「一条の建物は完璧にいい」の反証7.地盤調査・地盤補強は要ると言いたいのか要らないと言いたいのか?
[第700回] 一条工務店の浜松営業【12/ 】
《12》 「地盤調査なんて、そんなの要らない要らない。ちょっと地盤が弱そうだ思ったら、べた基礎にしておけば、それで、だ~いじょうぶだよお!」→「建物は地面の上と地面の下の両方で支えられていますから、地面の上だけきっちりと作っても、地面の下が弱ければ頑丈な建物とは言えないのです」
この変化は何だろう??? ある時を画して正反対のことを平気で言いだすという会社って、そういう態度って「完璧にすばらしい」のか?
1992年4月に私が(株)一条工務店https://www.ichijo.co.jp/ に入社した頃、多くのハウスメーカーはすでに「地盤調査をして、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」ということをやっていました。 1980年代後半、小堀住研(株)も「地盤調査をして、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」ということをやっていて、競合になったハウスメーカーは、積水ハウス・パナホーム・住友林業その他、どこもが「地盤調査をやって、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」ということをしていました。ところが、1992年に(株)一条工務店ではそれをやっていなかった。小堀住研(株)に限らず、個人大工は別として競合になった同業他社はどこもが「地盤調査をやって、地盤が弱ければ地盤補強をして建てる」ということをしていたにもかかわらず、それをやっていなかった。東京営業所(展示場)〔江東区〕の「リーダー」だった「一級建築士の宮崎さん」に「地盤調査をしなくても大丈夫なのですか?」と言うと、「そ~んなの、地盤調査なんてやらなくても、だ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ。現地を見て、『ちょっと地盤弱そうだな』と思えば、べた基礎にでもしておけば十分だよ。地盤補強なんてやらなくてもだ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ」と言うので、「大丈夫か???」と思ったのですが、浜松の本社での研修でも、講師役で来た静岡県で営業の仕事をしてきた課長の石橋さんが「べた基礎にしておけば、床下の防湿にも役立つし、だから、私が担当した家はたいていべた基礎。べた基礎にしておけば強いし、地盤が弱くても、べた基礎にしておけばまず大丈夫だから」と発言。 講師役で来た人が言うからにはそうなのだろうか?
ここで、(株)一条工務店の経営者が同業他社に在籍したことがある人間を嫌う理由がひとつわかりました。
斎藤次郎・森毅『元気が出る教育の話-学校・世の中・自分』(1982.6.25.中公新書)には、
「 宿舎に帰って、いま理学部長をしている山口昌也としゃべったら、彼は極端でね、おれは小学校以来、いまだかつて授業中にわかったことはないとかね。彼の説は「わかる」というのは自己の内面に関わることだから、あんな教室みたいなとこで、一方向的にわからせられたりしてたまるかという・・・・(笑)。だいたい家に帰って、落ち着いて考え直して初めてわかる。・・・・」
という 森 毅 の発言が出ている。私も、根が理学部型人間もしくは「理学部型もしくは哲学科型人間」だったからか、子供の頃からこの山口昌也氏と同じようなことを思ってきた。ましてや、会社なんて所で、「一方向的にわからせられたりしてたまるか」と思っていた。ひとつには、「会社っちゅうところ」の場合、純粋に自然科学的なことを言うのではなく、営業上、自分のところに都合がいいように言う場合というのがあるのではないかと思ったのだが、他方で、「すぐばれる嘘」「明らかな嘘」をついたのでは、それは営業上もプラスにならないと思うし、小堀住研(株)の新卒社員研修でもそう言われた。「たとえ、自社にとって都合が悪いことであっても、嘘を言っては行けない」と。嘘を言うと、嘘を言うことによって営業としての評価が下がってしまい、それが営業上、マイナスになる、と。私は、これは小堀住研(株)にだけあてはまることではなく、どこの会社においても共通するものだと思った・・・のだが、小堀住研(株)は1970年前後から1990年頃まで「大卒しかとらない会社」と言いまくっていて、慶應大学に同社が出していた求人票にも「応募資格」として「技術系(設計・工務・工事・アフターサービス等)・・・4年制大学の建築学科もしくは土木学科卒の人。 営業系(営業・人事・総務・経理等)・・・4年制大学の法学部・経済学部・商学部卒の人。」と明記されていた・・・が、入社してみると、なぜか高卒の人がいたので、あれえ~え、なんであの人いるのお~お・・・と思ったのだが、私だけが思ったことではなく、「なんで、あいつ、いるんだ?」と思ったという話は私より前から入社している人からも聞いたのだが、ともかく、実際はそうでもないところもあったが、「大卒しか採らない会社」と外向きには言いまくっていた会社だったので、特に、新卒入社の営業は私が入社した年も、東大・京大のような「大学」ではないが、ともかく「大卒」の人のみで、新卒社員向けの研修でも「営業は、まず、住宅・建築についての知識を蓄えないといけない」と教えられ、「知識のない営業は安いものの契約はとれても高額物件の契約はとれない」という過去の例も教えられたのでしたが、それだけに、「本当のことを言うことで顧客から評価される営業」を目指すところがあった(そうでない人もいたでしょうけれども)のに対し、(株)一条工務店の場合は営業本部長の天野隆夫が「営業に(住宅・建築の)知識なんて関係ないでえ。知識なんてない人間、頭のない人間の方がお客さんに喜ばれるんや。ぼくらでも学校出てないから、だから、気さくで人間味があって人に好かれるんや。お客さんはそういう人間を喜ぶんや。そう思うやろ。だから、営業は頭のないやつがええんや、頭のない人間が。そう思うだろう。おい、そう思うだろってぼくが言ってるんだ。『思います』と言えよ。思わないのか、思んだろ。『思います』と言えよ。言わないのか。どうして言わないんだ。『思います』と言えと言ってるだろ。言えよ」としつこく言われて無理矢理「思います」と言わされてしまった・・という会社だったので(そうやって、無理矢理「思います」と言わせるような人というのが「気さく」で「人間味がある」と言うのかどうかよくわからんのだが・・・)、人にもよるでしょうけれども、その分だけ、「嘘つき」「いいかげんなこと言い」が好きな会社だったと言えるでしょう。しかし、(株)一条工務店の場合は、営業本部長の天野隆夫は「営業は頭のない人間がええんや、頭のない人間があ」と言うのでしたが、他方において、木造住宅産業協会が発行した『木造住宅営業マニュアル』という本を、新卒入社の社員には供与、中途入社の社員には貸与して(「貸与」というのはどういうことかというと、私の場合、東京営業所に入社すると、「これ、読んで勉強して」と言われて渡されたが、1回、読んだというくらいの時に、さらに中途入社のS藤が入社してくると、「もう、いいでしょ」と言ってとりあげられて、その本はS藤の学習用になった、というもの。だから、あそこに・・と書いてあったと思っても、もっと何度も読みたいと思ってもできなかった。インターネットが普及してから、インターネットで検索すると、木造住宅産業協会から通信販売で誰にでも売られていたので、今さらと思いながらも購入しようかどうしようか・・・と思ったが、そうこう思っているうちに販売されなくなったのか、木造住宅産業協会のホームページから同書の販売は消えた)読んで学習するように渡されたが、そこには「各構法の特徴」として、「どちらかといえば在来木造が有利かもしれないというくらいの書き方だが決して嘘ではない」という表現で各構法の特徴が述べられていたのだが、同書の著者は、「無茶苦茶でいいから自分のところに都合がいい言い方」をすればいいという認識ではなく、「嘘は言ってはいけない」「営業の仕事をしようと思ったならば、他社の構法についてもある程度は理解して、いいものはいいと認識した上で営業するべきだ」という考え方、天野隆夫とは正反対の考え方をとっていたようであり、そういう本を読めと指定した人がいたということは、(株)一条工務店という会社にも正反対の2通りの考え方があったということのようである。天野隆夫はあくまでも自分個人の考え方を「一条工務店の考え方」と言い張るところがあり、初代社長の義理の弟であったとしても、その「自分の考え方」と「会社の考え方」を一緒にしてしまう点、「たとえ、初代社長の義理の弟であっても、仕事をする上においては自分もまた従業員の1人であるという認識が欠落している」という点は、あんまりほめられたものではないと思えた・・・が、おそらくその認識・態度は死ぬまで変わらんだろうし死んでも変わらんだろう。
ともかく、私は山口昌也氏と同様に≪「わかる」というのは自己の内面に関わることだから、あんな教室みたいなとこで、一方向的にわからせられたりしてたまるか≫という認識の人間だったので、小堀住研(株)に入社しても、「研修」で教えられることにしても、そういう姿勢で話を聞いたし、先輩社員の話もカタログの記述もその姿勢でひとつひとつ検討して理解した。その結果、小堀住研(株)の場合は「技術の小堀、設計の小堀、デザインの小堀」と昔から言いまくってきたが、それは自分で言ってることであって、そのまま認めていいかどうかはなんとも言えない部分もあるが、「技術系の会社」とも言っていて、それはたしかにそういう面があると思った。「小堀住研は、技術系の人にはけっこう紳士的な人が多いのだけれども、営業やってる人には、中にガラの悪い人が少なからずいる」と私より前からいる人から言われたことがあるが、そういう面が事実としてあった。その「技術系」の部分として、カタログに掲載されているものや、「研修」で教えられるものについて、自分のところが「売り」にしているものについては、「多少強調して言っている」というものはあっても、嘘は見当たらなかった。営業についてはそうとも言えないものも中にはあった。TQC推進本部営業部会課長だった川崎(愛称「デブの川崎」「肥満体の川崎」)が、「『このネクタイ、うちのが買ってきたもので、これ、三宅イッセイなんですよ』と言うと、ほら、いいように聞こえるでしょ」と発言したのだが、私には「いいように」聞こえなかった。むしろ、三宅イッセイであろうが千円のネクタイであろうが、ネクタイというものは、時として人からプレゼントされてそれをつけるということもあっていいだろうけれども、基本的には自分に合うと思うものを自分で選んで買ってつけるものではないのか? ネクタイを嫁はんに選んでもらって喜んでるようではいいとは言えないのではないか・・と思ったのだ。そう思っていると、池波正太郎『新編 男の作法』(2011.10.20.サンマーク文庫)に、≪ 原則的にネクタイというものは、締める当人が自分で選ぶものなんだ、自分の締めるネクタイを他人任せにしてるような男じゃ駄目ですよ。・・・服装とかおしゃれというのは、結局、バランスが大事でしょう。いくら高価なエルメスだの何だの舶来のネクタイをもらったって、それに合うスーツがなかったらどうにもならない。≫と出ていたのを読んで、やっぱりそうだよなあと自信を持った。(愛称「デブの川崎」が「研修」で話したことがすべて無茶苦茶とかいうことではありません。もっともなことも話しています。あくまで、中にはこういうものもあった、という話です。)
それに対し、小堀住研(株)のカタログに掲載されていたものや、「研修」で言われたものや先輩社員から教えられた「技術的なもの」については、ひとつひとつ自分で納得いくまで考えてみても理屈の通るものが多かった。ひとつだけ、どうなのかよくわからなかったのが、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)では、たとえば、三井ホームでは9mmの合板を使っているのに対し、小堀住研(株)の木質パネル構法では6mmの合板を使っているけれども、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)の場合、枠材(ツーバイフォー材)と合板の接合は釘で接合しており、釘による接合の場合は釘の頭よりも下の部分だけしか実際に役立たないのに対し、小堀住研(株)の木質パネル構法では枠材(ツーバイフォー材)と合板を工場で接着剤で接合しているので、接着剤による接合の場合には、合板はその合板の厚み全体が役立つことになるので、6mmの合板でも十分9mmの合板を使っている枠組壁構法の建物以上の強度は発揮するのだという話について、その点については、はたしてそうなるのかどうかよくわからなかったのでしたが、その後、(株)一条工務店に入社した1992年、「建築専門学校卒」の土屋(男。当時、20代前半)が、「釘の頭の分だけ、それより下の部分しか役立たないなんて、笑わせおるのお。はははあ・・・」と言うので、「建築専門学校卒」の人間がそう言うということは、その建築専門学校で、釘での接合でも接合した板(合板かムク板かにかかわらず、板)の厚み全体が役立つと教えていたのだろうか・・・と思ったのでしたが、さらにその後、愛知産業大学の建築学科で学習していた時、そのテキスト、どの建築会社・ハウスメーカーのカタログとかではなく、「学者」という立場の人が書いた本に、小堀住研(株)の「営業知識マニュアル」に書かれていたのと同様のこと、釘による接合の場合にはその接合には合板は釘の頭よりも下の部分しか役立たないので合板の厚みそのものが役立つわけではなく、接着剤による接合の場合にはその合板の厚み全体が役立つということが記載されていたのを見つけました。そうなると、(株)一条工務店に在籍した「建築専門学校卒」の男の「釘による接合の場合は、釘の頭よりも下の部分だけしか接合には役立たないなんて、笑わせおるのお。ははははあ・・・」という発言はあれはいったい何だったんだ? ということになってきます。土屋が行ったその「建築専門学校」というのは生徒に嘘を教えていたのか???
ともかく、小堀住研(株)の場合、「営業の場合、ガラの悪いひとがけっこういる」という点もあった、たとえば、これは「部長」という人から聞いた話ですが、社員旅行の宴会で、若い女性社員を下半身、丸裸にして舞台で引きずり回し、された女性が泣きわめき、ある男性社員があまりにもひどいと支店長に食ってかかったが、支店長は「ひとが酒飲んで楽しんどるんじゃ。ぎゃあぎゃあぬかすな、あほんだら!」と言った・・・といったことがあり、1990年、千葉支店長の渡邊士直(男。当時、40代。最終学歴:熊本県の底辺の高校卒。「大卒しか採らない会社」の小堀住研(株)になんでこの男がいるのだろう?)は「この俺は中島社長(社長 中島昭午〔最終学歴:滋賀県立長浜北高校卒〕)から、会社の女である限り、どの女でもいつでも好きなだけ、尻をなでまわしてもかまわんと許可されとるんじゃあ。俺は、今後とも、まちがいなく絶対に会社の女の尻をなだまわすけれども、それは中島社長から許可されとるんじゃ。俺が会社の女の尻をなでまわすのがいかんと言うようなヤツは、中島社長が絶対に許さんのじゃあ! 小堀住研はそういう会社なんじゃあ!!!」と大声で発言したように(たとえ、「中島社長が認めた」としても、そのような公序良俗違反を中島に認める権利などあるわけはありません)、そして、そういう発言とその発言内容の行動をとる人間を増長させる中島昭午が二代目になる会社で、そんな男が二代目になる会社だったからつぶれたが(やはり、そういうことをやっている会社、そういうことをさせる男が社長になる会社およびバカ社長というのは「長い目で見るとハリコの虎であって、その実力はたかがしれている」ということであったようです)、この釘による接合と接着剤による接合の違いの話の例もそうですが、「技術系」の話については確かなものが多く、その点は信用できるという印象を受けた。
小堀住研(株)〔→エスバイエル(株)…→(株)ヤマダエスバイエルホーム→(株)ヤマダホームズ 〕では、1960年代後半に私の親が小堀住研(株)で在来木造の家を建てた時には地盤調査なんてやっていなかった県えども、1980年代後半においては「スウェーディングサウンディング試験などによる地盤調査をやって、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」としていて、「個人の大工さんとかだと、『そんなの、地盤調査だの地盤補強だのなんて、やらなくっても、だ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ』とか言う人がいますけれども、地盤が弱いのにそれを補強しないで建てるというのは、もう、今の時代においてはそれは非常識ですよ。地面の下と地面の上との両方から家の構造は考えないといけません」と言っていたのです。これは小堀住研(株)だけではなく、積水ハウス・パナホーム・三井ホーム・住友林業その他、競合になるハウスメーカーはどこでもそうだったはずで、地盤調査をやらずに建てていたのはどこかというと、「個人大工か工務店」だった。小堀住研(株)では「個人の大工さんとかで、大工としての修行はしてきても、地盤についてわかってない人とかいますからね」と言っていたのです。そして、1992年、「(株)一条工務店」という「工務店」では、まさに「そ~んなの、地盤調査なんて、そんなの、要らない、要らない、要らないって。ちょっと見て、地盤が弱そうかなと思ったら、べた基礎にでもしておけばそれで十分だよ。十分。地盤調査なんて要らないって」と言っていた、小堀住研(株)では「そんなことを言うような工務店で建てたら、そこが地盤が弱かった場合、大地震が来た時には危ないですよ」と言っていたまさにそれを(株)一条工務店という「工務店」が言っていたのでした。
自分の立場がどういう立場なのかという問題もあります。 どんな会社であれ、自分を雇ってくれた会社はありがたい会社であり、自分を雇ってくれない会社がどんなにすばらしくってもしかたがない。1992年に私が(株)一条工務店に入社した年、母から「私やったら、三井とか、三菱とか、住友とか、安田とかそういう会社に勤めるわ。あんたはまともじゃないから、だから、一条工務店なんて今にもつぶれそうな会社に勤めるけれども、そこが私とあんたの違いやわ。私やったら、三井とか三菱とか住友とか安田とかに勤めるところを、あんたはまともやないから一条工務店なんて所に勤めるんやわ」と毎日のように言われたものでしたが、しかし、「三井とか、三菱とか、住友とか、安田とかいう会社」が雇ってくれたのなら、そこの会社のために働きますが、三井か三菱か住友か安田かなんか知らんが、雇ってくれない会社なんて、「いわば、ひとの嫁はんが美人でもしゃあないやんけ!」みたいなもの(?)・・・・で、そんなこと言ってもしかたがないのです。
1992年に(株)一条工務店に入社した時、(株)一条工務店は「創業20年弱」の会社で、「全国企業になりかけ」くらいの会社だったわけで、いわば、「発展途上企業」だったわけですから、問題点があってもしかたがないことであり、少しずつよくしていけばいいことでもあり、「発展途上企業」であるからこそ力を発揮できる場もあるのではないかと思って入社したのでもありました。 自分がその会社の営業という立場ならば、いい点があり、いいとは言えない点があっても、それでも、そこの会社の商品を売るのが営業の仕事ですから、なんとか売らないとしかたがない。自社の商品を売るのが営業の仕事であって、売らないのが仕事ではないし、「不動産の住宅」の営業なら他社が持っている物件を売ることもできますが、「建築の住宅」の営業は他社の建物を売ることはできません。だから、自社の建物に問題点があったなら、改善できるものは改善するようにしながらも、ともかく、それを売らないといけません。
しかし、同業他社に在籍したことがある人間には、たとえ、私のように≪「わかる」というのは自己の内面に関わることだから、あんな教室みたいなとこで、一方向的にわからせられたりしてたまるか≫という認識で物事を常に考える姿勢が身に着いている「理学部型思考人間」もしくは「理学部もしくは哲学科型思考人間」でなくても、同業他社にいた時に聞いた話・学んだ話・知った話と、新たに勤めた会社で聞く話とが異なる場合が出てくる。自分自身をはさんで三角形ができる場合があるようなのです。
(株)一条工務店という会社は、 「同業他社にいたことがある従業員」を敵視する会社でしたが、「同業他社にいたことがある従業員」とはいえ、「今は(株)一条工務店の従業員」であって「今も同業他社の従業員」ではないのですから、何も敵視することはないはずですし、むしろ、他社のこともある程度知っているわけですから、それを生かすべきですし、「他社のやり方」であっても、他社のいいところは取り入れればいいわけで、敵視する理由はないはずでしたが、ところが、どうも、(株)一条工務店という会社は「同業他社にいたことがある従業員」を敵視する会社でした。
なんともまあ、心の狭いこと・・・と思ったのですが、今から思うと、(株)一条工務店の経営者というのは、私のように「自分自身で学ぶという姿勢がある人間」というのも嫌いだったようですが、ひとつの理由として、同業他社にいたことがある従業員というのは、かつて在籍した会社で聞いたこと・知ったこと・学んだことというのがあるため、(株)一条工務店で聞くこと・教えられることに嘘や不正確なことがあると、それに気づくことがある・・・というのが、どうも、(株)一条工務店の経営者は気に入らないようでした。心が狭いなあ~あ・・と思いますが、そういう人が経営してるんです、そういう人が。
それで。 地盤調査と地盤補強については、ともかくも自分を雇ってくれた会社である(株)一条工務店が「地盤調査だの地盤補強だのなんて、そ~んなの、要らない、要らない、要らない。ちょっと見て、地盤が弱そうだなと思ったなら、べた基礎にでもしておけば十分十分!」という方針ならば、その会社で雇ってもらった以上は、その会社の建物を売るのがその会社の営業ですから、そうするしかありません・・・・・が。
ところが、1992年の終わりだったと思うのですが、(株)一条工務店もまた、「スウェーディング式サウンディング試験などによる地盤調査をおこない、地盤が弱い場合は地盤補強をして建てる」というように方針を変更しました。 さらにその後、1990年代後半、大部分の住宅建築業の会社は地盤調査会社に地盤調査を依頼して、その会社が地盤判定もしていたのですが、(株)一条工務店は自社で地盤調査をおこない、「地盤調査室」という部署を作り、地盤調査室の判定をもとに地盤補強をして建てるという方針に変更しました。
(株)一条工務店の地盤調査室の判定は、同業他社の判定に比べて、「厳しめ」だとか、「標準仕様は布基礎なのに、その標準仕様の布基礎でいいという判定が少ない」とかいうところはあったかと思います。あとの方、「標準仕様の布基礎でいいという判定が少ない」というのは、それは、(株)一条工務店は、「施工面積」という独自の面積の計算法で、その坪あたりいくらで契約して(後に、「行政」から言われたのか、坪いくらで「仮契約」というシステムに変えましたが)という方法をとっていて、その「坪いくら」を安く見せたいために、標準布基礎を安めにして、「地盤調査の結果、べた基礎が必要ということです」ということにして差額をお施主様に出してもらうようにしないと、標準仕様の布基礎の「単価が安い」ことから、標準仕様の布基礎ばっかりやってくれと言ったのでは、(株)一条工務店の基礎工事をやる基礎屋はなくなってしまう・・・という事情があったので、標準仕様の布基礎の割合を多くするわけにはいかなかったらしいのですが、「自社で地盤調査をして自社の地盤調査室が判定をする」というシステムにしてから以後の(株)一条工務店の「地盤判定」は、その分野を専門として仕事をしている人などには別の意見もあったかもしれませんが、理屈の通ったものであったと私は思っています・・・し、自分が担当のお客様の判定が返ってくるたびに、こういう理由でこの判定なのか・・というものを見てきた私は、同社を退職後に他社で見た地盤判定を見た時、「この判定をした人は、地盤と地盤補強についてあんまりわかってないのではないか」・・と思うこともありました。
「自社で地盤調査をして、自社の地盤調査室がだした『判定』にもとづき地盤補強をして建てる」というようになってからの「判定」は、他社に比べて「厳しめ」の場合が多かったかもしれませんが、理屈に通ったものだったと私は思っているのです・・・・が。
1992年から1993年頃の問題点として。 私が「地盤調査をして、地盤が弱い場合には地盤補強をするといったことはしないのですか」と尋ねると、「そんなの、しないよ」と言い、「大丈夫ですか」と私が言うと、 「そ~んなの、地盤調査なんて、要らない、要らない、要らない、要らない! そ~んなの、ちょっと見て、弱そうかなと思えばべた基礎にしておくとか、そのくらいで十分だよ。 地盤調査して地盤補強なんて、そんなの要らないって!」と言っていたにもかかわらず、ある日、突然、正反対のことを言いだす・・・・というその節操のなさというのは、それはいったい何だろうか???
↑ 1990年代後半、(株)一条工務店が作成した地盤についてのビデオ(静岡放送でのテレビ番組の録画?)だったか、同社のカタログだったかで、↑のような図が述べられていたはずです。 地盤が強い土地に建てるというのは,しっかりしたテーブルの上に家のモデルを設置するようなもので、地盤が弱い土地に建てるというのは、しっかりしたテーブルの上にスポンジなりお豆腐とかそういったものを置いてその上に家のモデルを設置するようなものであり、地盤面から上だけを考えて建てたのではだめで、地盤面から上とともに、地盤面より下の頑強な地盤までの間の部分、↑の図の右の絵の場合のスポンジの部分をどうするのかも考えて建てないといけない、というのです。このたとえはいいと思います・・・・・けれども、そうなると、1992年の(株)一条工務店が言っていた、「そ~んなの、地盤調査なんて要らない、要らない、要らない、要らない。そんなものしなくったって、見てちょっと地盤が弱いかなと思ったらべた基礎にでもしておけば、十分、十分」・・というのは、あれは何なんだ? 1990年代後半以降の(株)一条工務店が言っていることが正しいなら、1992年までに(株)一条工務店が言っていたことは間違いで、(株)一条工務店の1992年までの施工は「間違った施工」だということになってしまうのです。 で、その「間違った施工」のことを、名古屋南営業所の近藤路夫さんは「完璧にすばらしい」と言うのでした。 「完璧にすばらしい」ですか? 言ってる内容がどうか以前の問題として、ある時を境にして正反対のことを平気で言うという態度は???
(株)一条工務店の1992年までの「ちょっと地盤が弱そうならべた基礎にしておけば、だいたい、大丈夫」というのと、1990年代後半以降の「地盤調査をしてその判定に従い地盤が弱ければ地盤補強をして建てる」と、どちらが適切なのか・・というと、基本的には地盤調査はして地盤が弱ければ補強して建てる方がそこに建物を建てて住むにはいいでしょう。1992年に(株)一条工務店に入社した時、たいていのハウスメーカーは「地盤調査をして、地盤が弱い場合は地盤補強をして建てる」ということをしており、「地盤調査なんて必要ないって。ちょっと見て弱そうならべた基礎にでもしておけば、だ~いじょうぶ♪、だ~いじょうぶ♪」と個人大工・工務店みたいなことを言う(株)一条工務店って大丈夫か? と不安を感じたのでしたが、しかし、その言い方はなんだかいかにも怪しそうな言い方であったのですが、しかし、地盤調査について、「ちょっと見て」ではなく、その土地と付近を「じっくりと見る」という目視もまた「スウェーデン式サウンディング試験による機械調査」とともに大事であるとともに、地盤調査はしていいとは思いますが、しかし、あまりにも頑強な地盤補強をするというのがいいのかというと、絶対的でもないのではないか・・・とも実は今は私は思っているのです。 「地盤を考えて建てる」というのはいいと思いますが、はたしてそこまで必要なのか・・という点と、べた基礎とかべた基礎二重配筋とかくらいまではいいとしまして、QCB杭とか鋼管杭を入れてその上にべた基礎を載せるというそこまでやるとすると、費用もけっこうかかりますが、それよりも、住んで何十年か後に建て替えようということになった時、QCB杭や鋼管杭はその後、新しく建物を建てる時にも使えるとしても、同じ場所に建てないといけないことになり、将来のその土地の利用法を制約することになる。いくらかずれて建てるとなると、ずれた部分にだけ、新たにQCB杭なり鋼管杭を入れなければならないことになる。 私が卒業した小学校・中学校・高校はいずれも校舎を私が通った頃と異なる新しい建物に建て替えていますが、中学校は私が通った頃と同じ場所に新しい建物が建っているものの、小学校と高校は私が通った頃は運動場だった所に校舎を建てて、校舎があった場所が運動場になっています。将来、その敷地の別の場所に建物を建てて、これから建物を建てる場所を他の用途に使うという可能性だってないとは言えない。都市圏の分譲地で建てる場合でも、建て替える場合、それまでといくらかずれた位置に建てることはあるし、それまで2階は1階の上に一部分だけ載っていたものを総2階にして逆に敷地を広く空ける建て方をすることもあり、2方向に道路がある敷地ではそれまでと異なる方の道路から入るように建てて、その結果、配置もいくらか変わることもありますが、「農家」の家などでは、それまで畑にしていた所に家を建てて、家にして住んでいた場所を空けて他の用途にすることもある。(最近は「農家」といっても兼業農家の割合が大きくなり、東京圏では兼業農家を「農家」と言うことが多いのですが、福島県に行くと兼業農家のことを「サラリーマン」と言う人が多かったのですが、どちらにせよ、都市圏の専業サラリーマンと違って農地をある程度以上持っている人のことをここでは言います。) 熊本地震の際、阿蘇大橋が落下した所の写真を新聞で見て、これは地盤は弱そうだなと思ったのですが、しかし、畑として使うにはよく肥えたいい畑だろうなあという印象を受けました。実際、建物を建てるのにいい土地と畑にするのにいい土地は同じではないわけで、かつ、畑にいいけれども建物を建てるのにいいとは言えない所に家を建てて住む人もいるわけです。そういう場合に、べた基礎・べた基礎二重配筋くらいはいいとして、QCB杭とか鋼管杭を入れてしまうと、将来、家は別の位置に建てて、今、家を建てる場所を畑にしたいとか、運動場のように使いたいとかいった時、費用をかけて杭を入れたのが仇になることだって考えられるのではないか。 総合住宅展示場は借地であるケースが多いようで、地主が布基礎・べた基礎・べた基礎二重配筋はいいけれども、QCB杭や鋼管杭による補強をして建てるのはやめてほしいという条件で貸しているケースがあり、お客様の家なら地盤補強としてQCB杭や鋼管杭を入れて建てる建築会社がべた基礎くらいで住宅展示場を建てているケースがけっこうあるらしい。 そういったことを考えると、本当に地盤が弱いという場合はQCB杭や鋼管杭もしかたないとして、微妙なケースだと、べた基礎、もしくはべた基礎二重配筋なら、沈む場合も全体が沈むので、「べた基礎くらいでだいじょうぶだよ」というくらいの判断の方が、将来、その土地を使う時にいいということはないのか? ・・とか考えてみたりもする、微妙なケースについては、将来のその土地の使い方の幅を考えると、はたしてQCB杭や鋼管杭まで入れる必要があるのかな・・と思うケースもないわけではないのです。だから、(株)一条工務店の地盤についての判断は、1992年までとそれより後では、前の方が絶対的に悪いとも言えないのではないかとも思えてきます・・が、いずれにしても、後の判断が正しいのであれば1992年までに言っていたことは正しいと言えないことになるし、前の判断が正しいのなら後で言ってることは何なんだということになります。ひとつには、実際には両方の面があることをあまりにも絶対的な断定をした言い方をしすぎという点もあるかと思います。
もうちょっと、続く・・・・
(2019.5.2.)
★ (株)一条工務店の浜松営業はどんな連中か。
【1】 (株)一条工務店の浜松の営業とはどういう連中か【1/ 】+遠州人の特徴 「渋谷て言ったら、小岩の東の方だらあ」 「東京駅から大手町駅に行くにはタクシーに乗るのが一番だらあ」https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_1.html
【2】 (株)一条工務店の浜松営業とはどういう連中か【2/ 】ダンピング浜松・名古屋。浜松は東なのか西なのか。「悪くないと思った」と言うと気に入らない人。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_2.html
【3】 「浜松でいいもの」は東京人に?プレカット工場はプレカットせず出荷した? 住友林業は機械プレカットしているのに、「『住友林業はプレカットしてないでしょ』でそれだけで売れる」と言い張る浜松流オリジナル営業。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_3.html
【4】 集成材vsムク材。対住友林業は楽勝か難敵か https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_4.html
★ 「一条工務店の建物は完璧にすばらしい」「一条工務店の建物には問題点はまったくない」の反証
反証1 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_5.html
【C】-4 《1》 床下換気口の真上の位置に柱が載っている。
《2》 柱の下に基礎がない。
《3》 筋交いと換気扇の穴の位置がぶつかり、筋交いを切断している。
反証2 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_6.html
【C】-5 《4》 筋交いが片方の向きばかり。
《5》 寸法違いの丸太梁をそのまま入れる。工務課が工務課として機能していない。
反証3 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_7.html
【C】-6 《6》 断熱材の室内側防湿層を破る。
《7》 断熱材の入れ方不適切。
《8》 やっていないのにカタログに書かれている「エアーフローシステム(壁体内換気)」
反証4 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_8.html
【C】-7 《9》 ヘルメット非着用・吊荷真下作業・無資格者玉掛作業。
反証5 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_9.html
【C】-8 《10》 「施工ミス」「施工不良」「間違った施工」と浜松の営業が言い、会社が作成したアルバム帳に写真入りで記載されている小さい束石の施工を東京都でやっている。大きい束石でも端に床束が載る。床束が束石から浮いている。
反証6
【C】-9 《11》-1 擁壁と基礎のとりあい について工務課(工事担当)が打合せを拒否。(株)一条工務店の東京工務課は深基礎ができないの? https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_11.html
反証6-2
【C】-10 《11》-2https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_12.html 深基礎の見積もりを計上し、深基礎の施工のはずが、どうも、そうなっていなかった可能性が小さくない。
反証7
【C】-11 《12》 地盤調査・地盤補強は要ると言いたいのか要らないと言いたいのか。ある時を画して正反対を平気で言う会社。〔今回〕
《12》 「地盤調査なんて、そんなの要らない要らない。ちょっと地盤が弱そうだ思ったら、べた基礎にしておけば、それで、だ~いじょうぶだよお!」→「建物は地面の上と地面の下の両方で支えられていますから、地面の上だけきっちりと作っても、地面の下が弱ければ頑丈な建物とは言えないのです」
この変化は何だろう??? ある時を画して正反対のことを平気で言いだすという会社って、そういう態度って「完璧にすばらしい」のか?
1992年4月に私が(株)一条工務店https://www.ichijo.co.jp/ に入社した頃、多くのハウスメーカーはすでに「地盤調査をして、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」ということをやっていました。 1980年代後半、小堀住研(株)も「地盤調査をして、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」ということをやっていて、競合になったハウスメーカーは、積水ハウス・パナホーム・住友林業その他、どこもが「地盤調査をやって、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」ということをしていました。ところが、1992年に(株)一条工務店ではそれをやっていなかった。小堀住研(株)に限らず、個人大工は別として競合になった同業他社はどこもが「地盤調査をやって、地盤が弱ければ地盤補強をして建てる」ということをしていたにもかかわらず、それをやっていなかった。東京営業所(展示場)〔江東区〕の「リーダー」だった「一級建築士の宮崎さん」に「地盤調査をしなくても大丈夫なのですか?」と言うと、「そ~んなの、地盤調査なんてやらなくても、だ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ。現地を見て、『ちょっと地盤弱そうだな』と思えば、べた基礎にでもしておけば十分だよ。地盤補強なんてやらなくてもだ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ」と言うので、「大丈夫か???」と思ったのですが、浜松の本社での研修でも、講師役で来た静岡県で営業の仕事をしてきた課長の石橋さんが「べた基礎にしておけば、床下の防湿にも役立つし、だから、私が担当した家はたいていべた基礎。べた基礎にしておけば強いし、地盤が弱くても、べた基礎にしておけばまず大丈夫だから」と発言。 講師役で来た人が言うからにはそうなのだろうか?
ここで、(株)一条工務店の経営者が同業他社に在籍したことがある人間を嫌う理由がひとつわかりました。
斎藤次郎・森毅『元気が出る教育の話-学校・世の中・自分』(1982.6.25.中公新書)には、
「 宿舎に帰って、いま理学部長をしている山口昌也としゃべったら、彼は極端でね、おれは小学校以来、いまだかつて授業中にわかったことはないとかね。彼の説は「わかる」というのは自己の内面に関わることだから、あんな教室みたいなとこで、一方向的にわからせられたりしてたまるかという・・・・(笑)。だいたい家に帰って、落ち着いて考え直して初めてわかる。・・・・」
という 森 毅 の発言が出ている。私も、根が理学部型人間もしくは「理学部型もしくは哲学科型人間」だったからか、子供の頃からこの山口昌也氏と同じようなことを思ってきた。ましてや、会社なんて所で、「一方向的にわからせられたりしてたまるか」と思っていた。ひとつには、「会社っちゅうところ」の場合、純粋に自然科学的なことを言うのではなく、営業上、自分のところに都合がいいように言う場合というのがあるのではないかと思ったのだが、他方で、「すぐばれる嘘」「明らかな嘘」をついたのでは、それは営業上もプラスにならないと思うし、小堀住研(株)の新卒社員研修でもそう言われた。「たとえ、自社にとって都合が悪いことであっても、嘘を言っては行けない」と。嘘を言うと、嘘を言うことによって営業としての評価が下がってしまい、それが営業上、マイナスになる、と。私は、これは小堀住研(株)にだけあてはまることではなく、どこの会社においても共通するものだと思った・・・のだが、小堀住研(株)は1970年前後から1990年頃まで「大卒しかとらない会社」と言いまくっていて、慶應大学に同社が出していた求人票にも「応募資格」として「技術系(設計・工務・工事・アフターサービス等)・・・4年制大学の建築学科もしくは土木学科卒の人。 営業系(営業・人事・総務・経理等)・・・4年制大学の法学部・経済学部・商学部卒の人。」と明記されていた・・・が、入社してみると、なぜか高卒の人がいたので、あれえ~え、なんであの人いるのお~お・・・と思ったのだが、私だけが思ったことではなく、「なんで、あいつ、いるんだ?」と思ったという話は私より前から入社している人からも聞いたのだが、ともかく、実際はそうでもないところもあったが、「大卒しか採らない会社」と外向きには言いまくっていた会社だったので、特に、新卒入社の営業は私が入社した年も、東大・京大のような「大学」ではないが、ともかく「大卒」の人のみで、新卒社員向けの研修でも「営業は、まず、住宅・建築についての知識を蓄えないといけない」と教えられ、「知識のない営業は安いものの契約はとれても高額物件の契約はとれない」という過去の例も教えられたのでしたが、それだけに、「本当のことを言うことで顧客から評価される営業」を目指すところがあった(そうでない人もいたでしょうけれども)のに対し、(株)一条工務店の場合は営業本部長の天野隆夫が「営業に(住宅・建築の)知識なんて関係ないでえ。知識なんてない人間、頭のない人間の方がお客さんに喜ばれるんや。ぼくらでも学校出てないから、だから、気さくで人間味があって人に好かれるんや。お客さんはそういう人間を喜ぶんや。そう思うやろ。だから、営業は頭のないやつがええんや、頭のない人間が。そう思うだろう。おい、そう思うだろってぼくが言ってるんだ。『思います』と言えよ。思わないのか、思んだろ。『思います』と言えよ。言わないのか。どうして言わないんだ。『思います』と言えと言ってるだろ。言えよ」としつこく言われて無理矢理「思います」と言わされてしまった・・という会社だったので(そうやって、無理矢理「思います」と言わせるような人というのが「気さく」で「人間味がある」と言うのかどうかよくわからんのだが・・・)、人にもよるでしょうけれども、その分だけ、「嘘つき」「いいかげんなこと言い」が好きな会社だったと言えるでしょう。しかし、(株)一条工務店の場合は、営業本部長の天野隆夫は「営業は頭のない人間がええんや、頭のない人間があ」と言うのでしたが、他方において、木造住宅産業協会が発行した『木造住宅営業マニュアル』という本を、新卒入社の社員には供与、中途入社の社員には貸与して(「貸与」というのはどういうことかというと、私の場合、東京営業所に入社すると、「これ、読んで勉強して」と言われて渡されたが、1回、読んだというくらいの時に、さらに中途入社のS藤が入社してくると、「もう、いいでしょ」と言ってとりあげられて、その本はS藤の学習用になった、というもの。だから、あそこに・・と書いてあったと思っても、もっと何度も読みたいと思ってもできなかった。インターネットが普及してから、インターネットで検索すると、木造住宅産業協会から通信販売で誰にでも売られていたので、今さらと思いながらも購入しようかどうしようか・・・と思ったが、そうこう思っているうちに販売されなくなったのか、木造住宅産業協会のホームページから同書の販売は消えた)読んで学習するように渡されたが、そこには「各構法の特徴」として、「どちらかといえば在来木造が有利かもしれないというくらいの書き方だが決して嘘ではない」という表現で各構法の特徴が述べられていたのだが、同書の著者は、「無茶苦茶でいいから自分のところに都合がいい言い方」をすればいいという認識ではなく、「嘘は言ってはいけない」「営業の仕事をしようと思ったならば、他社の構法についてもある程度は理解して、いいものはいいと認識した上で営業するべきだ」という考え方、天野隆夫とは正反対の考え方をとっていたようであり、そういう本を読めと指定した人がいたということは、(株)一条工務店という会社にも正反対の2通りの考え方があったということのようである。天野隆夫はあくまでも自分個人の考え方を「一条工務店の考え方」と言い張るところがあり、初代社長の義理の弟であったとしても、その「自分の考え方」と「会社の考え方」を一緒にしてしまう点、「たとえ、初代社長の義理の弟であっても、仕事をする上においては自分もまた従業員の1人であるという認識が欠落している」という点は、あんまりほめられたものではないと思えた・・・が、おそらくその認識・態度は死ぬまで変わらんだろうし死んでも変わらんだろう。
ともかく、私は山口昌也氏と同様に≪「わかる」というのは自己の内面に関わることだから、あんな教室みたいなとこで、一方向的にわからせられたりしてたまるか≫という認識の人間だったので、小堀住研(株)に入社しても、「研修」で教えられることにしても、そういう姿勢で話を聞いたし、先輩社員の話もカタログの記述もその姿勢でひとつひとつ検討して理解した。その結果、小堀住研(株)の場合は「技術の小堀、設計の小堀、デザインの小堀」と昔から言いまくってきたが、それは自分で言ってることであって、そのまま認めていいかどうかはなんとも言えない部分もあるが、「技術系の会社」とも言っていて、それはたしかにそういう面があると思った。「小堀住研は、技術系の人にはけっこう紳士的な人が多いのだけれども、営業やってる人には、中にガラの悪い人が少なからずいる」と私より前からいる人から言われたことがあるが、そういう面が事実としてあった。その「技術系」の部分として、カタログに掲載されているものや、「研修」で教えられるものについて、自分のところが「売り」にしているものについては、「多少強調して言っている」というものはあっても、嘘は見当たらなかった。営業についてはそうとも言えないものも中にはあった。TQC推進本部営業部会課長だった川崎(愛称「デブの川崎」「肥満体の川崎」)が、「『このネクタイ、うちのが買ってきたもので、これ、三宅イッセイなんですよ』と言うと、ほら、いいように聞こえるでしょ」と発言したのだが、私には「いいように」聞こえなかった。むしろ、三宅イッセイであろうが千円のネクタイであろうが、ネクタイというものは、時として人からプレゼントされてそれをつけるということもあっていいだろうけれども、基本的には自分に合うと思うものを自分で選んで買ってつけるものではないのか? ネクタイを嫁はんに選んでもらって喜んでるようではいいとは言えないのではないか・・と思ったのだ。そう思っていると、池波正太郎『新編 男の作法』(2011.10.20.サンマーク文庫)に、≪ 原則的にネクタイというものは、締める当人が自分で選ぶものなんだ、自分の締めるネクタイを他人任せにしてるような男じゃ駄目ですよ。・・・服装とかおしゃれというのは、結局、バランスが大事でしょう。いくら高価なエルメスだの何だの舶来のネクタイをもらったって、それに合うスーツがなかったらどうにもならない。≫と出ていたのを読んで、やっぱりそうだよなあと自信を持った。(愛称「デブの川崎」が「研修」で話したことがすべて無茶苦茶とかいうことではありません。もっともなことも話しています。あくまで、中にはこういうものもあった、という話です。)
それに対し、小堀住研(株)のカタログに掲載されていたものや、「研修」で言われたものや先輩社員から教えられた「技術的なもの」については、ひとつひとつ自分で納得いくまで考えてみても理屈の通るものが多かった。ひとつだけ、どうなのかよくわからなかったのが、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)では、たとえば、三井ホームでは9mmの合板を使っているのに対し、小堀住研(株)の木質パネル構法では6mmの合板を使っているけれども、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)の場合、枠材(ツーバイフォー材)と合板の接合は釘で接合しており、釘による接合の場合は釘の頭よりも下の部分だけしか実際に役立たないのに対し、小堀住研(株)の木質パネル構法では枠材(ツーバイフォー材)と合板を工場で接着剤で接合しているので、接着剤による接合の場合には、合板はその合板の厚み全体が役立つことになるので、6mmの合板でも十分9mmの合板を使っている枠組壁構法の建物以上の強度は発揮するのだという話について、その点については、はたしてそうなるのかどうかよくわからなかったのでしたが、その後、(株)一条工務店に入社した1992年、「建築専門学校卒」の土屋(男。当時、20代前半)が、「釘の頭の分だけ、それより下の部分しか役立たないなんて、笑わせおるのお。はははあ・・・」と言うので、「建築専門学校卒」の人間がそう言うということは、その建築専門学校で、釘での接合でも接合した板(合板かムク板かにかかわらず、板)の厚み全体が役立つと教えていたのだろうか・・・と思ったのでしたが、さらにその後、愛知産業大学の建築学科で学習していた時、そのテキスト、どの建築会社・ハウスメーカーのカタログとかではなく、「学者」という立場の人が書いた本に、小堀住研(株)の「営業知識マニュアル」に書かれていたのと同様のこと、釘による接合の場合にはその接合には合板は釘の頭よりも下の部分しか役立たないので合板の厚みそのものが役立つわけではなく、接着剤による接合の場合にはその合板の厚み全体が役立つということが記載されていたのを見つけました。そうなると、(株)一条工務店に在籍した「建築専門学校卒」の男の「釘による接合の場合は、釘の頭よりも下の部分だけしか接合には役立たないなんて、笑わせおるのお。ははははあ・・・」という発言はあれはいったい何だったんだ? ということになってきます。土屋が行ったその「建築専門学校」というのは生徒に嘘を教えていたのか???
ともかく、小堀住研(株)の場合、「営業の場合、ガラの悪いひとがけっこういる」という点もあった、たとえば、これは「部長」という人から聞いた話ですが、社員旅行の宴会で、若い女性社員を下半身、丸裸にして舞台で引きずり回し、された女性が泣きわめき、ある男性社員があまりにもひどいと支店長に食ってかかったが、支店長は「ひとが酒飲んで楽しんどるんじゃ。ぎゃあぎゃあぬかすな、あほんだら!」と言った・・・といったことがあり、1990年、千葉支店長の渡邊士直(男。当時、40代。最終学歴:熊本県の底辺の高校卒。「大卒しか採らない会社」の小堀住研(株)になんでこの男がいるのだろう?)は「この俺は中島社長(社長 中島昭午〔最終学歴:滋賀県立長浜北高校卒〕)から、会社の女である限り、どの女でもいつでも好きなだけ、尻をなでまわしてもかまわんと許可されとるんじゃあ。俺は、今後とも、まちがいなく絶対に会社の女の尻をなだまわすけれども、それは中島社長から許可されとるんじゃ。俺が会社の女の尻をなでまわすのがいかんと言うようなヤツは、中島社長が絶対に許さんのじゃあ! 小堀住研はそういう会社なんじゃあ!!!」と大声で発言したように(たとえ、「中島社長が認めた」としても、そのような公序良俗違反を中島に認める権利などあるわけはありません)、そして、そういう発言とその発言内容の行動をとる人間を増長させる中島昭午が二代目になる会社で、そんな男が二代目になる会社だったからつぶれたが(やはり、そういうことをやっている会社、そういうことをさせる男が社長になる会社およびバカ社長というのは「長い目で見るとハリコの虎であって、その実力はたかがしれている」ということであったようです)、この釘による接合と接着剤による接合の違いの話の例もそうですが、「技術系」の話については確かなものが多く、その点は信用できるという印象を受けた。
小堀住研(株)〔→エスバイエル(株)…→(株)ヤマダエスバイエルホーム→(株)ヤマダホームズ 〕では、1960年代後半に私の親が小堀住研(株)で在来木造の家を建てた時には地盤調査なんてやっていなかった県えども、1980年代後半においては「スウェーディングサウンディング試験などによる地盤調査をやって、地盤が弱い場合には地盤補強をして建てる」としていて、「個人の大工さんとかだと、『そんなの、地盤調査だの地盤補強だのなんて、やらなくっても、だ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ』とか言う人がいますけれども、地盤が弱いのにそれを補強しないで建てるというのは、もう、今の時代においてはそれは非常識ですよ。地面の下と地面の上との両方から家の構造は考えないといけません」と言っていたのです。これは小堀住研(株)だけではなく、積水ハウス・パナホーム・三井ホーム・住友林業その他、競合になるハウスメーカーはどこでもそうだったはずで、地盤調査をやらずに建てていたのはどこかというと、「個人大工か工務店」だった。小堀住研(株)では「個人の大工さんとかで、大工としての修行はしてきても、地盤についてわかってない人とかいますからね」と言っていたのです。そして、1992年、「(株)一条工務店」という「工務店」では、まさに「そ~んなの、地盤調査なんて、そんなの、要らない、要らない、要らないって。ちょっと見て、地盤が弱そうかなと思ったら、べた基礎にでもしておけばそれで十分だよ。十分。地盤調査なんて要らないって」と言っていた、小堀住研(株)では「そんなことを言うような工務店で建てたら、そこが地盤が弱かった場合、大地震が来た時には危ないですよ」と言っていたまさにそれを(株)一条工務店という「工務店」が言っていたのでした。
自分の立場がどういう立場なのかという問題もあります。 どんな会社であれ、自分を雇ってくれた会社はありがたい会社であり、自分を雇ってくれない会社がどんなにすばらしくってもしかたがない。1992年に私が(株)一条工務店に入社した年、母から「私やったら、三井とか、三菱とか、住友とか、安田とかそういう会社に勤めるわ。あんたはまともじゃないから、だから、一条工務店なんて今にもつぶれそうな会社に勤めるけれども、そこが私とあんたの違いやわ。私やったら、三井とか三菱とか住友とか安田とかに勤めるところを、あんたはまともやないから一条工務店なんて所に勤めるんやわ」と毎日のように言われたものでしたが、しかし、「三井とか、三菱とか、住友とか、安田とかいう会社」が雇ってくれたのなら、そこの会社のために働きますが、三井か三菱か住友か安田かなんか知らんが、雇ってくれない会社なんて、「いわば、ひとの嫁はんが美人でもしゃあないやんけ!」みたいなもの(?)・・・・で、そんなこと言ってもしかたがないのです。
1992年に(株)一条工務店に入社した時、(株)一条工務店は「創業20年弱」の会社で、「全国企業になりかけ」くらいの会社だったわけで、いわば、「発展途上企業」だったわけですから、問題点があってもしかたがないことであり、少しずつよくしていけばいいことでもあり、「発展途上企業」であるからこそ力を発揮できる場もあるのではないかと思って入社したのでもありました。 自分がその会社の営業という立場ならば、いい点があり、いいとは言えない点があっても、それでも、そこの会社の商品を売るのが営業の仕事ですから、なんとか売らないとしかたがない。自社の商品を売るのが営業の仕事であって、売らないのが仕事ではないし、「不動産の住宅」の営業なら他社が持っている物件を売ることもできますが、「建築の住宅」の営業は他社の建物を売ることはできません。だから、自社の建物に問題点があったなら、改善できるものは改善するようにしながらも、ともかく、それを売らないといけません。
しかし、同業他社に在籍したことがある人間には、たとえ、私のように≪「わかる」というのは自己の内面に関わることだから、あんな教室みたいなとこで、一方向的にわからせられたりしてたまるか≫という認識で物事を常に考える姿勢が身に着いている「理学部型思考人間」もしくは「理学部もしくは哲学科型思考人間」でなくても、同業他社にいた時に聞いた話・学んだ話・知った話と、新たに勤めた会社で聞く話とが異なる場合が出てくる。自分自身をはさんで三角形ができる場合があるようなのです。
(株)一条工務店という会社は、 「同業他社にいたことがある従業員」を敵視する会社でしたが、「同業他社にいたことがある従業員」とはいえ、「今は(株)一条工務店の従業員」であって「今も同業他社の従業員」ではないのですから、何も敵視することはないはずですし、むしろ、他社のこともある程度知っているわけですから、それを生かすべきですし、「他社のやり方」であっても、他社のいいところは取り入れればいいわけで、敵視する理由はないはずでしたが、ところが、どうも、(株)一条工務店という会社は「同業他社にいたことがある従業員」を敵視する会社でした。
なんともまあ、心の狭いこと・・・と思ったのですが、今から思うと、(株)一条工務店の経営者というのは、私のように「自分自身で学ぶという姿勢がある人間」というのも嫌いだったようですが、ひとつの理由として、同業他社にいたことがある従業員というのは、かつて在籍した会社で聞いたこと・知ったこと・学んだことというのがあるため、(株)一条工務店で聞くこと・教えられることに嘘や不正確なことがあると、それに気づくことがある・・・というのが、どうも、(株)一条工務店の経営者は気に入らないようでした。心が狭いなあ~あ・・と思いますが、そういう人が経営してるんです、そういう人が。
それで。 地盤調査と地盤補強については、ともかくも自分を雇ってくれた会社である(株)一条工務店が「地盤調査だの地盤補強だのなんて、そ~んなの、要らない、要らない、要らない。ちょっと見て、地盤が弱そうだなと思ったなら、べた基礎にでもしておけば十分十分!」という方針ならば、その会社で雇ってもらった以上は、その会社の建物を売るのがその会社の営業ですから、そうするしかありません・・・・・が。
ところが、1992年の終わりだったと思うのですが、(株)一条工務店もまた、「スウェーディング式サウンディング試験などによる地盤調査をおこない、地盤が弱い場合は地盤補強をして建てる」というように方針を変更しました。 さらにその後、1990年代後半、大部分の住宅建築業の会社は地盤調査会社に地盤調査を依頼して、その会社が地盤判定もしていたのですが、(株)一条工務店は自社で地盤調査をおこない、「地盤調査室」という部署を作り、地盤調査室の判定をもとに地盤補強をして建てるという方針に変更しました。
(株)一条工務店の地盤調査室の判定は、同業他社の判定に比べて、「厳しめ」だとか、「標準仕様は布基礎なのに、その標準仕様の布基礎でいいという判定が少ない」とかいうところはあったかと思います。あとの方、「標準仕様の布基礎でいいという判定が少ない」というのは、それは、(株)一条工務店は、「施工面積」という独自の面積の計算法で、その坪あたりいくらで契約して(後に、「行政」から言われたのか、坪いくらで「仮契約」というシステムに変えましたが)という方法をとっていて、その「坪いくら」を安く見せたいために、標準布基礎を安めにして、「地盤調査の結果、べた基礎が必要ということです」ということにして差額をお施主様に出してもらうようにしないと、標準仕様の布基礎の「単価が安い」ことから、標準仕様の布基礎ばっかりやってくれと言ったのでは、(株)一条工務店の基礎工事をやる基礎屋はなくなってしまう・・・という事情があったので、標準仕様の布基礎の割合を多くするわけにはいかなかったらしいのですが、「自社で地盤調査をして自社の地盤調査室が判定をする」というシステムにしてから以後の(株)一条工務店の「地盤判定」は、その分野を専門として仕事をしている人などには別の意見もあったかもしれませんが、理屈の通ったものであったと私は思っています・・・し、自分が担当のお客様の判定が返ってくるたびに、こういう理由でこの判定なのか・・というものを見てきた私は、同社を退職後に他社で見た地盤判定を見た時、「この判定をした人は、地盤と地盤補強についてあんまりわかってないのではないか」・・と思うこともありました。
「自社で地盤調査をして、自社の地盤調査室がだした『判定』にもとづき地盤補強をして建てる」というようになってからの「判定」は、他社に比べて「厳しめ」の場合が多かったかもしれませんが、理屈に通ったものだったと私は思っているのです・・・・が。
1992年から1993年頃の問題点として。 私が「地盤調査をして、地盤が弱い場合には地盤補強をするといったことはしないのですか」と尋ねると、「そんなの、しないよ」と言い、「大丈夫ですか」と私が言うと、 「そ~んなの、地盤調査なんて、要らない、要らない、要らない、要らない! そ~んなの、ちょっと見て、弱そうかなと思えばべた基礎にしておくとか、そのくらいで十分だよ。 地盤調査して地盤補強なんて、そんなの要らないって!」と言っていたにもかかわらず、ある日、突然、正反対のことを言いだす・・・・というその節操のなさというのは、それはいったい何だろうか???
↑ 1990年代後半、(株)一条工務店が作成した地盤についてのビデオ(静岡放送でのテレビ番組の録画?)だったか、同社のカタログだったかで、↑のような図が述べられていたはずです。 地盤が強い土地に建てるというのは,しっかりしたテーブルの上に家のモデルを設置するようなもので、地盤が弱い土地に建てるというのは、しっかりしたテーブルの上にスポンジなりお豆腐とかそういったものを置いてその上に家のモデルを設置するようなものであり、地盤面から上だけを考えて建てたのではだめで、地盤面から上とともに、地盤面より下の頑強な地盤までの間の部分、↑の図の右の絵の場合のスポンジの部分をどうするのかも考えて建てないといけない、というのです。このたとえはいいと思います・・・・・けれども、そうなると、1992年の(株)一条工務店が言っていた、「そ~んなの、地盤調査なんて要らない、要らない、要らない、要らない。そんなものしなくったって、見てちょっと地盤が弱いかなと思ったらべた基礎にでもしておけば、十分、十分」・・というのは、あれは何なんだ? 1990年代後半以降の(株)一条工務店が言っていることが正しいなら、1992年までに(株)一条工務店が言っていたことは間違いで、(株)一条工務店の1992年までの施工は「間違った施工」だということになってしまうのです。 で、その「間違った施工」のことを、名古屋南営業所の近藤路夫さんは「完璧にすばらしい」と言うのでした。 「完璧にすばらしい」ですか? 言ってる内容がどうか以前の問題として、ある時を境にして正反対のことを平気で言うという態度は???
(株)一条工務店の1992年までの「ちょっと地盤が弱そうならべた基礎にしておけば、だいたい、大丈夫」というのと、1990年代後半以降の「地盤調査をしてその判定に従い地盤が弱ければ地盤補強をして建てる」と、どちらが適切なのか・・というと、基本的には地盤調査はして地盤が弱ければ補強して建てる方がそこに建物を建てて住むにはいいでしょう。1992年に(株)一条工務店に入社した時、たいていのハウスメーカーは「地盤調査をして、地盤が弱い場合は地盤補強をして建てる」ということをしており、「地盤調査なんて必要ないって。ちょっと見て弱そうならべた基礎にでもしておけば、だ~いじょうぶ♪、だ~いじょうぶ♪」と個人大工・工務店みたいなことを言う(株)一条工務店って大丈夫か? と不安を感じたのでしたが、しかし、その言い方はなんだかいかにも怪しそうな言い方であったのですが、しかし、地盤調査について、「ちょっと見て」ではなく、その土地と付近を「じっくりと見る」という目視もまた「スウェーデン式サウンディング試験による機械調査」とともに大事であるとともに、地盤調査はしていいとは思いますが、しかし、あまりにも頑強な地盤補強をするというのがいいのかというと、絶対的でもないのではないか・・・とも実は今は私は思っているのです。 「地盤を考えて建てる」というのはいいと思いますが、はたしてそこまで必要なのか・・という点と、べた基礎とかべた基礎二重配筋とかくらいまではいいとしまして、QCB杭とか鋼管杭を入れてその上にべた基礎を載せるというそこまでやるとすると、費用もけっこうかかりますが、それよりも、住んで何十年か後に建て替えようということになった時、QCB杭や鋼管杭はその後、新しく建物を建てる時にも使えるとしても、同じ場所に建てないといけないことになり、将来のその土地の利用法を制約することになる。いくらかずれて建てるとなると、ずれた部分にだけ、新たにQCB杭なり鋼管杭を入れなければならないことになる。 私が卒業した小学校・中学校・高校はいずれも校舎を私が通った頃と異なる新しい建物に建て替えていますが、中学校は私が通った頃と同じ場所に新しい建物が建っているものの、小学校と高校は私が通った頃は運動場だった所に校舎を建てて、校舎があった場所が運動場になっています。将来、その敷地の別の場所に建物を建てて、これから建物を建てる場所を他の用途に使うという可能性だってないとは言えない。都市圏の分譲地で建てる場合でも、建て替える場合、それまでといくらかずれた位置に建てることはあるし、それまで2階は1階の上に一部分だけ載っていたものを総2階にして逆に敷地を広く空ける建て方をすることもあり、2方向に道路がある敷地ではそれまでと異なる方の道路から入るように建てて、その結果、配置もいくらか変わることもありますが、「農家」の家などでは、それまで畑にしていた所に家を建てて、家にして住んでいた場所を空けて他の用途にすることもある。(最近は「農家」といっても兼業農家の割合が大きくなり、東京圏では兼業農家を「農家」と言うことが多いのですが、福島県に行くと兼業農家のことを「サラリーマン」と言う人が多かったのですが、どちらにせよ、都市圏の専業サラリーマンと違って農地をある程度以上持っている人のことをここでは言います。) 熊本地震の際、阿蘇大橋が落下した所の写真を新聞で見て、これは地盤は弱そうだなと思ったのですが、しかし、畑として使うにはよく肥えたいい畑だろうなあという印象を受けました。実際、建物を建てるのにいい土地と畑にするのにいい土地は同じではないわけで、かつ、畑にいいけれども建物を建てるのにいいとは言えない所に家を建てて住む人もいるわけです。そういう場合に、べた基礎・べた基礎二重配筋くらいはいいとして、QCB杭とか鋼管杭を入れてしまうと、将来、家は別の位置に建てて、今、家を建てる場所を畑にしたいとか、運動場のように使いたいとかいった時、費用をかけて杭を入れたのが仇になることだって考えられるのではないか。 総合住宅展示場は借地であるケースが多いようで、地主が布基礎・べた基礎・べた基礎二重配筋はいいけれども、QCB杭や鋼管杭による補強をして建てるのはやめてほしいという条件で貸しているケースがあり、お客様の家なら地盤補強としてQCB杭や鋼管杭を入れて建てる建築会社がべた基礎くらいで住宅展示場を建てているケースがけっこうあるらしい。 そういったことを考えると、本当に地盤が弱いという場合はQCB杭や鋼管杭もしかたないとして、微妙なケースだと、べた基礎、もしくはべた基礎二重配筋なら、沈む場合も全体が沈むので、「べた基礎くらいでだいじょうぶだよ」というくらいの判断の方が、将来、その土地を使う時にいいということはないのか? ・・とか考えてみたりもする、微妙なケースについては、将来のその土地の使い方の幅を考えると、はたしてQCB杭や鋼管杭まで入れる必要があるのかな・・と思うケースもないわけではないのです。だから、(株)一条工務店の地盤についての判断は、1992年までとそれより後では、前の方が絶対的に悪いとも言えないのではないかとも思えてきます・・が、いずれにしても、後の判断が正しいのであれば1992年までに言っていたことは正しいと言えないことになるし、前の判断が正しいのなら後で言ってることは何なんだということになります。ひとつには、実際には両方の面があることをあまりにも絶対的な断定をした言い方をしすぎという点もあるかと思います。
もうちょっと、続く・・・・
(2019.5.2.)
★ (株)一条工務店の浜松営業はどんな連中か。
【1】 (株)一条工務店の浜松の営業とはどういう連中か【1/ 】+遠州人の特徴 「渋谷て言ったら、小岩の東の方だらあ」 「東京駅から大手町駅に行くにはタクシーに乗るのが一番だらあ」https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_1.html
【2】 (株)一条工務店の浜松営業とはどういう連中か【2/ 】ダンピング浜松・名古屋。浜松は東なのか西なのか。「悪くないと思った」と言うと気に入らない人。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_2.html
【3】 「浜松でいいもの」は東京人に?プレカット工場はプレカットせず出荷した? 住友林業は機械プレカットしているのに、「『住友林業はプレカットしてないでしょ』でそれだけで売れる」と言い張る浜松流オリジナル営業。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_3.html
【4】 集成材vsムク材。対住友林業は楽勝か難敵か https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_4.html
★ 「一条工務店の建物は完璧にすばらしい」「一条工務店の建物には問題点はまったくない」の反証
反証1 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_5.html
【C】-4 《1》 床下換気口の真上の位置に柱が載っている。
《2》 柱の下に基礎がない。
《3》 筋交いと換気扇の穴の位置がぶつかり、筋交いを切断している。
反証2 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_6.html
【C】-5 《4》 筋交いが片方の向きばかり。
《5》 寸法違いの丸太梁をそのまま入れる。工務課が工務課として機能していない。
反証3 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_7.html
【C】-6 《6》 断熱材の室内側防湿層を破る。
《7》 断熱材の入れ方不適切。
《8》 やっていないのにカタログに書かれている「エアーフローシステム(壁体内換気)」
反証4 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_8.html
【C】-7 《9》 ヘルメット非着用・吊荷真下作業・無資格者玉掛作業。
反証5 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_9.html
【C】-8 《10》 「施工ミス」「施工不良」「間違った施工」と浜松の営業が言い、会社が作成したアルバム帳に写真入りで記載されている小さい束石の施工を東京都でやっている。大きい束石でも端に床束が載る。床束が束石から浮いている。
反証6
【C】-9 《11》-1 擁壁と基礎のとりあい について工務課(工事担当)が打合せを拒否。(株)一条工務店の東京工務課は深基礎ができないの? https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_11.html
反証6-2
【C】-10 《11》-2https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201904article_12.html 深基礎の見積もりを計上し、深基礎の施工のはずが、どうも、そうなっていなかった可能性が小さくない。
反証7
【C】-11 《12》 地盤調査・地盤補強は要ると言いたいのか要らないと言いたいのか。ある時を画して正反対を平気で言う会社。〔今回〕
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