ロシア軍のウクライナ侵攻に際して建築屋的感想【3】ロシア連邦から日本へ輸入される木材。【4】自然保護されるか。【5】ロシアの建築は魅力的だが行けなくなってしまった。天然木と造林木では事情が違うことすら理解できない国産材使用木造住宅建築会社の従業員。

[第913回]
ロシア軍のウクライナ侵攻に際しての建築屋的感想の2回目。
ロシア軍のウクライナ侵攻に際し建築屋的感想【3】
ロシア連邦から日本へ輸入されている木材とは。

  ロシア軍によるウクライナ侵攻に対して、NATO・EU の国はウクライナに武器を供与したりアメリカ合衆国は情報を提供したりしているものの、そして、ロシア対NATO みたいなことがニュースで言われたりしているが、今現在、「交戦国」はロシア連邦とウクライナであって、NATO加盟国・EU加盟国はあくまでも「中立国」であり、「日本はアメリカ(合衆国)のメカケみたいなものだからダンナの機嫌をとるのは当たり前だ」という日本も「中立国」・・と言われても、そうだったのか? ・・て感じがしないでもない。
  ロシア連邦政府が「非友好国」という表現をしたが、「交戦国」と「中立国」という表現ではなく、「交戦国」「非友好国」「どっちにつくか微妙国」「友好国」と分けた方が良さそうな感じで、この分類からいけば、日本はロシア連邦からすれば「非友好国」に分類されることになるのだろう。
  それで、これまで、しばらく、日本はロシア連邦に対して良好な関係を保つことで「北方領土返還」を成し遂げようと努力してきたのだが、今回、「経済制裁」に加わることで日本は「非友好国」の方に分類されることになった。但し、ロシア連邦はウクライナ問題が一段落した場合に、その後も、ほとんどの世界の国を「非友好国」として孤立し続けるわけにもいかないであろうから、その時点で「非友好国」から「それほど非友好的というわけでもない国」ぐらいに修正される可能性はあるかもしれない。
  ロシア連邦に対して「経済制裁」をおこなうNATO・EU とともに、日米安保条約を結んでいる「アメリカ(合衆国)のメカケ」たる日本がロシア連邦への「経済制裁」に加わるだけでなく、「ヒステリックに反ロシア活動をおこなっている」ことに対して、ロシア連邦の方も、それに対応する態度を取るようになり、そうでなくても、両国の関係が好ましい関係でなくなることで、それまで、ロシア連邦から日本に入ってきていたもので入らなくなるものがでてきた。「ロシア連邦産の水産物」が減ることが考えられるが、「ロシア連邦産の木材」というものがあるようだ。
※ 《YouTube-“ウッドショック”侵攻で加速・・・木材価格さらに高騰(2022年3月29日)》https://www.youtube.com/watch?v=RkAEdfdGwSc

  ところで、 「ロシア産木材」と言っているものというのは、何の木のことなのか? 
 「ロシア産」と言っているものは、ロシア連邦のどこのものか、ロシア連邦のどの地域のもののことなのか?
 《YouTube-“ウッドショック”侵攻で加速・・・木材価格さらに高騰(2022年3月29日)》https://www.youtube.com/watch?v=RkAEdfdGwSc では、そのあたりが述べられていない というのは報道として不完全だ。
 「ロシアは森林大国」というが、ロシア連邦のどこなのか? 北極海沿いの氷漬けの地域ではないだろう。スーパーで「塩鮭」なんてのの産地を見ると、「日本産」「ロシア産」が多く、「チリ産養殖」というのもあるが、「チリ産養殖」の鮭はおいしくない。2011年3月の福島第一原発事故の後、放射能汚染の影響を考えると日本産でない方がいいか? なんて考えてみるが、「ロシア産」の鮭というのはロシア連邦のどこ産なのか・・というと、北海とかバルト海とか黒海とかではないだろう。バイカル湖でオームリという鮭に似た魚が採れるらしいが、それでもないだろう。「ロシア産」の鮭というのは、要するに「日本産」と獲っている海域はほとんど一緒ではないか。だから、福島第一原発事故による放射能汚染の影響という点では、「ロシア産」と「日本産」はあんまり変わらないのではないか。 「アメリカ合衆国産」というのも、たまに見かけるが、これはアラスカ沖の場合と、五大湖あたりで採れるものがあって、後者は「日本産」「ロシア産」とは少々別の魚のようだ。
それで、「ロシア産」の鮭というのは「日本産」の鮭と獲っている海域はほとんど一緒で、東北・北海道から千島列島沖あたりではないか。だから、「ロシア」と言うとモスクワとかサンクトペテルブルクとかヨーロッパの方を連想しそうだが、日本に輸入される「ロシア産の鮭」というのは極東の方の海域産というのと同じく、「ロシア産の木材」というのも、ヨーロッパの方の森林で伐採されたものではなく、沿海州もしくはサハリン(樺太)あたりではないか。

  今里 隆『これだけは知っておきたい 建築用木材の知識』( 1985.5.6.鹿島出版会)を見ると、「輸入木材」として、「米材」「南洋材」「アフリカ材」「北洋材(ソ連材)」と分類されているが、「北洋材(ソ連材)」と書かれているものが、ロシア連邦から輸入されていた木材ということだろう。同書を見ると、
「北洋エゾマツ(マツ科)」 産地:主に寒帯林に生育する常緑針葉樹の高木で、シベリア大陸沿海州、樺太、千島、北海道、中国東北部などに分布する。・・
 用途:一般建築材、土木用材、仮設用材など。
「北洋トドマツ(マツ科)」 産地:エゾマツ同様に寒帯林でカムチャッカ、シベリア、中国東北部からアルタイ山脈にかけて分布するシベリアモミをさしていう。
紅松・ソ連名 ケードル(マツ科)」 産地:朝鮮松、朝鮮五葉ともよばれ、極東シベリア、韓国、中国の黒竜江沿岸地域に分布する五葉松の一種で、・・・ ウスリー沿線出材のものが上質とされている。
用途:一般建築用材、木型、建具、彫刻、仮設用材など。
欧州赤松(マツ科)」 産地:ヨーロッパ全域、中央アジア、シベリアにかけて広く分布する。・・・スウェーデン、フィンランド、ソ連、ポーランドから大量に輸出される。欧州で最も広く用いられる市場材の一つで、わが国の雌松に似ている。
用途:一般建築材、仮設、こん包材など。
「北洋唐松(マツ科)」 産地:落葉針葉樹でシベリア、沿海州、樺太、千島に分布する。・・・日本材の唐松とは異種である
用途:一般建築用材。机など。
が出ている。
建築用木材の知識 (これだけは知っておきたい) - 今里 隆
建築用木材の知識 (これだけは知っておきたい) - 今里 隆
  これまで私が勤めた会社で使っていたものとしては、(株)一条工務店https://www.ichijo.co.jp/  では和室の内部造作材として、真壁和室では日本産の桧を使用していたが、大壁和室では標準仕様では紅松(べにまつ)を使用していた。私が担当させていただいたお宅で大壁和室でも桧を使用したいと言われて、差額を出してもらって大壁和室でも桧にしたお宅があったのだが、家屋が竣工した時点においては紅松は見た目はけっこうきれいで桧を使用した場合と見た目は特に劣ることはなかったのだが、営業によっては引き渡したらその後は知らん・・という営業もいるようだが、私は入居後も定期的に顔を出していたので、あげてもらって見せてもらう機会があったのだが、1年後くらいに訪問して見せてもらうと、紅松を使用した和室の場合、竣工時は桧と見た目は特に変わらなかったのだが、1年経つと、そうではなく、紅松の部分は少し汚れた感じというのか、くすんだ感じというのか、実際にそこに住んで部屋を使用しているからには、いくらかは汚れても当然でいたしかたないのですが、そういうものが見られたのに対して、桧を使用したところの場合はそうではなく、1年後くらいでも竣工時と特に変わらない感じだったのです。建築屋の世界では桧は最高の木と言われたりしますが、なるほど、こういう違いがあるのかと思いました。紅松は造作材として見た目は桧と特に変わらないように思えたのですが、1年経った後で見ると、桧よりも値段が安いだけあって、差が出たようで、大壁和室の造作材について差額を出して紅松(べにまつ)から桧に変更していただいたお宅は差額を出していただいただけの価値はありました。
  フリーダムアーキテクツデザイン(株)〔本社:東京都中央区〕https://www.freedom.co.jp/  では柱に何を使っていたかというと、仕様書を見ると「赤松集成材」と書かれていたのです。赤松というと、黒松とともに国産の木で、松は粘りがあると言われ、梁桁材として使用されることはあっても柱材として使用されるということはあまりないはずだが・・・と思ったのでしたが、おそらく、フリーダムアーキテクツデザイン(株)で柱材として使用していた「赤松集成材」というのが「欧州赤松」というものでしょう。
  『これだけは知っておきたい 建築用木材の知識』(鹿島出版会)では、赤松については、
「赤松(女松、雌松ともいう)」 産地:本州、四国、九州屋久島まで各地に自生する低地性の樹で、松の中では質的にも量的にも代表的なものである。岩手県の南部松、福島県の津島松、宮崎県の日向松が有名である。長野県の霧上松、九州霧島山系の霧島松は数少ない高地性のものである。
用途:主に構造材、屋根下地材、床下地材、松ぐいなどに用いられる。良材は造作材、建具材にも使用される。
と出ているが、国産の赤松ならば集成材として使用するのではなく、ムク材として使用し、柱としては使わないのではないか。フリーダムアーキテクツデザイン(株)が柱に使用していた「赤松集成材」の「赤松」は「欧州赤松」のことでしょう。(フリーダムアーキテクツデザイン(株)の自称「設計士(さま)」に尋ねても、どうせ、知りよれへんで。)

  (株)一条工務店 では、梁桁材にはアメリカ合衆国産の「米松(べいまつ)(ダグラスファー)」のムク材を使用していた。小堀住研(株)では梁桁材には「米松(べいまつ)(ダグラスファー)」の集成材を使用し、PBDM という「『コンピューターを使用した梁の設計手法』による集成材」といっていたが、50年くらい前なら「コンピュータを使用した」と言うと「すごい!」と思う人もいただろうけれども、コンピュータというのはその一種のパソコンもそうだが、結論として文房具であり、そこに入力するのは人間であって、コンピュータを使ったからいいとは決まっていないのだが、PBDM というのはどこがいいのかというと、梁桁材というのは材の一番上と一番下の部分に特に力が加わることが多いことから、集成材を張り合わせる際に一番上と一番下の部分に特に強い材が配置されるようにして張り合わせた集成材らしい。それもアメリカ合衆国産だったようだ。
  小堀住研(株)の木質パネル構法での木質パネルの枠材は「ヘムファーもしくはダグラスファー」と表記されていて、実際はヘムファーを使用している場合の方が多かったようだが、ヘムファーとは「米栂(べいつが)」、ダグラスファーとは「米松(べいまつ)」と日本名がつけられているが、小堀住研(株)ではヘムファーの中でも上質な「ヘムファー 1級」を使用していると言っていたが、これもアメリカ合衆国産だった。なぜ、カタログなどには「ヘムファーもしくはダグラスファー」という書き方をしていたかというと、木材はその時その時の相場で値段が変ることがあり、一般的にはヘムファーとダグラスファーならヘムファーの方が安いと思われるが、そうでない時期もあるということ・・かな・・と思ってきたが。
  (株)一条工務店では、土台には何を使用していたかというと、仕様書には「注入土台」と記載していたと思うのだが、これはヘムファー(米栂 べいつが)に防腐防蟻剤を加圧注入の方法で注入した木材のことで商品名としては「ボリデン」と言っていたものを使っていたが、その後、米ヒバ を使うようになった。ヘムファー(米栂 べいつが)にしても、米ヒバ(アラスカシーダー、イエローシーダー)にしても、米材である。

  小堀住研(株)の木質パネルの合板は1990年頃はラワン合板を使用していたが、三井ホームのツーバイフォー工法の家の建築現場で見ると、小堀住研(株)の木質パネルの合板とは異なるものが使われていて、「なんだろ」と思って見たことがあったが、それが北米針葉樹合板というものだった。最近では、北米針葉樹合板の方が普通に使われるようになり、ラワン合板はむしろ見かけることがあまりなくなった。ラワンはフィリピン産が多かったと思うが、北米針葉樹合板というのは名前の通り、アメリカ合衆国・カナダとアメリカ合衆国アラスカ州のものだ。
  東海住宅(株)〔本社:千葉県八千代市〕https://www.10kai.co.jp/  では柱には「ホワイトスプルースの集成材」を使用していたのだが、2008年、千葉県花見川区の花見川ショールームの店長だった「人相が悪く眼つきが悪い田中」(男。当時、60歳)はそれを指さして「お客さん、この柱はムクの木の1.5倍強いんですよ」などと大きな顔して言っていたので、「よく言うよ( 一一)」と思ったことがあった。ホワイトスプルースの集成材が桧のムク材の1.5倍強いわけないだろうが! よく言うわ♪ バカ言ってんじゃないわ♪ てものだ。スプルースは「アラスカ桧」などと言われることもあり、見た目が桧と似ているが、まったく種類が別の木であり桧のような強度はない木であるが、「アラスカ桧」などと言ったりするように北米材だ。『これだけは知っておきたい 建築用木材の知識』でも「スプルス」は、
「スプルス・シトカスプルス(マツ科・トウヒ属)」
用途:一般建築用材(特に内部造作材)、その他家具、建具指物、航空機用材など。
と、同書では「建築用材」でも「内部造作材」としてよく使われる木だと書いているように、見た目は悪くはないが構造材としての強度はないというもので、ホームセンターなどで見ると、犬小屋に使われているのをよく見たのだが(最近は、犬を屋内で飼う人が増えてきたらしいので、屋内では犬小屋ではなく別の「ハウス」を使用することが多いようだが)、建売住宅などでは「スプルースの集成材」を柱に使っているのを見ることがよくあった。「建売の家では犬小屋の木を柱に使ってるんだあ」などと思って見ていたことがあったが、東海住宅(株)の店長のおっさんは、そのホワイトスプルースの集成材の柱を指さして「これはムク材の1.5倍の強度があるんです」などと言っていたが、あるわけないだろうが! バカじゃねえか・・と思ったが、自分が勤めている会社の従業員が嘘言っているのを「違いますよ、それは」と言うわけにもいかないので黙っていたが、今はそこには勤めていないから、「そんなの、嘘だよ」と言える・・から言っておこう。嘘だよ、そんなの。

  東日本ハウス(現 日本ハウスホールディングスhttps://www.nihonhouse-hd.co.jp/ ) は、住宅展示場で「うちは柱はすべて桧です」と来場客に話していて、「すべて桧なら高いのじゃないですか?」と言うと、「アメリカから輸入していますから高くないんです」と営業が答えよった・・とお客さんから聞いたのだが、「アメリカ合衆国さんの桧」・・なんて、そんなものあるわけないのだ。桧という木は日本列島の北は福島県、南は台湾の中部までの地域にのみはえる木であって「アメリカ合衆国産の桧」なんてものは存在していない。だから、存在しないようなものを輸入するなどということは不可能なのだ。よく言うわ♪ バカ言ってんじゃないわ♪・・・
  東日本ハウス(現 日本ハウスホールディングス)が柱材に使用していたのは、真壁和室の桧は日本産の桧であろうけれども、大壁の部屋の柱は、ポートオフォードシーダー(米檜 べいひ)でしょう。ポートオフォードシーダーは日本の桧に劣らないくらいの強度があると言われている木ですが、日本の桧のようないい香りはせず、もともと、日本の桧よりも安い価格の木であり、「アメリカから輸入しているから安い」のではなく「もともと、日本の桧よりも安い価格の木だから安い」のです。いいかげんなことを言ってはいけません。

  1970年の大阪万博の時、カナダのブリティッシュコロンビア州が出展していて、太くて長い木が何本も立った展示館で、すごいなあ・・と思ったのを覚えているのですが、その後くらいから、日本でツーバイフォー工法(枠組壁工法)の家というものが都市圏を中心に建てられるようになり、北米材が多く輸入されるようになりました。

  それで、ロシア連邦から輸入されてきた木材が入らなくなる・・と言いますが、構造材については、(株)一条工務店が使っていた桧・杉といった柱は日本産であり、集成材に使用されていた木材にしても北米材が多く、フリーダムアーキテクツデザイン(株)が柱に使用していた「赤松集成材」の「欧州赤松」が、おそらくロシア連邦から輸入された「欧州赤松」ではないかと思われますが、柱・梁については、ロシア連邦からの木材はそのくらいで、大壁和室の造作材として紅松を(株)一条工務店は使用していたが、紅松(べにまつ)は、おそらくロシア連邦産のものだったと思われます。
  柱・梁以外の細かいもので、ロシア連邦産のものがあったかもしれません。

  床柱は、(株)一条工務店が使用していた「マメ科のカリン」(カリンのど飴のカリンは「バラ科のカリン」で別物)・紫檀・黒檀・鉄刀木(タガヤサン)などは東南アジア産のもので、槐(えんじゅ)は日本産のはずで、ブビンガはアフリカ産のはずです。床柱でロシア連邦産のものはないはずです。
  (株)一条工務店が洋間の巾木・廻り縁などに使用していた「ソロモンマホガニー」というのはどういう木かというと、「ソロモン諸島産のマホガニー」などと(株)一条工務店の先輩社員から教えられたのですが、それは嘘で、パプアニューギニアとかソロモン諸島あたりで採れるマトアという木のことをカリモク家具 が「ソロモンマホガニー」などというイカサマくさい名前をつけたのを(株)一条工務店もそのまま、その名前を使って呼んでいたというもので、マトアとマホガニーとはまったく種類が別の木であり、マトアのことをマホガニーなんて言わない方がいいと思います・・・・がいいたがる人がいるみたいです・・・が、マトアもニューギニア島とかそのあたりで採れる木で「南洋材」に分類されます。

  2000年にロシア連邦イルクーツク州のイルクーツクからバイカル湖にかけての地域に訪問したのですが、イルクーツクとバイカル湖畔のリストビャンカ村との中間に木造住宅博物館という野外博物館があったのですが、そのあたりで「木造住宅」と言っていたものは、日本のような軸組構法のものではなく、日本で言うところの組積造のログハウスでした。 屋外に木が丸出しになっていたのですが、ロシア人のガイドさんが言うには「カラマツだから腐らない」ということでした。 今里隆編『これだけは知っておきたい建築用木材の知識』(鹿島出版会)によると、「北洋材」の「北洋唐松」は「日本材の唐松とは異種である」ということですが、日本で建築材として「カラマツ」と呼ばれているものは、ロシア連邦から輸入された「欧州赤松」を使用した集成材であろうと思われるものを「赤松集成材」とフリーダムアーキテクツデザイン(株)が仕様書に書いていたのと同じく、そのどちらなのか、わからずに使われているかもしれません。(フリーダムアーキテクツデザイン(株)の自称「設計士(さま)」にこんなこと尋ねても、あいつら、知りませんからね。)

  《YouTube-“ウッドショック”侵攻で加速・・・木材価格さらに高騰(2022年3月29日)》https://www.youtube.com/watch?v=RkAEdfdGwSc では、ロシア産木材はいいと言っていますが、今里隆『これだけは知っておきたい建築用木材の知識』(鹿島出版会)では、
《 北洋材は、主としてソ連領沿海州およびサハリンから出材するエゾ松、トド松、唐松、欧州赤松紅松などの針葉樹の総称であり、一部パルプ材として白樺など若干の広葉樹も含む。
  北洋材は一般に淡色で白色に近いものが多く、全般に狂いやすい材で良材は少ない。》
と書かれており、人によっても言うことは違うみたいです。

  なぜ、輸入材は国産材よりも安いのか? ・・これは、けっこう前から言われてきたことですが、日本よりも物価も安くて賃金も安い国においては、日本よりも安い労働力によることで、その分だけ安くできるという場合はあるでしょう。 しかし、そういうケースだけではなく、日本産の造林木の場合は「植えて・育てて・伐採して」という3つの過程を経て手に入るのに対して、少なくない輸入材は「植えて」「育てて」という過程なしに、すでに生えている木を「伐採する」という過程だけで手に入るので、それで日本産のものよりも安いのであり、「植えて」「育てて」をしないで自然林を伐採することが、それぞれの国の自然環境破壊になっている・・と言われたりもしてきました。ソ連材⇒ロシア材についても、いつだったか、「フライデー」だか「フォーカス」だかで、沿海州の木材が伐採されて日本に輸出されているが、その結果として沿海州の自然が破壊されている・・といった記事が出ているのを見たことがあります。
  片方で、戦後、「有用木材」として一生懸命植えた杉が使える状態になってきているのに、それを使えずにいるという日本国内の事情も合わせ、この際、国産材をもっと使用することを考えるようにした方がいいのかもしれません。
地球環境報告 (岩波新書) - 石 弘之
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  さらには、最近、ロシア連邦の議員でロシアは日本の北海道に権利があるとかわけのわからんことを言いだしたヤカラがいるらしいが〔 《YouTube-北海道を巡るロシア下院議員の発言 領土的野心の表れか(2022年4月7日)》https://www.youtube.com/watch?v=gn-RJAi9l9A 〕、あるわけないだろうが。何よりも、そんなこと言うのなら、シベリア・極東のロシア人は全員、ウラル山脈より西に帰れという話だ。ロシアにとってはウラル山脈より東側の「領土」はすべて戦争もしくは「軍事行動」によって奪い取った土地であり、ウラル山脈より東側にロシア人がいることがおかしいのだ。
  ロシアは「森林大国」と言われるという。最近ではソビエト連邦の時代とは違って、GDPはロシア連邦は韓国より小さく、ブラジルくらいで、ロシア連邦にあるのは天然資源と軍事力、特に核兵器だというのだが、軍事力にしてもNATOが持っている兵器に対して古いものが多いとかニュースやYouTube で述べられている。 天然資源と森林資源があるというのはたしかであるとしても、日本に近い場所では「サハリン2」というサハリン島(樺太)北部の東側で天然ガス・石油の採掘されている・・というが、もとより、そこは元からのロシアの領土であった所ではなく、サハリン(樺太)の間宮海峡(タタール海峡)を隔てた対岸にしてもスタノボイ山脈(外興安嶺)より南側のウスリー川より北は1858年〔1868年の明治維新の10年前でしかない、福沢諭吉が産まれた1835年より23年後〕の愛琿(アイグン)条約で、ウスリー川以南の沿海州は1860年〔桜田門外の変の年、福沢諭吉が産まれた1835年より25年・四半世紀後〕の北京条約でロシア帝国主義が清から奪い取るまではロシア領ではなかった場所であり、サハリンというのは「アイヌとギリヤークとオロチョンのもの」であり、それをロシア帝国主義がぶんどった地域で、サハリンで採れる天然ガス・石油をロシアにカネ払って輸入している国というのは、強盗にカネはらって強盗が強奪した盗品を買っているようなものだ。
  そして、森林資源の方にしても、日本がロシア連邦から輸入している木材というのはモスクワ近郊とかで伐採した木材ではなく、今里隆『これだけは知っておきたい建築用木材の知識』(1985.鹿島出版会)にも、
「北洋エゾマツ(マツ科)」 産地:シベリア大陸沿海州、樺太、千島、北海道、中国東北部などに・・
「北洋トドマツ(マツ科)」 産地:・・カムチャッカ、シベリア、中国東北部からアルタイ山脈にかけて分布するシベリアモミをさしていう。
「紅松・ソ連名 ケードル(マツ科)」 産地:・・極東シベリア、韓国、中国の黒竜江沿岸地域に分布する五葉松の一種で、・・・ ウスリー沿線出材のものが上質とされている。
「欧州赤松(マツ科)」 産地:ヨーロッパ全域、中央アジア、シベリアにかけて広く分布する。・・スウェーデン、フィンランド、ソ連、ポーランドから大量に輸出される。欧州で最も広く用いられる市場材の一つで、わが国の雌松に似ている。
「北洋唐松(マツ科)」 産地:・・シベリア、沿海州、樺太、千島に分布する。・・・日本材の唐松とは異種である。
・・と書かれているように、ロシア連邦産の木材はどこで採れた木材かというと沿海州・樺太(サハリン)・千島カムチャッカ・シベリアと、要するに、すべてロシア帝国主義・ソ連社会帝国主義が軍事的に強奪した地域のものであり、これもまた、ロシア連邦から木材を輸入している国というのは、強盗が強奪した盗品をカネ払って買っているようなものだ。
千島問題を考える (1979年) (たいまつ新書) - 舟田 次郎
千島問題を考える (1979年) (たいまつ新書) - 舟田 次郎


ロシア軍のウクライナ侵攻に際し建築屋的感想【4】
ソビエト連邦の時代は日本よりも自然環境が守られていたが、ロシア連邦になってからはそうではなくなったらしい千島列島の自然 。及び、造林木と天然木との違いがわからない住宅建築業勤務の男。

  1992年、東京都江東区潮見 に ウッディランド東京 という林野庁が設立・運営していた「国産材の利用促進をはかる」目的で設けられた施設があり、その中に「国産材を使用している会社」ということが条件での住宅展示場がありました。住宅展示場といっても「国産材の利用促進をはかる」という目的での施設の中のものなので、各展示場に幟を立ててはいけないとかいった規則があって、営業上はあまり条件がいい展  示場ではありませんでした。
  そのウッディランド東京には、年に1回だったでしょうか、国有林から伐採された大径木が並べられて、展示即売会が実施されたのですが、そこに置かれていた木の年輪を数えると、関ケ原の戦いの頃から生えていたらしい木とかがあり、はたして、その木材をはっきりと使用する必要がある建物が決まっているわけでもないのに、先に伐採して販売する必要があるのだろうか・・と疑問を感じたりもしたのです。
  それで、ウッディランド東京内に出展していた(株)一条工務店の東京展示場に在籍した服部(男。当時、20代後半)に「はたして、こういうものを伐採してしまっていいのだろうか、と思う」と、ふと話してしまったことがあったのです。すると、服部から「何、言ってるんですか。木というのは鉄などと違って伐採しても、また植えて成長したら伐採して使って、また植えてというものなんですよ。畑で育てたキャベツとか人参とかを使わなかったら自然が守られるのではなく、畑で育てた農作物を食べる人がいなければ畑がなくなってしまって、自然が破壊されるんですよ。〇〇さんは、そんなことすらも知らないんですか!」などと言われたのだ。こいつ、いったい何を言ってるんだろうなあ・・と思ったということがありました。今なら服部になんか、そういうことは言いませんけれどもね。言う相手を間違えました。
  服部が言ったのは、それは造林木の話です。日本では桧や杉などを造林している人がいます。そういった造林木というのは、使わなかったら自然が守られるのかというと、そうではありません。造林木の場合は、これは畑で育てたキャベツ・白菜・人参・ほうれん草といったものと基本的には同じ性質のものです。野菜にしても、それを買って食べてくれる人がいるから農業が成り立つのであり、野菜を食べずにそのままにしておけば自然が守られるというものではありません。同様に、造林した木は使用できる状態になったら伐採して使用して、また、新たに苗を植えて育てて・・・とした方が、むしろ、人工林は守られるのです。木質系の建物を建てると森林が破壊されるわけではないのです。造林した木は適度に使用した方が人工林は守られるのであり、国産材を使う人がなくなれば、林はゴルフ場になったり産業廃棄物処理場になったり、そうでなくとも手入れがされなくなって「林が荒れる」といった状態になります。違いとしては、畑の野菜は1年ごとですが、造林木は植えてから使えるようになるまでの期間が長いので計画的に使う必要があるという点に違いはあります。
  それに対して、ウッディランド東京 に並べられていた大径木というのは、関ケ原の戦いの頃から生えていたような木というのは、造林木ではなく自然林・天然木のはずなのです。自然林の天然木というのは造林木とは性質が違います。自然木は畑の野菜とは同じ性質のものではありません。服部こそ、何を無茶苦茶なこと言ってるんだ・・・というものでしたが、そんなアホに真面目に話をしてしまった自分が愚かでした。
  服部は入社1年目は誰もが苦戦していた東京展示場で服部だけがけっこう売れていたのですが、しかし、服部が接客していた時に壁の後ろで話しているものを聞いていたところ、「ここのウッディランド東京は国産材を使っている会社しか出展できない展示場で、住友林業みたいな集成材とか輸入材とか使っているいいかげんな会社は出展できないんですよ」などと見込客に話していたのだが、その頃、(株)一条工務店は通し柱と真壁和室の管柱(くだばしら)は国産材の桧のムク材、大壁の部屋の管柱(くだばしら)は国産の杉のムク材を使い、「国産材でムク材で」という志向が強い「地方」で評価を得ていましたが、梁桁材はアメリカ合衆国から輸入していた米松(べいまつ)(ダグラスファー)のムク材を使用していて、住友林業(株)は一般には通し柱は集成材で管柱は米栂(べいつが)(ヘムファー)を使用していたはずですが、住友林業(株)の営業は「集成材はムク材の1.5倍強い」と論拠不確かなことを言いまくり、「住友は嘘つかない」という信仰を持っている人の支持をえていたのですが、集成材は良くてムク材はだめということではありませんが、他方において、集成材・輸入材というのは不良品なのか? 集成材・輸入材を使っている会社というのは服部が言っていたような「いいかげんな会社」なのか? ・・というと、集成材・輸入材というのは別に不良品ということではないし、集成材・輸入材を使っているから「いいかげんな会社」ということでもないのです。何より、(株)一条工務店だって柱はすべて国産材のムク材を使用していましたが、梁桁材はアメリカ合衆国からの輸入材を使用していましたから、住友林業(株)が輸入材を使っている⇒「いいかげんな会社」 だと言うのなら、(株)一条工務店も梁桁材は輸入材だったわけですから「いいかげんな会社」ということになってしまうではないですかこいつ、いいかげんなこと言う男やなあ・・( 一一) と思ったのでしたが、(株)一条工務店の営業本部長の天野隆夫という男はそういう類の「いいかげんなこと言う男」というのが好きな男だったようでした( 一一)

  本多勝一がどこでだったか書いていたものによると、北海道の知床半島などと千島列島とは自然環境が大変良く似ているが、違いとして、ソビエト連邦が存在した時代は、ソビエト連邦の自然監視員が厳しく目を光らせていて、北海道よりはるかに自然が守られていた・・らしい。「北方領土」は歴史的経緯を考えると、日本とソビエト連邦⇒ロシア連邦との関係においては日本の領土であるべきものだけれども、千島と知床半島との自然の守られ方を考えると、むしろ、ソ連が「実効支配」したままの方が自然が守られるのではないか、と思われるところがあった・・らしい。
  但し、日本領の北海道の知床半島などよりもソ連が実効支配している千島列島の方が自然環境が守られているというのはそれは、あくまでもソビエト連邦の時代のことで、1991年にソビエト連邦が崩壊してロシア連邦の「実効支配」となった後は、ソビエト連邦の時代のような自然環境保護はおこなわれず、むしろ、日本よりも自然環境破壊が起こるようになった・・という記事も誰が書いたものか忘れてしまったが読んだことがある。
知床を考える - 本多勝一
知床を考える - 本多勝一
日本環境報告 (朝日文庫) - 本多 勝一
日本環境報告 (朝日文庫) - 本多 勝一
北千島の自然誌 (丸善ブックス) - 寺沢 孝毅
北千島の自然誌 (丸善ブックス) - 寺沢 孝毅


ロシア軍のウクライナ侵攻に際し建築屋的感想【5】
ロシアの建築は魅力的だが、行けなくなってしまった。

  ロシアの建築はなかなか魅力的なものがある。大学生の時にほんの少しだけロシア語を「学びかけた」ことがある者として、建築屋に勤めて、ロシアの建築を見学に行きたいという気持は強かった。又、ロシアの歌というのは「金持ちはええなあ、地主は得ばっかりしてからに。イギリス人はええなあ、ほんまにええなあ。わしぁ貧乏やからなあ、うらやましいなあ、ほんまにええなあ、わしぁ日陰の月見草やあ」みたいな歌ばっかりかと思っていたら、そうでもなくて、「モスクワ郊外の夕べ」なんて歌もある。ロシアの音楽は魅力的なものが多いし、文学作品としてはツルゲーネフ『はつ恋』『父と子』やゴーリキー『どん底』などの名作がある。ロシアにはまた行ってみたいと思っていたが、行けなくなってしまった。
※ 《YouTube-【ロシア語】モスクワ郊外の夕べ (Подмосковные вечера) (日本語字幕)》https://www.youtube.com/watch?v=tDXDjNBjq6c
ロシア建築案内 - リシャット ムラギルディン, Mullagildin,Rishat
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  何年か人生を生きると、かつて予測しなかった事態が起こることがある。まず第一に、ソビエト連邦なんてものがそんなに簡単になくなるとは思わなかったが、簡単になくなってしまった。
  郵便局や銀行の預金でも、かつては「とりあえずヒット」とか定額預金とか、比較的安全で利子もある程度はつくものがあったが、そういうものがなくなった。株の場合、ライブドアなんて会社の株は上がる時は上がるが下がる時はどこまででも下がるだろうと思ったが、その点、「大手」企業ならつぶれることはないか・・なんて思っていたら、山一證券なんて会社はつぶれることはないだろうと思っていたらそうではなかった。「コロッセオが滅ぶ時、ローマも滅び、その時、世界も滅ぶ」という言葉がローマにはあるらしいが、山一證券なんて会社がつぶれる時には日本の多くの会社はつぶれ、(株)一条工務店なんてちっぽけな会社は当然つぶれていることだろう・・なんて思っていたら、山一證券がつぶれたのに(株)一条工務店はつぶれていない。なんとも、不思議なこともあるもんだな・・・と思った。但し、山一證券は会社はつぶれても従業員には再就職先を探してくれたらしく、逆に(株)一条工務店は会社とオーナー経営者は無事でも従業員はちっとも無事じゃない。
  公共企業というのは簡単にはつぶれないだろうから、もしも、「大きく儲ける」のではなく「安全に財産を維持する」目的で株を持つのならば電力会社・ガス会社などはつぶれないからいいだろう・・なんて思っていたら、2011年3月の福島第一原発事故の後、東京電力は壊滅的な打撃を受け、他の電力会社も株価はどんどこ下がってしまった。
  交通関係というのは、これは簡単にはつぶれることはないだろう・・なんて思っていたら、日本航空の「100%減資」なんて、「なんじゃ、そりぁ」なんてことが実行された。会社は誰のものか? 株主のものである、株主の権利がゼロになれば会社はなくなる、会社が存続する限り株主の権利も存続する・・というのが資本制経済のしくみである・・はずだったのに、株主の権利がなくなり、株を売っても株主優待券を売るより安い値段でしか売れない状態になり、「なんじゃ、そりぁ」と思ったら、たいして経たないうちに「再上場」て、「なんじゃ、そりぁ」。もう、日本航空は乗らない。
  そういえば、交通といっても、航空会社の場合は鉄道と違って線路があるわけでもなく、飛行場は別の会社だしするから鉄道会社に比べて倒産しやすいのかもしれん。そうなると、一番安全なのは鉄道か・・・なんて思っていたら、コロナウイルスの影響で鉄道会社の株価も下がった。・・いろいろ、見せてもらえまんなあ・・。
  1980年頃、慶應大学の語学研究所だったかのロシア語担当の先生が「日本では英語ができる人の需要は多いですが、英語ができる人というのは需要も多いが供給も多い。それに対して、ロシア語のできる人の需要は英語よりは少ないけれども、それなりにあって、供給が少ない。だから、需要と供給の関係を考えると、ロシア語というのはねらい目ですよ」と話されたことがあった。 ソビエト連邦の時代から、日本とソ連との間にはある程度以上の貿易額があり、「ロシア語ができる人」の需要は日本にはある程度以上あった。その話を聞いて、なるほど、そういうことがあるか・・と思ったのだったが、しかし、ロシア軍のウクライナへの侵攻により、他の国が軍事的にウクライナに協力するならともかく、「経済制裁」としてロシア連邦を世界経済から締め出すようになると、「ロシア語ができる人」の需要というものも大きく減るのではないか。しょーもない会社に勤めて滅私奉公するのではなく、ロシア語の勉強でもせっせとすればよかったかな・・とか思っていたら、まさか、こういうことがあるとは予測しなかった。

  『地球紀行 世界遺産の旅』(1999.10.10.小学館)を見ると、ウクライナでは、
「キエフの聖ソフィア大聖堂とペチェルスカヤ大修道院」・
「リヴォフ歴史地区」

が「ユネスコ世界遺産」に認定されているが、そういう所も行けなくなってしまったし、そもそも、無事なのかどうかもわからない。 YouTube ではキエフ在住のボクダンさんが、ロシア軍のチェルニヒウ攻撃について、チェルニヒウというのはキエフでは歴史のある日本でいえば京都のような街で、ロシア軍はそういう所を攻撃していると話している動画が出ていた。《ウィキペディアーチェルニーヒウ》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%92%E3%82%A6 には《キエフ・ルーシ時代とヘーチマン国家の多数の文化財を保有している。》と出ている。
  もっとも、第二次世界大戦の際に、連合国軍に対して京都と奈良は歴史的遺産が多いので爆撃しないでほしいと訴えた人というのは、あくまでも、京都や奈良の文化財を守ってほしいと訴えたのであって京都や奈良で生活している人間を守ってくれと言ったのではなく、ドレスデンとかドイツの歴史的な街への爆撃に反対しなかったのは、その人にとって京都や奈良ほど珍しくなかったからだという説もあるようで、たしかにそうかもしれないし、チェルニヒウにしても歴史的な遺産とそこで生きている人間とどちらが大事なのか、というと人間の方が大事であるはずではあるのだが、そういうことはあるとしても、それでも、歴史的遺産もへちまもないみたいな攻撃というのは、何をやりたいのか大きく疑問に思う。

 (2022.4.10.)

[付録]ロシア軍のウクライナ侵攻に際し、ロシア連邦が日本を「非友好国」と認定したことに際して、音楽徒の感想
フョードル=シャリアピンが語ったという、「日本人とロシア人は世界で最もすばらしい民族だ。この2つの民族は決して喧嘩してはいけない」という言葉。

  東京都千代田区の日比谷公園の東海道本線側に帝国ホテルがある。かつて、「建築の世界三大巨匠の1人」フランク=ロイド=ライトが設計した帝国ホテルの建物は今は日比谷にはなく、愛知県犬山市の明治村に玄関ホール部分のみが移築されていて、日比谷にある帝国ホテルは、新本館は高橋貞太郎設計で、インペリアルタワーは「山下設計」設計らしい。〔《ウィキペディアー帝国ホテル》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB 〕
  その帝国ホテルの新本館の1階にあるレストラン「ラ ブラスリー」には「シャリアピンステーキ」なるメニューが今もあり、これはロシアのバスの声楽家フョードル=シャリアピンが来日して帝国ホテルに宿泊した時に、虫歯の治療をしていたことから、普通よりも柔らかいステーキを出してほしいと希望して作ったもので、その後、「シャリアピンステーキ」と命名されて供されているらしい。フョードル=シャリアピンは「ヴォルガの舟歌」とかを得意として歌った歌手なのに、そういうヴォルガ川の船曳人夫の歌を歌う歌手が帝国ホテルなんて高いホテルに泊まって特注のステーキを作らせて食った・・というのは、歌の内容とやってることが矛盾してないか・・と思わないこともないのだが、インターネットで検索すると、特注で作らせたというのは、その時、虫歯の治療をしていたことから、普通よりも柔らかいステーキを出してほしいという希望を出したものだったらしい。
  そのフョードル=シャリアピンについて、1976年3月だったと思うのだが、FM大阪で、「シャリアピンステーキ物語」という番組が放送されていて、そこで、語られていたことだが、フョードル=シャリアピンはロシア人だったが親日家で、来日した時に「日本人とロシア人というのは、世界で最もすばらしい2つの民族だ。この2つの民族は決して喧嘩してはいけない」と語ったという。「非友好国」になるというのは、悲しいことだし、「日本の北海道にロシアには権利がある」とかアホなことを言いだすヤカラまで出てくるというのは、それ以上に悲しいことだ。
※ 《ウィキペディアーシャリアピン》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%B3
ラ・ブラスリー https://aumo.jp/articles/29544
※ 《YouTube-蚤の歌 シャリアピン》https://www.youtube.com/watch?v=BxjIhaBQQBw
《Youtube-Feodor Chaliapin(フョードル=シャリアピン) - Song of the Volga Boatman ヴォルガの舟歌 (1936)》https://www.youtube.com/watch?v=2HR6n9R2d30
  (2022.4.11.)


★ ロシア軍のウクライナ侵攻に際して建築屋的感想
[1]https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/202204article_1.html
【1】ポーランド色が強いリヴィウ、カルパチア山脈よりハンガリー側に国境があるウクライナとハンガリーの国境
【2】ドイツ人建築家ブルーノ=タウトの生誕地のケーニヒスベルク(カリーニングラード)はロシア連邦領になっている。アール=ヌーボーの画家ミュシャはポーランド人で「スラブ人」の意識がある

[2]〔今回〕
【3】ロシア連邦から日本へ輸入される木材
【4】自然保護されるか
【5】ロシアの建築は魅力的だが行けなくなってしまった

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