箕面山瀧安寺と鳳凰閣【1/13】箕面駅前ロータリーと箕面駅から一の橋まで。「わしは親孝行やねんぞお」の像。「スパーガーデン」のエレベーター。

[第979回]
  大阪府箕面市の箕面山瀧安寺に参拝してきました。 箕面山瀧安寺は箕面川の右岸(西側)に観音堂・弁天堂などがあるのですが、瑞雲橋という赤い橋で箕面川を渡った左岸(東側)に武田五一設計による国登録有形文化財に指定されている鳳凰閣「客殿」があり、少し前までは庫裏があったのですが、2018年(平成30年)9月の台風21号の際に倒木による被害を受けて、鳳凰閣と「客殿」は補修工事がおこなわれて復活したが庫裏は解体されたようです。かつては、箕面川の右岸(西側)にある観音堂や弁天堂には行けても、鳳凰閣と客殿は西側からの外観を見ることができるだけで内部は非公開だったのですが、2022年(令和4年)11月、《 拝観料は台風被害の修繕費用に充てさせていただきます》ということでの「特別拝観」ができるということでしたので、これは見学させてもらわねばと思って訪問してきました。「特別拝観」という表現ですので今後も拝観できるのかどうかはわかりません。瀧安寺HP 「特別拝観」https://www.ryuanji.org/haikan には《拝観日時:​​令和4年度の特別拝観は終了しました。》と書かれており、「令和5年度」については書かれていませんが紅葉の季節とかで来場者が多い時期に拝観できるようになるのかもしれません。
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( ↑ 鳳凰閣と瑞雲橋)
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( ↑ 圓満殿。 右側が圓満殿の玄関。)
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( ↑ 箕面川の西岸から見た鳳凰閣と圓満殿。 左が鳳凰閣、右が圓満殿、下の橋が瑞雲橋。)
※ 箕面山 瀧安寺HP https://www.ryuanji.org/
 〃 客殿(圓満殿)・鳳凰閣・枯山水 特別拝観について https://www.ryuanji.org/haikan

  阪急 箕面線「箕面(みのお)」駅で降りると右手にロータリーがあり ↓、
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「千里中央」駅行きの阪急バスと、オレンジゆずるバスという箕面市内のバスとの乗場がある。1970年の大阪万博の時に北大阪急行電鉄「千里中央」駅ができて、その後、「千里中央」駅行きのバスが走るようになったが、それまで、箕面から豊中までのバスが走っていて、少し前には本数は少ないが箕面から豊中・十三経由で梅田まで行くバスがあって、どんなけかかるかわからんが、一度、体験として乗ってみたいなと思ったが、そのうちなくなった。今もここから豊中経由で三国のあたりまで行くバスの乗場があるが運休中のようだ。
  ↑  左の背の高い方のビルがサンプラザ1号館でこのビルができた時は地下に「エース」というスーパーがあったが、いつしかなくなって郷土資料館が入っている。右の駅に近い側の3階建てがサンプラザ2号館で、サンプラザ2号館の3階に「北野ゼミナール」という学習塾がけっこう長くあって看板が出ていたのだが、何年か前に看板が見えなくなった。
※ 箕面市HP 郷土資料館 https://www.city.minoh.lg.jp/kyoudo/home.html

  1960年代後半、私が子供の頃、この箕面駅の東側のロータリーには馬車が停まっていて、箕面大滝までの間を客を乗せて走っていた。そのうち、箕面駅から箕面大滝までの間は徒歩で散策するべき場所だからということで馬車は通行禁止になり、滝道の東側の「箕面ハイウェイ」と呼んでいた府道43号を通って馬車は箕面大滝の上の位置まで往復するようになった。府道43号はけっこう急な坂もあり、そこを馬車が通るのはお馬さんがかわいそうな気もしたし、かわいそうというよりも、急な坂の所を人をいっぱい乗せて登れるのだろうかと思ったがしばらくはその道を馬車が走っていたが、さらにそのうちその馬車もなくなった。たしかに、箕面駅から箕面大滝にかけては明治の森箕面国定公園に指定される地域であり、箕面大滝だけが観光名所ということではなく、そこに至る経路もまた自然の「公園」であるということを考えると、馬車が何台も通って、そのたびにひとがのかなければならないというのは不適切だったかとも思うが、他方で箕面駅から箕面大滝までは片道2㎞ほどで、中間より手前にある瀧安寺付近までなら気軽に往復できるのだけれども、片道2㎞の箕面大滝までとなると、それなりに決心してでないといけない。片方で馬車があれば、歩いてなら行く気になれない時でも馬車に乗ってなら行こうという気持になることもあるのだが、今はもう馬車はない。歩くのが嫌な人が箕面大滝まで行きたければタクシーに乗って箕面大滝の上まで行くという方法もあるが、馬車のような風情はない。

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( ↑ 箕面駅前。)
↑ 箕面市観光協会HPの「見どころ 箕面・滝道エリア」https://minohkankou.net/sights/area/minohtakimichi/ ではこれを「ガレリア」と言って《箕面駅前にある箕面の新しいシンボルスポット。 ガレリアと呼ばれる屋根の真下で声を出すと、びっくりするほど自分の声が反響します。…》と書いているのだが・・・。悪いとは言わんが、そこまでのもんか・・て気がせんでもない。「ガッレリーア」というと、ミラノの「ヴィットーリオ=エマニュエーレ2世のガッレリーア」とかナポリの「ウンベルト1世のガッレリーア」を思い浮かべるのだが、言われてみれば、頭の部分が似ていると言えないこともないが、悪いとは言わんが「ヴィットーリオ=エマニュエーレ2世のガッレリーア」とか「ウンベルト1世のガッレリーア」とはずいぶんと違う。
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  「ガレリア」はイタリア語のgalleria からだと思うが、イタリア語辞典をひいてみると、
galleria (女性名詞)広い廊下、回廊;ギャラリー;トンネル、坑道;高座敷;(屋根のある)商店街(ナポリ・ミラノのは有名)
 ( 下井英一・坂本鉄男編『大学書林 イタリア語小辞典』1962.2.1.大学書林)
と出ている。ミラノの「ヴィット―リオエマニュエーレ2世のガッレリーア」・ナポリの「ウンベルト1世のガッレリーア」のてっぺんの部分を見て「ガレリア」と名づけたのではないかと思うが、イタリア語の「ガッレリーア(galleria)」の意味からするとてっぺんの部分の意味ではなくて「広い廊下」「回廊」になった「(屋根のある)商店街」の方を言うようなので、これとは厳密に言うと「ちょっとちがう」かもしれない・・・が、まあ、いいか・・。
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( ↑ 箕面滝道。 左右に「もみじ天ぷら」などを売る土産物店があるが、最近、土産物店が減ってきたように思えたが、今回、2022年11月の訪問時は来場客が多く、「もみじの天ぷら」は売り切れと貼りだしていた店が何軒もあった。)
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↑ 左の背の高い建物は「スパーガーデン」へ行く際のエレベーター。 かつてはこの右よりにケーブルカーがあったが、生駒山のケーブルカーに比べるとずっと距離が短くて、あっという間についてしまったが、生駒山のケーブルカーや能勢の妙見山のケーブルカーは一般の鉄道なので料金を払って誰でも乗車できるが、ここにかつてあった「スパーガーデン」のケーブルカーは「スパーガーデン」に行く人のために「スパーガーデン」が設置したものだったので、地元の住人が乗ろうとすると怒られた・・が、そのうち、ケーブルカーがなくなってエレベーターが設置されて、エレベーターはスパーガーデンに行く人以外でも片道100円で乗せてもらえるようになった。その後、「スパーガーデン」の経営者が変わったとか聞いたが、エレベーターは片道100円で乗せてもらえるというのはそのままではないかな・・と思うが、「スパーガーデン」に行く以外の用途で使えるかというと、それほど使いではない。「スパーガーデン」から谷を隔てた西側へは箕面駅からオレンジゆずるバスに200円で乗れるが、これも昼間1時間に1本しかないし、最終は平日午後6時42分箕面駅発でおしまいなので必ずしも便利ではない。
  箕面駅の東のサンプラザ1号館の地下にある郷土資料館の展示によると、むかし昔は、このエレベーター乗場の向こうのあたりに動物園があったというのだが、その面影は今はない。
  
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( ↑ 「これよりかみ 名勝 箕面山」と彫られている。この後ろのあたりに取水場がある。)
  箕面山のあたりは「明治の森箕面国定公園」に指定されているとともに、「国指定名勝」にも指定されているようです。
※ ウィキペディアー明治の森箕面国定公園 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E3%81%AE%E6%A3%AE%E7%AE%95%E9%9D%A2%E5%9B%BD%E5%AE%9A%E5%85%AC%E5%9C%92
文化庁 文化遺産オンライン 箕面山 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/210660

  少し歩くと右手に ↓
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↑ 日本船舶振興会会長で元A級戦犯の笹川良一の「わしはこんなに親孝行やねんぞお。わしみたいに親孝行せえよお」の像。
毎度思うのですが、この像が立っている土地って誰の所有地なのだろう。公道にこのようなものを建てていいわけないはずですから、この像が建っている所は笹川良一氏の子孫の所有地なのでしょうか。境界杭なり鋲なり入っていないか見まわしましたが見つかりません。
この像を建てるためのカネはどこから出たのでしょう。競艇ですって首くくって母親を泣かせた男が払ったカネがこの像に化けたのでしょうか。
  このはた迷惑な像については、次回に、もう少し詳しく述べたいと思います。

  この少し北で聖天宮西江寺(しょうてんぐう さいこうじ)の前から来た道(↑の「わしは親孝行やねんぞお」の像の上の道)と合流します。

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↑ 「一の橋」付近。 右側の建物は、かつては「河鹿荘」という旅館で、一度、泊まってみたい~という感じのする建物と場所だったのですが、いつしか、旅館ではなくなった・・ように思ったが、今、インターネット上の地図を見ると、河鹿荘は今もあるようですが場所は一の橋の横ではなくて、一の橋の横にあるのは橋本亭だと書かれています。私の記憶が曖昧だったのでしょうか。箕面市HPの「景観重要建造物」https://www.city.minoh.lg.jp/machi/keikan/jyuuyoukennzoubutu.html には、河鹿荘が平成28年(2016年)4月28日、橋本亭が令和3年(2021年)8月31日に指定されたと記載されています。平成20年(2008年)7月28日に高橋家住宅が「景観重要建造物」に指定されたと書かれているのですが、高橋さんというと、娘が同じ小学校に行ってた人と違ったかな・・て気がするのですが。そういえばあったけれども、あそこの家、悪いとは言わんがそこまでものすごい家やったかいなあ・・て気もするのですが、指定されたそうです。
※ 箕面市観光協会 橋本亭 https://minohkankou.net/sights/area/hashimototei/
食べログ ミノオカジカソウ https://tabelog.com/osaka/A2706/A270603/27068815/
河鹿荘はカタカナ表記になってイタリア料理店になった?

  一の橋を渡ると、箕面川沿いの道と、少し山側に登る道と2つに道が分かれます。多くの人は川沿いの道を進むのですが、この山側に行く道の方が元々は瀧安寺の本来の参道だったそうです。

  次回 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498624594.html 、船舶振興会会長で元A級戦犯の笹川良一氏による「わしは親孝行やねんぞお」「わしみたいに親孝行せえよお」というあほくさい像について述べて、その後、一の橋から瀧安寺に向うことにします。

※ 大阪府HP 明治の森箕面国定公園 https://www.pref.osaka.lg.jp/midori/midori/g07-meiji.html
箕面市観光協会 明治の森箕面国定公園 https://minohkankou.net/sights/area/meizinomoriminohkokuteikouen/
ウィキペディアー明治の森箕面国定公園 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E3%81%AE%E6%A3%AE%E7%AE%95%E9%9D%A2%E5%9B%BD%E5%AE%9A%E5%85%AC%E5%9C%92
文化庁HP 名勝箕面山 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/210660

  (2023.3.17.)

☆ 箕面山 瀧安寺と鳳凰閣・圓満殿1~13
1.箕面駅ロータリーと箕面駅から一の橋まで。〔今回〕
2.箕面滝道、「わしは親孝行やねんぞお」「わしのように親孝行せえよお」という悪趣味な石像までつくった親不孝者の像について。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498624594.html
3.一の橋より梅屋敷。箕面川がカーブしている所(夫婦橋休憩所)まで https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498642163.html
4.「森秀次君之像」・野村泊月句碑・昆虫館・延命地蔵?より瀧安寺鳥居まで https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498667552.html
5.山門・手水舎・観音堂・法筺堂。山門の前から見える鳳凰閣・圓満殿 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498680952.html
6.大護摩道場・五所明神社 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498712914.html
7.弁天堂・大黒堂・行者堂・白龍大明神・箕面山神社・熊野三所権現・妙音天。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498747248.html
8.瑞雲橋を渡り、鳳凰閣・圓満殿(客殿)のエリアへ。圓満殿外観と「岩本坊跡」https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498792510.html
9.圓満殿(客殿)。松の間・鷲の間・貴人の間。畳敷の踏込式・「敷込袋」の床脇https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498821055.html
10.圓満殿。「玉座」のある間と床の間・床脇・付書院。龍虎の間。圓満殿から見た箕面川西岸地域。 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498915742.html
11.屋根上に鳳凰がいる鳳凰閣、2階のみ着色が周囲と調和。西・南・東より見て https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/498951322.html
12.東・南から見た鳳凰閣、鳳凰閣内部、三間続きの和室と格天井。北面全面の床の間。鳳凰閣和室から紅葉とともに見る箕面川西岸側はきれい。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/499187585.html
13.箕面川渓谷を表現した枯山水。箕面川と紅葉。浜口雄幸狙撃と安倍晋三銃撃は意味合いが違う。統一教会・倫理研究所などの迷惑な「宗教右翼」を何とかしてくれ。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/499217764.html

☆ 箕面山 聖天宮 西江寺1~4
1.箕面駅前、「日本最初大聖歓喜天出現霊場」碑から西江寺の西側の坂道まで。正反対の性質の心療内科と「精神科」を同時に掲げる「クリニック」の矛盾。ニーチェなどが学ぶべきだという心理学と小此木啓吾らのエセ心理学とは別物。》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/499514748.html
2.中ノ坂 を登り西江寺まで。箕面の山の地主神の白髪の翁・大聖歓喜天と役行者との出会い。 https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/499547852.html
3.石段を登り、右手に天満天神・吉野・吉竹・金毘羅の祠。登り切った正面に大黒堂。「摂津国神宮寺」が神仏分離で西江寺に名称変更。豊島郡片手村から箕面村へ。外界世俗から密教的世界への障害を守護する威力神として大聖歓喜天が祀られる。https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/499567214.html
4.大黒堂前から聖天堂。箕面山荘前への山道。弁財天堂。白龍歓喜天。中ノ坂からの眺望。強制労働の「患者」の労働を搾取して、他方で江崎グリコ(株)から内職代を取得する「医者」「病院」は「一粒で二度おいしい」、そんな「江崎グリコを守れ」と主張する者は正義なのか?https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/499590837.html

☆ 箕面山 瀧安寺と箕面大滝について、
⇒[哲建ルンバ]《瀧安寺と箕面大滝に行ってきました。~建築探訪・建築巡礼 第2回 〔引越掲載〕》https://philoarchi2212.seesaa.net/article/201101article_25.html 

☆ 聖天宮 西江寺については
⇒[第476回]《紅葉の箕面 西江寺(さいこうじ)(箕面聖天) と 摂社 天満大自在天神(大阪府箕面市)参拝》https://sinharagutoku2212.seesaa.net/article/201611article_5.html
「哲建ルンバ」《箕面山聖天宮西江寺へ行ってきました。~建築探訪・建築巡礼第4回〔引越掲載〕》https://philoarchi2212.seesaa.net/article/201101article_29.html 

大阪府の歴史散歩 上 大阪市・豊能・三島 (歴史散歩 27) - 大阪府の歴史散歩編集委員会
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都市地図 大阪府 箕面市 (都市地図 大阪府 21) - 昭文社 地図 編集部
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