、結局、工事管理の職種についた経験はないんですよねえ」などと言われてしまうことになった。しかし、どうも、納得いかないのだ、私は。↑のケースなどでも、擁壁と基礎のとりあいについて、どういう具合に進めればいいのかと頭をかかえ心を悩ましして考えたのは私であって、「知ったことじゃありません」とか何とかかんとか殿様商売ぬかしていたヤツとは違うはずなのだ。ところがどっこい、殿様商売ぬかしていたヤツは「工事管理の経験 有り」と評価され、実際に外構屋と折衝して工事現場で会って説明もして段取りも組んでしたこちらは「工事管理の経験はないんですよね」と言われてしまうのだ。やっぱり、これは納得いかない。なんで、「知ったことありません」とかなんとか大威張りで言っていたヤツが「工事管理の経験 有り」という評価になってこちらが「経験なし」になるのか? 実際、やっていたのは私じゃないか。(株)一条工務店の工務課がやったのじゃないだろうが。
1992年、(株)一条工務店の東京営業所(展示場)に入社した時、(株)一条工務店では、営業社員の評価は、何棟契約を取得したかで見られていた。それでは、高い金額の契約でも安い金額の契約でも同じ評価になってしまい、おかしいのではないかと思ったのだ。小堀住研(株)では、「粗利益(そりえき)(あらり)」の何パーセントとして見られていた。会社はどれだけ利益を得たかで見るものであり、何棟も契約とっても利益の少ないものばっかりだと評価は低く、棟数として見ると少なくても利益が大きいものが多いと会社は利益を多く得ていることになるので評価は高い、というのは妥当だと思った。たとえば、小堀住研(株)では、「ハウス55」で1200万円とか1300万円程度の契約があるとともに、「新 桂」では5000万円を超すのが普通で、中には建築費だけで2億とか3億というものもあった。在来木造も関西と東京都では残しており、1990年はじめ、東京都で在来木造で2億の家が竣工したと聞き、支店長が「営業は、安い家ばかり見ていたのでは精神面が安くなってしまう。高額物件のお宅は自分が担当でない家でも、引き渡しまでに見せてもらうようにするべきだ」と言っており、見に行きたかったが、転居などに忙しくて行けなかった。兵庫県芦屋市の奥池で新卒社員向けの合宿研修があったのだが、その近所の家を「昨年、小堀で建てた家だけれども、建物だけで2億だ」と研修を担当した課長が教えてくれたことがあった。2億の家を年に3軒、契約してもらうと、契約金額は6億になる。1200万円の家を契約してくださった方は人間的にいい人だったとしても、それでも、1200万円の家を10軒契約してもらっても、契約金額は1億2000万円であって、2億の家3軒の方が多い。たとえ、1000万円の家を20軒契約してもらえば、契約金額としては2億の家1軒と同じになるとしても、それでも、「粗利益」を見ると、2億の家1軒の方が「粗利益」は多い。
小堀住研(株)はけっこう広い価格帯で建てていたので、営業の評価を1棟あたりいくらという評価の仕方はできなかった、(株)一条工務店は坪あたりの価格帯の幅が広くない会社だったので、1棟あたりいくら、何棟契約したかという見方をできたということもあっただろう。しかし、坪あたりの「標準坪単価」に幅はなかったとしても、大きさは異なるのであり、延床面積60坪の家は延床面積20坪の家よりも契約金額も大きく利益も大きいはずであり、それを同じ評価というのはどうも不合理に思える。又、30坪の家を2軒契約してもらうと2棟の評価で、60坪の家を1棟だと1棟の評価というのもどうも納得いかない。親世帯・子世帯で別棟で建てると2棟の評価で、上下で建てると1棟の評価というのも、これもなんだか浜松など「地方」の人間が東京など都市圏の人間よりも得する計算法である。ここでも「遠州人の陰謀」が発揮されている。
たとえ、同じ延床面積でも、高い家もあれば安い家もあるはずだ。小堀住研(株)の評価のしかたでは同じ延床面積でも高い家の契約を取れば高い評価になり、同じ延床面積でも粗利益の安い家は評価は低いことになった。但し、小堀住研(株)は「技術の小堀、設計の小堀、デザインの小堀」と言い、「小堀ならではの設計」「小堀ならではのデザイン」を売りにしていたので、延床面積が同じなら、様々なことをやって高い金額をいただける家を契約すれば高く評価されたのだが、(株)一条工務店は広い家は歓迎したようだが、少しでも「変わったこと」をするのを嫌がるようなところがあった。ありきたりの家ばかり建てていたのでは、設計も工事管理の人間もレベルが下がるのではないのかと思ったのだが、「レベルが下がる」ではなく、もともと、レベルが高くないのでレベルの高いものを要求されると対応できないので、「ありきたりのもの」で広い家が歓迎されたようだ。
私は最初そのあたりがわからず、いろいろなことをしてもらってそれに応じて高い金額をお客様からいただけばそれが会社の利益になり会社に貢献しているはずなのに、なんで文句言われなきゃならんのだ? 特に、やっすい家ばっかり契約している人に文句言われなきゃならんのだ? と思ったのだが、(株)一条工務店は、少しでも変わったものを施工するとその施工内容に自信がないので、ありきたりでないものはやりたくなかったようだ。 もっとも、福島県いわき市の営業所に勤務していた時、同時期に東京圏の営業所からいわき市の営業所に移動した「木南さん(仮名)」が私に文句を言ってきたことがあり、「〇〇さんは、標準仕様でないことをやり過ぎです。迷惑ですからやめてください。大工が迷惑していますが」と言われたのだが、それで、(株)一条工務店で仕事をしている大工 何人かに尋ねてみたのだ。「標準仕様でないものが多いということで、大工さんに迷惑かけていますか?」と。それに対して、大工の答えは誰もが同じで、「そんなこと、ちっともないよ」というものだった。「このくらいの大きさの家になれば、このくらいのことはやって当然だよ。このくらいのこともやっちゃだめだなんて言われたのでは、ほんと、小さい家の契約しか取れなくなってしまうよ。ちっとも構わないよ、このくらい、いっこうに」というものだった。そして、「嫌なのは『木南さん(仮名)』の担当の家だな。あれはやりたくない。いや、やれと言われればやるよ。やるけれども、なんで、あの人、あんな小さな家の契約ばっかり取ってくるの? 普通、いわき みたいな土地であの人の契約客みたいな小さい家を建てる人なんてあんまりないと思うんだけど、あの人、いったいどうやってあんな小さな家の契約ばっかり捜してくるの?」と言われたのだ。なんで大工が小さい家を嫌がるかというと、延床面積の小さい家というのは床面積は小さくても「壁面積」はけっこう広くて、小さいわりに手間がかかるのだ。だから、(株)一条工務店では大工の報酬は延床面積に応じて決められているらしく、小さい家というのは「割が合わない」らしく、その大工としては「割が合わない」家の契約ばっかり一生懸命捜して取ってくるのがそれが私に標準仕様でないものを取り付けていると文句を言ってきた「木南さん(仮名)」だった。だいたい、この人、たいして契約とらないくせして、なんで、自分より多く契約取ってる者に文句言うんだろうなあ・・と思ったが、「大工が迷惑していますからやめてください」と「木南さん(仮名)」は私に言うのだったが、その大工が「一番かなわん」と言っていたのはまさにその「木南さん(仮名)」が担当の家だったのだ。私は自分を担当として契約してくれる人のためには、できる限りのことをやりたいと思うからこそ、「標準仕様」でないものでも(株)一条工務店が「オプション」として指定していないものでも取り付けるよう努力したし、インテリアコーディネーターとしての実力も発揮したかったが、その結果として延床面積の広い家の契約をいただくことができたのに対し、「木南さん(仮名)」は標準仕様以外のものは使わない家の契約を取るのが会社のためだという信仰のもとに「標準仕様」外のものはやらないようにやらないようにした結果、「20坪キラーの木南さん(仮名)」と言われるように正真正銘大工が嫌がる小さい家の契約ばっかり取ってくるようになったのだった。
(株)一条工務店は、私が入社した1992年においては「施工面積」という(株)一条工務店の独自の計算での面積で65坪以上は2棟扱いという評価、1990年代の後半、65坪以上ではなく75坪以上と変更した・・・ということは、65~75坪までの間の契約について、2棟扱いであったものが1棟扱いになったわけであり、その分だけ減給ということである。(株)一条工務店が浜松市に300億円寄付したというカネはそうやって従業員の給料をへつったところから出ていたと考えることもできる。
小堀住研(株)のように、「粗利益」に対しての評価であれば、東京圏でも、建築地はそれほど広くなく、延床面積もそれほど広いわけではないがお金のかかる家を建てる人はあるので、そういう人の契約をいただいて「粗利益」をかせぐということはできるのだが、(株)一条工務店のように「施工面積」で65坪以上となると、都市部ではそれだけの広さの家を建てることができる土地を持っている人というのが、ないことはないが多くない。だから、「粗利益」で見ずに「施工面積」で見るという見方は、それは「地方」の人間にとって有利な見方だったのだ。まさに、「遠州人の陰謀」であった。「遠州人の陰謀」などと言うと遠州人で怒る人もあるかもしれないが、ここで言う「遠州人」はあくまでも「(株)一条工務店の遠州人」のことで「遠州人一般」がどうかは関係ない。
広い土地に広い家を建てる人は都市部より「地方」の方が多いのだが、3階建てを建てる人となると、都市圏か「地方」でもその「地方」の中では市街地の人になると思う。(株)一条工務店で実際に建てた3階建のお宅を見込客に案内したいと思って見せていただいたお宅は、JR「浜松」駅からすぐの場所で、こういう場所なら3階建はいいと思ったし、なかなかよくできていた。東京展示場は江東区潮見にあったのだが、江東区・墨田区・江戸川区のうち、墨田区は防火地域・準防火地域が多いので木質系の住宅建築業の会社は建てにくいが、江東区・江戸川区には準防火地域で木質系の家が建てられる地域が多かったが、敷地の狭い家が多かった。(株)一条工務店の家は1階天井高275cmというのを「売り」にしていたが、結果として全体の高さが高くなるので、狭小敷地にはその分、不利だった。しかし、江東区・江戸川区などでは、それまで、2階建の家に住んできたが、3階建でいい家ができるのなら、1階に車庫を作って3階建てに建て替えようかとか、駅から近いからクルマは要らないと考えて、それより、3階建にして部屋数を増やしたいと考える人とかはあったのだ。ところが、(株)一条工務店は、構造上の規定が「浜松仕様」でできていた。「地方」の土地が広い所での「農家型」住宅を基本として考えていたため、江東区・江戸川区などの狭小敷地で建てる人にも「地方」の広い土地で建てる人と同じ基準を求めた。「狭い土地だから甘い構造基準でいいというのはおかしい」と遠州人は言うのだが、ところが、1990年代後半、南側に6尺幅の窓が柱1本をはさんで2つ続くというのは耐震性から認められないとしていたはずなのに、「そんなものもだめだと言われたのでは契約とれない」と言い出した一条オリジナル営業がいて、その「営業上の都合」に「構造上の条件」を譲歩させていいことにしてしまったということがあったのだ。東西に和室を2間続けて、その南側に6尺幅の窓を柱1本はさんで2つ続けたいというのは「地方」ではそうしたいという希望はあるが、都市部、特に江東区や江戸川区ではそんな家もなければそんな土地もおまへん! 「(株)一条工務店の遠州人」は静岡県中西部・愛知県で営業しにくいようだと構造基準をその部分において緩めるくせして、東京の江東区・江戸川区などの狭小敷地で建てる人を相手にしている者には営業上の都合なんか無視して極めてきびしい構造基準を要求したのである。そのあたりの会社の姿勢はあまりにも不公平である。
その程度ならまだ許せる・・てこともないが、我慢もできる・・てこともないのだが、無理にでも我慢してきた。しかし、(株)一条工務店の東京営業所(展示場)の「リーダー」で主任であった「一級建築士の宮崎さん」は新人に親切に教えてくれる人でその点は大いに感謝しているのだが、しかし、元 工務課であったという点で今は営業でありながら営業よりも工務課の側に立った発言が多く、又、(株)一条工務店という会社においては「遠州人の手先」となるのが処世訓と認識していたのか東京営業所の「リーダー」として言うべきことを言えない人で、かつ、かつて東京営業所長だったという土浦営業所長の田中義一のイヌと違うのか? ともとれる言動をとることがある人で、その「営業よりも工務課の立場に立つ人間」として、「20坪とか、30坪未満の契約は、工務課が大変だから契約とらないで」と言い、又、「3階建は工務課が管理するのが大変だから契約とらないで。そういうお客さんは追わないで、断って」と言うのだった。
これは納得いかない。浜松の人間は3階建の契約を取ることを認められるのに、なぜ東京営業所の人間は3階建の契約を取ることを認められないのか? 不公平であろうが! 静岡県中西部・愛知県の人間は、ひろ~い敷地で建てる人があるのに東京営業所にはそういう人が来場することは少なく、そのかわりに東京営業所がある江東区や江戸川区には20坪程度の狭小敷地に建てる人があり、たとえば、小堀住研(株)は「高品質低価格」タイプの「(企画住宅) ハウス55」と高級志向の完全自由設計の「新 桂」の2本立てだったが、江東区・江戸川区あたりの狭小敷地の人が「新 桂」を建てることはまずないのであり、かつ、「企画住宅」というのは「このような住まい方はどうでしょうか」という提案・企画のある住宅という意味でプラン集にはそういった企画があるという意味で「規格住宅」と言わず「企画住宅」と言っていたのだが、それはいいとして、やっぱり、プラン集の中から選ぶ方式のものであり、そのプラン集で最も延床面積の狭いプランでも延床面積30坪少々であり、20坪の家なんてなかったのであり、完全自由設計の「新 桂」では20坪台でも建てると言われれば対応したが、もともとがある程度広い敷地である程度以上の予算のある人を対象とした商品なので不向きであり、これは小堀住研(株)に限ったことではなく、ミサワホーム・積水ツーユーホーム・積水ハウス・パナホームなどのプラン集の中から選ぶ方式の規格住宅ではたいていそんな感じで、今ではアイダ設計とかそういう狭小地を得意とする建築会社も出てきているけれども、その頃においては、プラン集など最初からない(株)一条工務店はその点でそれらの「大手」ハウスメーカーより有利だった。ところが、大手ハウスメーカーが手が出ないという点で有利な20坪台を契約とらないでと言われ、又、3階建ては、鉄骨造の場合、積水ハウスなどの鉄骨系軸組構法の会社はは軽量鉄骨での軸組構法で軽量鉄骨軸組構法は2階建てはできても3階建は無理であるため、3階建を建てようとすると重量鉄骨で建てることになり費用が割高になるのに対し、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)と在来木造での3階建と木質パネル構法での小屋裏3階建ては2階建てと同じ構造材で建てることができるので2階建てより高いとはいえ鉄骨造の3階建より安くできるという点で、江東区・江戸川区あたりの金持ちでない層に対しては有利なはずだったのにそれを取ってはだめと言われるのはきつかったし、静岡県中西部・愛知県の営業は、広い敷地の家の見込客があるとともに20坪台の契約も3階建の契約も取っていいのに東京営業所の営業はとってはだめというのは何より不公平であろう。
もし建てやすい土地に建てやすい2階建てか平屋の家の契約をいっぱい取れる状況なら、「工務課が大変だから20坪台と3階建の契約は取らないで」と言ってもいいかもしれないが、その頃の東京営業所はそんなこと言っている余裕はなかったのであり、そうである以上、「リーダー」のの宮崎さんはたとえ元工務課でも現営業でならば「工務課が大変だから20坪台と3階建の契約は取らないで」と営業に言うのではなく、「20坪台はだめ、3階建はだめなんて言ってたら今の東京営業所は営業が成り立たないから少々大変でもやってちょうだい」と工務課に言うべきであったはずで、もし東京事務所の工務課のスタッフが未熟とか数が足らないなら静岡県・愛知県の営業所から経験ある人間に来てもらうよう会社に求めるべきであったはずだ。かつ、東京営業所の服部は、営業本部長の天野隆夫に言えば20坪の家でも「とれ」と言うのがわかっていたから、「リーダー」の宮崎さんを飛ばして天野に話して契約を取得し、私はすぐ上の人間を飛ばしてその上に言ってはいけないと考えてその為に有望見込客を失った。一条はルールを守るとバカを見さされる会社だった。
続く
(2019.4.22.)
【C】-9
(株)一条工務店の1993年5月の「研修」・・といっても「研修」と言うに値すると思えないもので、毎日深夜まで働き休日も出勤して働いていた私たちとしては大事な時間を近藤路夫に奪われた。又、(株)一条工務店は時間外手当・休日出勤手当を本来払わないといけないはずなのに払っておらず、営業の場合は契約があがれば歩合をもらえるのだからという主張をするのかもしれないが、歩合給を払えば時間外にいくら働かせてもいいというものではないはずで、時間外手当・深夜労働の割り増しなどの制度は、単に就業規則上の就業時間についての労働契約を結んだ者に対して、それをはずれる時間に働いたことについて、歩合によってカネを払えばいいというものではなく、労働者の健康を守るために長時間の残業を防ぐ意味あいもあり、その点において(株)一条工務店の歩合を払うのだから営業には時間外手当を払わず無制限に働かすことができるという認識は問題があります。ましてや営業活動でない事で歩合につながる可能性がない事に時間を使わせたものについては時間外手当・休日出勤手当は支払われなくてはならないのではないか。実際問題、1993年5月に「研修」で講師役だとして来て、おのれはおのれの名前も名乗らなかった近藤路夫が話したものは「酔っ払いの寝言」でしかないもので、(株)一条工務店は、毎日深夜まで労基法違反で働いている者を「酔っ払いの寝言」に浜松まで来させたということについてきっちり謝罪するべきで、又、その1日について休日出勤手当を支払うべきです。
《11》-1 高基礎(深基礎)の施工ができない。擁壁とべた基礎とのとりあいについて工事担当者が外構業者との打合せを拒否する。高基礎(深基礎)のはずがどうもそうなっていない。
「高基礎(たかぎそ)」「深基礎(ふかぎそ)」「増基礎(ましぎそ)」という用語があり、使い方が混乱している。インターネットで検索すると、
《住宅建築専門用語辞典-高基礎》http://www.what-myhome.net/16ta/takagiso.htm
《まるわかり注文住宅-高基礎》https://chumon-jutaku.jp/words/ta/1124/
《住宅建築専門用語辞典-深基礎》http://www.what-myhome.net/28fu/fukagiso.htm#01
《まるわかり注文住宅-深基礎》https://chumon-jutaku.jp/words/hu/1626/
《全部建築-深基礎と高基礎の違い》https://zenbukenchiku.net/post-36/
《iGスタイルハウス リフォーム 基礎増し打ち》https://www.netreform.jp/reform/taishin_insulation/taishin/method/method02/
など出てきました。これらをもとに図示しますと↓、
↑一番左が一般的な「布基礎(ぬのぎそ)」、
その右が「深基礎(ふかぎそ)」で片側をカーポートにする場合などに使うもの。
その右が「高基礎(たかぎそ)」で室内側にユニットバスでない造成の浴室を設ける場合に基礎を通常より高く施工します。1960年代後半、大阪府で父母が小堀住研(株)で在来木造の家を建てた際、上棟の時に行くと、基礎が他の場所よりも高くなって囲まれている区画があり、あれはいったい何だろう? と思ったのですが、浴室でした。造成の浴室にする場合以外では、外側隣地の隣地が建築地より高く、かつその擁壁にかなり不安があって、崩落の危険があるような場合に自衛策として鉄筋コンクリートの基礎を通常より高く立ち上げる方法をとることがあります。
1980年代後半、小堀住研(株)に在籍した時、松戸市で建てていただいた方が北側の土地が高く、コンクリートブロックの上にRCの擁壁を載せる施工をしていたため、市役所の建築指導課から下側の土地に建てる場合には地震などの際に上側の土地のRC擁壁から上が落ちてきたという場合でも危険がないように高基礎の施工にしてもらえないか(落ちてきた部分が高基礎の高さまでのところで収まるように)と言われたのですが、施主としては不適切な施工をしたのは自分ではなく隣家であり、隣家が不適切な施工をしたことに原因があるのに自分のところが不安な思いをするのみならず役所から余計な出費を求められるというのは筋違い(すじちがい)であり、役所と話し合った結果、高基礎にしなくてもいいができるだけ納戸など常に人がいない部屋にするようにしてほしいと言われたということがありました。隣家の施工に原因があるのに自分のところが余計な費用をかけないといけないというのはたしかに筋は通らないと思いますが、両方とも自分のところの土地である場合や、隣家に責任がある場合、責任がない者が余計な出費を役所から要求されるのは筋違いとしても、隣家が何もしない場合に自衛策として高基礎にするということは選択肢の1つとしてありうるかと思います。
一番右が「基礎増し打ち」で比較的古い家で基礎が強固でない時に補強する方法です。
1992年、(株)一条工務店で入社1年目に契約いただいた東京都町田市で建てていただいたU様邸ですが、西側と北側に道路のある角地でしたが、西側の道路に沿ってカーポートを作り、その東側に建物を建てようということになりました。カーポートと建物との間には高低差ができます。地盤調査の結果、べた基礎で施工してもらいたいという判定になっていました。
「布基礎で深基礎」というのはあるのを知っていましたが、「べた基礎(総基礎)で(一部)深基礎」という施工というのはできるのだろうかと入社1年目の私は思ったのですが、あります。それを図示すると↓の右側の図です。
↑施工の方法としては、外構工事において擁壁を立ち上げて、その内側にべた基礎を作り、擁壁とべた基礎とを、片方の鉄筋を出しておいて結合するという方法も考えられます。
どちらがいいのかといっても、その時、私は(株)一条工務店に入社1年目で、同社に入社する前に同業他社に少しいたといってもそれほど長い期間いたわけでもなく、両方を通算してもたいした経験ではなく、どちらがいいのかという判断をできる力はありませんでした。それで、(株)一条工務店で私が入社した時点ですでにある程度以上の年数を在籍していたKさんに意見をきいたところ、外構屋の施工精度というものを百パーセント信じられるかどうかという問題もあることを考えると、高基礎にして施工した方がいいのではないか、と言われ、それならその方法で進めようと考えたのです。
ところが、(株)一条工務店の東京事務所の工務課の主任の高須(男。当時、20代後半)が「べた基礎で建てられるように、きっちりと擁壁を作ってください」と言うのでした。私は、「べた基礎の部分深基礎」と「べた基礎+擁壁」とどちらの施工がいいのか入社1年目の人間でありよくわからなかったので、(株)一条工務店の東京事務所の工務課の「責任者」だという主任の高須が「べた基礎+擁壁」の施工の方にしてほしいと言うのであれば、先輩社員のKさんの意見は個人として親切で言った意見であり、(株)一条工務店としての見解は工務課の責任者が判断するものでしょうから、高須の主張に従うことにしました。しかし、「それでは、外構業者のUさんと、擁壁の施工とべた基礎の施工の段取りについて、打合せていただけますか」と私が言ったところ、東京事務所工務課の「責任者」の高須は「なんで、そんなものしないといけないんですか。しませんよ、そんなもの」と言うのです。はあ? は~あ?
私は10代から20代なかばくらいまでの頃は、もともとは営業というのをやっている人間も嫌いなら自分自身がやるのも嫌だったという人間なのですが、住宅建築業の会社に入社して何の因果か営業の仕事につき、その後も、慶應義塾の商学部の出身者に5年も10年も一線の営業をさせるようなバカな会社はないだろう・・と思っていたら、実は自分が勤めた会社というのがそういうバカな会社でバカの会社だったということに気づいていないバカは自分だった・・と最近になって気づいたのでした・・が、ともかく、住宅・戸建・木構造・請負・新築を中心としての建築業およびその周辺の業界に長く勤めてきました。お客さんには「犬走り」を「猫走り」と言う方はあるけれども、お客さんはそれでもいいとして、従業員が「米松(べいまつ)」を「こめまつ」と言うくらいはともかく、鴨居(かもい)を指さして「この敷居(しきい)は・・」なんて言っちゃなさけないとは思うのですが、1992年に(株)一条工務店に入社した年、東京営業所(展示場)において、「営業は、たとえ、鴨居を敷居と言っても売れればいい」という説があったのです・・が、しかし、たとえ売れてもお客さんが言うのならともかく、従業員が「鴨居(かもい)」を「敷居(しきい)」というのは勘弁してもらいたいとも思うのですが、こう言うと、「営業は売れるかどうかが命であり、鴨居を敷居と言っても売れればいいんだ」と主張する人もいたのですが、しかし、それなら「鴨居」を「敷居」と言ったら売れるのか? そうではないように思うのです。「鴨居」を「敷居」と言わずに「鴨居」と言ったら売れるというものでもないかもしれないけれども、それでも、「鴨居」を「敷居」と言う営業と、「鴨居」を「鴨居」と言う営業であれば、他の条件がまったく同じであれば、「鴨居」は「鴨居」と言う営業の方が、たとえ、0.1%でも売れる側の要素があるのではないか・・というよりも、たとえ、売れても「鴨居」を「敷居」と言うような住宅建築業の営業て嫌だな。1980年代後半、小堀住研(株)に入社してすぐの新卒社員研修で、研修の講師役で来た従業員が、小堀住研(株)の建物の商品名「新 桂(しん かつら)」(「桂離宮のようなすばらしいデザインを現代に」という趣旨から「桂」、その改良形ということで「新 桂」)を、「しんちゅう」と読んだ人がいたのですが、どないして「桂」を「ちゅう」と読むねん?・・というと、「桂(かつら)」を「柱(はしら)」に変換して「新桂」を「新柱」に変換し「新柱」を「しんちゅう」と音読みしたようですが、まがりなりにも自分が勤めている会社の商品名をそれも研修を受ける側ではなく研修の講師役が読み間違えるというのは、それはちょっと情けないのではないか。日大のアメリカンフットボール部の監督だかが関西学院(かんせいがくいん)を「かんさいがくいん」と読んだり、自民党のなんちゃらいう大臣が「石巻(いしのまき)市」を読めなかったりというのも情けないが、たとえ売れても従業員が「鴨居(かもい)」を「敷居(しきい)」と言わないでほしいと思います・・が、「高基礎(たかぎそ)」「深基礎(ふかぎそ)」「増し基礎(ましぎそ)」については、けっこう混同して使われており、かつ、それで通じたりしています。
私は「ですから、擁壁を何月何日までにどのように施工して、基礎の方の工事は何日からどのように入るのか、擁壁と基礎を結合するのにどのようにやるのかといったことを外構屋さんと打合せていただきたいのですよ」と言ったのです。まがりなりにも工務課(工事担当)なら当たり前のことと違いますか? ところが、高須は「なんで、そんなものしなきゃならんのですか。しませんよ、そんなもの」と言うのです。はあ? はあ~あ? さらに、高須は「一条工務店で家を建てて欲しいと思うのだったら、土地を用意して敷地を更地にして、建物を建てられるように擁壁とかもきっちりと施工して用意するもので、それはお客さんの仕事ですから。一条工務店で建てて欲しいのなら、お客さんがそこまでやるものです」と、そう言ったのです。これ、可能な限り、原文の通り復元したものですからね。はあ~あ? 何、そのウルトラ殿様商売!
慶應大学に在学中、同じサークルにいた人でお兄さんが三井銀行(→太陽神戸三井銀行→さくら銀行…→三井住友銀行)に勤めているという人があり、その人が「三井銀行というのは、『三井の殿さま』と言って、地方の都道府県に行くと、支店は県庁所在地にしかなくて、その国の領民どもが領民どもの方から支店まで訪ねてきて、『まことに申し訳ございませんが、私どものお金を預かっていただけませんでしょうか』と頭下げてお願いに来るのを支店で待っとるんだ」と言う笑い話みたいなお話を聞かせてくれたことがあったのですが、実際には旧三井銀行に限ったことではなく、都市銀行というのは東京圏・関西圏でこそ支店の数も多いけれども、地方の都道府県に行くと、三井銀行以外の他の都市銀行も、県庁所在地に1か所か福島県などでは郡山市に1か所といったように県庁所在地より経済的に中心である都市に1か所という都市銀行が多く、それは三井銀行に限ったことではなかったはずですが、しかし、そうは言っても、「商売人 住友銀行」に対して、「殿さま 三井銀行」とか「お公家さん 三井銀行」なんていう表現を聞いたことはあり、そこまでは言いすぎとしても、なんかその銀行の体質として、「お公家さんみたい」というのか「お殿さまみたい」というのかのところがある、といった話はあったように思います。 ・・・で、株式会社一条浜松工務店というのは、「三井の殿様」みたいなブランドでしたっけ? 「三井の殿さま」ならまだしも、「名門」てイメージはあるし、「ブランド」でしょうけれども、「株式会社一条浜松工務店」てそんな「名門」でしたっけ? 「三井の殿さま」みたいなブランド力がありましたっけ? そんなんで商売やっていけまんのんか???
(株)一条工務店より前に在籍した小堀住研(株)では、解体から外構も合わせて小堀住研(株)で手配して全体を小堀住研(株)で責任をもって対応するとしていました。こういうことを言うと、営業本部長の天野隆夫から「そんなこと言うならエスバイエルに行けよお!」と言われるのでしたが、別に小堀住研(株)→エスバイエル(株)に限ったことではなく、積水ハウスでもパナホームでも三井ホームでも住友林業でも同様だったはずです。客は、住宅建築業の会社はたいていそうするものだと思っているのです。(株)一条工務店の工務課の東京地区の責任者の高須が言ったような、「古い家はお施主さんが責任をもって解体して、擁壁もきっちりとやって建てられる状態にして、それで一条工務店にお願いするものです」とかなんとか言われたならば、もし私が見込客の立場なら、「住宅建築業の会社は東京にいくつもあるのに、なにも、そこまで殿様商売言われてまで、東京で家を建てるのに、物好きに浜松工務店に頼むことないよなあ。なんか、勘違いしてるんじゃないのか、その浜松野郎は!」とあきれて他社に頼むことにします。間違いありません。そう思いませんか? 東京にはハウスメーカーは何社もあるのに、なんで、そこまで言われて、わざわざ、物好きに浜松工務店になんか頼まにゃならんのですか!?! そうでしょ!
外構工事を頼んだU社の社長からも、「一条さんの工事担当者とどのように進めるか打合せをしたい」と言われて私は工務課の責任者だという高須に頼んだのでしたが、「打合せなんてしませんよ。建ててほしいのなら、一条工務店が建てられるようにお客さんがきっちりと更地にして、擁壁なんかもきっちりと作って、それで頼むもんですよ」と言うので、ええかげんにせえよ・・と思ったのですが、それが(株)一条工務店で自分が勤めた会社ならそれに対応していくしかないのでした。実際には、高須は「一条工務店に建ててもらいたいと思うのなら、お客さんが土地を用意して、お客さんが解体して土地を更地にして、擁壁もお客さんがきっちりとやって、それでここに建ててくださいとお願いするもんです」と言うので、実際のところ、ええかげん、腹立ってきた。(株)一条工務店は、だだっぴろいアメリカ合衆国のプレーリーかオーストラリアの原野か何かそういう場所でしか建てられないのではないか? 東京圏にそんな土地で建てる人がどれだけあるだろうか? その町田市で建てていただいたUさんの土地は70坪ほどあったでしょうか、整形の土地であり、高低差が少しあることと、道路側にカーポートを作りたいという問題があること以外は建てやすい土地であり、あの土地に建てられないとなると、東京圏で(株)一条工務店が建てることができる土地はほとんどないことになる。たとえば福島県とかなら先祖から住んで来た家を建て替える人なら敷地面積300坪とかいう人はいるけれども、浜松でもいるのだろうけれども、東京圏で高須みたいなことを言っていたのでは、それでは東京圏で(株)一条工務店が建てることができる土地はほとんどないことになる。そんな「工務課(工事担当)」があるだろうか?・・と思ったがあったのだ。どこにあったかというと私が勤めていた(株)一条工務店にあったのだ。
「(株)一条工務店の工務課(工事担当)と外構屋の担当者とで基礎と擁壁工事との段取りをどうするか打合せてもらわないと工事は進まないでしょう」と私は言ったのですが、高須は「そんなもの、知ったことじゃありません」とそう言ったのです。これ、「原文の通り」ですからね。「知ったことじゃない」と言うのなら、それなら、もうその仕事やめたらどうなんだ・・と言いたくなるのですが、ところがどっこい、(株)一条工務店の経営者は「バカでも入れる私大の建築学科」卒の設計には大甘であるとともに、工務課(工事担当)にも甘いようです。
解体も外構も「お施主さんがやることです」とか言われても、お施主さん自身が外構業者であったりすれば、解体業者も知っている者がいたりしますが、普通の会社員の施主は解体業者だの外構業者だのなんて知りません。知らないのが普通です。積水ハウスとかダイワハウスとかパナホームとか三井ホームとか住友林業とか、小堀住研(株)もそうですが、そういうハウスメーカーは、解体業者だの外構業者だのなんて知らないお施主さんのために、お施主さんに代わって業者と折衝するのです。「地方」にいくと、「農家はなんでもあり」なんて言って自分で何でもやる「農家」の人もいますが、東京圏・関西圏ではそういう人は少ない。それで、結局、営業はそれでも契約してもらって建ててもらわないと自分達の収入を得ることができないので、それで、しかたなしに、営業が個人として解体業者や外構業者と折衝して個人として対応していたのです。しかし、ものすごい不安でした。個人として対応するというのは、やっぱりおかしいと思います。お客さんは(株)一条工務店と契約したつもりでいるのですし、営業担当者が個々に業者と折衝してうまくいけばいいですけれども、もし、うまくいかなかった場合、誰が責任とるのか? もっと安いものならまだしも、家1軒建てるにおいてのものですから、営業に責任とれなんて言われてもとれませんよ。(株)一条工務店はとらすつもりでいたかもしれませんけれども(怖い会社・・)。
(↑山科けいすけ『C級サラリーマン講座』第682回。「ビッグコミック」2019.4.25号 所収)
結局、入社1年目の私はいったいどうしていいのかわからず、外構業者のU社の社長に高須が言ったことをもとに、「一条工務店の工務課はこう言うんですけど、どうしたものでしょう」と言ったところ、U社の社長は「はあ~あ・・・・」と絶句し、そして「わかりました。そしたら、擁壁作って一番上のところで鉄筋だしておきますよ。そこからは一条さんでその鉄筋にべた基礎をくっつけてもらえばそれでいいでしょ」ということで施工することになり、現地での打合せには私が行って、営業担当の私が外構屋の社長と打ち合わせをして、工務課の主任の高須に外構屋のU社の社長が言ったように、擁壁を作って一番上の部分で鉄筋を出しておくから、(株)一条工務店はそれにつけるようにべた基礎を作ってくださいと伝えました。
それでなんとか家は建ちました。お施主さんは、一通り、希望した家ができたと喜んでくださいました。しかし、結論を言うとやっぱり違うように思うのです。
(1)現地で打合せをするのであれば、擁壁部分を施工する外構屋と基礎の部分を施工する(株)一条工務店の工務課(工事担当)が打合せをするべきもので、もし、(株)一条工務店の営業担当が「営業兼工事管理」(もしくは「工事管理兼営業」)であって、基礎工事も営業が管理するのであれば営業が立ち会って打合せをすればいいでしょうけれども、そうではなく、基礎工事の工事管理は「工務課」の人間が工事管理をするはずなのです。なぜ、工事管理をする者が立ち会って打合せをせずに、工事管理を担当としない者が打合せをするのでしょうか?
(2)擁壁を立ち上げて、その最上部で鉄筋を横に出しておいて、それに(株)一条工務店がべた基礎を緊結するという方法と、(株)一条工務店が深基礎で施工すると言いう方法は、一般にはどちらがいいと一概に言えないのかもしれませんが、施主からすれば、施主は(株)一条工務店と契約したはずであり、内装の細部とかならともかく、構造に関する部分については(株)一条工務店が施工するべきではないのか。たとえ(株)一条工務店が直接施工しなくとも(株)一条工務店の工務課が責任をもって管理しないといけないのではないのか?
(3)(株)一条工務店は、外構屋など業者に、見積金額の1割を(株)一条工務店によこせと要求していたのです。1割ですよ、1割。半端な額じゃないですよ。私は、営業が勤務時間外や休日に働いて手配して話をまとめたのですから、営業が業者から昼飯1食くらいならおごってもらっても悪くないと思うのですが、何もしないだけでなく、工務課の「責任者」が「知ったことじゃありませんから」と明言したようなものについて、なんで、「知ったことじゃありませんから」とかぬかすようなそんなヤツ、何もしないヤツに1割もくれてやらなきゃならんのですか? その工務課の男の給料というのは、「知ったことじゃありませんから」と言った工事について業者が(株)一条工務店に払ったカネなどから出ているはずなんです。違いますか? 違わないでしょ。なんで、「知ったことじゃありませんから」とか何とかかんとかぬかすヤツに1割もやらなきゃならんのですか?
(4)「べた基礎で(部分)深基礎」と「べた基礎+擁壁」の施工では、「べた基礎で(部分)深基礎」の方が、↑の図を見てもわかるように、わずかであっても土地を有効に使えると思うのです。
(5)「べた基礎で(部分)深基礎」と「べた基礎+擁壁」であれば、強度という点でも「べた基礎で(部分)深基礎」の方がより一体化していて一般に強いということはないか。というよりも、私がその時に頼んだ外構業者のU社はいいかげんな工事はしていないとは思いますし、たしかそうな業者に頼んだのですが、そうは言っても、「U社が考える間違いのない擁壁工事」をしたはずなのです。お施主さんが契約したのはあくまでも(株)一条工務店ですから、U社の工事がいいか悪いかにかかわらず、構造に関わる部分について(株)一条工務店が「知ったことじゃありませんから」という態度をとっているというのはおかしいのではないか。
(株)一条工務店を辞めた後、私はどう考えても(株)一条工務店のバカ設計よりはいい図面を作る自信があると思って、設計の職種に応募したことがありましたが、どうも中途採用で「設計」に応募して採用されるためには、
(1) 「『バカでも入れる私大の建築学科』でいいから『建築学科卒』であること(『建築学科卒の者に十分劣らないだけ学習しました』と言っても、『建築学科卒の者に劣らないだけ学習しました』というのは聖書を指して誓って言うが私は決して嘘は言っていないのだが、認めてもらえない。愛知産業大学の建築学科のスクーリングの時、守屋先生が「建築士の資格なんて持っていても仕事ができなければだめだ。建築士の資格を取ってはだめとは言わないが、安藤忠雄にしても建築士の資格がなくてもやっていっているように、実際に仕事ができるかどうかの方が大事だ」と言われたことがあり、それはまさに正論ではあるのですが・・・、しかし、実際にはその正論を認めてくれない建築屋の採用担当者が多い。)」
(2) 「ろくな仕事していなくてもいいから、バカでもいいから一級建築士か二級建築士の資格を持っていること。(インテリアコーディネーターは二級建築士と比べても難易度は下ではない、キッチンスペシャリストも二級建築士と比べても難易度は決して下ではない、二級建築施工管理技士ももっていると言ってもだめ。住宅建築業の会社の採用担当者というのはよっぽどバカじゃないのかと思うのだが、『いっきゅうけんちくしいでないとお~お』とかうなるヤツとか、一級建築士か二級建築士に信仰をもってるやつとかが多い)」
(3) 「『設計』という職種名での勤務経験〔(株)一条工務店では契約前の提案段階での設計は『営業』という職種名の者がやってましたあ、(株)一条工務店の『設計』という者は言ってみれば『宝の持ち腐れ・大魔神 佐々木』みたいなものですよお、かつて、横浜ベイスターズの救援陣に盛田と佐々木がいた時、7回か8回のピンチでここで抑えるか打たれるかで試合が決まる時には盛田がでてきて押さえ、一段落した後での最終回にランナーなしから『大魔神 佐々木』が出てきて1回無難に抑えるということを繰り返していたことを、漫画家の やく みつる が肝心な所では出てこない『宝の持ち腐れ 大魔神 佐々木』と言っていたが、(株)一条工務店の設計なんて『そんなもの』と言いたいが、それを婉曲表現で説明しても、というより説明しようとしても書類選考で落とされる。〕」
ということで、それならいっそ「建築学科卒」になってしまおうかと考えたこともあったのですが、仕事を持ちながら大学の課程を学習するのはそう簡単ではない、特にある程度の年齢になって、すでに吸収したものがある程度以上あって、これからはそれを吐き出していこうという年齢になった者が大学の課程で配置されているものを吸収しようというのは簡単ではない。
それなら工事管理はどうかと思うと、面接に行くと「〇〇さんは、結局、工事管理の職種についた経験はないんですよねえ」などと言われてしまうことになった。しかし、どうも、納得いかないのだ、私は。↑のケースなどでも、擁壁と基礎のとりあいについて、どういう具合に進めればいいのかと頭をかかえ心を悩ましして考えたのは私であって、「知ったことじゃありません」とか何とかかんとか殿様商売ぬかしていたヤツとは違うはずなのだ。ところがどっこい、殿様商売ぬかしていたヤツは「工事管理の経験 有り」と評価され、実際に外構屋と折衝して工事現場で会って説明もして段取りも組んでしたこちらは「工事管理の経験はないんですよね」と言われてしまうのだ。やっぱり、これは納得いかない。なんで、「知ったことありません」とかなんとか大威張りで言っていたヤツが「工事管理の経験 有り」という評価になってこちらが「経験なし」になるのか? 実際、やっていたのは私じゃないか。(株)一条工務店の工務課がやったのじゃないだろうが。
1992年、(株)一条工務店の東京営業所(展示場)に入社した時、(株)一条工務店では、営業社員の評価は、何棟契約を取得したかで見られていた。それでは、高い金額の契約でも安い金額の契約でも同じ評価になってしまい、おかしいのではないかと思ったのだ。小堀住研(株)では、「粗利益(そりえき)(あらり)」の何パーセントとして見られていた。会社はどれだけ利益を得たかで見るものであり、何棟も契約とっても利益の少ないものばっかりだと評価は低く、棟数として見ると少なくても利益が大きいものが多いと会社は利益を多く得ていることになるので評価は高い、というのは妥当だと思った。たとえば、小堀住研(株)では、「ハウス55」で1200万円とか1300万円程度の契約があるとともに、「新 桂」では5000万円を超すのが普通で、中には建築費だけで2億とか3億というものもあった。在来木造も関西と東京都では残しており、1990年はじめ、東京都で在来木造で2億の家が竣工したと聞き、支店長が「営業は、安い家ばかり見ていたのでは精神面が安くなってしまう。高額物件のお宅は自分が担当でない家でも、引き渡しまでに見せてもらうようにするべきだ」と言っており、見に行きたかったが、転居などに忙しくて行けなかった。兵庫県芦屋市の奥池で新卒社員向けの合宿研修があったのだが、その近所の家を「昨年、小堀で建てた家だけれども、建物だけで2億だ」と研修を担当した課長が教えてくれたことがあった。2億の家を年に3軒、契約してもらうと、契約金額は6億になる。1200万円の家を契約してくださった方は人間的にいい人だったとしても、それでも、1200万円の家を10軒契約してもらっても、契約金額は1億2000万円であって、2億の家3軒の方が多い。たとえ、1000万円の家を20軒契約してもらえば、契約金額としては2億の家1軒と同じになるとしても、それでも、「粗利益」を見ると、2億の家1軒の方が「粗利益」は多い。
小堀住研(株)はけっこう広い価格帯で建てていたので、営業の評価を1棟あたりいくらという評価の仕方はできなかった、(株)一条工務店は坪あたりの価格帯の幅が広くない会社だったので、1棟あたりいくら、何棟契約したかという見方をできたということもあっただろう。しかし、坪あたりの「標準坪単価」に幅はなかったとしても、大きさは異なるのであり、延床面積60坪の家は延床面積20坪の家よりも契約金額も大きく利益も大きいはずであり、それを同じ評価というのはどうも不合理に思える。又、30坪の家を2軒契約してもらうと2棟の評価で、60坪の家を1棟だと1棟の評価というのもどうも納得いかない。親世帯・子世帯で別棟で建てると2棟の評価で、上下で建てると1棟の評価というのも、これもなんだか浜松など「地方」の人間が東京など都市圏の人間よりも得する計算法である。ここでも「遠州人の陰謀」が発揮されている。
たとえ、同じ延床面積でも、高い家もあれば安い家もあるはずだ。小堀住研(株)の評価のしかたでは同じ延床面積でも高い家の契約を取れば高い評価になり、同じ延床面積でも粗利益の安い家は評価は低いことになった。但し、小堀住研(株)は「技術の小堀、設計の小堀、デザインの小堀」と言い、「小堀ならではの設計」「小堀ならではのデザイン」を売りにしていたので、延床面積が同じなら、様々なことをやって高い金額をいただける家を契約すれば高く評価されたのだが、(株)一条工務店は広い家は歓迎したようだが、少しでも「変わったこと」をするのを嫌がるようなところがあった。ありきたりの家ばかり建てていたのでは、設計も工事管理の人間もレベルが下がるのではないのかと思ったのだが、「レベルが下がる」ではなく、もともと、レベルが高くないのでレベルの高いものを要求されると対応できないので、「ありきたりのもの」で広い家が歓迎されたようだ。
私は最初そのあたりがわからず、いろいろなことをしてもらってそれに応じて高い金額をお客様からいただけばそれが会社の利益になり会社に貢献しているはずなのに、なんで文句言われなきゃならんのだ? 特に、やっすい家ばっかり契約している人に文句言われなきゃならんのだ? と思ったのだが、(株)一条工務店は、少しでも変わったものを施工するとその施工内容に自信がないので、ありきたりでないものはやりたくなかったようだ。 もっとも、福島県いわき市の営業所に勤務していた時、同時期に東京圏の営業所からいわき市の営業所に移動した「木南さん(仮名)」が私に文句を言ってきたことがあり、「〇〇さんは、標準仕様でないことをやり過ぎです。迷惑ですからやめてください。大工が迷惑していますが」と言われたのだが、それで、(株)一条工務店で仕事をしている大工 何人かに尋ねてみたのだ。「標準仕様でないものが多いということで、大工さんに迷惑かけていますか?」と。それに対して、大工の答えは誰もが同じで、「そんなこと、ちっともないよ」というものだった。「このくらいの大きさの家になれば、このくらいのことはやって当然だよ。このくらいのこともやっちゃだめだなんて言われたのでは、ほんと、小さい家の契約しか取れなくなってしまうよ。ちっとも構わないよ、このくらい、いっこうに」というものだった。そして、「嫌なのは『木南さん(仮名)』の担当の家だな。あれはやりたくない。いや、やれと言われればやるよ。やるけれども、なんで、あの人、あんな小さな家の契約ばっかり取ってくるの? 普通、いわき みたいな土地であの人の契約客みたいな小さい家を建てる人なんてあんまりないと思うんだけど、あの人、いったいどうやってあんな小さな家の契約ばっかり捜してくるの?」と言われたのだ。なんで大工が小さい家を嫌がるかというと、延床面積の小さい家というのは床面積は小さくても「壁面積」はけっこう広くて、小さいわりに手間がかかるのだ。だから、(株)一条工務店では大工の報酬は延床面積に応じて決められているらしく、小さい家というのは「割が合わない」らしく、その大工としては「割が合わない」家の契約ばっかり一生懸命捜して取ってくるのがそれが私に標準仕様でないものを取り付けていると文句を言ってきた「木南さん(仮名)」だった。だいたい、この人、たいして契約とらないくせして、なんで、自分より多く契約取ってる者に文句言うんだろうなあ・・と思ったが、「大工が迷惑していますからやめてください」と「木南さん(仮名)」は私に言うのだったが、その大工が「一番かなわん」と言っていたのはまさにその「木南さん(仮名)」が担当の家だったのだ。私は自分を担当として契約してくれる人のためには、できる限りのことをやりたいと思うからこそ、「標準仕様」でないものでも(株)一条工務店が「オプション」として指定していないものでも取り付けるよう努力したし、インテリアコーディネーターとしての実力も発揮したかったが、その結果として延床面積の広い家の契約をいただくことができたのに対し、「木南さん(仮名)」は標準仕様以外のものは使わない家の契約を取るのが会社のためだという信仰のもとに「標準仕様」外のものはやらないようにやらないようにした結果、「20坪キラーの木南さん(仮名)」と言われるように正真正銘大工が嫌がる小さい家の契約ばっかり取ってくるようになったのだった。
(株)一条工務店は、私が入社した1992年においては「施工面積」という(株)一条工務店の独自の計算での面積で65坪以上は2棟扱いという評価、1990年代の後半、65坪以上ではなく75坪以上と変更した・・・ということは、65~75坪までの間の契約について、2棟扱いであったものが1棟扱いになったわけであり、その分だけ減給ということである。(株)一条工務店が浜松市に300億円寄付したというカネはそうやって従業員の給料をへつったところから出ていたと考えることもできる。
小堀住研(株)のように、「粗利益」に対しての評価であれば、東京圏でも、建築地はそれほど広くなく、延床面積もそれほど広いわけではないがお金のかかる家を建てる人はあるので、そういう人の契約をいただいて「粗利益」をかせぐということはできるのだが、(株)一条工務店のように「施工面積」で65坪以上となると、都市部ではそれだけの広さの家を建てることができる土地を持っている人というのが、ないことはないが多くない。だから、「粗利益」で見ずに「施工面積」で見るという見方は、それは「地方」の人間にとって有利な見方だったのだ。まさに、「遠州人の陰謀」であった。「遠州人の陰謀」などと言うと遠州人で怒る人もあるかもしれないが、ここで言う「遠州人」はあくまでも「(株)一条工務店の遠州人」のことで「遠州人一般」がどうかは関係ない。
広い土地に広い家を建てる人は都市部より「地方」の方が多いのだが、3階建てを建てる人となると、都市圏か「地方」でもその「地方」の中では市街地の人になると思う。(株)一条工務店で実際に建てた3階建のお宅を見込客に案内したいと思って見せていただいたお宅は、JR「浜松」駅からすぐの場所で、こういう場所なら3階建はいいと思ったし、なかなかよくできていた。東京展示場は江東区潮見にあったのだが、江東区・墨田区・江戸川区のうち、墨田区は防火地域・準防火地域が多いので木質系の住宅建築業の会社は建てにくいが、江東区・江戸川区には準防火地域で木質系の家が建てられる地域が多かったが、敷地の狭い家が多かった。(株)一条工務店の家は1階天井高275cmというのを「売り」にしていたが、結果として全体の高さが高くなるので、狭小敷地にはその分、不利だった。しかし、江東区・江戸川区などでは、それまで、2階建の家に住んできたが、3階建でいい家ができるのなら、1階に車庫を作って3階建てに建て替えようかとか、駅から近いからクルマは要らないと考えて、それより、3階建にして部屋数を増やしたいと考える人とかはあったのだ。ところが、(株)一条工務店は、構造上の規定が「浜松仕様」でできていた。「地方」の土地が広い所での「農家型」住宅を基本として考えていたため、江東区・江戸川区などの狭小敷地で建てる人にも「地方」の広い土地で建てる人と同じ基準を求めた。「狭い土地だから甘い構造基準でいいというのはおかしい」と遠州人は言うのだが、ところが、1990年代後半、南側に6尺幅の窓が柱1本をはさんで2つ続くというのは耐震性から認められないとしていたはずなのに、「そんなものもだめだと言われたのでは契約とれない」と言い出した一条オリジナル営業がいて、その「営業上の都合」に「構造上の条件」を譲歩させていいことにしてしまったということがあったのだ。東西に和室を2間続けて、その南側に6尺幅の窓を柱1本はさんで2つ続けたいというのは「地方」ではそうしたいという希望はあるが、都市部、特に江東区や江戸川区ではそんな家もなければそんな土地もおまへん! 「(株)一条工務店の遠州人」は静岡県中西部・愛知県で営業しにくいようだと構造基準をその部分において緩めるくせして、東京の江東区・江戸川区などの狭小敷地で建てる人を相手にしている者には営業上の都合なんか無視して極めてきびしい構造基準を要求したのである。そのあたりの会社の姿勢はあまりにも不公平である。
その程度ならまだ許せる・・てこともないが、我慢もできる・・てこともないのだが、無理にでも我慢してきた。しかし、(株)一条工務店の東京営業所(展示場)の「リーダー」で主任であった「一級建築士の宮崎さん」は新人に親切に教えてくれる人でその点は大いに感謝しているのだが、しかし、元 工務課であったという点で今は営業でありながら営業よりも工務課の側に立った発言が多く、又、(株)一条工務店という会社においては「遠州人の手先」となるのが処世訓と認識していたのか東京営業所の「リーダー」として言うべきことを言えない人で、かつ、かつて東京営業所長だったという土浦営業所長の田中義一のイヌと違うのか? ともとれる言動をとることがある人で、その「営業よりも工務課の立場に立つ人間」として、「20坪とか、30坪未満の契約は、工務課が大変だから契約とらないで」と言い、又、「3階建は工務課が管理するのが大変だから契約とらないで。そういうお客さんは追わないで、断って」と言うのだった。
これは納得いかない。浜松の人間は3階建の契約を取ることを認められるのに、なぜ東京営業所の人間は3階建の契約を取ることを認められないのか? 不公平であろうが! 静岡県中西部・愛知県の人間は、ひろ~い敷地で建てる人があるのに東京営業所にはそういう人が来場することは少なく、そのかわりに東京営業所がある江東区や江戸川区には20坪程度の狭小敷地に建てる人があり、たとえば、小堀住研(株)は「高品質低価格」タイプの「(企画住宅) ハウス55」と高級志向の完全自由設計の「新 桂」の2本立てだったが、江東区・江戸川区あたりの狭小敷地の人が「新 桂」を建てることはまずないのであり、かつ、「企画住宅」というのは「このような住まい方はどうでしょうか」という提案・企画のある住宅という意味でプラン集にはそういった企画があるという意味で「規格住宅」と言わず「企画住宅」と言っていたのだが、それはいいとして、やっぱり、プラン集の中から選ぶ方式のものであり、そのプラン集で最も延床面積の狭いプランでも延床面積30坪少々であり、20坪の家なんてなかったのであり、完全自由設計の「新 桂」では20坪台でも建てると言われれば対応したが、もともとがある程度広い敷地である程度以上の予算のある人を対象とした商品なので不向きであり、これは小堀住研(株)に限ったことではなく、ミサワホーム・積水ツーユーホーム・積水ハウス・パナホームなどのプラン集の中から選ぶ方式の規格住宅ではたいていそんな感じで、今ではアイダ設計とかそういう狭小地を得意とする建築会社も出てきているけれども、その頃においては、プラン集など最初からない(株)一条工務店はその点でそれらの「大手」ハウスメーカーより有利だった。ところが、大手ハウスメーカーが手が出ないという点で有利な20坪台を契約とらないでと言われ、又、3階建ては、鉄骨造の場合、積水ハウスなどの鉄骨系軸組構法の会社はは軽量鉄骨での軸組構法で軽量鉄骨軸組構法は2階建てはできても3階建は無理であるため、3階建を建てようとすると重量鉄骨で建てることになり費用が割高になるのに対し、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)と在来木造での3階建と木質パネル構法での小屋裏3階建ては2階建てと同じ構造材で建てることができるので2階建てより高いとはいえ鉄骨造の3階建より安くできるという点で、江東区・江戸川区あたりの金持ちでない層に対しては有利なはずだったのにそれを取ってはだめと言われるのはきつかったし、静岡県中西部・愛知県の営業は、広い敷地の家の見込客があるとともに20坪台の契約も3階建の契約も取っていいのに東京営業所の営業はとってはだめというのは何より不公平であろう。
もし建てやすい土地に建てやすい2階建てか平屋の家の契約をいっぱい取れる状況なら、「工務課が大変だから20坪台と3階建の契約は取らないで」と言ってもいいかもしれないが、その頃の東京営業所はそんなこと言っている余裕はなかったのであり、そうである以上、「リーダー」のの宮崎さんはたとえ元工務課でも現営業でならば「工務課が大変だから20坪台と3階建の契約は取らないで」と営業に言うのではなく、「20坪台はだめ、3階建はだめなんて言ってたら今の東京営業所は営業が成り立たないから少々大変でもやってちょうだい」と工務課に言うべきであったはずで、もし東京事務所の工務課のスタッフが未熟とか数が足らないなら静岡県・愛知県の営業所から経験ある人間に来てもらうよう会社に求めるべきであったはずだ。かつ、東京営業所の服部は、営業本部長の天野隆夫に言えば20坪の家でも「とれ」と言うのがわかっていたから、「リーダー」の宮崎さんを飛ばして天野に話して契約を取得し、私はすぐ上の人間を飛ばしてその上に言ってはいけないと考えてその為に有望見込客を失った。一条はルールを守るとバカを見さされる会社だった。
続く
(2019.4.22.)
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