「一条の家は完璧にすばらしい」の反証8.嘘の多い会社。土台は自社で注入してない。見学会限定の大道芸他
[第701回] 一条の浜松営業【13/ 】
《13》 なにかと嘘の多い会社。
「土台はプレカットしてから加圧注入しています」・「米松はオレゴン州ポートランドで(株)一条U.S.A.が購入したカスケード材を使っています」・「一条で使っている桧は東濃桧」に「ソロモンマホガニー」だの・・と、なんとも嘘の多い会社と思っていたら、「音の伝わり方から梁桁材の強度を調べる機械で梁桁材の強度を調べた上で出荷しています」も単なる大道芸であって嘘だったとは・・。「(株)一条ヨーロッパ」も「エアーフローシステム(壁体内換気)」も嘘だったごとく・・か。「大量仕入れでコストを下げています」と言っても、「その分を安くしてます」とは言っていないし、「安い理由」ならむしろ従業員の給料が安いというのが原因では? 浜松基準の給与、中卒高卒基準の給与。「木造住宅ひとすじという意味で『一条』」も嘘らしい。
1993年5月、浜松での「研修」で名古屋南営業所の「所長」にならせてもらっていたが普通はこんな人は営業として使うことはあっても「所長」にはならさんだろうという男の近藤路夫が「一条工務店の建物はすべてにおいて絶対的にいい」「一条工務店の建物は完璧にすばらしい」「一条工務店の建物は同業他社に比べてすべての面においてことごとく優れている」と発言。よく、そこまで言うなあ~あ・・と思ったのだが、「悪くないよ」というくらいなら、「うん、悪くないかもしれない・・」と思うかもしれないところを、そこまで言うと、「どこが完璧やねん!?!」ということになってしまうのだが、その例をいくつかあげてきた。そこまで言うと、それが違うことを言うための「反証」をあげるなんて、か~んたん! なのだが、あげだしたからには、きりのいいところまで述べることにする。
嘘が多いとしても、とことんなっていない場合と、嘘は多いとしてもそう悪いわけではない場合がある・・→が、そう悪いわけではない場合でも、そうやって嘘をつく人間・会社というのは、それだけ信用のできない会社、嘘をつかなくてもそう悪いわけでもないのに嘘をつかないとおれない性格の人間・体質の会社である、ということが考えられる・・→だから、いいところだってあるのだから、嘘は言わない方がいい・・と思うにもかかわらず嘘をつかないとおれない会社・・というのは、その点においてはプラスの評価はできない。
本当のことを言えばよさそうなのに学歴詐称しないとおれない人というのは、詐称することがその人にプラスになるからではなく、そういう性格の人だからということが多いのと同様、嘘が多い会社というのは、なんだか、そういう性質というのか性格というのかがある場合がある。
最近では、在来木造は、工務店・個人大工でもプレカット工場に依頼して機械プレカットをして建てるというのが普通になってきているので、「(機械)プレカットをしています」と言っても「売り」にも何にもならないのですが、私が(株)一条工務店に入社した1992年頃は、まだ、機械プレカットをして建てている会社とそうでない会社がありました。(株)一条工務店は、同社の「パブリシティー広告」(業界紙などに掲載されたもので、正面から広告として掲載されたものではないが広告の性格ももつもの)に、機械プレカットを導入した理由を初代社長の大澄賢二郎が述べていたのですが、それによると、最初、年間100棟くらいまで建てた時期においては、「良い大工さんに頼んで、良いものをより安く」という姿勢でやってうまくいったが、それが年間200棟・300棟建てるようになってくると、引き渡しの時、必ずしも自信を持ってお施主様にお渡しできると言えない建物が出てきた。それを何とかしないといけないと思って採用したのが、機械プレカットの採用と「工事マニュアル」というものの作成だった、らしい。それまで、機械プレカットというのは建売の会社がおこなうことが多かったらしいのですが、(株)一条工務店は請負で建てていた会社であり、建売の場合はそれぞれの建物が似ているので機械プレカットをやりやすかったのに対し、請負で建てる会社が機械プレカットを採用してやっていけるかという問題があったが、なんとかやっていけるようになった。「工事マニュアル」というのは、大工に頼んで工事をしてもらうと、その大工によってやり方が異なる場合があり、施主としては(株)一条工務店と契約したのに、担当する大工によってやり方が違うというのでは施主としては不満が残る。そこで、「工事マニュアル」を各工程ごとに作って、大工その他の職人にその「マニュアル」を渡して、それに指定されたやり方でやってほしいとお願いするようにしたらしい。職人にはそれぞれのやり方があり、その分野の職人でない者から、こういうやり方でやってもらいたいと言われるのはおもしろくないと思う人もいるはずだったが、そこをなんとか説得して理解してもらうようにした、ということらしい。実際には「大工工事マニュアル」でも、人によってそれまでやってきたやり方は違うということも考慮して、常に必ずこのやり方でということではなく、このやり方かこちらのやり方かどちらかのやり方でやってくださいと2通りか3通りのうちからどれかとしているケースもあるらしい。
機械プレカットの場合、(株)一条工務店は、プレカット工場を自社で持っているというのも「売り」にしていて、浜松・栃木・九州のプレカット工場はいずれもAQ認証を取得した工場だというのも「売り」にしていました。
腐り・白蟻に対する対策として、真壁和室の桧の柱以外は1階より下はすべての木材を防腐防蟻剤(1990年代初めにおいては、CCA。1990年代後半からは、ACQ)をタンクの中で木材に加圧注入するという方法をとっており、この加圧注入の方法では表面塗布の方法よりも内部まで薬剤が浸透するので、腐り・白蟻に対する効果も表面塗布処理の方法よりも長く効果がある、というのも「売り」にしており、かつ、その防腐防蟻剤の加圧注入のタンクも自社の工場に持っていて、自社の工場で加圧注入しており、それについてもJAS認定を取得している、というのも「売り」にしていたのです。(株)住友林業の営業が「あの加圧注入の方法で薬剤を入れた木を使った家になんか住むと健康に良くない」とか「あの方法は木の繊維を殺している」とかなんとかかんとか、全国で中傷を加えまくってきたようですが、一般に表面塗布処理の方法と加圧注入の方法では、加圧注入の方法による防腐防蟻処理の方が薬剤の空中への放散は少ないとされており、「木の繊維を殺している」というのは意味がよくわかりませんが、「加圧」とか「注入」とか言っても木材が破壊されるほどものすごい圧力を加えるわけではありませんから、毎度おなじみ「しょーもないこと言い」の住友林業の営業が言う文句はあたっていないでしょう。かつ、住友林業の営業は、加圧注入の方法の防腐防蟻処理をした木材についてせっせと中傷を加えていたのですが、住友林業の家もまた、その頃、土台についてはその加圧注入の方法をとった木材を使用していたはずなのです。ですから、なんだか、よく言うよなあ・・て気がしますが、そんなものでした。
それで。(株)一条工務店に入社して1年目の中途入社の新入社員研修の時ですが、「土台については、加圧注入した木材は商品として売られているので、土台は加圧注入材を買ってきて使用している会社はけっこうありますが、一条工務店の場合は、(機械)プレカットをしていて、プレカットの機械を自社工場に持っていて、加圧注入のタンクも自社の工場に持っていて自社で加圧注入しているので、他社の場合は、たとえ、加圧注入した木材を土台に使う場合でも、『注入してからプレカット加工をする』という順番になるので、せっかく加圧注入しても一番よく注入できている部分を削り落としてしまうことになる。それに対して、一条工務店の場合は、自社でプレカットをやっていて加圧注入も自社でやっているので、『(機械)プレカットをしてから加圧注入する』という順番になって、一番よく注入できている所が一番表にくるようになる。『プレカットをしてから注入する』のが一条工務店で他社の場合は土台に加圧注入材を使っている場合も『注入しているからプレカット加工』という順番になって、それだとせっかく加圧注入しても効果は薄いことになる。それだと腐りや白蟻にやられることが考えられますね」と講師役の従業員から教えられたのです。私はその話を聞いて、「なるほどお~お。加工してから注入しているのかあ。それなら、注入してから加工する方法よりいいよなあ」と思ったのです。
しかし、ふと気づいたのですが、土台の継手(つぎて)・(しぐち)といったところやホゾ穴は「加工してから注入」していたとしても、鉄筋コンクリートの基礎と土台の緊結は基礎から上に出したアンカーボルトに土台の穴を突っ込んだ上で、その上部にナットを締めて固定します。 そのアンカーボルトの穴は、在来木造の場合は建築現場で、上棟の少し前に大工さんが鉄筋コンクリートの基礎から出ているアンカーボルトの位置に合わせて工事現場で開けて土台を据えていたのです。(株)一条工務店の浜松での「研修」では、講師役の人が「他社でも土台については加圧注入材を使用している所がありますが、その場合、加圧注入材を使用しても、一条工務店とは違って『注入してから加工する』という順番ですから、それでは腐り・白蟻にやられてしまいますね」と話して中途入社新入社員に教えたわけです。その理屈からいくと、アンカーボルトの穴の部分というのは、(株)一条工務店の建物もまた、腐り・白蟻にやられてしまうおそれがあるということになるのではないのか? ・・そう思いませんか? その「一条がやっている『加工してから注入する』という順番ならいいのですが、土台に加圧注入材を使用している他社の『注入してから加工する』という順番ではせっかく注入しても薬剤が浸透した部分を削り落とすことになりますから、腐り・白蟻にやられてしまいますね」というのは(株)一条工務店の研修が言ったことであって私が言い出したことではないのです。私は(株)一条工務店に入社した1年目においては建築・住宅についてそれほどよくわかっていた人間でもないし、同業他社に少しいたことがあるといっても、いたことがある同業他社は木質系とはいえ在来木造を主とする会社ではないし、両方を通算してもたいした年数いたわけではなく、卒業した大学は建築学科・土木学科などではないししますので、採用してくれた(株)一条工務店が「研修」で教えることは必死で学習して仕事にいかしたいと思い、一生懸命学んだのです。そこで「土台については加圧注入されたものが商品として売られていますので、同業他社でも土台は加圧注入した木材を使用している会社がありますが、一条の場合はプレカットの機械と加圧注入のタンクを自社の工場で持っているので、『加工してから注入』することができるのに対して、自社でプレカットをしていない、加圧注入された商品としての土台材を購入して材木会社にプレカットを依頼している会社の場合は、『注入してから加工する』という順番になり、それでは腐り・白蟻にやられてしまいますね」と教えられたのです。それを話したのは静岡県地域で営業をやっていた課長の石橋さんだったような気がしますが他の人だったかもしれません。ともかく、(株)一条工務店の「研修」で講師役の人がそう教えたわけです。だから、会社が「研修」で教えることなんだからそうなのだろうと思ったわけです・・が、しかし、(株)一条工務店の建築現場でよく見ると、アンカーボルトの穴については、(株)一条工務店も「注入してから加工する」という順番でやっていたのです。「その順番では腐りや白蟻にやられてしまいますね」と教えたのは(株)一条工務店の「研修」で講師役で来た人なのです。ということは、その「研修」で教えられた話を基準として考えると、(株)一条工務店の建物の土台もまた、「腐りや白蟻にやられてしまいますね」ということになる・・のか? どうなんだろうと思い、私は質問したのです。「アンカーボルトの穴は、注入してから加工するという順番でも大丈夫なのですか?」と。
私としては、質問すると答えてもらえると思って質問したのです。特に、営業は、営業が疑問に思ったようなことはお客様もまた疑問に思うことが考えられ、お客様から質問されることが予想されますから、実際にお客様から質問されるよりも前に、その質問に対する答えを用意しておく必要がありますから、だから、お客様から質問されるよりも前に質問してその答えを理解しておかないといけないと思ったのです。・・小堀住研(株)では最初の新卒社員研修の時に「もし、カタログや『営業知識マニュアル』などを読んで、わからないところがあったなら、決してそのままにしないで、お客様から質問されるより前に、課長なり先輩社員なり、その専門の部署の者なりに質問するか、自分自身で調べるかして理解し、お客様から質問されても答えられるようにしておくこと」と教えられたものでしたが、A社ではあてはまるがB社ではあてはまらないというものもあるでしょうけれども、これは小堀住研(株)ではあてはまるが他の会社ではあてはまらないものではなく、どこの会社においてもあてはまるものだろうと私は思いこんでいたのです。ところがどっこい、(株)一条工務店という会社は「質問するとよくない会社」だったのです。質問してどうなったかというと、営業本部長の天野隆夫から「おまえ、そんなこと言うのなら、エスバイエルに行けよお!」とそう言われたのです。なんで、そんな話になるのですか??!!??
「加工してから注入しているので一番よく注入できているところが表面になる」というのを「売り」にしていた(株)一条工務店は、なぜ、土台のアンカーボルトの穴については「加工してから注入する」という順番にしないのか??? 不思議に思いませんか? でも、質問するといけないのです。質問すると、「そんなこと言うならエスバイエルに行けよお!」と言われることになるのです。だから、なんかどうもよくわからない「消化不良」というのか「痒い所に手が届かない」というのか、どうも気持ちの悪い状態が続いたのです。
在来木造の建物では、たいてい、基礎と土台を緊結するアンカーボルトの穴は工事現場で大工さんが上棟の少し前に開けています。アンカーボルトの穴は、あらかじめ、機械プレカットで開けたのでは、基礎から上に出たアンカーボルトと位置を合わせることができないから、だから、土台のアンカーボルトの穴については、「注入してから加工する」という順番にするしかないということなのだろうか?・・と思ったのでしたが、そうでもないようです。アンカーボルトの穴を、先に機械プレカットで開けて防腐防蟻剤を注入し、その穴にぴったり合うようにアンカーボルトを基礎から出すようにするというのは、やる気になればできないことはないようなのです。なぜかというと、鉄骨造の建物というのは、基礎は鉄筋コンクリートですが、土台は鉄骨ですね。土台は木でできているわけではありませんね。積水ハウス(株)は、もともと、軽量鉄骨軸組構法で住宅を建てていましたが、1980年代だったと思いますが、在来木造のトーヨド建設を買収して積水ハウス木造という会社にし、後に積水ハウス木造も積水ハウスに取り込み、今は、積水ハウスとして軽量鉄骨軸組構法と在来木造の2つの構法で建てていますが、その軽量鉄骨軸組構法の方の建物は、土台は鉄骨で、鉄骨の土台というのは、上棟の少し前に工事現場で大工さんがアンカーボルトの穴を開けるということはできませんから、だから、工事現場に鉄骨の土台が届けられるより前にアンカーボルトの穴は開いている、開けられているのです。その穴にアンカーボルトがきっちりとささるように、鉄骨造の建物のアンカーボルトというのは、木質系の建物のアンカーボルトよりもはるかに正確な位置につけられているようなのです。鉄骨造の建物では、土台のアンカーボルトの穴はあらかじめ工事現場よりも前に開けられて工事現場に土台の鉄骨が届けられ、鉄筋コンクリートの基礎から出ているアンカーボルトはその穴にぴったりと合う位置に正確に出るように施工されているらしい。そうでないと、鉄骨造のアンカーボルトははまらないわけです。この原理、誰に教えてもらったかというと、元積水ハウスの工事担当をしていた人に教えてもらったのです。元積水ハウスの工事担当者とどこで知り合ったかというと、(株)一条工務店で知り合ったのです。同業他社にいたことがある人から話を聞くと、そういったことを学ぶことができます。(株)一条工務店のオーナー経営者一族は、同業他社にいたことがある人間を嫌い、できるだけ、同業他社の話をさせないようにしたがるのですが、愚かだと思いますね。太平洋戦争の時、日本では英語を「敵国語」だか「敵性語」だか言って学ばせないようにして、野球でもストライクを「よし」、ボールを「だめ」と言った時代があったというのですが、アーサー=ビナード『知らなかった、ぼくらの戦争』(2017.4.2.小学館)では、アーサー=ビナードさんが、≪「敵性語」というキャッチコピーは、筋が通っているように見えて、実態は矛盾だらけだ。「鬼畜米英の言葉など学んではダメだ!」と、大日本帝国政府はキャンペーンを張ったが、その真の目的は、一般市民が日本語以外の情報源にアクセスできないようにすることだったのだろう。意地悪な言い方をすれば「愛国のパッケージに包んだ愚民政策」であった。≫ ≪・・・池袋の英会話スクールが大学新卒のぼくを教師として採用してくれたおかげで、禄を食むことができた。当時は生徒にもまだ「戦中派」が少なからずいて、彼らから「敵性語」という言葉を教えてもらい、腰をぬかすほど驚いた。「本気でアメリカと張り合うつもりなら英語を理解していたほうがいいんじゃないか!?」 生徒たちも「それはそうだな」と一様にうなずき、「あの時代の教育は愚かなものだった」と、ひとまずの結論が出た。≫と述べているが、(株)一条工務店が同業他社にいた者に発言させないようにしたがるのも、この国民に「敵国」のことを学ばせないようにしようという戦中の愚民政策と同様のもののようだ。同業他社のことを知らないようにさせて、「一条工務店の建物は、すべてにわたって、同業他社よりもずばぬけていい」「一条工務店の建物は完璧にすばらしい」「一条工務店の建物はすべてにおいてまったく問題がない」とかなんとかかんとか、事実に反することをわあわあ吹き込めば、そうすれば、従業員は「愛国心」を会社に持つだろう・・みたいな愚かな考えの「遠州人」がこの会社にいたわけだ。哀しい発想・貧困な精神だと思う。私は「慶應大学の商学部の卒業生として採用」されたと思っていたので、そうである以上、会社を運営する仕事に携わり、会社が発展していくようにするためには、まず、同業他社についても知らないといけないし、それはまず、事実を事実として知る必要があるわけで、そんなことは当たり前のことだと思っていたのだが、(株)一条工務店のオーナー経営者一族とその取り巻きにとっては「当たり前」ではなかったようだ。
防腐防蟻剤について、表面塗布処理の方法では、上棟後、ある程度、建物が組み上がってから塗布するのが普通であり、そのため、継手・仕口といった木を組み合わせる部分に塗布するのが難しいという問題があり、それに対して、加圧注入の方法で、もしも、「加工してから注入する」という方法を取れば、一番よく注入された部分が表面にくることになるが、加圧注入の方法でも、「注入してから加工する」という順番の場合には、一番よく注入された部分を削り落とすことになってしまう、という問題点がある。
この点についてどう考えるべきか。私はずいぶんと考えた。そして、杉山英男『デザイナーのための木構造』(彰国社)にその答えが書かれていた・・と思った。「表面塗布処理の方法よりも加圧注入の方法の方が、薬剤はよく浸透する。しかし、加圧注入の方法でも、注入してから切ったり削ったりした場合には、その部分に表面塗布処理をおこなうべきである。」・・とそう書いてあった、と思ったのだ。なるほど。しかし、現実に、自社および他社の工事現場をのぞいて見ても、加圧注入の方法をとって、なおかつ、加圧注入してから切ったり削ったりした部分に表面塗布処理をしている木構造の建物というのは見ることがなかった。防腐防蟻の効果を有効にするためには、一番理想的なところから考えるとそうするべきであるのだけれども、現実に、そこまでやっている会社はなかったのではないか。特に、アンカーボルトの穴について、穴を開けてから穴に表面塗布処理をした上で、アンカーボルトに土台を通していた会社というのはなかったのではないか。 それで、「・・と思った」というのはどういうことかというと、たしか、杉山英男『デザイナーのための木構造』(彰国社)に書かれていた「と思った」のだが、今、同書を読み返して見ても、どうも、それが見当たらないので、他の本で読んだものだったのかもしれない。ともかく、誰がどこに書いていたのかはさておき、防腐防蟻の方法として一番理想的なところから考えるのであれば、加圧注入の方法で「加工してから注入する」という順番でやるが、加圧注入の方法でも注入してから切ったり削ったりした場合にはその部分には表面塗布処理をおこなう・・とするのがいいということなのだろう。
土台のアンカーボルトの穴について「加工してから注入する」という順番にしようと思えば、技術的にはできないことはないはずです。積水ハウスなど鉄骨系の建築会社は土台のアンカーボルトの穴は工事現場に土台の鉄骨を届けるよりも前にあらかじめ開けていて、鉄筋コンクリートの基礎から出すアンカーボルトはその穴にぴったり合う位置に正確に出すようにしているのですから、(株)一条工務店でもそのようにしようと思えばできないということはなかったはずです。しかし、やらなかった。なぜか。結論を言うと、そこまで正確な位置にアンカーボルトを出してくれと基礎屋に言うと、(株)一条工務店が払っている「単価」ではそこまではできない、もう少し出してくれということになるか、それだけのレベルの技術力のない基礎屋は仕事を断ることになるか・・ということが考えられるから、だから、やらなかったのでしょう。
建築基準法では、土台については、桧・ヒバ・栗・米桧・米ヒバなどの腐りにくい木を使うか、薬剤処理をするかで、薬剤処理の場合に表面塗布処理と加圧注入処理があったわけですが、桧・ヒバはヒノキチオールという物質を含んでいて、これは白蟻が嫌がる物質らしく、又、栗は大変硬くて腐りや白蟻の被害にあいにくい木らしい。そういうものを使えば、「加工してから注入するか」「注入してから加工するか」という問題はなくなります。 しかし、その頃の(株)一条工務店は「ボリデン」という商品名がついていた「ベイツガに防腐防蟻剤を加圧注入したもの」を使っていて、これが腐り・白蟻には一番強いのです・・と言っていた。
ともかく、実際には、(株)一条工務店も土台のアンカーボルトの穴については「注入してから加工する」という順番でやっていたわけです。ということは、(株)一条工務店の建物もアンカーボルトの穴については腐り・白蟻の被害にあう建物だということになるのか、他の木質系の会社で土台材に「ボリデン」という「ベイツガに防腐防蟻剤を加圧注入したもの」を買ってきて、「注入したものを加工する」という方法をとっている会社の建物でも、その点については問題は特にないのか、どちらかということになりますね。ところが、そうではなく「一条工務店の土台は加工してから注入しているので、まったく問題はないが、他社の場合は注入してから加工するという順番なので腐り・白蟻の被害にあうことになる」と言い張るのです。それは理屈に合わないのではないか??? ・・と思うのですが、(株)一条工務店という会社でそれを言うと、「そんなこと言うなら、エスバイエルに行けよお」とエスバイエル(株)は土台の加工と注入の順番がどうなんて何も言っていないのに、そんなことを言われることになるのです。
結論を言うと、土台材は「加工してから注入」の順番の方がよく、アンカーボルトの穴もまた、「加工してから注入」という順番にした方が腐り・白蟻の被害にできるだけ合わないようにするためにはいいはずですが、そのためには、その時点の(株)一条工務店の基礎工事よりも、もっと正確な位置にアンカーボルトを出すように基礎屋にしてもらわないといけないことになり、そうしてもらうには基礎屋に払う「単価」をあげてくれと言われる可能性もあり、それだけ正確な位置にアンカーボルトを出すことができるかどうかわからない基礎屋もあるので、そうしなかった、というところではないかと思います・・が、それならそれで、従業員にきっちりとそう言えばよさそうなものですが、言いたくない、あくまで、そうではなく「一条工務店の土台は加工してから注入しているので、まったく問題はないが、他社の場合は注入してから加工するという順番なので腐り・白蟻の被害にあうことになる」と言い張りたかったようでした。
さらに、もっと大きな問題として、「土台については、加圧注入した土台材を商品として売っているので、そういうものを買って加工して建てている会社もあるのですが、そういう場合は、『注入してから加工』としていう順番で、一条工務店のように『加工してから注入』という順番ではないので、腐り・白蟻にやられてしまいます」という(株)一条工務店が「研修」で従業員に教えていた内容が、そもそも、嘘だったのです。どこが嘘かというと、(株)一条工務店の構造段階の工事現場に行って基礎の上に据えられている土台を見ると、そこには「三井木材工業」と書かれたスタンプが押されていたのです。入社してそれほど経たない時期に、浜松の営業所の所長だった平松さんから構造についての説明の話を聞かせてもらったことがあり、その際、平松さんが「一条の建物は、木造のどの会社の建物と比べても悪くない建物だから」と言うので、「それは建売の建物とか小規模な工務店の建物とかとの比較ではなく、請負で建てている大手の会社の建物と比較してもということですか」と私が質問したところ、平松さんが「おう、請負で建てている大手の会社の建物と比べても劣らない。住林でも東日本(ハウス)でも、一条の建物は劣らないから」と言い、そして、「今、あんた、俺に質問したけれども、質問して悪いことはない。質問していいけれども、それよりも、あんた、自分でうちの建物の工事現場に行って、住林なり東日本なりの工事現場に行って、自分の眼で見て確認するようにした方がもっといい」と言ってもらい、それは大いにもっともなことだと思い、私は自社と他社の工事現場に足を運んで自分自身の眼で見てまわったのです。そうすると、たしかにいいところもあったけれども、問題点もあったのです。そして、問題点ということではないが、「三井木材工業」とスタンプが押された土台が基礎に据えられているのも見て、(株)一条工務店がその部分について「研修」で教えていたことは嘘じゃないか! という点にも気づいたのでした。
「一条工務店の場合は、プレカットの機械と加圧注入のタンクが自社にあるので、加工してから注入するという方法の土台を使用しています」という話が嘘だったのです。桧の通し柱・杉の管柱や大引・根太・床束・1階部分の筋交いといったものは、自社の工場で機械プレカットして加圧注入していたようですが、土台はそうではなく、注入した木材を商品として売られているものを三井木材工業とかから購入して、それを加工して使っていたようでした。だから、「三井木材工業」と書かれたスタンプが押された木材が(株)一条工務店の基礎の上に土台として据えられていたのです。 ですから、アンカーボルトの穴だけではなく、継手・仕口やホゾ穴も、「注入してから加工する」という順番だったのです。(株)一条工務店は「研修」で嘘を教えていたのでした。
「注入してから加工する」という順番による土台であっても、木質系の他社の建物との比較であれば、他社もその順番ですから、一番理想的な状態から考えれば問題はあるとしても、他社との比較で考えるのであれば特に悪いわけではありません。しかし、その「嘘を研修で教える」「嘘を営業に見込客に話させようとする」という会社の性質については、どう考えてもその点はいいとは言えません・・などと言うと、「そんなこと言うなら、エスバイエルに行けよお!」と、この件について、(株)エスバイエルは何も言ってないのに営業本部長の天野隆夫から言われることになるのです。(株)一条工務店という会社はそういう会社でした。そういう点は、どう考えてもいいとは言えない。そう思いませんか? そういう「研修で嘘を教える」「営業に嘘を見込客に話させようとする」というそういう姿勢というのは、いいと思いますか? 「完璧にすばらしい」と思いますか?
「今は、梁桁材については、大手の会社でも小規模な工務店・個人大工を通じて、北アメリカから輸入したダグラスファー(米松 べいまつ)を使うのが通常で、柱を国産材を使っているという会社でも、梁桁材は輸入材です。一条工務店の場合、その米松(ダグラスファー)をアメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドに(株)一条U.S.A.という現地法人を作って、現地で木材を購入して加工して日本に運ぶという方法をとっているのですが、米松(ダグラスファー)にも、目が詰まったいいものとそうでもないものがあり、質がいいものから、カスケード・セミカスケード・コースト・ツーボードと言われるのですが、(株)一条U.S.A.が現地で買うものは、カスケード・セミカスケードと言われるものが手に入るのですが、商社を通じて買うものの場合、カスケード材は手に入らなくて、セミカスケードかコーストと言われるそれより劣るものになります。」と「研修」で教えられたのです。 地図を見ると、アメリカ合衆国からカナダにかけて、西寄りにロッキー山脈が南北に走っており、そのロッキー山脈の西にカスケード山脈というのがあり、さらに海寄りにコーストレーンジス山脈というのがあるようです。「カスケード」というのはそのカスケード山脈でとれるダグラスファー(米松)で、「コースト」というのはコーストレーンジス山脈でとれるダグラスファー(米松)ということなのでしょうか。
それはいいのですが、同時に、「実際には、現地で買うものと、日本で商社を通じて買うものと両方あります」と教えてもらい、それだと、現地で買った目が詰まったものを使って建てた家と日本で商社を通じて買ったあまり目の詰まっていないものを使って建てた家とで同じ値段では不公平てことにならないか・・・と思ったのですが、「実際は、両方をまぜて使ってますね。どちらがその家の工事に使われるかまでは、わからないし、指定はできません」と言われたのです。、
その際、「研修」で説明してくれた講師役として来た人は課長の石橋さんだったように思うのですが他の人だったかもしれません。教室のような部屋で説明してもらった後、浜松の工場を一緒に歩き、工場内に置かれているダグラスファー(米松)の木を見て、「これは、現地で買ったものですね」「これなんかは、日本で商社を通じて買ったものです」と指さして言ってもらい、見ただけでわかるのか、すごいなあ、たいしたものだなあとその時は感心したのですが、実際にはそこまで「たいしたもの」というわけでもありません。その後、私自身もわかるようになりました。ひとつだけあったのでは判別は難しいかもしれませんが、両方が同じ工場の敷地に置かれておれば、見比べれば、目の詰まり方がまったく違いますから、「特別にものすごい修練を積んだ人」とかでなくても、ある程度、在籍した人間ならわかる方が普通です(佐野展示場にいた「高木のおっさん」とか、わけわからんままに営業やって、通算契約棟数はそれなりに数えた、「あんなんで、よく売ったなあ」て感じのおっさんは、もしかすると、長くいてもわからないかもしれませんけれども)。
しかし、(株)一条工務店は、工場見学会とかで、来場したお客様に説明係が「一条工務店は、梁桁材に使用する米松はアメリカ合衆国のポートランドに設立した(株)一条U.S.A.という現地法人が購入したものを現地で加工して日本に運んで使っています。他社は日本で商社を通じて買っていますが、現地で買った方が米松でも目が詰まったカスケード材を買えるのです」とハンドマイク持って説明していたのです。実際は日本で商社を通じて買った米松も使っていたのに。「当店は丹波産黒豆を使用しています」と書き出して、実際は丹波産でない黒豆も使っている飯屋みたいなものか? その後、作成した見込客に貸し出していたビデオでも「一条工務店で使っている梁材は、アメリカ合衆国オレゴン州で育ったものを、ここ一条U.S.A.の工場で加工されて日本に運ばれます・・と、すべての梁桁材を現地で購入して日本に運んでいるかのようにナレーターが話していたのです。そういうのはどうでしょうか? 現地で買ったものも日本で商社を通じて買ったものも欠陥品とかではありませんが、そうはいっても、アメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドで現地法人が現地で買ったものを使っていますと言われて契約して建てた家には、実際には日本で商社を通じて購入したものが使われている場合もあったわけです。自分の家に使われたものがどちらのものなのか見分けることのできるお施主様というのはそう多くないと思いますしわからないかもしれませんが、本当のことをそのまま言ってもそんなに悪いものではないのに、嘘を言わないとおれないというその性質というのか性格というのかはどうなのでしょう。「別に特別に悪い人ではない」と思ったのに、学歴詐称しないとおれない習癖の人、資格を詐称しないとおれない人っていますでしょ。そういう人を見ると、実際はその人が詐称している学歴よりも低学歴であってもそんなに悪い人ではないように思っても、それでも詐称しないとおれない人間だという点においてその人の評価は下がるのです。人間、誰しも、自分の経歴であんまり言いたくない部分というのもある程度以上の年齢になるとできてくるかもしれませんし、そういうのをほじくりかえして尋ねることもないでしょうけれども、言いたくない部分は言わなければいいことで、嘘を言いまくる人というのは、なんだかなあ・・と思います。それと同様かどうか、それより良くないかもしれません。
(株)一条工務店が作成したビデオでは、女性ナレーターが「一条工務店で柱に使用している桧は、東濃桧」と言っていたのです・・が、ところが、(株)一条工務店のプレカット工場に行ってみると、「東濃桧」とスタンプが押された桧の柱もありますが、「吉野桧」「美作桧」「博多桧」とスタンプが押された柱材もあったのです。別に、「東濃桧」でなくても吉野の桧でも何も悪くないのです。「美作桧」というのは岡山県北部、旧美作の国で産した桧でしょうか。「博多桧」というのは福岡県の博多の街中で桧を造林しているわけでもなさそうに思いますが、福岡県のその周辺で育てた桧を博多の材木市場に集めて売るようにしたもののことなのでしょうか。いずれにしても、東濃産でない桧で悪いことはないはずなのですが、しかし、ビデオで「一条工務店の家で使われる桧の柱は東濃桧」と(株)一条工務店が作成したビデオでナレーターが発言しているのを聞いた上で見ると・・、「嘘やんけ!」ということになってしまうのです。なぜ、事実を事実に即して言わないのだろうか・・と思うのですが、なじかは知らねど嘘を言うのが好きな会社でした。
さらに、「(株)一条工務店の家の巾木・廻り縁などには『ソロモンマホガニー』のムク材を使っています」と言っていたのです。さらに、「マホガニーなんて、高級家具に使われるような銘木ですよ。一条工務店はそういう木を巾木や廻り縁に使ってるんですよ」と東京営業所(展示場)の服部はお客さんに話していたのでした。彼は私より年下でしたが私よりも2カ月ほど先に入社した人間でしたので、自分より先に入社した者が言うのならそうなのだろう・・・と思ったのです。そして、そう思ったものですから、実は私も、「ソロモンマホガニーって、どんな木なのですか」と言われて、「ソロモン諸島でとれるマホガニーです」なんて言ってしまったことがあったのです・・が、実は違うのです。「ソロモンマホガニー」というのは「カラフトししゃも」か「キンメダイ」みたいなもの、もしくは、「カニみたいに見えるタラ加工品」「シメジと称するヒラタケ」みたいなものらしい。要するに、マホガニーではないのです。
「カラフトししゃも」とか「子持ちししゃも」として売られている魚、すべてメスで子供を持っているもので、けっこうおいしくて好物なのですが、卵というのはコレステロール値が高いという欠点はあるとしても、ともかく、おいしい・・けれども、厳密には「カラフトししゃも」とか「子持ちシシャモ」と言われて売られている魚は「キャペリン」という名前の魚で、本来の「ししゃも」とは別の魚らしい。「キンメダイ」はおいしいのですが、鯛ではなく、鯛とは魚の種類も違うらしい。「におい松茸、味、シメジ」なんて言われる「シメジ」のことだろうと思って、世間で「シメジ」とされているものを食べると、そこまでのものかなあ・・とか思ったりしますが、『美味しんぼ(おいしんぼ)』に出ていた話によると、世間で「シメジ」として売られているキノコは「ヒラタケ」というものでシメジとは別物らしい。「ヒラタケだっておいしいんだから、ヒラタケのことをシメジなんて言わないで、ヒラタケはヒラタケと言うべきだ」と『美味しんぼ』では登場人物が言う場面がありましたが、私もそう思います。「カニ肉みたいに見えるタラ加工食品」というのは、今では誰もが知っていますが、最初に登場した頃は私も本物のカニ肉かと思いました。
「ソロモンマホガニー」というのは何なのかというと、本来は「マトア」という名前の木のようで、マホガニーとは別の木であるだけでなく、マホガニーとマトアは木の種類として同じ種類ではなく種類もまったく別のものです。 ソロモン諸島というのはどこにあるかというと、栃木県の佐野市の展示場に来場された男性から、「ソロモン諸島てどこにあるの?」と尋ねられて、「パプアニューギニアの東のあたりです。かつて、第二次世界大戦の時、日本軍が餓死したガダルカナル島にソロモン諸島の首都のホニアラはあります」と説明したところ、「パプアニューギニアてどこにあるの?」と言われたので、「ニューギニア島の東半分とその北東にあるいくつかの島です。 ニューギニア島の北東部にあるニューブリテン島のラバウルというのは、戦中には『さらば、ラバウルよ』という軍歌に歌われた場所ですね」と言うと、「さっぱりわからない。ニューギニア島てどこにあるの?」と言われ、ニューギニア島も知らんとなると困ったなあと思いつつも、「インドネシアの一番東の方です」と言ったところ、今度は「インドネシアてどこにあるの?」と言われ、インドネシアもどこにあるかわからんとなると、どない説明したらええねん? と思いつつも、「インドネシアは、マレーシアとかシンガポールのすぐ南、フィリピンの南の方です」と言うと、「ああ、フィリピンの南の方か。なんだ、そう言ってもらえばすぐにわかるのに」と言われた・・・ということがありました。フィリピンを基準にして説明すればわかるというおっさん・・て、(株)一条工務店の経営者みたいやなあ・・と思ったのですが、ともかく、ソロモン諸島というのはそういうあたりで、「マトア」という木はニューギニア島とかでとれるようで、マホガニーは「ホンジュラスマホガニー」とか「メキシカンマホガニー」とか言われる中南米でとれるマホガニーが上質でいいと言われるが、アフリカでとれるものもあるらしい。ともかく、(株)一条工務店が「ソロモンマホガニー」と称してカタログに印刷して巾木とか廻り縁とかに使っていたのは、マホガニーではなくマトアだったのです。
「マトア」を「ソロモンマホガニー」なんて言い出したのは、(株)一条工務店ではなくカリモク家具らしく、又、木の名前を本来の名前で言わずに、桧とかマホガニーとか評価が高い木に「◇◇桧」とか「☆☆マホガニー」とか言うというのは、これは林業・木材加工業・木質建築業・木質家具業などの業界では、けっこう「あること」らしいのですが、「あること」であったとしても、あんまりいいとは思いませんねえ。「マトア」は決して悪い木ではないし、というよりも、我が家の巾木や廻り縁に使われている木なんかよりずっといいのですが、それを「ソロモンマホガニー」なんて言われると・・・、「マホガニーちゃうやんか・・・」と思うのですよ。「マトア」は「マトア」と言うべきだと思いますね。そう思いませんか? 東京営業所の服部がお客さんに話していた「高級家具なんかに使われるマホガニーを一条工務店は巾木や廻り縁に使っちゃってるんですよ」というのは嘘です。そんなの、使ってませんて。彼も中途入社して1年目の時期のことでしたから本気で「一条の嘘」を信じていたのかもしれませんが、そんな「高級家具に使うような銘木」を巾木や廻り縁に使ったりしませんて。
実際にはオレゴン州ポートランドで(株)一条U.S.A.が買ったカスケード・セミカスケードだけを使っていたわけでなく日本で商社を通じて購入したセミカスケード・コーストと言われるダグラスファー(米松)も梁桁材に使用していたにもかかわらず、「一条工務店は、アメリカ合衆国のポートランドに一条U.S.A.という現地法人を作って同社が現地で買った目が詰まったいい米松を使用しています」と、(株)一条工務店で建てる家の梁桁材に使うダグラスファー(米松)はすべてのものが現地で買ったカスケード材みたいな言い方、実際は丹波産黒豆でない黒豆も使っているのに「当店では丹波産黒豆を使用しています」と書いて貼ってる飯屋みたいなことを工場見学会の時に説明係がしていたのです・・が、それとともに、工場見学会の時には、梁桁材の強度を計測する機械として(株)一条工務店が浜松のそういう工具のメーカーと共同で開発したという音の伝わり方から梁桁材の強度を調べる機械というのを使い、梁桁材の片方の木口(こぐち)をコンと叩いて音の伝わり方からランプが緑・黄・赤のいずれかが点灯し緑が点灯したものは相当に強い、黄色はちょっと心もとないが使える、赤は梁桁材としては使わずにそれより強い力がかからない場所で使うようにするべきだという表示ですと言って、「あ、緑が点灯しましたね」「あ、これは黄色ですね」とか言って実演して見せていたのです。しかし、そうやって検査した上で加工して工事現場に梁桁材を送り届けていたのなら「最初からまっぷたつに割れた梁」なんてのが工事現場に送り届けられることはないはずだと思いませんか? それなのに福島県いわき市の営業所に在籍した時、私が現実に見たものでも、他の営業が担当の家で1件、私が営業担当の家で1件、完全にまっぷたつに割れた梁が工事現場に届けられていたのです。な~んでだ? 音の伝わり方から強度を調べる機械で強度を調べた上で加工して工事現場に送るということをしている以上、「完全にまっぷたつに割れた梁」なんて工事現場に送られるはずないのにと思いませんか?
(株)一条工務店である程度以上の期間、工務課(工事担当)をやった人間、営業をやった人間でも、「梁の強度を調べる機械で強度を調べた上で加工して送ってきているはずなのに、なんで、こんなまっぷたつに割れたようなのを送ってくるんだろう」と不思議に思っていた人がいた。私も不思議に思いました・・が、2002年、嫌がらせで山梨県上野原市の工場に勤務させられまして、それでその理由がわかりました。「木口をコンと叩いて、その音の伝わり方で梁桁材の強度を調べる機械による検査」なんて、そんなもの、もともと、やってなかったのです。「木口をコンと叩いて、その音の伝わり方で梁桁材の強度を調べる機械による検査」というのは、あれは「工場見学会」の日だけ限定で工場見学会に来場されたお客様に見せるためだけの大道芸だったのです。よくやるなあ・・と思いましたがそういう会社だったのです。だいたい、「ポートランドの現地で買った米松」と「日本で商社を通じて買った米松」は見ただけでも目の詰まり方がはっきりと違いますから、「音の伝わり方から強度を調べる機械」とやらで大道芸やらなくてもどっちが強いかはわかりますしね。
「一条工務店は住設機器にしても、大量仕入れでコストを下げています」と工場見学会の時も言っていたと思いますし、ビデオとかでも言ってたような気がするのですが、これも「大量仕入れで値引き率を大きくした価格で買っていたかもしれない」けれども、「あくまでも、『安く買っている』ということであって、その分をお客さんに安く入れていたわけではない」という説もあったのです。安く買った差額分はあくまでもオーナー経営者の懐に入ったのだ・・と。ありそうな感じしますね・・。
「一条工務店」の名前の由来は「木造住宅ひとすじ」なんて言う人がありましたが、そうじゃなくて、京都の三条通りに「税金対策」の架空会社を作ったことがあって、それを「三条工務店より一条工務店の方がいいだろ」と名づけたのが始まり・・てのが本当らしい。
嘘の多い会社が好きという人もいるのかもしれないが、私はその部分にはあんまり好印象は受けないですね。嘘つく必要のないところで嘘つくやつというのは、やっぱりそういうやつだと思いますよ。
(2019.5.4.)
《13》 なにかと嘘の多い会社。
「土台はプレカットしてから加圧注入しています」・「米松はオレゴン州ポートランドで(株)一条U.S.A.が購入したカスケード材を使っています」・「一条で使っている桧は東濃桧」に「ソロモンマホガニー」だの・・と、なんとも嘘の多い会社と思っていたら、「音の伝わり方から梁桁材の強度を調べる機械で梁桁材の強度を調べた上で出荷しています」も単なる大道芸であって嘘だったとは・・。「(株)一条ヨーロッパ」も「エアーフローシステム(壁体内換気)」も嘘だったごとく・・か。「大量仕入れでコストを下げています」と言っても、「その分を安くしてます」とは言っていないし、「安い理由」ならむしろ従業員の給料が安いというのが原因では? 浜松基準の給与、中卒高卒基準の給与。「木造住宅ひとすじという意味で『一条』」も嘘らしい。
1993年5月、浜松での「研修」で名古屋南営業所の「所長」にならせてもらっていたが普通はこんな人は営業として使うことはあっても「所長」にはならさんだろうという男の近藤路夫が「一条工務店の建物はすべてにおいて絶対的にいい」「一条工務店の建物は完璧にすばらしい」「一条工務店の建物は同業他社に比べてすべての面においてことごとく優れている」と発言。よく、そこまで言うなあ~あ・・と思ったのだが、「悪くないよ」というくらいなら、「うん、悪くないかもしれない・・」と思うかもしれないところを、そこまで言うと、「どこが完璧やねん!?!」ということになってしまうのだが、その例をいくつかあげてきた。そこまで言うと、それが違うことを言うための「反証」をあげるなんて、か~んたん! なのだが、あげだしたからには、きりのいいところまで述べることにする。
嘘が多いとしても、とことんなっていない場合と、嘘は多いとしてもそう悪いわけではない場合がある・・→が、そう悪いわけではない場合でも、そうやって嘘をつく人間・会社というのは、それだけ信用のできない会社、嘘をつかなくてもそう悪いわけでもないのに嘘をつかないとおれない性格の人間・体質の会社である、ということが考えられる・・→だから、いいところだってあるのだから、嘘は言わない方がいい・・と思うにもかかわらず嘘をつかないとおれない会社・・というのは、その点においてはプラスの評価はできない。
本当のことを言えばよさそうなのに学歴詐称しないとおれない人というのは、詐称することがその人にプラスになるからではなく、そういう性格の人だからということが多いのと同様、嘘が多い会社というのは、なんだか、そういう性質というのか性格というのかがある場合がある。
最近では、在来木造は、工務店・個人大工でもプレカット工場に依頼して機械プレカットをして建てるというのが普通になってきているので、「(機械)プレカットをしています」と言っても「売り」にも何にもならないのですが、私が(株)一条工務店に入社した1992年頃は、まだ、機械プレカットをして建てている会社とそうでない会社がありました。(株)一条工務店は、同社の「パブリシティー広告」(業界紙などに掲載されたもので、正面から広告として掲載されたものではないが広告の性格ももつもの)に、機械プレカットを導入した理由を初代社長の大澄賢二郎が述べていたのですが、それによると、最初、年間100棟くらいまで建てた時期においては、「良い大工さんに頼んで、良いものをより安く」という姿勢でやってうまくいったが、それが年間200棟・300棟建てるようになってくると、引き渡しの時、必ずしも自信を持ってお施主様にお渡しできると言えない建物が出てきた。それを何とかしないといけないと思って採用したのが、機械プレカットの採用と「工事マニュアル」というものの作成だった、らしい。それまで、機械プレカットというのは建売の会社がおこなうことが多かったらしいのですが、(株)一条工務店は請負で建てていた会社であり、建売の場合はそれぞれの建物が似ているので機械プレカットをやりやすかったのに対し、請負で建てる会社が機械プレカットを採用してやっていけるかという問題があったが、なんとかやっていけるようになった。「工事マニュアル」というのは、大工に頼んで工事をしてもらうと、その大工によってやり方が異なる場合があり、施主としては(株)一条工務店と契約したのに、担当する大工によってやり方が違うというのでは施主としては不満が残る。そこで、「工事マニュアル」を各工程ごとに作って、大工その他の職人にその「マニュアル」を渡して、それに指定されたやり方でやってほしいとお願いするようにしたらしい。職人にはそれぞれのやり方があり、その分野の職人でない者から、こういうやり方でやってもらいたいと言われるのはおもしろくないと思う人もいるはずだったが、そこをなんとか説得して理解してもらうようにした、ということらしい。実際には「大工工事マニュアル」でも、人によってそれまでやってきたやり方は違うということも考慮して、常に必ずこのやり方でということではなく、このやり方かこちらのやり方かどちらかのやり方でやってくださいと2通りか3通りのうちからどれかとしているケースもあるらしい。
機械プレカットの場合、(株)一条工務店は、プレカット工場を自社で持っているというのも「売り」にしていて、浜松・栃木・九州のプレカット工場はいずれもAQ認証を取得した工場だというのも「売り」にしていました。
腐り・白蟻に対する対策として、真壁和室の桧の柱以外は1階より下はすべての木材を防腐防蟻剤(1990年代初めにおいては、CCA。1990年代後半からは、ACQ)をタンクの中で木材に加圧注入するという方法をとっており、この加圧注入の方法では表面塗布の方法よりも内部まで薬剤が浸透するので、腐り・白蟻に対する効果も表面塗布処理の方法よりも長く効果がある、というのも「売り」にしており、かつ、その防腐防蟻剤の加圧注入のタンクも自社の工場に持っていて、自社の工場で加圧注入しており、それについてもJAS認定を取得している、というのも「売り」にしていたのです。(株)住友林業の営業が「あの加圧注入の方法で薬剤を入れた木を使った家になんか住むと健康に良くない」とか「あの方法は木の繊維を殺している」とかなんとかかんとか、全国で中傷を加えまくってきたようですが、一般に表面塗布処理の方法と加圧注入の方法では、加圧注入の方法による防腐防蟻処理の方が薬剤の空中への放散は少ないとされており、「木の繊維を殺している」というのは意味がよくわかりませんが、「加圧」とか「注入」とか言っても木材が破壊されるほどものすごい圧力を加えるわけではありませんから、毎度おなじみ「しょーもないこと言い」の住友林業の営業が言う文句はあたっていないでしょう。かつ、住友林業の営業は、加圧注入の方法の防腐防蟻処理をした木材についてせっせと中傷を加えていたのですが、住友林業の家もまた、その頃、土台についてはその加圧注入の方法をとった木材を使用していたはずなのです。ですから、なんだか、よく言うよなあ・・て気がしますが、そんなものでした。
それで。(株)一条工務店に入社して1年目の中途入社の新入社員研修の時ですが、「土台については、加圧注入した木材は商品として売られているので、土台は加圧注入材を買ってきて使用している会社はけっこうありますが、一条工務店の場合は、(機械)プレカットをしていて、プレカットの機械を自社工場に持っていて、加圧注入のタンクも自社の工場に持っていて自社で加圧注入しているので、他社の場合は、たとえ、加圧注入した木材を土台に使う場合でも、『注入してからプレカット加工をする』という順番になるので、せっかく加圧注入しても一番よく注入できている部分を削り落としてしまうことになる。それに対して、一条工務店の場合は、自社でプレカットをやっていて加圧注入も自社でやっているので、『(機械)プレカットをしてから加圧注入する』という順番になって、一番よく注入できている所が一番表にくるようになる。『プレカットをしてから注入する』のが一条工務店で他社の場合は土台に加圧注入材を使っている場合も『注入しているからプレカット加工』という順番になって、それだとせっかく加圧注入しても効果は薄いことになる。それだと腐りや白蟻にやられることが考えられますね」と講師役の従業員から教えられたのです。私はその話を聞いて、「なるほどお~お。加工してから注入しているのかあ。それなら、注入してから加工する方法よりいいよなあ」と思ったのです。
しかし、ふと気づいたのですが、土台の継手(つぎて)・(しぐち)といったところやホゾ穴は「加工してから注入」していたとしても、鉄筋コンクリートの基礎と土台の緊結は基礎から上に出したアンカーボルトに土台の穴を突っ込んだ上で、その上部にナットを締めて固定します。 そのアンカーボルトの穴は、在来木造の場合は建築現場で、上棟の少し前に大工さんが鉄筋コンクリートの基礎から出ているアンカーボルトの位置に合わせて工事現場で開けて土台を据えていたのです。(株)一条工務店の浜松での「研修」では、講師役の人が「他社でも土台については加圧注入材を使用している所がありますが、その場合、加圧注入材を使用しても、一条工務店とは違って『注入してから加工する』という順番ですから、それでは腐り・白蟻にやられてしまいますね」と話して中途入社新入社員に教えたわけです。その理屈からいくと、アンカーボルトの穴の部分というのは、(株)一条工務店の建物もまた、腐り・白蟻にやられてしまうおそれがあるということになるのではないのか? ・・そう思いませんか? その「一条がやっている『加工してから注入する』という順番ならいいのですが、土台に加圧注入材を使用している他社の『注入してから加工する』という順番ではせっかく注入しても薬剤が浸透した部分を削り落とすことになりますから、腐り・白蟻にやられてしまいますね」というのは(株)一条工務店の研修が言ったことであって私が言い出したことではないのです。私は(株)一条工務店に入社した1年目においては建築・住宅についてそれほどよくわかっていた人間でもないし、同業他社に少しいたことがあるといっても、いたことがある同業他社は木質系とはいえ在来木造を主とする会社ではないし、両方を通算してもたいした年数いたわけではなく、卒業した大学は建築学科・土木学科などではないししますので、採用してくれた(株)一条工務店が「研修」で教えることは必死で学習して仕事にいかしたいと思い、一生懸命学んだのです。そこで「土台については加圧注入されたものが商品として売られていますので、同業他社でも土台は加圧注入した木材を使用している会社がありますが、一条の場合はプレカットの機械と加圧注入のタンクを自社の工場で持っているので、『加工してから注入』することができるのに対して、自社でプレカットをしていない、加圧注入された商品としての土台材を購入して材木会社にプレカットを依頼している会社の場合は、『注入してから加工する』という順番になり、それでは腐り・白蟻にやられてしまいますね」と教えられたのです。それを話したのは静岡県地域で営業をやっていた課長の石橋さんだったような気がしますが他の人だったかもしれません。ともかく、(株)一条工務店の「研修」で講師役の人がそう教えたわけです。だから、会社が「研修」で教えることなんだからそうなのだろうと思ったわけです・・が、しかし、(株)一条工務店の建築現場でよく見ると、アンカーボルトの穴については、(株)一条工務店も「注入してから加工する」という順番でやっていたのです。「その順番では腐りや白蟻にやられてしまいますね」と教えたのは(株)一条工務店の「研修」で講師役で来た人なのです。ということは、その「研修」で教えられた話を基準として考えると、(株)一条工務店の建物の土台もまた、「腐りや白蟻にやられてしまいますね」ということになる・・のか? どうなんだろうと思い、私は質問したのです。「アンカーボルトの穴は、注入してから加工するという順番でも大丈夫なのですか?」と。
私としては、質問すると答えてもらえると思って質問したのです。特に、営業は、営業が疑問に思ったようなことはお客様もまた疑問に思うことが考えられ、お客様から質問されることが予想されますから、実際にお客様から質問されるよりも前に、その質問に対する答えを用意しておく必要がありますから、だから、お客様から質問されるよりも前に質問してその答えを理解しておかないといけないと思ったのです。・・小堀住研(株)では最初の新卒社員研修の時に「もし、カタログや『営業知識マニュアル』などを読んで、わからないところがあったなら、決してそのままにしないで、お客様から質問されるより前に、課長なり先輩社員なり、その専門の部署の者なりに質問するか、自分自身で調べるかして理解し、お客様から質問されても答えられるようにしておくこと」と教えられたものでしたが、A社ではあてはまるがB社ではあてはまらないというものもあるでしょうけれども、これは小堀住研(株)ではあてはまるが他の会社ではあてはまらないものではなく、どこの会社においてもあてはまるものだろうと私は思いこんでいたのです。ところがどっこい、(株)一条工務店という会社は「質問するとよくない会社」だったのです。質問してどうなったかというと、営業本部長の天野隆夫から「おまえ、そんなこと言うのなら、エスバイエルに行けよお!」とそう言われたのです。なんで、そんな話になるのですか??!!??
「加工してから注入しているので一番よく注入できているところが表面になる」というのを「売り」にしていた(株)一条工務店は、なぜ、土台のアンカーボルトの穴については「加工してから注入する」という順番にしないのか??? 不思議に思いませんか? でも、質問するといけないのです。質問すると、「そんなこと言うならエスバイエルに行けよお!」と言われることになるのです。だから、なんかどうもよくわからない「消化不良」というのか「痒い所に手が届かない」というのか、どうも気持ちの悪い状態が続いたのです。
在来木造の建物では、たいてい、基礎と土台を緊結するアンカーボルトの穴は工事現場で大工さんが上棟の少し前に開けています。アンカーボルトの穴は、あらかじめ、機械プレカットで開けたのでは、基礎から上に出たアンカーボルトと位置を合わせることができないから、だから、土台のアンカーボルトの穴については、「注入してから加工する」という順番にするしかないということなのだろうか?・・と思ったのでしたが、そうでもないようです。アンカーボルトの穴を、先に機械プレカットで開けて防腐防蟻剤を注入し、その穴にぴったり合うようにアンカーボルトを基礎から出すようにするというのは、やる気になればできないことはないようなのです。なぜかというと、鉄骨造の建物というのは、基礎は鉄筋コンクリートですが、土台は鉄骨ですね。土台は木でできているわけではありませんね。積水ハウス(株)は、もともと、軽量鉄骨軸組構法で住宅を建てていましたが、1980年代だったと思いますが、在来木造のトーヨド建設を買収して積水ハウス木造という会社にし、後に積水ハウス木造も積水ハウスに取り込み、今は、積水ハウスとして軽量鉄骨軸組構法と在来木造の2つの構法で建てていますが、その軽量鉄骨軸組構法の方の建物は、土台は鉄骨で、鉄骨の土台というのは、上棟の少し前に工事現場で大工さんがアンカーボルトの穴を開けるということはできませんから、だから、工事現場に鉄骨の土台が届けられるより前にアンカーボルトの穴は開いている、開けられているのです。その穴にアンカーボルトがきっちりとささるように、鉄骨造の建物のアンカーボルトというのは、木質系の建物のアンカーボルトよりもはるかに正確な位置につけられているようなのです。鉄骨造の建物では、土台のアンカーボルトの穴はあらかじめ工事現場よりも前に開けられて工事現場に土台の鉄骨が届けられ、鉄筋コンクリートの基礎から出ているアンカーボルトはその穴にぴったりと合う位置に正確に出るように施工されているらしい。そうでないと、鉄骨造のアンカーボルトははまらないわけです。この原理、誰に教えてもらったかというと、元積水ハウスの工事担当をしていた人に教えてもらったのです。元積水ハウスの工事担当者とどこで知り合ったかというと、(株)一条工務店で知り合ったのです。同業他社にいたことがある人から話を聞くと、そういったことを学ぶことができます。(株)一条工務店のオーナー経営者一族は、同業他社にいたことがある人間を嫌い、できるだけ、同業他社の話をさせないようにしたがるのですが、愚かだと思いますね。太平洋戦争の時、日本では英語を「敵国語」だか「敵性語」だか言って学ばせないようにして、野球でもストライクを「よし」、ボールを「だめ」と言った時代があったというのですが、アーサー=ビナード『知らなかった、ぼくらの戦争』(2017.4.2.小学館)では、アーサー=ビナードさんが、≪「敵性語」というキャッチコピーは、筋が通っているように見えて、実態は矛盾だらけだ。「鬼畜米英の言葉など学んではダメだ!」と、大日本帝国政府はキャンペーンを張ったが、その真の目的は、一般市民が日本語以外の情報源にアクセスできないようにすることだったのだろう。意地悪な言い方をすれば「愛国のパッケージに包んだ愚民政策」であった。≫ ≪・・・池袋の英会話スクールが大学新卒のぼくを教師として採用してくれたおかげで、禄を食むことができた。当時は生徒にもまだ「戦中派」が少なからずいて、彼らから「敵性語」という言葉を教えてもらい、腰をぬかすほど驚いた。「本気でアメリカと張り合うつもりなら英語を理解していたほうがいいんじゃないか!?」 生徒たちも「それはそうだな」と一様にうなずき、「あの時代の教育は愚かなものだった」と、ひとまずの結論が出た。≫と述べているが、(株)一条工務店が同業他社にいた者に発言させないようにしたがるのも、この国民に「敵国」のことを学ばせないようにしようという戦中の愚民政策と同様のもののようだ。同業他社のことを知らないようにさせて、「一条工務店の建物は、すべてにわたって、同業他社よりもずばぬけていい」「一条工務店の建物は完璧にすばらしい」「一条工務店の建物はすべてにおいてまったく問題がない」とかなんとかかんとか、事実に反することをわあわあ吹き込めば、そうすれば、従業員は「愛国心」を会社に持つだろう・・みたいな愚かな考えの「遠州人」がこの会社にいたわけだ。哀しい発想・貧困な精神だと思う。私は「慶應大学の商学部の卒業生として採用」されたと思っていたので、そうである以上、会社を運営する仕事に携わり、会社が発展していくようにするためには、まず、同業他社についても知らないといけないし、それはまず、事実を事実として知る必要があるわけで、そんなことは当たり前のことだと思っていたのだが、(株)一条工務店のオーナー経営者一族とその取り巻きにとっては「当たり前」ではなかったようだ。
防腐防蟻剤について、表面塗布処理の方法では、上棟後、ある程度、建物が組み上がってから塗布するのが普通であり、そのため、継手・仕口といった木を組み合わせる部分に塗布するのが難しいという問題があり、それに対して、加圧注入の方法で、もしも、「加工してから注入する」という方法を取れば、一番よく注入された部分が表面にくることになるが、加圧注入の方法でも、「注入してから加工する」という順番の場合には、一番よく注入された部分を削り落とすことになってしまう、という問題点がある。
この点についてどう考えるべきか。私はずいぶんと考えた。そして、杉山英男『デザイナーのための木構造』(彰国社)にその答えが書かれていた・・と思った。「表面塗布処理の方法よりも加圧注入の方法の方が、薬剤はよく浸透する。しかし、加圧注入の方法でも、注入してから切ったり削ったりした場合には、その部分に表面塗布処理をおこなうべきである。」・・とそう書いてあった、と思ったのだ。なるほど。しかし、現実に、自社および他社の工事現場をのぞいて見ても、加圧注入の方法をとって、なおかつ、加圧注入してから切ったり削ったりした部分に表面塗布処理をしている木構造の建物というのは見ることがなかった。防腐防蟻の効果を有効にするためには、一番理想的なところから考えるとそうするべきであるのだけれども、現実に、そこまでやっている会社はなかったのではないか。特に、アンカーボルトの穴について、穴を開けてから穴に表面塗布処理をした上で、アンカーボルトに土台を通していた会社というのはなかったのではないか。 それで、「・・と思った」というのはどういうことかというと、たしか、杉山英男『デザイナーのための木構造』(彰国社)に書かれていた「と思った」のだが、今、同書を読み返して見ても、どうも、それが見当たらないので、他の本で読んだものだったのかもしれない。ともかく、誰がどこに書いていたのかはさておき、防腐防蟻の方法として一番理想的なところから考えるのであれば、加圧注入の方法で「加工してから注入する」という順番でやるが、加圧注入の方法でも注入してから切ったり削ったりした場合にはその部分には表面塗布処理をおこなう・・とするのがいいということなのだろう。
土台のアンカーボルトの穴について「加工してから注入する」という順番にしようと思えば、技術的にはできないことはないはずです。積水ハウスなど鉄骨系の建築会社は土台のアンカーボルトの穴は工事現場に土台の鉄骨を届けるよりも前にあらかじめ開けていて、鉄筋コンクリートの基礎から出すアンカーボルトはその穴にぴったり合う位置に正確に出すようにしているのですから、(株)一条工務店でもそのようにしようと思えばできないということはなかったはずです。しかし、やらなかった。なぜか。結論を言うと、そこまで正確な位置にアンカーボルトを出してくれと基礎屋に言うと、(株)一条工務店が払っている「単価」ではそこまではできない、もう少し出してくれということになるか、それだけのレベルの技術力のない基礎屋は仕事を断ることになるか・・ということが考えられるから、だから、やらなかったのでしょう。
建築基準法では、土台については、桧・ヒバ・栗・米桧・米ヒバなどの腐りにくい木を使うか、薬剤処理をするかで、薬剤処理の場合に表面塗布処理と加圧注入処理があったわけですが、桧・ヒバはヒノキチオールという物質を含んでいて、これは白蟻が嫌がる物質らしく、又、栗は大変硬くて腐りや白蟻の被害にあいにくい木らしい。そういうものを使えば、「加工してから注入するか」「注入してから加工するか」という問題はなくなります。 しかし、その頃の(株)一条工務店は「ボリデン」という商品名がついていた「ベイツガに防腐防蟻剤を加圧注入したもの」を使っていて、これが腐り・白蟻には一番強いのです・・と言っていた。
ともかく、実際には、(株)一条工務店も土台のアンカーボルトの穴については「注入してから加工する」という順番でやっていたわけです。ということは、(株)一条工務店の建物もアンカーボルトの穴については腐り・白蟻の被害にあう建物だということになるのか、他の木質系の会社で土台材に「ボリデン」という「ベイツガに防腐防蟻剤を加圧注入したもの」を買ってきて、「注入したものを加工する」という方法をとっている会社の建物でも、その点については問題は特にないのか、どちらかということになりますね。ところが、そうではなく「一条工務店の土台は加工してから注入しているので、まったく問題はないが、他社の場合は注入してから加工するという順番なので腐り・白蟻の被害にあうことになる」と言い張るのです。それは理屈に合わないのではないか??? ・・と思うのですが、(株)一条工務店という会社でそれを言うと、「そんなこと言うなら、エスバイエルに行けよお」とエスバイエル(株)は土台の加工と注入の順番がどうなんて何も言っていないのに、そんなことを言われることになるのです。
結論を言うと、土台材は「加工してから注入」の順番の方がよく、アンカーボルトの穴もまた、「加工してから注入」という順番にした方が腐り・白蟻の被害にできるだけ合わないようにするためにはいいはずですが、そのためには、その時点の(株)一条工務店の基礎工事よりも、もっと正確な位置にアンカーボルトを出すように基礎屋にしてもらわないといけないことになり、そうしてもらうには基礎屋に払う「単価」をあげてくれと言われる可能性もあり、それだけ正確な位置にアンカーボルトを出すことができるかどうかわからない基礎屋もあるので、そうしなかった、というところではないかと思います・・が、それならそれで、従業員にきっちりとそう言えばよさそうなものですが、言いたくない、あくまで、そうではなく「一条工務店の土台は加工してから注入しているので、まったく問題はないが、他社の場合は注入してから加工するという順番なので腐り・白蟻の被害にあうことになる」と言い張りたかったようでした。
さらに、もっと大きな問題として、「土台については、加圧注入した土台材を商品として売っているので、そういうものを買って加工して建てている会社もあるのですが、そういう場合は、『注入してから加工』としていう順番で、一条工務店のように『加工してから注入』という順番ではないので、腐り・白蟻にやられてしまいます」という(株)一条工務店が「研修」で従業員に教えていた内容が、そもそも、嘘だったのです。どこが嘘かというと、(株)一条工務店の構造段階の工事現場に行って基礎の上に据えられている土台を見ると、そこには「三井木材工業」と書かれたスタンプが押されていたのです。入社してそれほど経たない時期に、浜松の営業所の所長だった平松さんから構造についての説明の話を聞かせてもらったことがあり、その際、平松さんが「一条の建物は、木造のどの会社の建物と比べても悪くない建物だから」と言うので、「それは建売の建物とか小規模な工務店の建物とかとの比較ではなく、請負で建てている大手の会社の建物と比較してもということですか」と私が質問したところ、平松さんが「おう、請負で建てている大手の会社の建物と比べても劣らない。住林でも東日本(ハウス)でも、一条の建物は劣らないから」と言い、そして、「今、あんた、俺に質問したけれども、質問して悪いことはない。質問していいけれども、それよりも、あんた、自分でうちの建物の工事現場に行って、住林なり東日本なりの工事現場に行って、自分の眼で見て確認するようにした方がもっといい」と言ってもらい、それは大いにもっともなことだと思い、私は自社と他社の工事現場に足を運んで自分自身の眼で見てまわったのです。そうすると、たしかにいいところもあったけれども、問題点もあったのです。そして、問題点ということではないが、「三井木材工業」とスタンプが押された土台が基礎に据えられているのも見て、(株)一条工務店がその部分について「研修」で教えていたことは嘘じゃないか! という点にも気づいたのでした。
「一条工務店の場合は、プレカットの機械と加圧注入のタンクが自社にあるので、加工してから注入するという方法の土台を使用しています」という話が嘘だったのです。桧の通し柱・杉の管柱や大引・根太・床束・1階部分の筋交いといったものは、自社の工場で機械プレカットして加圧注入していたようですが、土台はそうではなく、注入した木材を商品として売られているものを三井木材工業とかから購入して、それを加工して使っていたようでした。だから、「三井木材工業」と書かれたスタンプが押された木材が(株)一条工務店の基礎の上に土台として据えられていたのです。 ですから、アンカーボルトの穴だけではなく、継手・仕口やホゾ穴も、「注入してから加工する」という順番だったのです。(株)一条工務店は「研修」で嘘を教えていたのでした。
「注入してから加工する」という順番による土台であっても、木質系の他社の建物との比較であれば、他社もその順番ですから、一番理想的な状態から考えれば問題はあるとしても、他社との比較で考えるのであれば特に悪いわけではありません。しかし、その「嘘を研修で教える」「嘘を営業に見込客に話させようとする」という会社の性質については、どう考えてもその点はいいとは言えません・・などと言うと、「そんなこと言うなら、エスバイエルに行けよお!」と、この件について、(株)エスバイエルは何も言ってないのに営業本部長の天野隆夫から言われることになるのです。(株)一条工務店という会社はそういう会社でした。そういう点は、どう考えてもいいとは言えない。そう思いませんか? そういう「研修で嘘を教える」「営業に嘘を見込客に話させようとする」というそういう姿勢というのは、いいと思いますか? 「完璧にすばらしい」と思いますか?
「今は、梁桁材については、大手の会社でも小規模な工務店・個人大工を通じて、北アメリカから輸入したダグラスファー(米松 べいまつ)を使うのが通常で、柱を国産材を使っているという会社でも、梁桁材は輸入材です。一条工務店の場合、その米松(ダグラスファー)をアメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドに(株)一条U.S.A.という現地法人を作って、現地で木材を購入して加工して日本に運ぶという方法をとっているのですが、米松(ダグラスファー)にも、目が詰まったいいものとそうでもないものがあり、質がいいものから、カスケード・セミカスケード・コースト・ツーボードと言われるのですが、(株)一条U.S.A.が現地で買うものは、カスケード・セミカスケードと言われるものが手に入るのですが、商社を通じて買うものの場合、カスケード材は手に入らなくて、セミカスケードかコーストと言われるそれより劣るものになります。」と「研修」で教えられたのです。 地図を見ると、アメリカ合衆国からカナダにかけて、西寄りにロッキー山脈が南北に走っており、そのロッキー山脈の西にカスケード山脈というのがあり、さらに海寄りにコーストレーンジス山脈というのがあるようです。「カスケード」というのはそのカスケード山脈でとれるダグラスファー(米松)で、「コースト」というのはコーストレーンジス山脈でとれるダグラスファー(米松)ということなのでしょうか。
それはいいのですが、同時に、「実際には、現地で買うものと、日本で商社を通じて買うものと両方あります」と教えてもらい、それだと、現地で買った目が詰まったものを使って建てた家と日本で商社を通じて買ったあまり目の詰まっていないものを使って建てた家とで同じ値段では不公平てことにならないか・・・と思ったのですが、「実際は、両方をまぜて使ってますね。どちらがその家の工事に使われるかまでは、わからないし、指定はできません」と言われたのです。、
その際、「研修」で説明してくれた講師役として来た人は課長の石橋さんだったように思うのですが他の人だったかもしれません。教室のような部屋で説明してもらった後、浜松の工場を一緒に歩き、工場内に置かれているダグラスファー(米松)の木を見て、「これは、現地で買ったものですね」「これなんかは、日本で商社を通じて買ったものです」と指さして言ってもらい、見ただけでわかるのか、すごいなあ、たいしたものだなあとその時は感心したのですが、実際にはそこまで「たいしたもの」というわけでもありません。その後、私自身もわかるようになりました。ひとつだけあったのでは判別は難しいかもしれませんが、両方が同じ工場の敷地に置かれておれば、見比べれば、目の詰まり方がまったく違いますから、「特別にものすごい修練を積んだ人」とかでなくても、ある程度、在籍した人間ならわかる方が普通です(佐野展示場にいた「高木のおっさん」とか、わけわからんままに営業やって、通算契約棟数はそれなりに数えた、「あんなんで、よく売ったなあ」て感じのおっさんは、もしかすると、長くいてもわからないかもしれませんけれども)。
しかし、(株)一条工務店は、工場見学会とかで、来場したお客様に説明係が「一条工務店は、梁桁材に使用する米松はアメリカ合衆国のポートランドに設立した(株)一条U.S.A.という現地法人が購入したものを現地で加工して日本に運んで使っています。他社は日本で商社を通じて買っていますが、現地で買った方が米松でも目が詰まったカスケード材を買えるのです」とハンドマイク持って説明していたのです。実際は日本で商社を通じて買った米松も使っていたのに。「当店は丹波産黒豆を使用しています」と書き出して、実際は丹波産でない黒豆も使っている飯屋みたいなものか? その後、作成した見込客に貸し出していたビデオでも「一条工務店で使っている梁材は、アメリカ合衆国オレゴン州で育ったものを、ここ一条U.S.A.の工場で加工されて日本に運ばれます・・と、すべての梁桁材を現地で購入して日本に運んでいるかのようにナレーターが話していたのです。そういうのはどうでしょうか? 現地で買ったものも日本で商社を通じて買ったものも欠陥品とかではありませんが、そうはいっても、アメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドで現地法人が現地で買ったものを使っていますと言われて契約して建てた家には、実際には日本で商社を通じて購入したものが使われている場合もあったわけです。自分の家に使われたものがどちらのものなのか見分けることのできるお施主様というのはそう多くないと思いますしわからないかもしれませんが、本当のことをそのまま言ってもそんなに悪いものではないのに、嘘を言わないとおれないというその性質というのか性格というのかはどうなのでしょう。「別に特別に悪い人ではない」と思ったのに、学歴詐称しないとおれない習癖の人、資格を詐称しないとおれない人っていますでしょ。そういう人を見ると、実際はその人が詐称している学歴よりも低学歴であってもそんなに悪い人ではないように思っても、それでも詐称しないとおれない人間だという点においてその人の評価は下がるのです。人間、誰しも、自分の経歴であんまり言いたくない部分というのもある程度以上の年齢になるとできてくるかもしれませんし、そういうのをほじくりかえして尋ねることもないでしょうけれども、言いたくない部分は言わなければいいことで、嘘を言いまくる人というのは、なんだかなあ・・と思います。それと同様かどうか、それより良くないかもしれません。
(株)一条工務店が作成したビデオでは、女性ナレーターが「一条工務店で柱に使用している桧は、東濃桧」と言っていたのです・・が、ところが、(株)一条工務店のプレカット工場に行ってみると、「東濃桧」とスタンプが押された桧の柱もありますが、「吉野桧」「美作桧」「博多桧」とスタンプが押された柱材もあったのです。別に、「東濃桧」でなくても吉野の桧でも何も悪くないのです。「美作桧」というのは岡山県北部、旧美作の国で産した桧でしょうか。「博多桧」というのは福岡県の博多の街中で桧を造林しているわけでもなさそうに思いますが、福岡県のその周辺で育てた桧を博多の材木市場に集めて売るようにしたもののことなのでしょうか。いずれにしても、東濃産でない桧で悪いことはないはずなのですが、しかし、ビデオで「一条工務店の家で使われる桧の柱は東濃桧」と(株)一条工務店が作成したビデオでナレーターが発言しているのを聞いた上で見ると・・、「嘘やんけ!」ということになってしまうのです。なぜ、事実を事実に即して言わないのだろうか・・と思うのですが、なじかは知らねど嘘を言うのが好きな会社でした。
さらに、「(株)一条工務店の家の巾木・廻り縁などには『ソロモンマホガニー』のムク材を使っています」と言っていたのです。さらに、「マホガニーなんて、高級家具に使われるような銘木ですよ。一条工務店はそういう木を巾木や廻り縁に使ってるんですよ」と東京営業所(展示場)の服部はお客さんに話していたのでした。彼は私より年下でしたが私よりも2カ月ほど先に入社した人間でしたので、自分より先に入社した者が言うのならそうなのだろう・・・と思ったのです。そして、そう思ったものですから、実は私も、「ソロモンマホガニーって、どんな木なのですか」と言われて、「ソロモン諸島でとれるマホガニーです」なんて言ってしまったことがあったのです・・が、実は違うのです。「ソロモンマホガニー」というのは「カラフトししゃも」か「キンメダイ」みたいなもの、もしくは、「カニみたいに見えるタラ加工品」「シメジと称するヒラタケ」みたいなものらしい。要するに、マホガニーではないのです。
「カラフトししゃも」とか「子持ちししゃも」として売られている魚、すべてメスで子供を持っているもので、けっこうおいしくて好物なのですが、卵というのはコレステロール値が高いという欠点はあるとしても、ともかく、おいしい・・けれども、厳密には「カラフトししゃも」とか「子持ちシシャモ」と言われて売られている魚は「キャペリン」という名前の魚で、本来の「ししゃも」とは別の魚らしい。「キンメダイ」はおいしいのですが、鯛ではなく、鯛とは魚の種類も違うらしい。「におい松茸、味、シメジ」なんて言われる「シメジ」のことだろうと思って、世間で「シメジ」とされているものを食べると、そこまでのものかなあ・・とか思ったりしますが、『美味しんぼ(おいしんぼ)』に出ていた話によると、世間で「シメジ」として売られているキノコは「ヒラタケ」というものでシメジとは別物らしい。「ヒラタケだっておいしいんだから、ヒラタケのことをシメジなんて言わないで、ヒラタケはヒラタケと言うべきだ」と『美味しんぼ』では登場人物が言う場面がありましたが、私もそう思います。「カニ肉みたいに見えるタラ加工食品」というのは、今では誰もが知っていますが、最初に登場した頃は私も本物のカニ肉かと思いました。
「ソロモンマホガニー」というのは何なのかというと、本来は「マトア」という名前の木のようで、マホガニーとは別の木であるだけでなく、マホガニーとマトアは木の種類として同じ種類ではなく種類もまったく別のものです。 ソロモン諸島というのはどこにあるかというと、栃木県の佐野市の展示場に来場された男性から、「ソロモン諸島てどこにあるの?」と尋ねられて、「パプアニューギニアの東のあたりです。かつて、第二次世界大戦の時、日本軍が餓死したガダルカナル島にソロモン諸島の首都のホニアラはあります」と説明したところ、「パプアニューギニアてどこにあるの?」と言われたので、「ニューギニア島の東半分とその北東にあるいくつかの島です。 ニューギニア島の北東部にあるニューブリテン島のラバウルというのは、戦中には『さらば、ラバウルよ』という軍歌に歌われた場所ですね」と言うと、「さっぱりわからない。ニューギニア島てどこにあるの?」と言われ、ニューギニア島も知らんとなると困ったなあと思いつつも、「インドネシアの一番東の方です」と言ったところ、今度は「インドネシアてどこにあるの?」と言われ、インドネシアもどこにあるかわからんとなると、どない説明したらええねん? と思いつつも、「インドネシアは、マレーシアとかシンガポールのすぐ南、フィリピンの南の方です」と言うと、「ああ、フィリピンの南の方か。なんだ、そう言ってもらえばすぐにわかるのに」と言われた・・・ということがありました。フィリピンを基準にして説明すればわかるというおっさん・・て、(株)一条工務店の経営者みたいやなあ・・と思ったのですが、ともかく、ソロモン諸島というのはそういうあたりで、「マトア」という木はニューギニア島とかでとれるようで、マホガニーは「ホンジュラスマホガニー」とか「メキシカンマホガニー」とか言われる中南米でとれるマホガニーが上質でいいと言われるが、アフリカでとれるものもあるらしい。ともかく、(株)一条工務店が「ソロモンマホガニー」と称してカタログに印刷して巾木とか廻り縁とかに使っていたのは、マホガニーではなくマトアだったのです。
「マトア」を「ソロモンマホガニー」なんて言い出したのは、(株)一条工務店ではなくカリモク家具らしく、又、木の名前を本来の名前で言わずに、桧とかマホガニーとか評価が高い木に「◇◇桧」とか「☆☆マホガニー」とか言うというのは、これは林業・木材加工業・木質建築業・木質家具業などの業界では、けっこう「あること」らしいのですが、「あること」であったとしても、あんまりいいとは思いませんねえ。「マトア」は決して悪い木ではないし、というよりも、我が家の巾木や廻り縁に使われている木なんかよりずっといいのですが、それを「ソロモンマホガニー」なんて言われると・・・、「マホガニーちゃうやんか・・・」と思うのですよ。「マトア」は「マトア」と言うべきだと思いますね。そう思いませんか? 東京営業所の服部がお客さんに話していた「高級家具なんかに使われるマホガニーを一条工務店は巾木や廻り縁に使っちゃってるんですよ」というのは嘘です。そんなの、使ってませんて。彼も中途入社して1年目の時期のことでしたから本気で「一条の嘘」を信じていたのかもしれませんが、そんな「高級家具に使うような銘木」を巾木や廻り縁に使ったりしませんて。
実際にはオレゴン州ポートランドで(株)一条U.S.A.が買ったカスケード・セミカスケードだけを使っていたわけでなく日本で商社を通じて購入したセミカスケード・コーストと言われるダグラスファー(米松)も梁桁材に使用していたにもかかわらず、「一条工務店は、アメリカ合衆国のポートランドに一条U.S.A.という現地法人を作って同社が現地で買った目が詰まったいい米松を使用しています」と、(株)一条工務店で建てる家の梁桁材に使うダグラスファー(米松)はすべてのものが現地で買ったカスケード材みたいな言い方、実際は丹波産黒豆でない黒豆も使っているのに「当店では丹波産黒豆を使用しています」と書いて貼ってる飯屋みたいなことを工場見学会の時に説明係がしていたのです・・が、それとともに、工場見学会の時には、梁桁材の強度を計測する機械として(株)一条工務店が浜松のそういう工具のメーカーと共同で開発したという音の伝わり方から梁桁材の強度を調べる機械というのを使い、梁桁材の片方の木口(こぐち)をコンと叩いて音の伝わり方からランプが緑・黄・赤のいずれかが点灯し緑が点灯したものは相当に強い、黄色はちょっと心もとないが使える、赤は梁桁材としては使わずにそれより強い力がかからない場所で使うようにするべきだという表示ですと言って、「あ、緑が点灯しましたね」「あ、これは黄色ですね」とか言って実演して見せていたのです。しかし、そうやって検査した上で加工して工事現場に梁桁材を送り届けていたのなら「最初からまっぷたつに割れた梁」なんてのが工事現場に送り届けられることはないはずだと思いませんか? それなのに福島県いわき市の営業所に在籍した時、私が現実に見たものでも、他の営業が担当の家で1件、私が営業担当の家で1件、完全にまっぷたつに割れた梁が工事現場に届けられていたのです。な~んでだ? 音の伝わり方から強度を調べる機械で強度を調べた上で加工して工事現場に送るということをしている以上、「完全にまっぷたつに割れた梁」なんて工事現場に送られるはずないのにと思いませんか?
(株)一条工務店である程度以上の期間、工務課(工事担当)をやった人間、営業をやった人間でも、「梁の強度を調べる機械で強度を調べた上で加工して送ってきているはずなのに、なんで、こんなまっぷたつに割れたようなのを送ってくるんだろう」と不思議に思っていた人がいた。私も不思議に思いました・・が、2002年、嫌がらせで山梨県上野原市の工場に勤務させられまして、それでその理由がわかりました。「木口をコンと叩いて、その音の伝わり方で梁桁材の強度を調べる機械による検査」なんて、そんなもの、もともと、やってなかったのです。「木口をコンと叩いて、その音の伝わり方で梁桁材の強度を調べる機械による検査」というのは、あれは「工場見学会」の日だけ限定で工場見学会に来場されたお客様に見せるためだけの大道芸だったのです。よくやるなあ・・と思いましたがそういう会社だったのです。だいたい、「ポートランドの現地で買った米松」と「日本で商社を通じて買った米松」は見ただけでも目の詰まり方がはっきりと違いますから、「音の伝わり方から強度を調べる機械」とやらで大道芸やらなくてもどっちが強いかはわかりますしね。
「一条工務店は住設機器にしても、大量仕入れでコストを下げています」と工場見学会の時も言っていたと思いますし、ビデオとかでも言ってたような気がするのですが、これも「大量仕入れで値引き率を大きくした価格で買っていたかもしれない」けれども、「あくまでも、『安く買っている』ということであって、その分をお客さんに安く入れていたわけではない」という説もあったのです。安く買った差額分はあくまでもオーナー経営者の懐に入ったのだ・・と。ありそうな感じしますね・・。
「一条工務店」の名前の由来は「木造住宅ひとすじ」なんて言う人がありましたが、そうじゃなくて、京都の三条通りに「税金対策」の架空会社を作ったことがあって、それを「三条工務店より一条工務店の方がいいだろ」と名づけたのが始まり・・てのが本当らしい。
嘘の多い会社が好きという人もいるのかもしれないが、私はその部分にはあんまり好印象は受けないですね。嘘つく必要のないところで嘘つくやつというのは、やっぱりそういうやつだと思いますよ。
(2019.5.4.)
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